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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
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ラーニングピラミッドの根拠は、探しても見つかりませんでした

英語教育ニュースレター Vol.30

研修で配られるあの三角形。講義5%、読書10%、他人に教える90%。この数字のもとになった調査は、誰も示せません。作ったとされる団体の内部資料は失われたとされ、元になったエドガー・デールの図には、そもそもパーセントが1つも書かれていませんでした。ただし「実際に説明させる」ことには、別の研究があります。帯活動2本、そのまま使える教室英語5本、生徒に英語で説明させる授業を回す無料の道具4選つきの第30号です。中学校英語の結果がIRTスコアとバンドで返ってくる件と、次期学習指導要領の審議まとめも取り上げます。

監修:原田高志(原田英語.com)

「他人に教えると90%残る」。この数字を根拠にペアワークを入れてきた先生へ。数字のほうは崩れますが、活動のほうは残ります。第30号です。

09.08.2026 Vol.30

おはようございます。

校内研修で、あの三角形を見たことがあると思います。講義は5%しか残らない、他人に教えると90%残る、という図です。

最後の「常識がひっくり返る話」で、この数字の出どころを調べました。もとになった調査が、どこにもありません。

ただし、ここで終わりにはしません。数字の根拠は無くても、生徒に実際に説明させることには、別の研究があります。帯活動2本と教室英語5本は、その研究が言っている形にそろえました。

無料の道具は、生徒に英語で説明させる授業を回すためのものを4つ集めています。

TODAY'S PICK

中学校英語の結果が、正答数ではなくIRTスコアとバンドで返ってきます

国立教育政策研究所「『中学校英語』IRTを用いた結果返却に関する動画・リーフレット」(2026年9月1日公開)

国立教育政策研究所が2026年9月1日、全国学力・学習状況調査の「中学校英語」について、結果の返し方を説明する動画とリーフレットを公開しました。

中身は、リーフレットが2種類(個人票の見方と、IRTを用いた結果返却の説明)、動画が1本です。動画は3つの章に分かれています。学校・教育委員会に提供されるデータ、提供されたデータの見方、英語の結果を指導に生かす、の3つです。動画で使ったスライドもPDFで公開されています。

この調査で、中学校英語は「話すこと・聞くこと・読むこと・書くこと」の4技能すべてがCBTで初めて実施されました。結果は正答数ではなく、IRTスコアとバンドで表示・返却されます

2026年7月16日に公表された全国の結果では、4技能の平均IRTスコアは499でした。バンドの分布はバンド1が6.4%、バンド2が27.1%、バンド3が36.2%、バンド4が24.7%、バンド5が5.7%です。

平均正答率で話す習慣が、そのままでは使えなくなります。職員室で共有するのは、まずこれです。

いままでは「うちの学校は何%」と言えました。スコアとバンドは、その言い方に乗りません。バンドは幅なので、1点の上下で動く話ではありません。バンド3の中にいる生徒とバンド4の下のほうにいる生徒を、同じ物差しで比べる話でもありません。

そして、ここがいちばん困るところです。バンドが1つ動いたことを、保護者や生徒にどう説明するか。公開された動画の3章目が「英語の結果を指導に生かす」なので、まずそこを見てください。

数字の意味を、先生自身が自分の言葉で説明できないと、生徒には渡せません。今日の号の全体が、その「説明する」という作業の話です。

WARM-UPS

今日の帯活動(5分でできる)

今日の研究をそのまま形にした2本です。どちらも5分で、黒板だけで回ります。

読む前に説明する相手を決めて、読んだあと必ず説明させる

対象 中1〜高3 時間 5分 準備 教科書のみ

  1. 読ませる前に「3分後、隣の人に日本語で説明してもらいます」と言う。相手の名前まで決めさせる
  2. 3分間、黙って読ませる。この間、先生は何も言わない
  3. タイマーを止めて、必ず30秒、声に出して説明させる。教科書は閉じさせる
  4. 説明を聞いた側が、質問を1つだけする。答えられなかったところを、二人で本文から探す
  • 💡 削ってはいけないのは3つ目です。時間が押すと、教室ではここが真っ先に消えます。「あとで説明してもらいます」と言うだけで実際には説明させなかった組は、日をおいたテストで成績が上がりませんでした(Fiorella & Mayer、2013年)。準備は準備であって、説明ではありません。

