snapの意味は?ジョコビッチ78連勝ストップの一戦
1日1本! ニュース英語 第24回
全米オープン初戦で、4度の優勝経験を持つノバク・ジョコビッチが、ランキング49位の若手に敗れました。全米オープンでは初、四大大会でも20年ぶりの一回戦敗退という結果から、番狂わせを表す英単語を読み解きます。
監修:原田高志(原田英語.com)
テニスの四大大会の一つ、全米オープンで大きな番狂わせが起きました。20年間誰も破れなかった記録が、たった1試合で途切れています。何が起きたのか、英文で読んでみましょう。
見出し
2026 US Open results: Novak Djokovic suffers stunning first-round loss to Mariano Navone
2026年全米オープン結果:ノバク・ジョコビッチ、マリアーノ・ナボーネにまさかの一回戦敗退
本文
Novak Djokovic lost in the first round of the US Open for the first time in his career.
Mariano Navone, a 25-year-old ranked No. 49, pulled off the upset in a five-set battle lasting four hours and 36 minutes.
The four-time champion said he had been vomiting during matches all year and felt terrible on court.
The defeat snapped his streak of 78 straight first-round wins at Grand Slam tournaments.
チェック
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| upset | 番狂わせ、大金星 | a surprising result in which the person expected to win is defeated |
| pull off | (難しいことを)成功させる、やってのける | to succeed in doing something difficult |
| four-time champion | 4度の優勝者 数字+名詞(単数)をハイフンでつなぐと1つの形容詞になります | someone who has won a championship four times |
| vomit | 吐く、嘔吐する | to bring food up from the stomach and out through the mouth |
| snapped | (連勝・記録などを)断ち切った | suddenly brought a continuing state or streak to an end |
| straight | 連続の | happening one after another without a break |
全文和訳
ノバク・ジョコビッチが、全米オープンの一回戦で自身初めて敗れた。ランキング49位、25歳のマリアーノ・ナボーネが、4時間36分に及ぶフルセットの死闘の末に金星を挙げた。4度の優勝経験を持つジョコビッチは、今年はずっと試合中に嘔吐しており、コート上で体調が最悪だったと明かした。この敗戦により、グランドスラムで78連勝していた初戦の記録が途絶えた。
訳出のポイント
snap (連勝・記録などを)断ち切る
snap は、オランダ語または低地ドイツ語の snappen(噛みつく、ひっつかむ)から入った語です。英語では1520年代に「サッと噛みつく」という意味で使われ始め、1560年代に「不意をついて、噛みついて捕らえる」、1600年ごろに「(枝や糸が)ポキッと急に折れる」という意味が加わりました。
streak(連勝記録)は、切れずに伸び続ける1本の糸のようなものです。その糸が、ある日ポキッと折れる。それが snap a streak という言い方の絵です。実際に枝が折れる音と、記録が途切れる瞬間を、英語は同じ1語で結びつけています。
ニュースの見出しでは snap のほかに break や end も同じ場面で使われますが、snap には「誰も予想していなかった、突然の終わり」というニュアンスが強く残ります。今回のジョコビッチの敗戦のように、予想外の終わり方を伝えるときにいちばんしっくりきます。
A last-minute goal snapped the team's five-game losing streak.
終了間際のゴールが、そのチームの5連敗を断ち切った。
動画で見る
four-time champion 4度の優勝者
見出しや記事には、four-time champion(4度の優勝者)や39-year-old(39歳の)のように、数字と名詞をハイフンでつないで1つの形容詞にする形がよく出てきます。
ここでのルールは1つだけです。数字と名詞をハイフンでつないだら、その名詞は「4回ぶん」「39年ぶん」という複数の意味であっても、単数形のままにします。39 years old なら years と複数形ですが、39-year-old になったとたん year は単数の year に戻ります。four times champion ではなく four-time champion であるのも同じ理由です。
入試の語順整序や空所補充でも、「数+名詞(単数)+ハイフン」という並びのまま出題されることがあります。見た目の長さにひるまず、この形をセットで覚えておいてください。
The 25-year-old player beat a four-time US Open champion.
その25歳の選手は、全米オープンを4度制した選手を破った。
upset 番狂わせ、大金星
upset は upset a boat(ボートをひっくり返す)のように、「ひっくり返す、動揺させる」という意味で使われる語です。試合の予想が丸ごとひっくり返ることから、スポーツでは「番狂わせ」を指すようになりました。
よく語られる話に、1919年にUpsetという名前の馬が、当時無敵と言われた名馬Man o' Warを破ったことでこの意味が生まれた、というものがあります。ただしニューヨーク大学の研究者ジョージ・トンプソンが、それより42年も前の1877年7月のニューヨーク・タイムズに、すでに a startling upset(驚くべき番狂わせ)という表現が載っていたことを見つけています。有名な語源ほど、裏を取ると別の顔が見えてくる、その一例です。
Few people expected such a huge upset in the first round.
1回戦であれほど大きな番狂わせが起きるとは、誰も予想していなかった。
発音・リズム
upset は、名詞なら UPset と前を強く、動詞なら upSET と後ろを強く読みます。今日のように「番狂わせ」という名詞で使うときは前アクセントです。record や present と同じ、名詞と動詞でアクセントの位置が変わる語の仲間です。
背景メモ
CBSスポーツによると、78連勝は男子・女子を通じてオープン化以降のグランドスラムで最長の初戦連勝記録だったとされます。ジョコビッチは今年に入ってから体調不良を訴える場面が続いており、この一戦でも試合中に嘔吐したと報じられました。
今日のまとめ
- 1 ジョコビッチが全米オープン初戦で敗退。全米オープンの一回戦で負けたのは、これが初めて。四大大会の一回戦で負けたのも、2006年の全豪オープン以来20年ぶり。
- 2 相手はランキング49位、25歳のマリアーノ・ナボーネ。4時間36分に及ぶフルセットの末の勝利。
- 3 グランドスラム78連勝という初戦の最長記録が、ここで途切れた。
- 4 ジョコビッチは体調不良を訴えており、試合中に嘔吐する場面もあった。
編集後記
78連勝という数字を見て、まず「そんなに勝ち続けられるのか」と驚きました。ですがこの記事でもう一つ面白いのは、番狂わせを表すupsetという語の「馬の名前起源説」が、実は裏の取れていない話だったという点です。
有名な逸話は、確かめずに広まりやすいものです。英語のニュースを読むときも、印象的な話ほど、一度立ち止まって出典を確認する癖をつけると、読み方が変わってきます。
明日は、気になる英語ニュースの見出しを1つ選び、そこに出てくる語を辞書で引いてから、語源も調べてみてください。意味だけでなく、由来まで確認する習慣が、読解力を底上げします。
原田高志
確認クイズ
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Q1. Djokovic's loss ______ his streak of 78 consecutive first-round wins.
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Q2. 『番狂わせ』という意味で使われている名詞はどれですか。
よくある質問
なぜジョコビッチは負けたのですか?
本人が明かしたところによると、今年に入ってからずっと体調が悪く、この試合でも嘔吐するなど体調不良と闘いながらのプレーだったためです。
マリアーノ・ナボーネとはどんな選手ですか?
アルゼンチン出身、25歳のプロテニス選手です。この試合の時点で世界ランキング49位でした。