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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
ONE NEWS A DAY 第28回 標準 読了 9分

corralの意味は?警察が保護したボブキャットの英語

1日1本! ニュース英語 第28回

アメリカ・ワシントン州で、住人が空き巣を疑って通報したところ、家の中にいたのはボブキャット(山猫の一種)でした。ドローンで動きを追い、部屋へ誘導してから保護するまでの一部始終を英文で読み、corralという動詞を掘り下げます。

監修:原田高志(原田英語.com)

空き巣かと思って110番(アメリカでは911番)したら、家の中にいたのは人間ではありませんでした。今日はアメリカで実際にあった『空き巣』騒動の英文を読み、corralという動詞の意味を掘り下げます。ニュースの見出しならではの英語のクセにも触れます。

見出し

Not a cat burglar: Bobcat breaks into Washington state home

『空き巣猫』ではありません:ボブキャットがワシントン州の民家に侵入

出典: KIRO 7 News Seattle(2026年9月2日)

本文

A resident in Kirkland, Washington heard loud banging inside the house and called 911, fearing a burglary.

When officers arrived, they found a bobcat perched at the top of the stairs instead of a human intruder.

They used a drone to track the animal and safely corralled it into an empty room until wildlife officials arrived.

The bobcat was sedated, checked over, and released near a nearby creek, and no one was hurt.

チェック

語句意味英語の定義
banging ドンドンという大きな物音 a loud noise made by something hitting a hard surface
burglary 住居侵入、空き巣 動詞はburglarize(アメリカ英語)。人を指す名詞はburglar。 the crime of entering a building illegally in order to steal things
intruder 侵入者 a person who enters a place without permission
perched (高い場所に)腰を落ち着けて sitting or resting on the edge or top of something
drone ドローン、小型無人機 a small aircraft without a pilot, controlled from the ground
corralled 〜を囲い込んで捕らえた guided an animal or group of people into a small enclosed space
wildlife officials 野生生物保護当局の職員 people who work for a government department that protects wild animals
sedated 〜に鎮静剤を投与した gave a drug to someone or something to make them calm or sleepy

全文和訳

アメリカ・ワシントン州カークランドで、住人が家の中から聞こえる大きな物音に気づき、空き巣だと思って911番に通報しました。ところが駆けつけた警察官が見つけたのは、人間の侵入者ではなく、階段の上に座っていたボブキャット(山猫の一種)でした。警察はドローンでその動きを追いながら安全な距離を保ち、野生生物当局が到着するまでのあいだ、無人の部屋へと動物を追い込みました。到着した職員がボブキャットに鎮静剤を投与して健康状態を確認したのち、近くの小川のそばで自然に返しています。ボブキャットは木をよじ登り、開いていた窓から飛び込んだとみられ、家の飼い猫につられて入り込んだ可能性があるということです。飼い猫は無事でした。住人にも、駆けつけた警察官にも、ボブキャット自身にもけがはありませんでした。

訳出のポイント

corral 〜を(動物や人を)囲い込んで一か所に集める、追い込む

corralはもともと「家畜を囲うための柵、囲い地」を指す名詞でした。1580年代に英語に入った語で、直接の出どころはスペイン語のcorral(『輪』を意味するcorroから)とされていますが、語源そのものははっきりしておらず、アフリカ系の言語に由来するという説と、『車両を囲う場所』を意味するラテン語系の語(currus=二輪車、currere=走るにさかのぼる語)からスペイン語に入ったという説の、両方が伝えられています。

動詞として使われ始めたのは1847年ごろで、名詞の『囲い』からそのまま『(動物を)柵の中に追い込む』という意味が生まれました。その翌年の1848年には、幌馬車で西部を旅する人たちが夜になると馬車をぐるりと輪の形に並べ、外敵から身を守る陣形を作ることも、corralと呼ぶようになります。さらに1860年ごろには、『人をひっ捕らえる、確保する』という俗語の意味にまで広がりました

今回の英文でcorralが表しているのは、まさにこの『動物を安全な場所に追い込んで確保する』という意味です。柵と馬車の陣形から、警察官がボブキャットを1つの部屋に追い込む場面まで、同じ1つの動詞でつながっています。

Volunteers tried to corral the loose sheep before they reached the road.

