momentumの意味は?世界記録を生んだ60回目の挑戦
1日1本! ニュース英語 第36回
アイダホ州のディスクゴルフ4人組が、60回目の挑戦でギネス世界記録を打ち立てた実話を英文で読みます。momentum(勢い)という語の意味と語源、そして「It took+人+回数+before〜」の構文までやさしく解説します。
監修:原田高志(原田英語.com)
1つのホールを終えるのに、たった44.31秒。そう聞くと簡単そうですが、実は59回も失敗した末の記録でした。今日はそのニュースをmomentum(勢い)という語を入り口に読みながら、「〜するのに(回数)がかかった」という構文にも触れます。
見出し
Disc golfing foursome break Guinness World Record for speed
ディスクゴルフの4人組、スピード部門のギネス世界記録を更新
本文
A team of four disc golfers in Idaho has set a new Guinness World Record for speed.
It took David Rush and his teammates sixty attempts before everything finally came together.
On the winning try, his teammates kept the momentum going with three strong throws in a row.
Rush then sprinted uphill for 41 seconds and dropped the disc in, finishing the hole in 44.31 seconds.
チェック
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| set a record | 記録を樹立する | to achieve the best result ever officially measured |
| attempt | 試み、挑戦 | an act of trying to do something, especially something difficult |
| come together | うまくまとまる、実を結ぶ | if separate parts come together, they combine well to make something work |
| momentum | 勢い、はずみ この記事の後半でも詳しく掘り下げます。 | the force that keeps an activity or process moving forward |
| in a row | 連続して | one after another, without any break in between |
| sprint | 全力疾走する | to run as fast as you can for a short distance |
| drop ... in | ~を落として入れる | to let something fall into a container or space |
全文和訳
アイダホ州で、ディスクゴルフの4人チームが新しいギネス世界記録を打ち立てました。デイビッド・ラッシュさんとチームメートは、すべてがうまくかみ合うまでに60回もの挑戦を重ねたといいます。記録を出したその挑戦では、仲間たちが3本の好投を連続で決めて勢いをつなぎました。その後ラッシュさんが41秒間坂を全力で駆け上がってディスクをかごに落とし入れ、ホール全体をわずか44.31秒で終えました。
訳出のポイント
momentum 勢い、はずみ(名詞)
momentumは、ラテン語のmomentum(動き、動かす力)に由来する語です。動詞move(動く)と同じmovere(動かす)から生まれた語で、「動き続けようとする力」が元の意味です。
物理の授業で習う『運動量』も英語ではmomentumで、質量×速度で計算されます。この理系の専門用語が、日常英語でもそのまま「勢い」の意味で使われているのがこの語のおもしろいところです。スポーツ実況で『チームに勢いがついている』と言うときも、経済ニュースで『景気が上向いてきた』と言うときも、英語ではmomentumの一語で表せます。
ラッシュさん本人は、仲間のオリバーさんの投球についてkept the momentum moving(勢いをつないだ)と語っています。上の英文で使ったkept the momentum goingも同じ形で、goingとmovingのどちらでも通じます。一度乗った勢いを止めずに次へ渡す、というイメージがこの語の芯にあります。反対に、勢いが止まることはlose momentum(勢いを失う)と言います。
The team lost momentum after conceding the second goal.
そのチームは2点目を取られてから勢いを失った。
It took David Rush and his teammates sixty attempts before everything finally came together. 「〜するのに(回数)がかかった」というIt took構文
この文はIt took+人+回数+before+S+Vという形です。よく知られるIt takes/took+人+時間+to doの仲間で、to doの代わりにbefore節を使った形だと考えてください。意味はどちらも『(人)が〜するのに(時間・回数)がかかった』です。
例えば、It took me an hour to finish the report.(その報告書を仕上げるのに1時間かかった)は、It took me an hour before I finished the report.と書き換えても、ほぼ同じ内容を伝えられます。before節を使うと、『それまでの時間・回数』を強調できるという違いがあります。
記事のsixty attempts(60回の挑戦)のように、It took構文の中身は時間だけでなく回数にもなります。『何回』を表す語は、tookのすぐあとではなく、人を表す語のうしろに置きます(It took + David Rush and his teammates + sixty attempts)。この語順は、入試の並べ替え問題でもよく狙われます。
It took the scientists ten tries before the experiment finally worked.
その実験がついにうまくいくまでに、科学者たちは10回の試みを重ねた。
sprint 全力疾走する(動詞)。短距離を全速力で走ること
sprintはもともと『短い距離を全速力で走る』という意味の語で、陸上の100m走のような競技をsprintと呼びます。ラッシュさんが41秒間坂を駆け上がった場面も、この基本の意味そのままです。
この語はいま、スポーツ以外の場所でもよく使われます。ソフトウェア開発の現場では、1〜4週間ほどの短い開発期間をsprint(スプリント)と呼び、その期間に決めた作業を全力で終わらせます。IT系の探究学習で『スプリント形式で進める』と聞いたことがある人もいるはずです。
『全力で走る』という基本のイメージが、『短い期間に集中して取り組む』という比喩に広がった語です。語源をたどると、走る場面が思い浮かびやすくなります。
Our team has one more sprint before the project deadline.
私たちのチームは、締め切りまでにあと1回のスプリント(短期集中の作業期間)がある。
発音・リズム
momentumは/moʊˈmɛntəm/で、2つ目の母音を強く読みます。日本語の『モメンタム』のように前を強く読むと通じにくくなります。attemptは/əˈtɛmpt/で、こちらも後ろのtempを強く読みます。
背景メモ
デイビッド・ラッシュさんは200件を超えるギネス世界記録を保持する『記録破りの専門家』として知られています。今回は友人のトラビス・デイビッドソンさんと、その息子アンダースさん・オリバーさんの4人で挑みました。ラッシュさんによると、ギネス世界記録のルールではコースが200メートル以上必要だったため、アイダホ州のマラード・パーク内にあるPDGA公認のホールを選びました。60回目の挑戦では、まずラッシュさんが好調な1投目を放ち、トラビスさんが続き、オリバーさんが勢いをつなぎ、アンダースさんがターゲットのすぐそばまでディスクを運びました。最後にラッシュさんが41秒間坂を駆け上がり、ディスクをかごに入れて記録が確定しました。
今日のまとめ
- 1 アイダホ州の4人組が、ディスクゴルフの1ホールを終える速さでギネス世界記録を更新した
- 2 60回目の挑戦で、4人の好プレーがかみ合って記録が生まれた
- 3 記録保持者デイビッド・ラッシュさんは200件を超える世界記録を持つ
- 4 最後はラッシュさんが41秒間坂を駆け上がり、ディスクをかごに入れて記録を確定させた
編集後記
スポーツ実況や経済ニュースの中でmomentumという語を見かけたら、それが『勢いを維持できているか、失っているか』のどちらを指しているか確かめてみてください。It took〜before…の形を見つけたら、beforeのうしろに『それまでにかかった時間や回数』が続くことも意識してみてください。
原田高志
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確認クイズ
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Q1. What does "momentum" mean in this article?
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Q2. Which sentence uses the same pattern as "It took David Rush and his teammates sixty attempts before everything finally came together"?
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Q3. What does "sprint" mean?
よくある質問
この記録はどこで達成されましたか?
アイダホ州にある、PDGA公認のディスクゴルフコース、マラード・パーク内のホールで達成されました。
何回目の挑戦で成功しましたか?
記事によると、60回目の挑戦で成功したとされています。