知識の呪いとは?たたいた曲は2.5%しか当たりませんでした
ニュースレター|Vol.80
説明が伝わったかどうかは、話した本人がいちばん分かっている。そう思いがちです。知っている曲を指でたたいて、相手に当てさせた実験があります。たたいた人の予想は平均50%。実際に当たったのは2.5%でした。北海道教育大学の姫野完治教授が話すオンラインの会、法政大学の生成AIの方針も取り上げました。帯活動2本、教室英語4本つきです。
監修:原田高志(原田英語.com)
おはようございます。今日の話は、知っている曲を指でたたいて、相手に当ててもらう実験です。説明のあとで「分かった?」と聞くと、生徒がうなずく。それで次へ進んでいる先生に、読んでいただきたい号です。
10.28.2026 Vol.80
おはようございます。
今日は、知識の呪いと呼ばれる現象を紹介します。知っている曲を指でたたいた人は、相手が半分は当てると予想しました。実際に当たったのは、120回のうち3回でした。
注目記事は、先生が授業で「何を見ているか」を考えるオンラインの会です。北海道教育大学大学院の姫野完治教授が話します。
TODAY'S PICK
教師の「みえ」と「観」を考える。北海道教育大学大学院の姫野完治教授が話すオンラインの会、11月11日
リシード(2026年10月27日)「教師の『みえ』と『観』を考える、水曜サロン11/11」
リシードによると、ICT CONNECT21 がオンラインの会「教師の『みえ』と『観』を考える」を開きます。日時は11月11日(水)18時〜19時です。シリーズ「水曜サロン with 赤堀先生」の1回です。
- ・Zoom で行う。ICT CONNECT21 の会員でなくても参加できる
- ・話すのは、北海道教育大学大学院の姫野完治教授。赤堀先生を交えた対談と、参加者との意見交換もある
- ・申し込みの締め切りは、11月11日の17時。事前の質問は、11月9日の23時59分まで受け付ける
記事は、テーマを次のように説明しています。「同じ授業、同じ子供を見ていても、人によってみている対象、みえている世界は異なっている」。授業をしているときや、授業を見ているときに、先生に何が見えているのか。それを見えるようにして、磨く方法を考える会です。記事には参加費が書かれていません。
今日の最後の節は、説明する人と聞く人で、同じものが違って聞こえるという実験です。この会は、同じ授業が先生ごとに違って見えるという話です。どちらも、自分に見えているものが、相手にも見えているとは限らない、という点でつながります。
授業を見合う機会がある先生は、この会の前に1つ試してみてください。同僚の授業を見たあと、生徒の様子で気づいたことを3つずつ書き出し、見せ合います。同じ授業でも、書いたことに違いが出るかもしれません。
明日やることは1つです。申し込みのページを開いて、日時をメモしておいてください。
リシード|教師の「みえ」と「観」を考える、水曜サロン11/11
WARM-UPS
今日の帯活動(5分でできる)
どちらも、説明する側が「伝わったつもり」になっていないかを確かめる活動です。1本目は、今日の実験を教室でやってみる活動です。2本目は、「分かった?」の代わりに、聞いた内容を言い直させる活動です。
ペアで曲をリズムだけ机でたたき、相手が当てる。当たると思ったかを先に書く
- クラスの全員が知っている曲を、黒板に5つ書きます。校歌や、授業で歌った英語の歌などです
- たたく人は、5つから1つを選び、相手に見えないように紙に書きます。相手が当てると思うかを、0〜100%で書き添えます
- 背中合わせに座り、たたく人がリズムだけを机でたたきます。口ずさむのはなしです。聞く人は曲名を1つ答えます
- 役を替えて、もう1回やります。最後に、何組が当たったかを手を挙げて数え、書いた予想と比べます
- 💡 たたいている人の頭の中では、曲が鳴っています。聞く人に届くのは、机の音だけです。先生の説明も、同じことが起こり得ます。この体験のあとで2本目の活動をすると、生徒も「伝わったか確かめる」理由が分かります。
説明のあと「分かった?」と聞かず、隣の人に英語か日本語の1文で言い直させる
- 新しい文法や本文の要点を説明し終えたら、「分かった?」とは聞きません
- 「いまの説明を、隣の人に1文で言ってください」と伝えます。30秒で考えさせます
- ペアで1人ずつ、1文を言います。聞いた人は、相手の1文に足りないところがあれば1つだけ言います
- 2〜3組に1文を言ってもらいます。先生の意図と違うところがあれば、その場で説明し直します
- 💡 うなずきは、生徒が分かったという証拠になりません。言い直した1文なら、何が伝わって、何が伝わっていないかが先生にも聞こえます。説明し直すのは、ずれていたところだけで足ります。
CLASSROOM ENGLISH
そのまま使える教室英語
今日の4本は、説明が伝わったかを確かめるときに使う英語です。
タッピングの活動を始めるとき
Tap the song on your desk. No humming.
