グロースマインドセットの効果は?成績への影響は小さい結果でした
ニュースレター|Vol.53
「頭のよさは伸びる」と教える授業は、成績を上げたのか。63本の研究(97,672人)をまとめた2022年の分析では、成績への効果はごく小さいものでした。論文の偏りを補正すると、「効果なし」と区別できませんでした。帯活動2本、教室英語4本、英語でできることを確かめる無料の資料4つつき。
監修:原田高志(原田英語.com)
おはようございます。今日は、「頭のよさは伸びる」と教える授業で、成績は上がるのかという研究の話です。生徒に励ましの言葉をかける前に、読んでいただきたい号です。
10.01.2026 Vol.53
おはようございます。
今日の最後の節は、「頭のよさは伸びる」と教える授業が、成績に効いたかを調べた研究です。63本の研究をまとめた2022年の分析では、効果はごく小さいものでした。
注目記事は、10月1日に開かれる文部科学省の委員会です。学校の生成AIガイドラインの改定が、議題に入っています。
TODAY'S PICK
文科省の委員会が10月1日に、学校の生成AIガイドラインの改定などを審議
月刊私塾界(2026年9月28日)、ReseEd(リシード、2026年9月28日)
文部科学省は、10月1日(木)の10時から12時に、中央教育審議会 初等中等教育分科会の「デジタル学習基盤特別委員会」(第11回)を開きます。傍聴はZoomウェビナーのオンライン配信だけで、申込は9月29日の正午に締め切られました。
議題は6つです。
- ・2026年度の全国学力・学習状況調査と、PISA2025の結果のうち、ICTに関する内容
- ・次期学習指導要領に向けた議論のうち、情報活用能力の抜本的向上の審議状況
- ・初等中等教育における、生成AIの利活用ガイドラインの改定の審議状況
- ・2027年度予算要求
- ・デジタルな形態を含む新たな教科書の制度改正
- ・次のICT環境整備の方針を検討する、ワーキンググループの設置
この号の時点では、会議の前です。決まったことは、まだありません。私塾界の記事も、予定の紹介だと書いています。
生成AIのガイドラインは、教科を限らない指針です。英語の授業でどう使わせるかを決めるとき、ここが土台になるかもしれません。
会議の資料や議事が文部科学省のサイトに出たら、読んでください。学校で決めているAIのルールがあれば、見直す日を1つ決めておくと安心です。
月刊私塾界|文科省 生成AIガイドライン改定、デジタル教科書などを10月1日に審議
WARM-UPS
今日の帯活動(5分でできる)
どちらも、黒板とノートだけでできます。1本目は、間違えた1問に「次にやること」を1行書かせる活動です。2本目は、うまくいったやり方を、ペアで教え合わせる活動です。
間違えた1問に、「次にやること」を1行書かせる
- 答案を返したら、間違えた問題を1問だけ選ばせます。どれを選んでもかまいません
- その問題の横に、間違えた理由を1行、書かせます。「主語を見落とした」のように、具体的に書かせます
- その下に、次にやることを1行、書かせます。「主語に線を引いてから読む」のように、明日できることにします
- 机を回って、「頑張る」「気をつける」だけの行に、「何をするの?」と聞きます。書き直させます
- 💡 「頑張る」だけでは、明日何をするのかが決まりません。だから、やることを1行で書かせます。この活動で成績が上がるかどうかは、今日の研究では調べていません。まず1回試して、次の小テストで、書いたことを生徒がやっていたかを見てください。
うまくいったやり方を、ペアで1つずつ教え合わせる
- 直前の小テストや音読で、自分がうまくできたところを、1つ選ばせます
- 「何をしたら、できましたか」を、1文で書かせます。「声に出して3回読んだ」のように、したことだけを書かせます
- ペアで、書いた1文を読み合わせます。聞いた側は、自分もやってみたいと思ったら、丸をつけます
- 丸が多かったやり方を、黒板に2つだけ書きます。次の授業で、試した人に手を挙げさせます
- 💡 「頭がいいから」ではなく、「何をしたか」を言わせる活動です。褒め言葉を扱った8月18日号と、同じ考え方です。この活動で成績が上がるかどうかは、今日の研究では調べていません。
CLASSROOM ENGLISH
そのまま使える教室英語
今日の4本は、間違いを「次にやること」に変える場面の言い方です。
間違えた問題から、1問だけ選ばせる
Choose one question you got wrong.