説明が止まった場所に印をつけて、そこだけ読み直す

対象 中2〜高3 時間 5分 準備 教科書と鉛筆

  1. ペアを組ませ、片方が今日の英文の内容を日本語で説明する
  2. 説明が10秒以上止まったら、聞き役が「ストップ」と言う。話し手は、いま説明していた行に鉛筆で印をつける
  3. 30秒で役を交代する。同じ手順でもう一度やる
  4. 印がついた行だけを、二人で声に出して読み直す
  • 💡 説明が止まる場所が、読めていない場所です。読み直す範囲が、全文から3行4行に減ります。「もう一度読んでおいで」と言うより、どこを読むかが決まっているぶんだけ速く終わります。

CLASSROOM ENGLISH

そのまま使える教室英語

今日は、生徒に説明させる場面で使う5本です。

読ませる前に、説明する相手を決めるとき

In a minute you'll explain this to your partner, not to me.

1分後、これを隣の人に説明してもらいます。私にではありません。

not to me が効きます。先生に向かって話すと、生徒は「合っているか」だけを気にします。相手を生徒にすると、伝わるかどうかを気にし始めます。

「分かりました」と言われたとき

Then explain it to someone who wasn't listening.

では、聞いていなかった人に説明してみてください。

分かったかどうかを口で確かめるのをやめて、説明させて確かめます。wasn't listening と条件を付けると、省略せずに話さなければならなくなります。

説明が途中で止まったとき

That pause is the part we need to work on.

いま止まったところが、これから直すところです。

止まったことを失敗にしません。印をつける場所が見つかった、という言い方に変えます。pause は「間が空いたこと」で、責める言葉ではありません。

説明し終えた生徒に

Which part was hard to say out loud?

どこが、声に出して言いにくかったですか。

hard to say out loud と聞くと、生徒は場所を答えられます。「どこが分からなかった」と聞くと、多くの生徒は「全部」と答えます。

説明を聞く側に、役割を渡すとき

Your job is to ask one question when your partner finishes.

あなたの仕事は、相手が話し終わったら質問を1つすることです。

one と数を決めます。聞き役に仕事が無いと、その30秒は聞き役にとって空き時間になります。質問が1つ要ると分かっていれば、最後まで聞きます。

AI TOOLKIT

AI × 英語指導

教師向け1つ、生徒向け1つ

教師向けClassPoint

PowerPointの中に、そのままクイズを差し込める道具です。作っているのはInknoeです。AIがスライドを読んで設問を作る機能があり、ブルームの分類のどの段階で聞くかを選べます。無料のBasicプランは、1回の授業に参加できるのは25人まで1つのプレゼンに設問は5問までAIによる設問作成は20クレジット保存できるクラスは3つまでです。設問の種類は5つ、タイマーや名前をランダムに選ぶ機能も無料の側に入っています。

使いどころ:🎓 使いどころは、生徒が説明し終えた直後です。説明させた内容を1問だけその場で出して、全員に答えさせる。AIに作らせるときは、段階まで指定してください。「このスライドの内容について、『理解』の段階の4択問題を1問だけ作ってください。選択肢には、生徒が実際に間違えそうな読み方を混ぜてください。返ってきた選択肢は、必ず自分で読み直してください。AIが作る誤答は、それらしいだけで生徒が実際に選ばないものが混ざります。

生徒向けgoblin.tools

小さな道具を1つずつ並べたサイトです。作ったのはBram De Buyser氏で、もともとは、作業が大きすぎて手がつかない人のために作られました。中には Formalizer(文の調子を変える)、Professor(ものごとを説明する)、Magic ToDo(作業を細かく割る)などがあります。広告も課金の壁もなく、いまある機能は今後も無料のままだと書かれています。一部の機能だけ、低価格のGoblin Tools Proがあります。

使いどころ:🎓 生徒に渡すときは、順番を先に決めてください。先に自分の言葉で説明を書く。書き終わってから Professor に同じことを打ち込んで、自分の説明に足りなかったものを1つだけ書き足す。先にAIに聞くと、説明を作る作業そのものが消えます。

