自信のある間違いほど直る|hypercorrection effect の研究
ニュースレター|Vol.47
自信満々の間違いは、頭に深く残っていて直しにくい。そう考えるのが自然です。ところが実験では逆でした。自信を持って間違えた問題ほど、正解を見せたあとによく直っていました。研究者はこれを hypercorrection effect と呼びます。ただし1週間たつと、同じ間違いが戻ってくることもあります。帯活動2本、教室英語4本、英語の思い込みを確かめる4つのサイトつき。
監修:原田高志(原田英語.com)
おはようございます。今日は、生徒の自信満々の間違いの話です。いちばん直しにくそうな間違いが、実はいちばん直りやすかった。そんな実験があります。
09.25.2026 Vol.47
おはようございます。
今日の最後の節は、自信のある間違いの話です。生徒が「絶対これです」と言って外した答え。直すのに苦労しそうに見えます。ところが実験では、自信のある間違いほど、正解を見せたあとによく直りました。
注目記事は、英語を「話せる」と自信を持って言える人の割合です。今日の無料ツールは、英語の思い込みを授業の前に確かめるための4つです。
TODAY'S PICK
英語を「話せる」と自信を持って言える人は、19.7%でした
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の調査。2026年9月15日発表、ICT教育ニュースが9月24日に掲載
TOEIC Program を運営する IIBC の調査です。いま英語を学んでいる10代から60代の1,024人に聞きました。期間は2026年8月4日と5日、インターネットでの調査でした。
「簡単な日常会話」以上のことが英語でできる、と答えた人は93.7%いました。ところが、人に「話せる」と自信を持って言えると答えた人は、全体で19.7%でした。
自分の力を高く見ている人でも、この割合は6割に届きません。
- ・「複雑なトピックについて会話できる」と答えた296人のうち、自信を持って「話せる」と言える人は27.4%
- ・「ネイティブレベルで流暢に」と答えた148人でも、58.1%
言えない理由の1位は「自分より英語が話せる人が多いと感じるから」で50.8%。2位が「間違えることが不安で話すことに抵抗があるから」で34.5%でした。
3人に1人が、間違えるのが不安だから「話せる」と言えずにいます。
今日の最後の節の研究は、この不安とは逆の方向を見ています。間違えたあと、すぐに正しい形を見せる。そうすると、間違いはよく直ります。自信を持って間違えたときほど、よく直ります。
明日やることは1つです。間違えた生徒の答えを、すぐに正しい形で言い直して見せてください。すぐに正しい形を見せれば、間違いは「恥」ではなく「材料」になります。
ICT教育ニュース|英語学習者で自信を持って“英語を話せる”と言える人はわずか2割=IIBC調べ=
WARM-UPS
今日の帯活動(5分でできる)
どちらも黒板だけでできます。1本目は答えの横に自信を書かせる5分、2本目は1週間後にもう一度解く3分です。
答えの横に、自信を1から3で書かせる
- 語法や前置詞の問いを5問、英語で読み上げるか黒板に書きます。例は in / on / at を選ぶ問いです
- 生徒はノートに答えを書き、その横に自信を数字で書きます。3が「絶対」、2が「たぶん」、1が「勘」です
- 1問ずつ正解を言う前に、「3を書いた人」に手を挙げさせます。そのあとで正解を言います
- 3を書いて間違えた問題だけ、正しい形を赤で書き、声に出して1回読ませます
- 💡 自信の数字を書かせるのは、正解を見た瞬間に「えっ」と思わせるためです。今日の最後の節の研究では、自信のある間違いほど、正解を見せたあとによく直っていました。驚いた問題ほど、正解が残りやすいと考えられています。
1週間後に、同じ5問をもう一度解かせる
- 先週の帯活動で出した5問を、そのまま黒板に書きます
- 答えだけをノートに書かせます。今回は自信の数字は書きません
- 正解を言い、先週「3を書いて間違えた問題」を、今回は正しく書けたかを自分で確かめさせます
- 先週と同じ間違いをした人に手を挙げさせ、その問題だけもう一度赤で書き直させます
- 💡 2011年の実験では、1週間後に、自信のあった間違いが同じ形で戻ることがありました。正解を忘れると、もとの思い込みが出てきます。1回直して終わりにせず、1週間後にもう一度出してください。
CLASSROOM ENGLISH
そのまま使える教室英語
今日の4本は、答えの前に自信を聞くとき、間違いを直すとき、1週間後に戻るときの言い方です。
正解を言う前に、自信を聞くとき
Before I tell you the answer, how sure are you: one, two, or three?
