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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
ONE NEWS A DAY 第17回 標準 読了 9分

venomousの意味は?ヘルメットに潜んでいた毒蛇

1日1本! ニュース英語

アメリカ・アーカンソー州の高校で、フットボール部員が毒蛇入りのヘルメットをかぶったまま練習を続けていたことが分かりました。休憩中に何かが動く感触に気づいて確かめたヘルメットの中から、コットンマウスが見つかります。今日の主役は venomous(毒のある)。

監修:原田高志(原田英語.com)

練習中、頭に何かが動く感触がある。そう思って外したヘルメットの中から出てきたのは、まさかの毒蛇でした。今日はこの騒動をきっかけに、venomous(毒のある)という語を掘り下げます。

見出し

Venomous cottonmouth discovered in Maumelle High School player's helmet during practice

毒を持つコットンマウス、マウメル高校の選手のヘルメットの中で発見される

出典: KATV(2026年8月7日)

本文

A high school football player in Maumelle, Arkansas, practiced without knowing a venomous snake was hiding inside his helmet.

The cottonmouth had worked its way between the padding, and the player only noticed something moving after warmups.

Animal control officers had to pour water into the helmet to force the snake out.

The student was not bitten, and the snake was safely captured and released far from the school.

チェック

語句意味英語の定義
venomous 毒のある、毒を注入する producing venom that can be injected by a bite or sting
cottonmouth コットンマウス(毒ヘビの一種、水生のマムシ) a venomous snake found in wetlands in the southern United States
work its way 少しずつ進んで入り込む to move somewhere slowly and with difficulty
padding 詰め物、パッド soft material used to protect or fill something
force out 〜を無理やり追い出す to make someone or something leave a place
capture 〜を捕らえる to catch a person or animal and hold them
release 〜を放す、逃がす to let a person or animal go free
bite 〜にかみつく to cut into something with your teeth

全文和訳

アーカンソー州マウメルの高校フットボール部員が、ヘルメットの中に毒蛇が隠れていることに気づかないまま練習を続けていました。コットンマウスは詰め物の間に入り込んでおり、選手は準備運動のあとになって、ようやく何かが動く感触に気づきます。動物管理局の職員は、ヘルメットに水を流し込んでヘビを追い出さなければなりませんでした。生徒はかまれておらず、ヘビは無事に捕獲されて学校から離れた場所に放されました。

訳出のポイント

venomous 毒のある、(かまれたり刺されたりして)毒を注入する

venomous のもとをたどると、古フランス語の venim、さらにラテン語の venenum に行きつきます。venenum はふつう『毒』ですが、古い時代には『薬』『魔法の薬』の意味でも使われました。この venenum は、もともと『ほれ薬』を指していたのではないかと考えられています。そうだとすると、『欲する』という意味の語根を通じて、女神ヴィーナス(Venus)とつながることになります。ただし、そう言い切れるところまでは分かっていません。

もう1つ大事なのが、日本語ではどちらも『毒』と訳されがちな venomous と poisonous の違いです。venomous は、かまれたり刺されたりして毒が体に注入される場合に使います。ヘビやハチがこちらです。poisonous は、触ったり食べたりして毒が体に入る場合に使います。フグや毒キノコがこちらです。今回のコットンマウスは、かみついて毒を注入するので venomous。覚え方は単純で、『向こうから毒を送り込んでくるのが venomous、こちらが触れて毒を受け取るのが poisonous』です。

A venomous snake bit the hiker on the ankle.

毒蛇がハイカーの足首にかみついた。

venomous=かまれて毒が入る(ヘビ・ハチ)。poisonous=触れる・食べて毒が入る(フグ・毒キノコ)

動画で見る

マウメル高校の選手のヘルメットからコットンマウスが見つかった現場の報道映像 (KATVchannel7) 動物管理局の職員が、ヘルメットからヘビを取り出す場面まで見られます。

work its way 少しずつ進んで、〜の中に入り込む

work its way(its の部分は主語に合わせて my way、his way などに変わります)は、一気にではなく、時間をかけて少しずつ進んでいく様子を表す表現です。ヘビが詰め物のすき間を少しずつくぐり抜けてヘルメットの奥に入り込んだ、という今回の状況にぴったりの言い方です。

この表現は、物の動きだけでなく人の成長にも使えます。work one's way up は『少しずつ出世していく』、work one's way through college は『苦学しながら大学を卒業する』。どちらも『地道に進んで、最終的にたどり着く』という骨組みは同じです。主語が変わっても、この骨組みだけ覚えておけば応用がききます。

He worked his way up from intern to manager in five years.