間違えた問題を、1つ選んで。
one で「1つだけ」と数を決めます。got wrong は「間違えた」という言い方です。
まだできないことを、次の行動につなぐ
You can't say it yet, so what will you try next?
まだ言えないね。次は何を試す?
yet は「まだ」です。can't のあとに付けると、いまはできないだけだと伝えられます。後半は、次の行動を聞く形です。
書く1行を、変えることに決めさせる
Write one thing you will do differently next time.
次は、これを変えるというのを、1つ書いて。
differently は「違うやり方で」です。next time で、次の機会の話だと分かります。
うまくいったやり方を聞く
Tell me what you did that worked.
うまくいったとき、何をしたか教えて。
that worked は「うまくいった」です。what you did と言うと、能力ではなく、したことを聞けます。
AI TOOLKIT
AI × 英語指導
教師向け1つ、生徒向け1つ
教師向けAila(Oak National Academy)
イギリスの Oak National Academy が公開している、先生向けのAIレッスン作成アシスタントです。公式ページによると、Oak の内容をもとに、レッスン案1本、スライド1組、クイズ2本、ワークシート1枚を作ります。内容は、イギリスの学習指導要領に沿っています。作られたものは編集して、ダウンロードできます。ページは、まだ開発中のベータ版で、教科によって得意・不得意があり、図は作れないと書いています。料金は、このページには書かれていません。
使いどころ:🎓 画面の案内に従って、次の授業のテーマを1つ入れて、出てきたレッスン案を読んでみます。⚠ イギリスの生徒向けなので、日本の教科書や学習指導要領とは合いません。英語の授業に使えるかどうかは、ページからは分かりませんでした。出てきたものは、必ず先生が読んで、直してから使ってください。
生徒向けLingvist
AIを使った、語彙学習のアプリです。公式サイトによると、よく使われる語から先に学び、それで日常の場面の80%をカバーできる、とうたっています。初級・中級・上級のどれかから始められます。例文と文法の情報がついていて、毎日10分、またはカード50枚だけでも学べると書いています。復習の間隔は、アルゴリズムが決めます。iOS、Android、PC(ウェブ)で使えます。無料で試せますが、料金は公式サイトで確かめてください。
使いどころ:🎓 生徒に勧める前に、先生が10分だけ試して、出てくる語が教科書の語とどのくらい重なるかを見ます。⚠ 日本語の画面に対応しているかは、公式ページからは分かりませんでした。「80%」は、サイトの説明であって、私が確かめた数字ではありません。
NEWS FLASH
今日のニュース
3本です。シャドーイングを添削してもらえるアプリ、英検の直前対策コース、大学の生成AIチャットボットの事例です。
JAPAN · 09.30
Morrow World が、シャドーイングの添削アプリ「Shadme」の一般提供を開始
Morrow World が、シャドーイングを添削してもらえるアプリ「シャドミー(Shadme)」の一般提供を始めました。同社は、英語のオンラインコーチング「Englead」を運営しています。「5ステップシャドーイング」という学習法の手順で練習し、自分の音声を録音して送ります。すると、プロのコーチが、発音のくせと、直す点を返します。
iOSとAndroidで使えて、7日間の無料体験があります。体験中に解約すれば、料金はかからないと書かれています。料金の金額は、記事には書かれていません。
生徒に勧めるなら、先に先生が体験で試してください。この学習法の効果を確かめた研究は、記事にはありません。シャドーイングの研究を紹介した9月12日号も、あわせて読んでください。
JAPAN · 09.30
イーオンが、オンライン校で「英検対策直前コース」を開講
英会話教室のイーオンが、オンライン校のキッズクラスと、高校生以上のクラスで、「英検対策直前コース」を開講します。受験する試験は、2027年1月24日です。過去問題を一緒に解いて、解き方を学び、くわしい解説で英語の理解を深める内容です。
記事によると、イーオンの日本人講師の約8割が、TOEIC 900点以上か英検1級のどちらか、または両方を持っています。24年度からの2年間で、それぞれの取得率を100%にする目標だそうです。料金は、記事には書かれていません。
生徒の中に、校外の講座に通っている人がいるかもしれません。いる場合は、校内の課題と重なっていないか、本人に聞いてみてください。
JAPAN · 09.29
SELF が、生成AIチャットボット「SELFBOT」の早稲田大学での活用事例インタビューを公開