もう1つ、生徒に必ず伝えることがあります。運営者自身が「どの道具が返してくるものも、事実として受け取らないでください。あくまで推測です」と書いています。汎用のAIモデルを使っているので、出てくる説明の正しさは揺れます

NEWS FLASH

今日のニュース

教室に持ち込める3本です。

JAPAN · 08.31

次期学習指導要領の審議まとめ(素案)が出ました。授業時数を減らせる仕組みが入ります

文部科学省が2026年8月31日、次期学習指導要領に向けた審議まとめの素案を公表しました。

柱の1つが「調整授業時数制度」です。指定した教科の時数を一定の範囲で減らせる仕組みで、小学校で年間138コマ、中学校で128コマ程度を、個別の支援や探究の時間に回せるようになります。

もう1つが情報活用能力で、すべての教科の「学びの基盤」と位置づけられました。小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域」が置かれ、中学校には「情報・技術科」が新設されます。評価では、日々の指導に使う形成的評価を重くし、総括的評価を減らす方向が示されました。

実施は2028年度に一部先行2030年度以降に小・中・高で順次全面実施です。英語の時数が減るとは書かれていませんが、減らせる仕組みができた以上、何を残すかは各校で決める話になります。

JAPAN · 09.04

学校ICTの実態調査。教員の活用指導力は4区分とも上がり、1位は愛媛県でした

文部科学省が「令和7年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査」の速報値を2026年8月に公表しました。

教員のICT活用指導力は、4つの区分すべてで上がっています。「教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力」は平均91.1%でした。設備の側は、大型提示装置の整備率が92.6%(1.6ポイント増)、統合型校務支援システムが97.2%(2.4ポイント増)、普通教室のインターネット接続が99.4%、無線LANが97.5%です。研修を受けた教員は平均71.0%でした。

都道府県別では、教員のICT活用指導力の4区分すべてで愛媛県が1位、茨城県が2位です。

端末と回線は、ほぼ行き渡りました。次に決めるのは、生徒が英語で説明したものを、どこに残すかです。今日の無料ツールの3本目と4本目が、その置き場所です。

JAPAN · 09.07

数学の定期テストで電卓やアプリを使えるように、と日本学術会議が提言しました

日本学術会議が2026年9月4日、「初等中等教育における算数・数学教育の改善」と題した提言を公表しました。

目を引くのは、定期テストや全国調査で、電卓・表計算ソフト・数学アプリを使えるようにするという提案です。計算を代わりにやらせる道具ではなく、「考えるための道具」として位置づける、としています。高校の教育課程についても、「数学Ⅰ」を標準3単位から4単位へ増やすことなどが挙げられています。

英語科の話ではありません。それでも、同じ問いはこちらにも来ます。辞書や翻訳ソフトを持ち込ませたとき、そのテストは何を測っているのか。道具を許すかどうかより先に、測るものを決めておいてください。

FREE TOOLS

無料の学習ツール4選

今号のテーマは「生徒に英語で説明させる授業を、道具でささえる」。説明の手本、説明のお題、全員の説明を一度に見る場所、説明を音で残す場所を1つずつ集めました。4つとも無料で使えます。

Explain that Stuff!

ものの仕組みを、やさしい英語で説明した記事を集めたサイトです。書いているのは科学ライターのChris Woodford氏で、2006年から続いています。記事は400本以上、写真・図・アニメーションは4,000点以上あります。無料で、「100%人間が書いています」と本人が明記しています。説明の手本として読ませるのに向いています。生徒が英語で説明するとき、この文体をまねさせてください。

ESL Discussions

英語の話し合い用の質問を集めたサイトです。作っているのはSean Banville氏で、14,180問約709のテーマに分かれて並んでいます。印刷してそのまま配れる形になっているので、準備は印刷だけです。文法の話題、イディオムの話題ごとの質問もあります。「今日は何について説明させるか」を毎日考えるのが、この活動でいちばん続かないところです。そこを丸ごと引き受けてくれます。

Whiteboard.fi

生徒1人に1枚のホワイトボードを配り、先生の画面に全員のボードが並ぶ道具です。作ったのはフィンランドのDigital Teaching Tools Finland Ltdで、いまはKahoot!の傘下にあります。無料で使え、FERPA・COPPA・California Student Privacyの認証を受けています。説明が止まった生徒を、手を挙げさせずに見つけられます。誰が書けていないかが、一目で分かります。