答えを言う前に聞きます。どのくらい自信がありますか。1、2、3のどれですか。
how sure are you で「どのくらい確かですか」。数字で答えさせると、英語が苦手な生徒も手を挙げるだけで参加できます。
自信を持って間違えた生徒に
You were really sure, so let's look closely at why this one is different.
すごく自信があったんだね。だから、どうしてこれが違うのか、よく見てみよう。
間違いを責めずに、正解のほうへ目を向けさせる一言です。let's look closely at で「よく見てみよう」。
間違えてもいいと伝えるとき
Mistakes are welcome here, as long as we fix them together.
この教室では間違えて大丈夫です。一緒に直せばいいんです。
as long as で「〜しさえすれば」。間違いを許すだけでなく、直すところまでがセットだと伝えます。注目記事の「間違えることが不安」な3人に1人に向けた一言です。
1週間後に同じ問いを出すとき
Let's try last week's questions again and see what stayed.
先週の問題をもう一度やって、何が残っているか見てみましょう。
see what stayed で「何が残ったか確かめる」。テストではなく確認だと伝わるので、点数を気にする生徒も構えずに解けます。
AI TOOLKIT
AI × 英語指導
教師向け1つ、生徒向け1つ
教師向けKahoot! の AI 生成機能
クイズ作りの Kahoot! には、AIで問題を作る機能があります。サイトの説明では、PDFか話題から kahoot(クイズ)を作れます。話題は、打ち込むか、ウェブサイトのURLかWikipediaの記事を選んで決めます。手書きのノートを読み取って問題にする機能もあります。⚠ 先生向けに使えるのは Kahoot!+ Gold という有料のプランです。サイトには、利用者のデータをAIの学習には使わない、とも書かれています。
使いどころ:🎓 自分で作った単元のまとめのPDFを読み込ませ、問いを作らせます。できた問いは全部読んで、直してから使ってください。授業では、各問いの前に生徒に自信を1から3でノートに書かせてください。今日の帯活動と同じ形になります。⚠ 教科書のPDFを読み込ませる前に、著作権と学校の規定を確かめてください。
生徒向けQuillBot の Grammar Checker
自分で書いた英文の文法を確かめる道具です。ページの題は「Free AI Grammar Checker (no sign-up required)」(無料のAI文法チェッカー、登録不要)。文法・スペル・句読点などを確かめ、「Run unlimited grammar checks at no cost」(無料で何度でも確かめられる)と書かれています。⚠ 生徒に使わせる前に、学校の規定を確かめてください。
使いどころ:🎓 貼る前に、自分の英文のうち「これは絶対に合っている」と思う文に印をつけさせてください。そのあとで貼ります。印をつけた文が直されていたら、正しい形をノートに書き写させます。自信のあった文ほど、直された形がよく残ります。⚠ 直された形をそのまま全部受け入れさせないこと。なぜ直されたのかを1行書かせてください。
NEWS FLASH
今日のニュース
今週出た3本です。英検の書き直し、南極から授業をする先生、ロイロノートのAIです。
JAPAN · 09.18
英検のライティングは、同じ問題を3回書き直すと16点満点で1.55〜2.34点上がりました
旺文社が、英検向けの「ライティングAI採点」を使った人のデータを分析しました。対象は準1級と2級のライティング問題です。
初めの時点で合格水準に届いていなかった人が、同じ課題を書き直しました。合格水準は、旺文社が決めた16点満点中12点です。3回目の採点では、1回目より平均1.55〜2.34点上がりました。合格水準と同じくらいの点に届く傾向も見られたそうです。とくに英文要約の内容に改善が見られた、としています。
直されたあとに、同じ問題をもう一度書く。今日の最後の節と同じ形です。⚠ 旺文社が自社の利用者のデータを分析したもので、比べる組を置いた実験ではありません。
JAPAN · 11.26締切
南極から授業をする先生を2人募集。教科は問いません
国立極地研究所が、南極へ同行する教員2人を募集しています。2027年11月に出発予定の、第69次南極地域観測隊です。締切は11月26日の17時(必着)です。
派遣は2027年11月下旬から2028年3月下旬の予定です。昭和基地と学校を衛星回線で結ぶ「南極授業」も行います。南極の自然や観測隊を題材にした授業なら、教科は問いません。英語の先生も応募できます。
応募には、所属校や教育委員会の推薦が必要です。南極授業の計画案(45分授業2コマ分、A4で4ページ以内)も出します。これまでの応募者は第51次から第68次で397人、そのうち高校の先生が124人でした。
JAPAN · 09.18
ロイロノートがAI機能の開発方針を出しました。追加料金はなしの予定です
