make off withの意味は?イタリアでワイン3万本が盗まれた
1日1本! ニュース英語
イタリア・トスカーナの有名ワイナリーから、約3万本のワインが盗まれました。今日の主役は、盗んで逃げるときの言い方 make off with です。
監修:原田高志(原田英語.com)
覆面の犯人たちが、イタリアのワイナリーから、ワインを約3万本盗んで逃げました。値打ちは約500万ユーロです。今日は make off with の意味と使い方、haul という語、そして見出しの読み方を見ていきます。
見出し
Thieves steal 30,000 bottles of wine worth €5m in Italy, reports say
イタリアで、約500万ユーロ相当のワイン3万本が盗まれたと報じられる
本文
Italian media report that thieves have stolen about 30,000 bottles of wine from a winery in Tuscany.
The wine is worth about €5 million.
At least seven masked people are believed to have switched off the alarms and cameras, and made off with the wine in two trucks.
The company's chief executive hopes the authorities will find the wine, because two trucks full of it "can't just disappear into thin air."
チェック
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| steal | 〜を盗む 過去形は stole、過去分詞は stolen です。本文の have stolen は現在完了形です。 | to take something that belongs to another person |
| winery | ワイナリー、ワインの醸造所 | a place where wine is made |
| worth | 〜の値打ちがある wine worth €5m のように、名詞のうしろに置くと「500万ユーロ相当の」という意味になります。 | having a certain value in money |
| masked | 覆面をした | wearing something that covers the face |
| switch off | (スイッチを切って)止める | to stop a machine or light by using a switch |
| make off with | 〜を盗んで逃げる 今日の主役です。詳しくは訳出のポイントで。 | to steal something and run away |
| chief executive | 社長、最高経営責任者 | the person with the top job in a company |
| disappear into thin air | 跡形もなく消える thin air は「うすい空気」です。何も残さず消える様子に使います。 | to go away completely so that no one can see it |
全文和訳
イタリアの報道によると、泥棒がトスカーナのワイナリーから、約3万本のワインを盗みました。そのワインは、約500万ユーロの値打ちがあります。
少なくとも覆面の7人が、警報とカメラを切り、ワインをトラック2台に積んで逃げたと見られています。会社の社長は、捜査当局がワインを見つけてくれると期待しています。ワインを積んだトラック2台が「跡形もなく消えるはずがない」からです。
訳出のポイント
make off with 〜を盗んで逃げる
make off with は、盗んだものを持って、その場から逃げるという意味です。Wiktionary は「steal (something) and flee」(盗んで逃げる)と説明しています。
Wiktionary には、意味が3つ載っています。
- ① 盗んで逃げる(うしろに盗んだもの)… 今日の本文の形です
- ② 誰かと一緒に走り去る
- ③ 人をさらって逃げる(うしろに人)
Wiktionary は、1887年の小説の例も載せています。何人かが夜中にボートに乗り込み、ロープを切って、そのボートを盗んで逃げたら(make off with her)、と想像する場面です。
make off with は「盗む」と「逃げる」が1つになった言い方です。steal だけでは、盗んだあとにどうしたかは分かりません。make off with は、逃げたところまで言います。
The Guardian の記事にも、社長が Corriere della Sera に話した言葉の英訳として、make off with が出てきます。
Two men made off with a bag of money from the shop.
男が2人、その店からお金の入ったかばんを盗んで逃げました。
Someone made off with my bike while I was in the store.
私が店の中にいるあいだに、誰かが私の自転車を盗んで逃げました。
動画で見る
haul 手に入れた量、盗んだ品物、(重いものを)引っぱって運ぶ
The Guardian の見出しには、haul という語が出てきます。
Thieves make off with €5m haul from prestigious Italian winery
haul には、名詞と動詞があります(Wiktionary)。
- ① 名詞… 手に入れた量。魚の漁獲量、盗んだ品物、買い物で買ったもの全部にも使う
- ② 動詞… 重いものを引っぱる、運ぶ
Wiktionary によると、名詞の haul は動詞から作られた語です。語源をたどると、中世英語で「引っぱる」という意味の語や、古フランス語の haler に行き着きます。
今回の約3万本のワインは、盗んだ品物という意味の haul です。
この見出しでは、make off with(盗んで逃げる)のうしろに haul(盗んだ品物)が来ています。社長の言葉の英訳にも、make off with such a huge haul(それほど大量の品物を盗んで逃げる)という形が出てきます。
The thieves made off with a huge haul of wine.
泥棒たちは、大量のワインを盗んで逃げました。
The fishing boat came home with a big haul.