SELF が、生成AIチャットボット「SELFBOT」を早稲田大学が使っている事例のインタビューを公開しました。早稲田大学は2025年4月から、SELFBOT を使っています。学生向けの情報サイト「Support Anywhere(サポエニ)」などです。話を聞いたのは、サポエニを運営する早稲田ポータルオフィスの潘さんです。
インタビューの内容は、5つです。導入の背景、日々の運用、回答の正確さを上げる工夫、導入後の利用の変化、会話ログを使った学生サービスの改善です。記事には、利用件数や満足度の数字は書かれていません。
大学の事例で、中学・高校の話ではありません。学校が生徒向けのAIを使うときは、質問の記録を誰が見るのかを、先に確かめておきたい点です。
FREE TOOLS
無料の学習ツール4選
今号のテーマは「英語で何ができるようになったかを、生徒と一緒に確かめる」。4つとも、無料で読める、Can-do(できること)の資料です。
英検Can-doリスト
日本英語検定協会が公開している、各級のCan-doリストです。5級、4級、3級、準2級、準2級プラス、2級、準1級、1級の8つがあります。協会は、「各級に合格するための技能別の目標となる英語力」を示すものだと説明しています。CEFRと学習指導要領の考え方をふまえています。目標にする級と、いまの英語力を照らし合わせて、目標を決めるために使えます。
NCSSFL-ACTFL Can-Do Statements
アメリカの外国語教育の団体 ACTFL と NCSSFL が公開している、外国語学習者向けのCan-do文です。3つに分かれています。読む・聞く(Interpretive)、会話(Interpersonal)、発表(Presentational)です。レベルは、Novice から Distinguished まであります。公式ページによると、目標を決めたり、進み具合を記録したりするために使えます。教育と非営利の目的だけで使えて、使うときは両団体の名前を書く決まりです。2026年版が出ています。
文部科学省|CAN-DOリストの形での学習到達目標設定のための手引き
文部科学省が2013年(平成25年)3月に出した、中学・高校の外国語教育向けの手引きです。正式な題は「各中・高等学校の外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定のための手引き」です。各学校が、学習指導要領に基づいて、学習到達目標をCAN-DOリストの形で具体的に決めるためのものです。PDFで読めます。古い資料なので、いまの学習指導要領との対応は、先生が確かめてください。
Europass|CEFR self-assessment grid
ヨーロッパの Europass のサイトが公開している、CEFRの自己評価表のPDFです。A1からC2までのレベルごとに、聞く・読む・話す(やりとり)・話す(発表)・書くの5つについて、「I can」の形の記述が並んでいます。生徒が、自分がどのレベルに近いかを見る目安に使えます。英語のPDFです。
STORY BREAK
生徒に話したくなる小ネタ
どちらも、励ます言葉に出てくる語です。ラテン語の cor(心)と、fortis(強い)が、1つずつ入っています。
encourage は、もともと「心を入れる」でした
Etymonline によれば、encourage は15世紀の初めに英語に入りました。古いフランス語の encoragier(強くする、元気づける)からです。en-(入れる)と corage(勇気、心)に分けられます。
courage(勇気)も、同じ corage から来ています。1300年ごろに英語に入り、もとの意味は「感情のある場所としての、心」でした。さらにさかのぼると、ラテン語の cor(心)です。「勇気」の意味が出たのは、14世紀の終わりごろです。encourage を分けると、「心(勇気)を入れる」になります。
明日、間違えた生徒に、こう言ってみてください。I'd like to encourage you to try again.(もう一度、やってみてほしいな)
effort の語源は、「力を見せる」でした
Etymonline によれば、effort は15世紀の終わりに、フランス語から英語に入りました。意味は「苦労して試みること、強い力を出すこと」です。古いフランス語の esforz(力、勢い)からで、その先は、俗ラテン語の exfortiare(力を見せる)です。ex(外へ)と fortis(強い)に分けられます。
fortis は、fort(砦)の語源でもあります。effort をさかのぼると、「力を見せる」という意味の語に行き着きます。
明日、課題を出した生徒に、こう言ってみてください。You made a real effort today.(今日は、しっかり力を出したね)
QUOTE
今日の名言
今日の一行
“A far-reaching journey begins with a small step.”