Vocaroo

アカウントを作らずに録音できて、リンクやQRコードで渡せるサイトです。無料で、録音の長さに制限は無いとされています。mp3やwavでダウンロードもできます。生徒に英語で説明させたものを、そのまま録って提出させるのに向いています。⚠ サーバーに置いたままにしないでください。数か月より長く残したいものは、必ずダウンロードして手元に置くよう案内されています。

STORY BREAK

生徒に話したくなる小ネタ

余った3分で話せる2本です。どちらも「説明する」という語そのものの話です。

explain は、もともと「平らにならす」でした

explain が英語に現れたのは15世紀の初めで、当時のつづりは explanen でした。もとはラテン語の explanare。辞書には「説明する、はっきりさせる」と載っていますが、語のつくりをそのまま読むと「平らにする、ならす」ですex「外へ」に planus「平らな」が付いた形です。いまのつづりが explain なのは、英語の plain に引っぱられたからです。

昔は、文字どおりの意味でも使われました。1664年、ジョン・イーヴリンは樹木についての本で、芽が explain into leaves(開いて葉になる)と書いています。折りたたまれていたものが、平らに開く。それが元の絵です。

生徒には、そこから planus の仲間に広げてください。plain(平らな、飾りのない)、plane(平面)、plan(平面図から来た「計画」)。同じ「平ら」が、4つの語に入っています。そして、今日みんながやったこともこれです。折りたたまれた英文を、平らに開いて隣の人に見せる。それが explain です。

teach は、もともと「指し示す」でした。token と同じ根です

teach は古英語の tæcan から来ています(過去形は tæhte)。意味は「示す、指し示す、はっきり言う、やってみせる」でした。「知識を頭に入れる」ではなく、「指さす」ほうが先です。さかのぼるとゲルマン祖語の taikijan「示す」、さらに印欧祖語の deik-「示す、指し示す」に行き着きます。

同じ根から出ている英語が token(しるし)です。古英語の tacen「しるし、印」がそれにあたります。ドイツ語の zeihen(責める)、ゴート語の ga-teihan(知らせる)も親戚です。

おもしろいのは、古英語で「教える」により多く使われていたのは læran のほうだったことです。この語が、いまの learn(学ぶ)と lore(言い伝え)になりました。教える側の語と学ぶ側の語が、途中で入れ替わっています。

生徒には、ここを授業の形につなげてください。teach のもとの意味は「指さす」です。説明が止まったら、まず教科書のどこを見るかを指させる。指させれば、そこから先は自分の言葉が出てきます。

QUOTE

今日の名言

「教えると学べる」の、いちばん古い出どころ

“The process is mutual; for men learn while they teach.”

それは与え合いだ。人は、教えているあいだに学ぶのだから。

セネカ(古代ローマの哲学者、紀元前4年ごろ-紀元65年)『ルキリウスへの手紙』第7書簡8節。英訳はリチャード・M・ガマー

ラテン語の原文は homines dum docent discunt です。約2000年前の一文で、パーセントは1つも書かれていません

今日の最後の節は、この一文が間違いだという話ではありません。あとから貼りつけられた「90%」という数字のほうに、根拠が無いという話です。セネカが言っているのは、教える側も学ぶ、という向きだけです。

THE FLIP

常識がひっくり返る話

「他人に教えると90%残る」の90%は、誰も出どころを言えません

校内研修で、三角形の図を見たことがあると思います。上から順に、講義を聞く5%、読む10%、視聴覚教材を見る20%、実演を見る30%、話し合う50%、自分でやってみる75%、そして他人に教える90%。ラーニングピラミッドです。

この図があるおかげで、話しやすくなりました。講義ばかりではだめだと言うときの根拠になりますし、ペアワークを入れる理由にもなります。「教えると90%残るそうです」と言えば、たいていその場は通ります。

私も長いこと、そう言ってきました。数字が7段きれいに並んでいるので、どこかに元の調査があるのだろうと思っていたのです。

ところが

元の調査は、誰も示せません。

この図は、アメリカ・メイン州ベセルの National Training Laboratories が1960年代の初めに作ったとされています。ところが、もとになった内部調査は失われた、とされています。数字を確かめられる形で示した文献が、いまのところ1つもありません。