その漁船は、大漁で帰ってきました。
Thieves steal 30,000 bottles of wine worth €5m in Italy, reports say イタリアで、約500万ユーロ相当のワイン3万本が盗まれたと報じられる
今日の見出しには、ニュースの見出しによく出る3つの特徴があります。
- ① 過去のことを現在形で書く。 盗難はもう起きましたが、steal と現在形です。ニュースの見出しでは、終わったことも現在形で書くのがふつうです
- ② worth €5m は、名詞のあとに置く。 30,000 bottles of wine のうしろの worth €5m は「500万ユーロ相当の」という意味で、30,000 bottles of wine(3万本のワイン)をまとめて説明しています。€5m の m は million(100万)の略です
- ③ reports say は「と報じられている」。 見出しの最後に付けて、「そう伝えられている」と知らせています。BBC の本文でも、イタリアのメディアの報道だと説明しています
この3つが分かれば、短い見出しでも「誰が」「何を」「どれくらい」「どこで」「確かか」が読めます。
Student wins national prize, school says
生徒が全国規模の賞を受賞、と学校が発表。
A student won a national prize, the school said.
生徒が全国規模の賞を受賞したと、学校が言いました。
発音・リズム
winery は、最初の wine を強く読みます(Wiktionary は /ˈwaɪnəɹi/ と表記し、最初の音節にアクセントがあります)。
worth は、イギリスでは /wɜːθ/、アメリカでは /wɝθ/ です(Wiktionary)。最後の th は、舌の先を軽く歯にはさんで息を出します。
30,000 は thirty thousand、€5m は five million euros と読みます。
背景メモ
BBC News と The Guardian の記事から、確かめられたことをまとめます。
- ・盗まれたのは、イタリアの有名ワイナリー Marchesi Antinori のワインです。BBC によると、1385年創業の家族経営の会社で、170か国に輸出しています
- ・The Guardian によると、盗難があったのは、トスカーナ州の丘の上の町コルトーナにある貯蔵庫です
- ・盗まれたのは約3万本で、約500万ユーロ(420万ポンド)の値打ちがあります。Tignanello、Solaia、Guado al Tasso などの赤ワインです(BBC、The Guardian)
- ・少なくとも覆面の7人が、警報とカメラを止めたうえで、会社のフォークリフトを使ってトラック2台に積んだと見られています(BBC、The Guardian)
- ・盗難は土曜日にあり、会社が外国のお客さんへ荷物を送る準備をしているときでした。月曜日の朝に社員が出社して、初めて分かりました(BBC)
- ・BBC の記事の時点では、逮捕者は出ていません
- ・社長の Renzo Cotarella さんは、イタリアの新聞 Corriere della Sera に、イタリアでこれほどの規模の盗難は初めてだと話しています
- ・The Guardian によると、保険では、これほど高額のワインの盗難はカバーされないそうです
- ・BBC と The Guardian は、今年イタリアでワインの盗難が続いており、北部ピエモンテ州でも起きていたと伝えています
今日のまとめ
- 1 make off with は、盗んで逃げること。うしろには盗んだものが来る
- 2 haul は、盗んだ品物や手に入れた量。動詞では「引っぱって運ぶ」
- 3 見出しでは、過去のことも現在形で書く。reports say は「と報じられている」
- 4 wine worth €5m の worth は、名詞のうしろで「〜相当の」
編集後記
make off with は、steal より少し長い言い方です。そのぶん、盗んだあとに逃げたところまで言えます。英語のニュースで「盗まれた」という記事を読んだら、steal だけでなく make off with も探してみてください。
明日やることは1つです。make off with を使った文を1つ作ります。Someone made off with my ○○. の○○に、自分の持ち物を入れてください。
原田高志
確認クイズ
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Q1. Someone made off with my bike. の made off with の意味として、最も適切なものはどれですか。
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Q2. 見出し Thieves steal 30,000 bottles of wine worth €5m で、worth €5m は何を説明していますか。
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Q3. 見出しの最後の reports say は、どんな意味を表しますか。
よくある質問
make off with と steal の違いは何ですか?
steal は「盗む」だけを表します。make off with は、盗んだあとに逃げたところまで表します(Wiktionary は「steal (something) and flee」と説明しています)。
haul はどんなときに使いますか?
名詞では、魚の漁獲量、盗んだ品物、買い物で買ったものの全部など、手に入れた量を表します。動詞では、重いものを引っぱって運ぶという意味です(Wiktionary)。
盗まれたワインは見つかりましたか?
BBC の記事には、見つかったとは書かれていません。逮捕者も出ていません。会社の社長は、捜査当局が見つけてくれると期待していると話しています。