机で曲をたたいてね。口ずさむのはなし。
No humming. を足すのが大事です。口ずさめば、すぐに当たってしまいます。
「分かった?」と聞く代わりに
Before you nod, tell me the first step.
うなずく前に、最初の手順を言ってみて。
Do you understand? には、生徒は Yes と答えやすいものです。中身を1つ言わせると、分かったかどうかが聞こえます。
聞いた内容を言い直させるとき
Say what I just said in one sentence.
いま私が言ったことを、1文で言ってみて。
in one sentence と長さを決めると、生徒は要点を選んで話します。長く話して、ごまかすこともできません。
自分の説明の分かりにくい語を探すとき
Which word in my explanation was new to you?
私の説明の中で、初めて聞いた語はどれ?
先生には当たり前の語が、生徒には初めての語のことがあります。生徒に聞けば、その語がすぐに分かります。
AI TOOLKIT
AI × 英語指導
教師向け1つ、生徒向け1つ
教師向けEduaide.ai
公式サイトによると、Eduaide は、幼稚園から高校までの先生向けの AI の作業場です。ワークシート、図解の枠(graphic organizers)、ゲーム、指導案、テストを作れます。教材のひな形は110種類以上ある、と書かれています。今日の話につながる機能もあります。授業の前に、学年に合うか、文が難しすぎないか、前もって必要な知識は何かを見直せます。サイトには Review grade level, text complexity, and prior knowledge demands before you teach. とあります。
使いどころ:🎓 こう使います。明日配る英文や説明のプリントを読み込ませます。生徒が知らないと読めない知識がないかを見直させます。挙がったものの中から、生徒がまだ習っていないものを1つ選び、説明の最初に足します。⚠ 無料で始めるボタンはあります。ただ、無料でどこまで使えるかは、トップページには書かれていません。
生徒向けSpeak
公式サイトによると、Speak は、話すことを中心にした語学アプリです。学べる言語の中に英語があります。進め方は3段階です。ふだんの会話の言い回しを学ぶ。口から自然に出るまで練習する。会話で使う。Speak Tutor という AI と会話ができ、発音には、その場でフィードバックが返ってくると書かれています。
使いどころ:🎓 こう使います。授業で習った言い回しを、家で AI との会話で使ってみます。翌日、ペアで「AI に通じなかった言い方」を1つ教え合います。通じたつもりで通じていなかったところが、次に練習するところです。⚠ 有料です。公式サイトによると、7日間の無料体験のあと、有料の購読に切り替わります。料金はプランや地域で変わり、アプリの中で確かめるよう書かれています。
NEWS FLASH
今日のニュース
3本です。法政大学の生成AIの方針、マイクロソフトの認定校、海外での学びについての保護者の調査です。
JAPAN · 10.22
法政大学、生成AIの教育利用の方針を全面改定。授業ごとに「使用不可」「条件付き使用可」「積極的活用」の3つに
リシードによると、法政大学が10月22日に発表しました。生成AIの教育利用の方針を、全面的に改定したそうです。
- ・先生は、授業ごとに AI の使い方を「使用不可」「条件付き使用可」「積極的活用」の3つから決める
- ・評価の工夫の例は、作る途中の記録を出させる、書いたものと口頭の試問を組み合わせる、など
- ・不正には厳しく対処する。ただし、検出ツールの結果だけで不正と決めつけない
- ・学生には、作った過程を残す方法を示した。構成のメモ、下書き、参考文献の一覧、編集の履歴など
高校の英作文でも、この形は使えます。下書きを出させる。書いたあとに口頭で説明させる。
JAPAN · 10.20
マイクロソフトのショーケーススクールに、国内5校。大宮国際中等教育学校など
リシードによると、マイクロソフトが10月20日、教育の ICT や AI をうまく使っている学校を認める Microsoft Elevate Showcase Schools の2026〜2027年の結果を発表しました。