そもそも下敷きにされているエドガー・デールの Cone of Experience(経験の円錐)は、記憶にどれだけ残るかの図ではありません。言葉をいちばん上に、実際の体験をいちばん下に置いた「抽象度」の図で、パーセントは1つも書かれていません。

批判は繰り返し出ています。ケーレ・レトルドが2012年Education 誌で反証を書き、ケン・マスターズが2020年Medical Education 誌で同じ指摘をしました。レトルドとシグビョルン・ヘルネスは2018年Cogent Education 誌の論文で、この種の図が160年以上前から教育の議論に現れており、実証研究から生まれたものではないと報告しています。

ウィル・タールハイマーらの調査では、同じ形の数字が1914年1922年の文献に、すでに「以前から知られていること」として出てきます。デールの円錐にパーセントを貼りつけた形が現れたのは1970年ごろでした。デール本人、Wiman & Meierhenry、ウィリアム・グラッサー、イギリスの視聴覚教育の団体。出どころとして名前を挙げられてきた先は、どれも本物ではありませんでした。

では、ペアで説明させる活動をやめるのか。逆です。

数字の根拠は無くても、「実際に説明させる」ことには別の研究があります。Fiorella & Mayer(2013年Contemporary Educational Psychology 38巻4号 281-288ページ)は、大学生を対象にこう比べました。「このあと教えてもらいます」と言われて準備しただけの学生と、実際にビデオに向かって説明した学生です。

日をおいて理解テストをすると、成績が高かったのは、実際に説明した学生のほうでした。準備しただけの学生には、その差が出ませんでした。

⚠ 注意が1つあります。これは大学生を対象にした実験です。日本の中学・高校の教室で同じ数字が出るとは限りません。それでも、準備と実演のどちらが効いたかという向きは、明日の授業の削りどころを決めるのに使えます。

教室で真っ先に消えるのは、いつも最後の30秒です。時間が押すと「じゃあ説明は各自で」で終わります。その30秒が、効いていたほうです。

動画で見る

自分の言葉で説明を足していく学び方(elaboration)を、生徒向けに紹介した動画(英語) (The Learning Scientists) 認知心理学の研究者4人が運営しているチャンネルの、学習方法シリーズの1本です。扱っているのは elaboration で、「なぜ」「どうやって」を自分に問いかけながら説明を足していく学び方です。今日の帯活動2本と同じ方向の話なので、生徒に見せる前に先生が一度見てください。

明日の授業でやること|明日から、説明を準備で終わらせない

  1. 読ませる前に「3分後に隣の人へ説明してもらいます」と言う。ここまでは準備で、これだけでは成績に出ません
  2. 時間が押していても、30秒の説明だけは必ずやらせる。他のどこかを削って、ここを残す
  3. 説明が止まった行に印をつけさせ、その行だけを読み直させる。全文を読み直させない
  4. パーセントの図を配らない。研修で配られたら「この数字には元の調査がありません」と一言だけ添える

この号で触れたリンク

あの三角形は、たぶんこれからも研修で配られます。数字がきれいに並んでいるので、覚えやすいからです。

明日やることは1つです。生徒に説明させる30秒を、時間が押しても削らない。数字は消えますが、この30秒は残ります。

またあした。

Vol.30 09.08.2026

よくある質問

ラーニングピラミッドを授業で使ってはいけないのですか。

パーセントの数字を根拠として示すのは、やめてください。元になった調査が示せないからです。ただし、図が並べている活動の順番まで否定されたわけではありません。「聞くだけより、自分で説明したほうが残る」という向き自体には、別の研究があります。今日の最後の節で紹介するFiorella & Mayer(2013年)がその1本です。数字と活動を、分けて考えてください。

生徒に説明させる時間が、授業に取れません。

30秒で足ります。今日の研究で差が出たのは、準備した組ではなく、実際に声に出した組でした。「あとで説明してもらいます」と言うところまでは準備で、そこで終わると成績には出ませんでした。削るなら準備のほうで、残すのは30秒の説明のほうです。