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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
ONE NEWS A DAY 第59回 標準 読了 9分

wash upの意味は?カナダのブイがアイルランドに漂着

1日1本! ニュース英語

カナダ沿岸警備隊の大きなブイが大西洋を流され、アイルランド西部のアキル島に打ち上げられました。今日の主役は、見出しにある wash up です。

監修:原田高志(原田英語.com)

カナダ沿岸警備隊のブイが、大西洋を渡って、アイルランドの島に流れ着きました。見出しでは「打ち上げられる」を washes up と書いています。wash up の意味と使い方、見出しの読み方、そして buoy の語源と発音を見ていきます。

見出し

Canadian buoy drifts across Atlantic, washes up on shore of Irish island

カナダのブイが大西洋を漂流し、アイルランドの島の岸に打ち上げられる

出典: The Canadian Press(2026年10月7日。CKOM掲載)

本文

A large buoy from Canada has washed up on Achill Island in northwestern Ireland.

It drifted thousands of kilometres across the Atlantic Ocean, and it weighs about 3.5 tonnes.

The Canadian Coast Guard told local officials that its buoys are very friendly and sometimes travel far from home.

The local council joked that Canadians may have to make a special trip to collect it.

チェック

語句意味英語の定義
wash up (岸に)打ち上げられる 今日の主役です。詳しくは訳出のポイントで。 to be carried by water onto land
drift 漂流する、流される to be moved slowly by water or wind
weigh 重さが〜ある 名詞の weight(重さ)とつづりが似ています。weigh は動詞です。 to have a certain weight
tonne トン(1,000キログラム) 1,000キログラムちょうどの単位で、主にアメリカ以外で使われます(Wiktionary)。アメリカでふつうに使う ton(2,000ポンド)とは重さが違います。 a unit of weight equal to 1,000 kilograms
coast guard 沿岸警備隊 a group that keeps people and ships safe near the coast
official 担当者、役人 a person who has an important job in an organization
collect 〜を引き取りに行く to go and get something from a place

全文和訳

カナダから来た大きなブイが、アイルランド北西部のアキル島に打ち上げられました。このブイは大西洋を何千キロも漂流してきたもので、重さは約3.5トンあります。

カナダ沿岸警備隊は地元の担当者に、自分たちのブイはとても人なつっこく、ときどき家から遠く離れて旅をするのだと伝えました。地元の県議会は、カナダの人たちはブイを引き取りにわざわざ旅をしなければならないかもしれない、と冗談を言いました。

訳出のポイント

wash up (岸に)打ち上げられる、皿を洗う、手や顔を洗う

wash up は、今日の見出しでは水に運ばれて岸に着くという意味です。wash は「洗う」だけでなく、「水が物を運ぶ」ことも表します。up は「岸の上へ」と考えると分かりやすいです。

Wiktionary を見ると、wash up にはいくつも意味があります。

  • ① 岸に打ち上げられる(うしろに名詞なし)… Some dangerous chemicals washed up on the beach.(危険な化学物質が浜辺に打ち上げられた)
  • ② 水が〜を岸に運ぶ(うしろに名詞)… The tide washes up a lot of driftwood.(潮が流木をたくさん打ち上げる)
  • ③ 食器を洗う(イギリス)… You wash up tonight and I'll dry.(今夜はあなたが洗って、私がふくね)
  • ④ 手や顔を洗う(アメリカ)… Dinner is almost ready, so go and wash up.(もうすぐ夕食だから手を洗ってきて)

Wiktionary には、そこから広がって「ある場所に行き着く」という意味も載っています。

同じ wash up でも、イギリスでは食器、アメリカでは手と顔です。海や浜辺の話なら、①か②の「打ち上げられる」と読みます。

A lot of plastic washed up on the beach after the storm.

嵐のあと、たくさんのプラスチックが浜辺に打ち上げられました。

Go and wash up before dinner.

夕食の前に、手を洗ってきなさい。

wash up = 水に運ばれて岸の上へ。海の話なら「打ち上げられる」。

Canadian buoy drifts across Atlantic, washes up on shore カナダのブイが大西洋を漂流し、岸に打ち上げられる

今日の見出しは、ふつうの文に直すとこうなります。

A Canadian buoy drifted across the Atlantic and washed up on the shore of an Irish island.

見出しと比べると、3つの違いがあります。

  • ① a と the が無い。 見出しでは、a や the を省くことが多いです。Canadian buoy も Atlantic も、前に何も付いていません
  • ② 過去のことを現在形で書く。 ブイはもう流れ着いていますが、drifts、washes up と現在形です。ニュースの見出しでは、終わったことも現在形で書くのがふつうです
  • ③ and の代わりにコンマ。 drifts と washes up は、どちらも主語の buoy の動きです。この見出しでは and を使わず、コンマで2つの動詞を並べています

主語は1つ、動詞は2つ。そう分かれば、短い見出しでも迷わずに読めます。

Lost dog walks 50 kilometres, returns home.

迷子の犬が50キロ歩いて、家に帰る。

A lost dog walked fifty kilometres and returned home.