- ・国内の認定は5校。足立学園中学校・高等学校、長尾小学校、さいたま市立大宮国際中等教育学校、聖和女子学院中学校高等学校、田中学園立命館慶祥小学校
- ・世界では1,100校以上が認定された
- ・国内では、先生個人の Expert Educators が251人
- ・次の募集は、2026年11月に始まる予定
先生個人として応募できる枠もあります。授業で ICT を使った実践を、外に向けて書いてみたい先生には、きっかけになります。
JAPAN · 10.24
子どもの海外での学び、高校生以下の子がいる会員の68.4%が「将来の選択肢」。いちばんの壁は費用で71.5%
ICT教育ニュースによると、オンライン英会話のネイティブキャンプが10月24日、会員への調査の結果を発表しました。対象は、高校生以下の子どもがいる会員です。9月25〜28日にインターネットで聞き、645人が答えました。
- ・子どもの海外での学びを「将来の選択肢の一つとして考えている」「具体的に検討している」は、合わせて68.4%。「具体的に検討している」は12.1%
- ・学ぶ環境を変えるときの壁は、「費用」が71.5%でいちばん多い
- ・考えている形は、「海外旅行で英語や異文化に触れる」が56.5%、「海外のサマースクール・短期教育プログラムに参加する」が51.7%
1つの会社の会員への調査なので、保護者全体を表す数字ではありません。進路の面談で、短期のプログラムの情報を聞かれたときの参考になります。
ICT教育ニュース|子どもの海外での学び68.4%が将来の選択肢に 教育環境を変える障壁は「費用」=ネイティブキャンプ調べ=
FREE TOOLS
無料の学習ツール4選
今号のテーマは「説明の筋道を、図にして見せる」。先生の頭の中にある説明の順番を、生徒にも見せるための道具です。無料で始められるものを4つ選びました。
Coggle
マインドマップと流れ図を作るサイトです。公式サイトによると、無料のプランでも、ほかの人と同時に編集できます。リンクや QR コードで共有でき、変更の履歴も残ります。無料で作れる非公開の図は3つまでで、公開の図は数の制限がありません。PDF や画像でも保存できます。
MindMup
マインドマップを作ることに絞ったサイトです。公式サイトによると、マインドマップを無料で作って、共有できます。組織図や特性要因図(フィッシュボーン図)の形もあります。作った図は、スライドのように順に見せられます。図を Google ドライブだけに保存する使い方もできます。
Miro
大きな画面に、付箋や図を自由に置けるオンラインのホワイトボードです。料金のページによると、無料のプランで編集できるボードは3つです。ボードはいくつでも作れますが、編集できるのは新しい3つだけです。認定を受けた教育機関の生徒と教職員は、Education Plan で無料で使える、と書かれています。
bubbl.us
2005年からあるマインドマップのサイトです。公式サイトによると、登録もクレジットカードもなしで、すぐに図を作り始められます。テンプレートがあり、ほかの人と同時に編集もできます。無料でどこまで使えるかは、トップページには書かれていません。
STORY BREAK
生徒に話したくなる小ネタ
今日の実験の「曲」と、説明の「手がかり」から2語です。tune(曲)と clue(手がかり)を取り上げます。
tune(曲)は、tone(音の調子)が変わってできた語です
英語版 Wiktionary によると、tune は中英語の tune から来ました。これは tone の、なぜそうなったか分からない変わり形です。さらにさかのぼると、古フランス語の ton、ラテン語の tonus を経て、ギリシャ語の tónos(音の調子)に行き着きます。
同じ Wiktionary では、tune と tone は、もとが同じで形が分かれた語(doublet)とされています。tune の意味の最初には「メロディー」が載っています。
tune を使った言い方に、carry a tune があります。Wiktionary では「正しい音の高さで歌う」で、おもに否定の形で使うと書かれています。I can't carry a tune.(私は音痴です)のように使います。今日の帯活動でリズムしかたたけないのは、まさに tune が届かない状態です。
