overdueの意味は?132年越しに返された雑誌
1日1本! ニュース英語
ニューハンプシャー州の図書館に、132年前に借りられた雑誌がついに返却されました。罰金は本来1万2千ドル超でしたが、図書館の「延滞料金の凍結」のおかげでゼロに。今日の主役はoverdue(期限を過ぎた)です。
監修:原田高志(原田英語.com)
借りたものを、うっかり132年間返し忘れていたら。そう考えると、罰金の額にめまいがしそうです。今日はそんな実話から、「期限を過ぎた」を意味する語をもらいます。
見出し
Magazine from 1894 is finally returned to New Hampshire public library
1894年の雑誌が、ニューハンプシャー州の公共図書館にようやく返却される
本文
A library in New Hampshire has finally gotten back a magazine that went missing 132 years ago.
John Hanson, 84, found the old magazine while moving to a new house back in 1966.
He finally returned it after learning that the library was pausing all its late fees.
Without that pause, he could have owed the library over twelve thousand dollars in fines.
チェック
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| overdue | 期限を過ぎた、延滞した | not done, paid, or returned by the time it should have been |
| fine | 罰金 | a sum of money that a person must pay as a punishment |
| freeze | (一時的な)凍結、停止 | a period during which something is stopped or kept unchanged |
| on the hook for | (お金などを)背負うことになって 詳しくは訳出のポイントで。 | responsible for paying or dealing with something |
| bookplate | 蔵書票(本の持ち主を示すラベル) | a small label glued inside the front of a book to show who owns it |
| pull out | (中から)取り出す | to take something out from inside a place |
| archivist | 資料保管員、文書管理者 | a person whose job is to collect and take care of historical documents |
| in theory | 理論上は、計算上は | according to a plan or rule, though not necessarily true in reality |
全文和訳
ニューハンプシャー州のある公共図書館に、132年前に借りられたまま行方が分からなくなっていた雑誌が、ついに返ってきました。返しにきたのは84歳のジョン・ハンソンさん。1966年、引っ越しをしたときの荷物の中から、この古い雑誌を見つけていたといいます。
ハンソンさんが重い腰を上げたのは、図書館が延滞料金の徴収を一時的に停止していると知ったからでした。もしこの措置がなければ、48,220日分の延滞料金として、1万2千ドルを超える罰金を支払うことになっていたかもしれません。
訳出のポイント
overdue 期限を過ぎた、延滞した
今日の主役は、見出しにも使われている overdue(期限を過ぎた、延滞した)です。over(超えて)+ due(当然支払われるべき、期限が来ている)という、とても素直な組み立ての語に見えます。
面白いのは、この due の正体です。due はもともと古フランス語の deu を経て、ラテン語の debere(借りがある、義務がある)にさかのぼります。実はこの debere、英語の debt(借金)とも同じ根っこです。つまり overdue の中には、「借り」の感覚がそのまま埋め込まれているのです。
図書館の本や雑誌は、借りたら期限内に「借りを返す」のが約束です。この雑誌は、その借りを132年間抱えたままだった、というわけです。借りたのはハンソンさんではありません。貸し出されたのは、ハンソンさんが生まれる約48年前です。ニュースの英文でも、a book is overdue(本が延滞している)のように、モノを主語にして使うのが自然な形です。
The rent is three days overdue this month.
今月の家賃は3日延滞しています。
132-year-old 132年前の、132年物の
この雑誌を英語で a 132-year-old magazine(132年物の雑誌)と言うときの形にも注目してください。数字+単位+形容詞をハイフンでつないで、まとめて1つの形容詞にする作り方です。
ここでのポイントは、間の名詞が単数形になることです。132年のはずなのに、132-years-old ではなく 132-year-old。名詞のうしろに複数の -s を付けると、もう名詞句の中で複数として働いてしまい、1つの形容詞としてまとまらなくなるためです。同じ形は a five-minute break(5分の休憩)や a two-hour flight(2時間のフライト)にも使われています。
一方、This magazine is 132 years old.(この雑誌は132歳だ)のように、名詞を修飾せず文の述語として使うときは、ふつうどおり years と複数形にします。ハイフンでつないで名詞の前に置くときだけ単数形、というのが見分け方です。
She took a two-hour train ride to visit her grandmother.