彼はインターンから5年でマネージャーまで、少しずつ出世していった。

work one's way=地道に進んで、少しずつ〜にたどり着く

the second most venomous 2番目に毒性の強い

動物管理局長のクリス・デイビス氏は、コットンマウスについて「私の考えでは、アーカンソー州で2番目に毒性の強いヘビだと思います」と述べています。the second most + 形容詞(2番目に〜な)は、the most(最も〜な)の前に序数(second、third…)を置くだけでつくれる形です。the third-largest city(3番目に大きい都市)、the world's second-tallest building(世界で2番目に高い建物)のように、ニュースや統計の話でよく出てきます。

ここで見のがせないのが、『私の考えでは(in my opinion)』という言い方です。デイビス氏は続けて、1位はガラガラヘビだと述べています。断定ではなく、長年ヘビを扱ってきた担当者自身の見立てとして語られています。断定と意見を読み分けることも、英語のニュースを読むうえで大事な力です。

In my opinion, this is the second most useful app on my phone.

私の考えでは、これは私のスマホの中で2番目に役立つアプリだ。

the second most 〜=2番目に〜な。序数+the most 形容詞で好きな順位をつくれる

発音・リズム

venomous は /ˈven.ə.məs/。最初の音節 VEN- を強く読みます。cottonmouth は cotton(綿)と mouth(口)をそのままつなげた語で、/ˈkɑːt.n̩.maʊθ/。padding は /ˈpæd.ɪŋ/ で、最初の音節を強く読みます。

背景メモ

コットンマウスは、アメリカ南東部の湿地や川に生息するマムシの仲間(pit viper)です。危険を感じると口を大きく開け、真っ白な口の中を見せて威嚇します。そこから cottonmouth(綿の口)と呼ばれます。water moccasin(水のモカシン)という別名もあります。

今回の騒動は2026年8月6日(木曜日)、マウメル高校(アーカンソー州)のフットボール部の練習中に起きました。部員がヘルメットをコーチに見せたところ、詰め物の奥からヘビが見つかりました。当初は copperhead(アメリカマムシ)と通報されましたが、動物管理局が現場で確かめるとコットンマウスでした。担当者のデイビス氏は「車の通気口やエンジン、ハンドバッグ、リュックからヘビを出したことはあります。ヘルメットは初めてです」と話しています。ヘビは自分から出てこず、最後は水を流し込んで追い出しました。生徒はかまれず、ヘビは学校から離れた森林地帯に放されました。

今日のまとめ

  1. 1 アーカンソー州の高校フットボール部員が、毒蛇入りのヘルメットで練習していた
  2. 2 ヘビはコットンマウス。詰め物の間に入り込んでいた
  3. 3 動物管理局はヘルメットに水を流し込んで、ヘビを追い出した
  4. 4 生徒はかまれず、ヘビは学校から離れた場所に無事放された

編集後記

venomous と poisonous のように、日本語では同じ1語(毒)に訳される英単語が、英語では場面ごとに使い分けられていることがあります。こうした語は、辞書で意味を確認するだけでなく、どういう場面で使われている語なのかまで見ておくと、実際の文章で迷わなくなります。

次に『毒』という日本語を英語にするとき、それがかまれる毒なのか、触れる毒なのか、一度立ち止まって考えてみてください。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. 本文の venomous の意味として最も適切なものはどれか。

  2. Q2. 本文の work its way between the padding について、正しい説明はどれか。

よくある質問

コットンマウスにかまれると、どのくらい危険なのですか。

動物管理局長は『もしこのヘビが生徒をかんでいたら、おそらく命にかかわっていたでしょう』と述べています。今回は幸い、生徒はかまれませんでした。

なぜヘルメットの中にヘビが入ってしまったのですか。

報道でも、ヘビがいつ、どうやって入り込んだかは分かっていません。分かっているのは、詰め物の奥に入り込んでいたことだけです。