clue(手がかり)は、もともと「糸の玉」でした
英語版 Wiktionary によると、clue は clew(糸や毛糸の玉)の別の書き方です。もとは古英語の clēowen などで、「玉、球、糸の束」という意味でした。
意味が変わったのは、ギリシャ神話の糸の玉にちなむそうです。テセウスが、ミノタウロスの迷宮から出るのに使った糸の玉です。clue の最初の意味は、「迷宮を抜けるための糸、道を示すもの」です。いまはまれな意味とされています。
いまの clue は「答えに近づくための情報」です。I don't have a clue.(さっぱり分からない)のように、not have a clue は「まったく知らない、まったく分からない」の意味で使います。生徒がこう言ったら、先生の説明に、糸の玉が足りなかったのかもしれません。
QUOTE
今日の名言
今日の一行
“The great enemy of communication, we find, is the illusion of it.”
伝え合うことの最大の敵は、伝わったという思い込みだと分かった。(訳は筆者)
ウィリアム・H・ホワイト(William H. Whyte、アメリカの作家)。1950年の雑誌 Fortune の記事「Is Anybody Listening?」より。よく似た言い方が、バーナード・ショーの言葉として出回っています。名言の出どころを調べるサイトでは、ホワイトが元だろうとされています
名言の出どころを調べるサイト wist.info では、ショーの言葉とされる版に「Spurious(疑わしい)」の印が付いています。ショーの書いたものには見つからない、と書かれています。
今日の実験で、たたいた人は、半分は当たると思っていました。伝わったと思っていたのは、たたいた本人だけでした。
明日は、説明のあとの「分かった?」を、1回だけやめてみてください。代わりに、生徒に1文で言い直してもらいます。
THE FLIP
常識がひっくり返る話
説明が伝わったかは、説明した先生がいちばん分かっている。そう思っていませんか。曲を指でたたいた人は半分は当たると予想し、実際は2.5%でした
説明がうまく伝わったかどうか。それは、説明した先生がいちばんよく分かるはずです。何を言ったかも、どこが大事かも、先生は全部知っています。
説明のあと、「分かった?」と聞けば、生徒はうなずきます。表情を見れば、伝わったかどうかはだいたい分かります。そう考えて、次へ進む授業は多いと思います。
では、話す人が「伝わった」と思う割合と、本当に伝わった割合は、どれくらい近いのでしょうか。
ところが
これを、歌を使って確かめたのが、スタンフォード大学の大学院生だった Elizabeth Newton です。1990年6月の博士論文「The rocky road from actions to intentions」にまとめました。ここでは、論文の本文と表から書きます。
- ・スタンフォード大学の学生80人が2人1組になり、40人がたたく役、40人が聞く役になった
- ・たたく役は、よく知られた25曲の一覧から3曲を選んだ。一覧には Yankee Doodle や Twinkle, Twinkle Little Star がある
- ・2人は背中合わせに座り、たたく役が曲のリズムを指でたたいた。聞く役は曲名を書いた
- ・たたく役は1曲ごとに、相手が当てた見込みを答えた
たたく役の予想は、平均で50%でした。いちばん低い人でも10%です。ところが、実際に当たったのは、120回のうち3回でした。2.5%です。論文は、この数字が、たたく役の予想のどれよりも低かったと書いています。
論文の説明はこうです。たたいている人の頭の中では、メロディーが鳴っています。聞く人に届くのは、指の音だけです。たたく人には、自分の音がどれほど手がかりに乏しいかが分かりません。
曲名を知っていて、たたいたことのない人でも、同じでした。別の学生80人には、曲名を教えてから、実験者がたたいて聞かせました。聞き手の何%が当てるかを予想してもらいます。要旨によると、この人たちも50%と予想しています。一方、聞く役だった人は、ほかの聞き手が当てる割合を平均3%と答えました。