遠くまで行く旅は、小さな一歩から始まる。
老子『道徳経』第64章。英文は Wikisource の共同翻訳で、翻訳者の名前は載っていません。原文は「千里之行,始于足下」です
この一文の「小さな一歩」は、教室では「次にやること1行」に置き換えられます。
明日やることは1つです。返却した答案から間違いを1問選ばせて、「次にやること」を1行書かせてください。
THE FLIP
常識がひっくり返る話
「頭のよさは伸びる」と教える授業の、成績への効果は、ごく小さいものでした
生徒が「自分は英語が苦手だ」と言うと、こう返したくなります。「頭のよさは、努力で伸びます。まだできないだけです」。
この考え方は、グロースマインドセットと呼ばれます。「能力は努力で伸ばせる」と信じる人ほど、学校の成績もよい、という理論です。この理論をもとに、生徒の考え方を変える授業が、世界の学校で行われてきました。
考え方が変われば、努力の仕方が変わり、成績が上がる。筋は通っています。
ところが
2018年と2022年に、この理論を検証する大きな分析が出ました。
2018年、Sisk らが Psychological Science 第29巻に載せた、2本の分析です。1本目は、考え方と成績の関係を、365,915人ぶんで調べました。関係は弱く、成績のばらつきのうち、考え方で説明できるのは1%ほどでした。2本目は、考え方を変える授業の効果です。57,155人ぶんで、効果の大きさは d = 0.08 でした。
d は、授業を受けた組と受けなかった組で、成績の平均がどれだけ違ったかを表す数字です。0 なら差がまったく無いことを表します。よく使われる目安では、0.2 で「小さい」、0.5 で「中くらい」、0.8 で「大きい」差です。0.08 は、「小さい」の目安にも届きません。
2022年、Macnamara と Burgoyne が Psychological Bulletin に、新しい分析を載せました。この種の授業を調べた63本の研究(97,672人)を、研究の質もふくめて調べています。
- ・63本を全部合わせた効果:d = 0.05。効果が出た論文ほど出版されやすい、という偏りを補正すると、「効果なし」と区別できませんでした
- ・授業で考え方が変わったと確かめられた13本(18,355人):d = 0.04。「効果なし」と区別できません
- ・いちばん質の高い6本(13,571人):d = 0.02。「効果なし」と区別できません
0.05 は、「小さい」の目安 0.2 の4分の1です。授業を受けても、成績はほとんど変わっていません。
もう1つあります。2018年の分析で、授業の効果を調べた43件のうち15件(35%)は、考え方が変わったかどうかを測っていませんでした。測っていた28件でも、約半分(46%)は、考え方が変わっていませんでした。また2022年の分析では、お金の利害を持つ著者の論文ほど、大きな効果が出ていました。
この結果は、「頭のよさは伸びる、と生徒に言ってはいけない」という意味ではありません。分かったのは、考え方を変える授業を入れても、成績はほとんど上がらなかったことです。
読むときの注意が4つあります。
- ①反対の立場があります。理論を唱えた側の Yeager と Dweck は、2020年の論文で、効果は学校や生徒によって大きく違い、1つの数字ではまとめられない、と述べています
- ②効くかもしれない生徒もいます。2018年の分析では、経済的に不利な生徒や、成績が落ちる危険のある生徒には、効くかもしれないという結果も出ていました。ただし、もとになった研究は少なく、慎重に読む必要があります
- ③英語の授業の研究ではありません。調べたのは、考え方を変える授業そのものの効果です
- ④測ったのは成績だけです。生徒の気持ちがどう変わったかは、数えていません
励ましの言葉だけで、成績が動くとは期待しないでください。励ますことをやめる必要は、ありません。下の手順は、この研究で効果が確かめられたものではありません。励ましの言葉を、生徒が明日やる行動に変えるための一案として、試してみてください。
明日の授業でやること|間違いを、「次にやること」1行に変えさせる
- 返却した答案から、間違えた問題を1問選ばせます
- その問題の横に、間違えた理由を1行、書かせます。「主語を見落とした」のように、具体的に書かせます