LoiLo が、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」のAI機能の開発方針を発表しました。柱は4つです。
- ・AIを意識せずに使える機能(提出物をAIが読み取り、クラス全体の考えや一人一人の理解度を把握しやすくする、など)
- ・Gemini、Copilot、ChatGPT など他社のAIとの連携
- ・対話型AIチャットの内蔵
- ・先生によるAIロック機能
これらは基本機能として、追加料金なしで提供される予定です。あわせて、開発中の機能を授業で試す「生成AI実証校」も募集しています。ロイロノートを使っていない学校も申し込めます。⚠ 2026年9月時点の方針で、機能や時期は変わることがある、とされています。
FREE TOOLS
無料の学習ツール4選
今号のテーマは「英語の思い込みを、授業の前に確かめる」。先生の自信のある間違いも、生徒の前に出る前に直せます。
Wikipedia|Common English usage misconceptions
英語の使い方について、広く信じられているけれど根拠の弱い「決まり」を集めた英語版の記事です。最初の項目は「文を前置詞で終えてはいけない」。冒頭には、1964年のレジナルド・クローズの言葉が引かれています。「Teachers and textbook writers often invent rules」(教師や教科書の書き手は、よく決まりを作り出してしまう)。授業で「絶対」と言う前に、一度開いてください。
Wikipedia|List of common misconceptions about language learning
言語の学び方についての思い込みを集めた英語版の記事です。各項目は、まちがいを直した形で書かれています。たとえば見出しの1つは「Younger learners do not learn languages more easily than older learners」(年少の学習者のほうが言語を楽に学ぶわけではない)。項目ごとに出典が付いているので、元の研究まで自分でたどれます。
Quote Investigator
名言が本当は誰の言葉なのかを、古い本や新聞までさかのぼって調べるサイトです。今日の名言も、このサイトの調べをもとにしています。有名人の名前が付いた英語の名言を授業で使う前に、ここで検索してください。出典が確かめられない名言は、「〜の言葉とされる」と言い添えるだけで、生徒に正しく渡せます。
ICNALE
アジアの英語学習者が書いたエッセイと話した英語を集めたデータです。神戸大学の石川慎一郎先生が開発しました。サイトの説明では、10か国・地域の大学生など5,800人以上による、15,000件以上のスピーチとエッセイが入っています。Edited Essays には、学習者のエッセイを全面的に直した版が入っています。直す前と後を並べれば、日本の学習者がよくする間違いを先に知っておけます。オンライン版とダウンロード版があります。⚠ 使う前に、サイトの Terms of Use を読んでください。
STORY BREAK
生徒に話したくなる小ネタ
どちらも「自信」の英語です。今日の話にそのまま続きます。
sure と secure は、もとは同じ語でした
Etymonline によれば、sure は古いフランス語の seur から来ています。そのもとはラテン語の securus。secure と同じ語です。
securus は se(〜がない)と cura(心配、気づかい)でできています。つまり「心配がない」という意味でした。cura は cure(治す)のもとでもあります。
Etymonline によれば、英語の secure は早い時期には「自信を持ちすぎた」という響きをよく含んでいました。心配がないのは、安心とも、油断とも読めます。
明日の授業で「How sure are you?」と聞いたら、黒板に se(ない)+ cura(心配)と書いてみてください。sure は「心配していない」状態です。
confident と hi-fi は、同じ「信じる」から出ています
Etymonline によれば、confident はラテン語の confidere から来ています。com-(ここでは意味を強める働きとされます)と、fidere(信じる、頼る)でできた語です。
fidere のもとの根は「信じる、頼る」を表します。同じ根からは faith(信仰)・fidelity(忠実さ)・confide(打ち明ける)・diffident(自信のない) も出ています。diffident は dis-(離れて)が付いた、confident の反対の語です。
fidelity には、1878年から「音を忠実に再現すること」という意味もあります。1934年の high-fidelity を1947年に縮めたのが hi-fi です。
明日は「confident の fid は faith(信じる)の仲間」と黒板に書いてください。自信とは、自分を信じることです。
QUOTE
今日の名言
今日の一行
“I honestly believe it is better to know nothing than to know what ain't so.”