ボランティアたちは、道路に出てしまう前に逃げた羊を追い込もうとした。

柵で囲う(corral)→ 馬車を輪にする → 動物を追い込む → 人を確保する。1つの絵が時代とともに広がった。

動画で見る

カークランドの住宅で見つかったボブキャットの現場映像 (KING 5 Seattle) 家の中に入り込んだボブキャットの様子が、編集なしでそのまま映っています。

Not a cat burglar: Bobcat breaks into Washington state home 見出しの中の「冠詞抜き」と「現在形」

この見出しをよく見ると、a や the がほとんど付いていません。本来なら A bobcat breaks into a Washington state home となるところですが、英語の見出しでは紙面を節約するために a / an / the をできるだけ省くという決まった書き方があります。

もう1つの特徴は、breaks(現在形)が使われていることです。出来事そのものは過去に起きていますが、英語の見出しは、いま起きたばかりのことのように感じさせるために、あえて現在形を使うという慣習があります。本文の中では、実際に過去形(found、used、releasedなど)で書かれていることと比べてみてください。

もう1つ、cat burglarという言葉遊びにも注目です。cat burglarはもともと『足音を立てずに忍び込む、身のこなしの軽い泥棒』を指す決まった言い方ですが、今回はその『猫のような泥棒』の場所に、本物の猫科の動物(ボブキャット)が来てしまった、というのがこの見出しの面白さです。

Storm forces flights to be cancelled across the region.

嵐の影響で、この地域一帯の便が欠航に。(見出し英語:冠詞省略・現在形の例)

見出し英語は「aやtheを削る」「現在形で今起きたことのように見せる」の2つのクセを持つ。

発音・リズム

corralは/kəˈræl/で、後ろのralをいちばん強く読みます。見た目がよく似たcoral(サンゴ、/ˈkɔːrəl/)は前のcoを強く読むので、強い場所がちょうど逆になります。sedatedは/sɪˈdeɪtɪd/で、真ん中のdaをいちばん強く読みます。最初のseを強く読まないように気をつけてください。

背景メモ

警察は今回の一件を受けて、住民向けにこう呼びかけました。「If you encounter a bobcat, give it plenty of space and never approach or feed it.(ボブキャットに出会ったら、十分な距離を取り、決して近づいたり餌をやったりしないでください)」。ワシントン州魚類野生生物局は、あわせて3つのことを勧めています。1つ目は、夕方から明け方まではペットを室内で過ごさせること。2つ目は、小動物や家禽を安全な場所にしまっておくこと。3つ目は、家の中にボブキャットが入ってきたら、人とペットをその場所から離して911番に通報することです。

今日のまとめ

  1. 1 ワシントン州カークランドで、住人が物音を空き巣と疑って通報
  2. 2 警察が見つけたのは、階段の上に座っていたボブキャット
  3. 3 ドローンで動きを追い、無人の部屋へ追い込んでから野生生物当局が保護
  4. 4 鎮静剤を投与したあと、近くの小川のそばで自然に返され、けが人はなし

編集後記

空き巣を疑って通報したら、実際にいたのはボブキャットだった。この一件そのものが、見出しのcat burglarという言葉遊びを裏付けています。corralという1語には、家畜を囲う柵から、幌馬車の陣形、そして今回のような『動物を安全な部屋に追い込む』使い方まで、200年以上の距離があります。1つの単語が時代によって姿を変えながら、ずっと『何かを1か所に集める』という芯だけは保ち続けているのが分かります。明日、英語のニュースサイトを開いたら、見出しにaやtheが入っているかどうかを、まず数えてみてください。冠詞が消えていること、動詞が現在形になっていることの2つに気づけたら、今日の中身が身についています。

原田高志

確認クイズ

  1. Q1. The word ______ can mean both "a fenced area for animals" and "to guide an animal or person into a confined space."

  2. Q2. According to the article, why do English news headlines often use the present tense even for past events?

よくある質問

このボブキャットはどうなりましたか?

野生生物当局の職員に鎮静剤を投与されて健康状態を確認されたあと、近くの小川のそばで自然に返されました。住人にも警察官にもボブキャット自身にも、けがはありませんでした。

corralはどんな場面で使えますか?

もともとは牧場の家畜を囲う柵を指す言葉ですが、いまでは『動物や人をひとまとめに追い込む、集める』という意味の動詞としても、ニュースや日常会話で使われます。