迷子の犬が50キロ歩いて、家に帰りました。

見出しのコンマは and の代わりのことがある。主語が1つなら、動詞を2つ探す。

buoy ブイ、浮標

buoy は、水に浮かべて場所を知らせたり、危険を知らせたりする目印です。Wiktionary はそう説明しています。

今回のブイは、航路を示すための明かりを付けられるうえ、波の力で笛のような音を出し、近くの船に知らせるつくりだと、地元のメイヨー県議会が発表しています。

Wiktionary がいちばん先に挙げる説では、buoy は古フランス語の boue や中世オランダ語の boeye(浮き)を経て英語に入りました。さらにさかのぼると、「のろし、目印」を表すフランク語に行き着き、英語の beacon(のろし、標識の光)と同じところから来た語になります。Wiktionary には別の説も載っていますが、そちらは「おそらく可能性が低い」と書かれています。

buoy は動詞にもなります。up を付けた buoy up は「浮かせておく」という意味です。また、buoy だけで「元気づける」という意味にもなります。Buoyed by the huge success(大成功に元気づけられて)のような形です(Wiktionary)。

The boat moved slowly past the red buoy.

ボートは赤いブイのそばを、ゆっくり通り過ぎました。

She was buoyed by the good news.

彼女は、そのよい知らせに元気づけられました。

buoy は浮かぶ目印。beacon と同じ「目印」の仲間。

動画で見る

カナダ沿岸警備隊の公式チャンネルが出している、ブイの作業(Buoy Operations)の動画 (Canadian Coast Guard) 今回アイルランドに流れ着いたブイの映像ではありません。カナダ沿岸警備隊がふだん扱っているブイの仕事を紹介する動画です。

発音・リズム

wash up は、2語をつなげて読みます。wash の最後の sh が、うしろの up の u とつながり、ウォッシャップのように聞こえます。

buoy は、イギリスでは boy(少年)とまったく同じ音で、ボイと読みます。アメリカでは、ボイのほかに ブーイとも読みます(Wiktionary)。日本語の「ブイ」とは、どちらも違う音です。

tonne は、ふつうは ton と同じ音で、タンに近い音です(Wiktionary)。

背景メモ

The Canadian Press(CKOM掲載)と、アイルランドの地元紙 Connaught Telegraph の記事(Connaught Telegraph|Canadian Coast Guard buoy washes up on Mayo shoreline)から、確かめられたことをまとめます。

  • ・The Canadian Press の記事は2026年10月7日の公開です。記者は Aaron Sousa さんです
  • ・ブイが打ち上げられたのは、アイルランド北西部のメイヨー県にあるアキル島です。The Canadian Press は、けわしい山と明るい砂浜で知られる島だと書いています
  • ・ブイの重さは約3.5トンです。カナダ沿岸警備隊のブイで、大西洋を何千キロも流されてきました(Connaught Telegraph)
  • ・メイヨー県議会がカナダ沿岸警備隊に連絡したところ、自分たちのブイは「とても人なつっこく」、ときどき遠くまで旅をするくせがある、と伝えられました(Connaught Telegraph)
  • ・このブイは、航路を示す明かりを付けられるうえ、波の力で笛のような音を出して近くの船に知らせるつくりです(Connaught Telegraph)
  • ・ブイがまた海に浮かんで流され、船や海辺の施設の危険にならないよう、県議会が回収を進めています。もう一度浮かべてローナ桟橋(Roonagh Pier)まで引いていき、県議会の倉庫に運ぶ計画です(Connaught Telegraph)
  • ・メイヨー県議会で海の担当をしている David Mellett さんは、「珍しい出来事ですが、メイヨーとカナダの昔から今まで続くつながりを思い出させてくれます」と話しています。メイヨーからは何世代にもわたってカナダへ移り住んだ人がいます(Connaught Telegraph)
  • ・ブイがいつ、カナダのどこから流れ出したのかは、どちらの記事にも書かれていません

今日のまとめ

  1. 1 wash up は、海の話なら「岸に打ち上げられる」
  2. 2 イギリスの wash up は「食器を洗う」、アメリカでは「手や顔を洗う」
  3. 3 見出しでは a と the を省き、終わったことも現在形で書く
  4. 4 buoy は beacon と同じところから来たとする説が有力。イギリスでは boy と同じ発音

編集後記

wash up は、海と台所と洗面所で意味が変わる、少し忙しい句動詞です。どの意味かを決めるのは、まわりの語です。beach や shore があれば「打ち上げられる」、dinner があれば「洗う」と読みます。

明日やることは1つです。英語のニュースで wash up を見かけたら、近くにある名詞を1つ確かめてください。浜辺なのか、台所なのかが、そこで分かります。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. A lot of plastic washed up on the beach. の washed up の意味として、最も適切なものはどれですか。

  2. Q2. 見出し Canadian buoy drifts across Atlantic, washes up on shore of Irish island で、washes up の主語はどれですか。

  3. Q3. アメリカで Dinner is almost ready, so go and wash up. と言われたら、何をしますか。

よくある質問

wash up と wash の違いは何ですか?

wash は「洗う」です。wash up は、海の話では「岸に打ち上げられる」、イギリスでは「食器を洗う」、アメリカでは「手や顔を洗う」の意味で使います(Wiktionary)。

buoy はどう発音しますか?

イギリスでは boy と同じ音(ボイ)です。アメリカでは、ボイのほかにブーイとも読みます(Wiktionary)。

ブイはどこから流れてきたのですか?

カナダ沿岸警備隊のブイで、大西洋を何千キロも流されてきたと報じられています。カナダのどこから、いつ流れ出したのかは、記事には書かれていません。