正直に言って、何も知らないほうが、まちがったことを知っているよりましだと思う。
ジョシュ・ビリングズ(本名ヘンリー・ウィーラー・ショー、ユーモア作家)。1874年の『Everybody's Friend』286ページ。原文は「I honestly beleave it iz better tew know nothing than two know what ain't so」と、わざと崩した綴りで書かれています。英文は Quote Investigator が標準の綴りに直したもの
この言葉には、よく知られた言い換えがあります。「It ain't what you don't know that gets you into trouble. It's what you know for sure that just ain't so.」(困ったことになるのは、知らないことのせいではない。まちがったことを確かだと思い込んでいるせいだ)。
2015年の映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は、これをマーク・トウェインの言葉として冒頭に出しています。ところが Quote Investigator によれば、トウェインの言葉だという確かな証拠は見つかっていません。調べたのは、エルマイラ大学のマーク・トウェイン研究センターの研究者たちです。
「確かだと思い込んでいること」についての名言が、確かだと思い込まれて広まっていたわけです。
明日やることは1つです。授業で使う名言を1つ選び、Quote Investigator で本当の出どころを調べてください。
THE FLIP
常識がひっくり返る話
自信満々で間違えた問題のほうが、よく直っていました
生徒が「絶対これです」と答えて、外す。先生なら何度も見てきた場面です。
自信のある間違いは、手ごわく見えます。何度も使ってきたから、頭にしっかり残っている。だから直すのに時間がかかる。そう考えるのが自然です。
記憶の研究でも、多くの理論は同じ予想をしていました。強く信じている答えほど、記憶の中で強い。だから、自信を持って覚えた間違いほど直しにくいはずだ、という予想です。
では、実験でもそうなったのでしょうか。
ところが
2001年、バターフィールドとメトカーフの実験です。Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 誌(第27巻6号、1491〜1494ページ)に載りました。
参加者は、「ソクラテスが処刑のときに飲んだ毒は何か」のような一般知識の問いに答えました。答えるたびに自信を点数で書き、そのあと正解を見せられます。そして、もう一度同じ問いに答えました。
結果は予想の逆でした。自信を持って間違えた問題ほど、2回目によく直っていました。研究者はこれを hypercorrection effect と名づけました。
さらに古い例もあります。1976年のクルハヴィらの実験では、目についての短い文章を読ませ、選択式の問いに答えさせました。最後に同じ 30問 をもう一度出すと、自信のあった間違いのほうが多く直っていました。
なぜ直るのか。2009年のファツィオとマーシュの実験(Psychonomic Bulletin & Review 第16巻1号、88〜92ページ)が、手がかりを出しています。正解を赤か緑の文字で見せ、あとで何色だったかを聞きました。すると、自信を持って間違えた問題ほど、正解の文字の色までよく覚えていました。驚いた正解には目が向く、と考えられています。
同じ論文の2つ目の実験では、正解を見せたあとの2回目のテストで、正答が 43%から80% に上がりました。ここでも自信のある間違いほど、よく直っていました。
子どもでも同じでした。2012年のメトカーフとフィンの研究(Learning and Instruction 第22巻、253〜261ページ)です。ニューヨーク市の公立学校に通う小学3〜6年生44人が、16問間違えるまで問いに答えました。正解を見せたあとの最後のテストでは、間違えた問題の74%に正しく答えました。ここでも、自信のある間違いほどよく直っていました。
自信のある間違いは、正解を見せられた瞬間に「えっ」という驚きを生みます。その驚きが、正解のほうに目を向けさせます。大事なのは、間違いを避けさせることより、間違えたあとに正解をどう見せるかです。
⚠ 気をつけるところが4つあります。
1. 正解を見せることが前提です。これらの実験では、どれも間違えたあとに正解を見せています。正解を見せない場合にどうなるかは、この研究からは言えません
2. 1週間たつと、間違いが戻ることがあります。2011年のバトラーらの実験(Psychonomic Bulletin & Review 第18巻6号)では、1週間後のテストで直る割合が下がりました。正解を忘れたとき、自信のあった間違いのほうが、同じ形でまた出てきやすくなりました
3. 深い思い込みでは逆になった研究があります。2020年の研究では、医学部1年生161人に心臓と血管の仕組みを問いました。自信のある間違いが直ったのは35.8%で、自信のない間違いの61.4%より低くなりました。一般知識の問いと、理屈ごと思い込んでいる概念とでは、同じにならないことがあります
4. 多くは大学生と一般知識の問いの実験です。2018年の研究は、大学の園芸学の入門の授業で効果を確かめています。日本の中高の英語の授業で確かめた研究は、この号では見つけられませんでした