彼女は祖母を訪ねるために2時間の電車の旅をしました。
動画で見る
on the hook for (お金や責任を)背負うことになって
記事には、In theory, Hanson could have been on the hook for a $12,055 fine.(理論上、ハンソンさんは1万2055ドルの罰金を背負うことになっていたかもしれない)という表現も出てきます。
on the hook は文字どおり『釣り針にかかった状態』です。魚が針にかかって逃げられなくなるように、人がある責任や支払いから逃れられない状態を指すようになりました。be on the hook for ~ で「〜の責任を負う」「〜を支払う羽目になる」という決まった形でよく使われます。
反対に、その責任から解放されるときは off the hook(針から外れて)を使います。let someone off the hook(誰かを許してあげる、責任を免除する)という形でもよく登場します。
If the project fails, the manager will be on the hook for the losses.
プロジェクトが失敗すれば、マネージャーがその損失の責任を負うことになります。
発音・リズム
overdue は最後の due にアクセントがあり、オウヴァ・デューと読みます。dueの発音は「デュー」で、do(する)と混同しないよう注意してください。
archivist は最初の ar にアクセントがあり、アーキヴィスト。archive(アーカイヴ)とアクセントの位置は同じですが、真ん中は「カイ」ではなく「キ」に変わります。
背景メモ
返却されたのは The Century Illustrated Monthly Magazine の1894年9月号です。図書館によれば、雑誌にはConcord Public Libraryの蔵書票が貼られており、そこには「1週間だけ借りられます」という趣旨の注意書きが印刷されていました。
貸出日から数えると、実に48,220日が経過していたことになります。この図書館のふつうの延滞料金で計算すると、罰金は1万2,055ドルに達するはずでした(1万2,055ドルを48,220日で割ると、ちょうど1日25セントです)。ちょうどこの時期、図書館は延滞料金を1年間(2026年9月1日から2027年9月まで)すべて凍結する取り組みを始めたばかりで、ハンソンさんはその話を地元紙コンコード・モニター(Concord Monitor)の記事で知り、返却を決めたと伝えられています。
雑誌は今後、通常の貸し出しには戻さず、図書館内の郷土資料室「コンコード・ルーム」で展示される見通しです。
今日のまとめ
- 1 overdue は「借りがある」を意味するdue(debtと同じ語源)に、overが付いた語
- 2 132-year-oldのように数字を使う複合形容詞は、名詞の前に置くとき単数形になる
- 3 on the hook for ~ は「釣り針にかかった」が由来で、「〜の責任を負う」という意味
- 4 図書館の延滞料金の一時凍結が、132年ぶりの返却のきっかけになった
編集後記
132年間、借りたままになっていた雑誌が、たった1年間の「延滞料金なし」という知らせ1つで動きました。罰金をゼロにしたことが、止まっていた行動を動かしたというのが、この話のいちばん面白いところだと思います。
英語のニュースでは、due の中に「借り」の感覚が埋め込まれているように、1つの単語の中に、もう1つの意味の層が隠れていることがよくあります。
明日やることは1つです。overdue という語を見かけたら、その中の due だけを取り出して、「何に対する借りなのか」を考えてみてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. overdue の意味として最も適切なものはどれですか。
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Q2. a 132-year-old magazine という言い方について、正しい説明はどれですか。
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Q3. on the hook for a fine の意味として最も適切なものはどれですか。
よくある質問
なぜ図書館は罰金を請求しなかったのですか?
コンコード公共図書館が、延滞料金を1年間(2027年9月まで)凍結する取り組みを行っていたためです。ハンソンさんはこの制度を利用して、罰金なしで雑誌を返却できました。
雑誌はどうなりますか?
通常の貸し出しには戻されず、図書館内の郷土資料室「コンコード・ルーム」で展示される見通しです。
overdue と late はどう違いますか?
late は単に「遅れている」という一般的な語です。overdue はもともと支払いや返却の期限(due date)を過ぎたことを指す、より具体的な語で、請求書や図書館の本など「期限が決まっているもの」によく使われます。