- その下に、次にやることを1行、書かせます。「主語に線を引いてから読む」のように、明日できることにします。「頑張る」だけの行は、書き直させます
- 次の小テストの前に、その1行を読み返させます。テストのあとで、書いたことをやったかを、自分で丸か三角でつけさせます
この号で触れたリンク
- Macnamara, B. N. & Burgoyne, A. P. (2022)「Do Growth Mindset Interventions Impact Students' Academic Achievement?」Psychological Bulletin
- Sisk, V. F. ほか (2018)「To What Extent and Under Which Circumstances Are Growth Mind-Sets Important to Academic Achievement? Two Meta-Analyses」Psychological Science 第29巻4号(PubMed)
- Michigan State University|Study finds popular growth mindset educational interventions aren't very effective(2018年5月22日)
- 月刊私塾界|文科省 生成AIガイドライン改定、デジタル教科書などを10月1日に審議
- ReseEd(リシード)|生成AI指針改定など議論「デジタル学習基盤委員会」傍聴締切9/29
- Oak National Academy|Aila(AIレッスンアシスタント)
- Lingvist|公式サイト
- ICT教育ニュース|Morrow World、シャドーイング添削アプリ「シャドミー(Shadme)」一般提供開始
- ICT教育ニュース|イーオン、オンライン校のキッズクラス及び高校生以上のクラスで「英検対策直前コース」開講
- ICT教育ニュース|SELF、生成AIチャットボット「SELFBOT」の早稲田大学活用事例インタビュー公開
- 日本英語検定協会|英検Can-doリスト
- ACTFL|NCSSFL-ACTFL Can-Do Statements
- 文部科学省|各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き
- Etymonline|encourage
- Etymonline|courage
- Etymonline|effort
- Wikisource|Translation:Tao Te Ching(第64章)
- Europass|CEFR self-assessment grid(英語版PDF)
10月1日の文科省の委員会は、学校の生成AIガイドラインの改定を審議します。決まったことは、まだありません。
「頭のよさは伸びる」と教える授業の、成績への効果は、63本の研究を合わせても、ごく小さいものでした。励ますことをやめる理由には、なりません。ただ、励ましだけで成績が動くとは、期待しないでください。
明日は、返却した答案から間違いを1問選ばせて、「次にやること」を1行書かせてみてください。
またあした。
Vol.53 10.01.2026
よくある質問
グロースマインドセットを教えると、英語の成績は上がりますか。
63本の研究をまとめた2022年の分析では、成績への効果はごく小さいものでした。効果が出た論文ほど出版されやすい、という偏りを補正すると、「効果なし」と区別できませんでした。ただし、英語の授業だけを調べた分析ではありません。
生徒に「頭のよさは伸びる」と言うのは、やめたほうがいいですか。
この研究は、やめるべきだとは言っていません。調べたのは、考え方を変える授業を入れたときの、成績への効果です。授業を入れても、成績が大きく上がる証拠は見つからなかった、という結果です。
どんな生徒には効くのですか。
2018年の分析は、経済的に不利な生徒や、成績が落ちる危険のある生徒には、効くかもしれないという結果も出していました。ただし、その分析に入った研究は少なく、慎重に読む必要があります。2022年の分析では、生徒の条件によって効果が変わる、という結果は見つかりませんでした。