それでも、明日試せることははっきりしています。答えの前に自信を書かせ、答えの直後に正解を見せ、1週間後にもう一度出す。
明日の授業でやること|明日は、答えの横に自信の数字を1つ足す
- 語法・前置詞・語の形など、答えが1つに決まる問いを5問用意します。解釈が分かれる問いは避けてください
- 生徒に答えを書かせ、その横に自信を1から3で書かせます。3が「絶対」です
- 答え合わせはその場でします。3を書いて間違えた問題だけ、正しい形を赤で書き、声に出して読ませます
- 1週間後に、同じ5問を黙って出します。先週と同じ間違いをした問題があれば、それを次の週にもう一度出します
この号で触れたリンク
- Butterfield, B. & Metcalfe, J. (2001)「Errors committed with high confidence are hypercorrected」Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 第27巻6号 1491-1494ページ(PubMed)
- Fazio, L. K. & Marsh, E. J. (2009)「Surprising feedback improves later memory」Psychonomic Bulletin & Review 第16巻1号 88-92ページ(PMC 著者原稿)
- Metcalfe, J. & Finn, B. (2012)「Hypercorrection of high confidence errors in children」Learning and Instruction 第22巻 253-261ページ(著者のPDF)
- Butler, A. C., Fazio, L. K. & Marsh, E. J. (2011)「The hypercorrection effect persists over a week, but high-confidence errors return」Psychonomic Bulletin & Review 第18巻6号 1238-1244ページ
- Versteeg, M. ほか (2020)「Refuting misconceptions in medical physiology」BMC Medical Education 第20巻 250(PMC 全文)
- Carpenter, S. K. ほか (2018)「Hypercorrection of high-confidence errors in the classroom」Memory 第26巻10号 1379-1384ページ
- ICT教育ニュース|英語学習者で自信を持って“英語を話せる”と言える人はわずか2割=IIBC調べ=
- ICT教育ニュース|旺文社、英検特化の「ライティングAI採点」システムで英作文1.55点、英文要約2.27点アップ
- リシード|南極から授業する教員を募集…教員南極派遣プログラム
- リシード|ロイロノート、AI機能を開発へ…実証校募集も開始
- Kahoot!|AI tools
- QuillBot|Grammar Checker
- Wikipedia|Common English usage misconceptions
- Wikipedia|List of common misconceptions about language learning
- Quote Investigator|It Ain't What You Don't Know That Gets You Into Trouble. It's What You Know for Sure That Just Ain't So
- ICNALE(International Corpus Network of Asian Learners of English)
- Etymonline|secure
- Etymonline|sure
- Etymonline|confident
- Etymonline|fidelity
注目記事の3人に1人は、間違えるのが不安で「話せる」と言えずにいました。今日の研究が見せたのは、その間違いの使い道です。
間違いは、正解を見た瞬間に役に立ちます。自信を持って間違えたときほど、正解はよく残ります。だから、間違いを減らすことより、間違えた直後に正解を見せることに手間をかけてください。
そして、1回で終わらせないこと。1週間たつと、同じ間違いが戻ってくることがあります。
明日は5問だけ、答えの横に自信の数字を書かせてみてください。
またあした。
Vol.47 09.25.2026
よくある質問
hypercorrection effect とは何ですか。
自信を持って間違えた問題ほど、正解を見せたあとによく直る、という現象です。2001年にバターフィールドとメトカーフが名づけました。自信のある間違いほど直しにくい、という予想とは逆の結果でした。
なぜ自信のある間違いのほうが直るのですか。
正解を見たときの驚きが、正解に目を向けさせるからだと考えられています。2009年のファツィオとマーシュの実験では、自信を持って間違えた問題ほど、正解の文字の色までよく覚えていました。
一度直せば、もう間違えませんか。
そうとは限りません。2011年のバトラーらの実験では、1週間後に直る割合が下がりました。正解を忘れたときには、自信のあった間違いが同じ形で戻ってきやすくなりました。1週間後にもう一度同じ問いを出してください。