英語版 Wikipedia では、この実験は「知識の呪い(curse of knowledge)」を示す例として紹介されています。この言葉は、1989年に経済学者の Colin Camerer たちが論文で使ったのが始まりです。
注意点が2つあります。
1つ目。この実験は、曲をたたいて当てさせたもので、授業の説明を調べたものではありません。英語の授業で同じ大きさのずれが出るかは、確かめられていません。
2つ目。当たった数は、論文の本文と表では「120回のうち3回」です。要旨には「150曲のうち2曲」とあり、数え方がそろっていません。どちらでも、当たったのはごくわずかです。
それでも、教室で使える考え方ははっきりしています。答えを知っている人は、知らない人にどう聞こえるかを想像しにくい。先生は、いつも答えを知っている側にいます。だから、伝わったかどうかは、先生の感じではなく、生徒の口から確かめるのが確実だと思います。
Newton (1990) The rocky road from actions to intentions(スタンフォード大学の博士論文。PDF)
明日の授業でやること|次の授業で、説明のあとに生徒の1文を聞いてから進む
- 新しい文法や本文の要点を説明したら、「分かった?」とは聞きません。「隣の人に1文で言ってください」と伝えます
- ペアで1文ずつ言わせ、先生は教室を回って3組の1文を聞きます
- 先生が言いたかったことと違う1文があれば、全体に向けて、その部分だけを説明し直します
- 最後に「私の説明で初めて聞いた語は?」と聞きます。出てきた語は黒板に書き、次の説明では先に意味を言います
この号で触れたリンク
- リシード|教師の「みえ」と「観」を考える、水曜サロン11/11
- Newton (1990) The rocky road from actions to intentions(スタンフォード大学の博士論文。PDF)
- Wikipedia|Curse of knowledge
- Eduaide.ai|公式サイト
- Speak|公式サイト
- リシード|法政大の生成AI利用方針、授業での扱いなど実践的指針へ改定
- リシード|Microsoft、ショーケーススクール国内5校を認定
- ICT教育ニュース|子どもの海外での学び68.4%が将来の選択肢に 教育環境を変える障壁は「費用」=ネイティブキャンプ調べ=
- Coggle|公式サイト
- MindMup|公式サイト
- Miro|料金のページ
- bubbl.us|公式サイト
- Wiktionary|tune
- Wiktionary|carry a tune
- Wiktionary|clue
- Wiktionary|not have a clue
- wist.info|George Bernard Shaw(Spurious)
- Wikiquote|George Bernard Shaw(Misattributed)
今日の実験では、曲をたたいた人は半分は当たると思い、実際に当たったのは2.5%でした。ただし、授業の説明を調べた実験ではありません。
明日は、説明のあとの「分かった?」を、「隣の人に1文で言って」に替えてください。生徒の1文が、先生の思っていた説明とどれだけ違うかを聞いてみてください。
またあした。
Vol.80 10.28.2026
よくある質問
知識の呪いとは何ですか。
答えを知っている人が、知らない人にどう見えるか、どう聞こえるかを想像しにくくなる現象です。1990年の Elizabeth Newton の実験では、曲のリズムを指でたたいた人が、相手は半分は当てると予想しました。実際に当たったのは120回のうち3回、2.5%でした。
タッピング実験では、どんな曲が使われましたか。
たたく役が、よく知られた25曲の一覧から3曲を選びました。一覧には Yankee Doodle や Twinkle, Twinkle Little Star が入っています。2人は背中合わせに座り、聞く役は曲名を書きました。
英語の授業では、どう生かせばよいですか。
説明のあとに「分かった?」と聞く代わりに、隣の人に1文で言い直させる方法があります。言い直した1文を聞けば、伝わっていないところが分かります。ただし、Newton の実験は授業の説明を調べたものではない点に気をつけてください。