分詞構文でつまずく人は、たいてい「6つの意味を暗記しよう」として溺れます。今日は逆から行きましょう。分詞構文とは何かをひとことで言えば「接続詞と主語を消して圧縮した副詞節」。なぜ消せるのか、いつ消してはいけないのか——その理屈さえ持てば、6つの意味は暗記ではなく「復元」で解けるようになります。
なぜそうなるのか
分詞構文とは、「接続詞+主語」を省いて圧縮した副詞節のことです。
もとの文は When I walked along the street, I met an old friend. の2文構造。主節と副詞節で主語が同じ(どちらも I)だったので、副詞節の側から接続詞と主語を消し、動詞を -ing に変えて Walking along the street, I met an old friend. と圧縮しました。「-ing の意味上の主語=主節の主語」と決まっているから、書かなくても誤解が起きない——これが「主語を書かない」理由のすべてです。
逆に言えば、意味上の主語が主節と違うときは、消すと意味が壊れます。だから Night falling, we hurried home. のように主語を残す。これが独立分詞構文です。「特別な構文」として別に覚える必要はありません。圧縮のルールがそのまま適用できなかっただけの、同じ仕組みの別の顔です。
否定は not を -ing の直前に置いて Not knowing what to say, he kept silent.。主節より前の出来事なら Having + 過去分詞(完了分詞構文)で時間差を示します。どの形も「解凍したら元の副詞節に戻せるか」を確かめれば、正誤が自分で判定できます。
⚠️ ここでつまずく
「-ing の意味上の主語=主節の主語」というルールを忘れると、Walking along the street, a dog bit me. のような文を書いてしまいます。これでは「散歩していたのは犬」となり、いわゆる懸垂分詞(dangling participle)です。ネイティブでもうっかりやる誤りですが、入試では確実に減点対象。書く前に「-ing しているのは誰か」を主節の主語と一致させる癖をつけてください。
例文で確かめる
Walking along the street, I met an old friend of mine.
通りを歩いていて、旧友にばったり出会った。
= When I was walking along the street, I met ... の圧縮形。
Not knowing what to say, he kept silent for a while.
何と言えばよいかわからず、彼はしばらく黙っていた。
否定は not を分詞の直前に。never も同じ位置。
Having finished my homework, I went out for a walk.
宿題を終えてから、散歩に出かけた。
主節(went)より前の出来事なので Having + 過去分詞。
The weather being fine, we decided to have lunch outside.
天気がよかったので、私たちは外で昼食をとることにした。
主節(we)と分詞の主語(The weather)が違うので主語を残す=独立分詞構文。
All things considered, her plan is the most realistic.
すべてを考え合わせると、彼女の案が最も現実的だ。
慣用化した独立分詞構文。considered は受動なので過去分詞。
確認クイズ
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Q1. 空所に入る最も適切な語句を選びなさい。 ( ) what to do next, he called his father for advice.
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Q2. 次の文を分詞構文に書き換えたとき、最も自然なものを選びなさい。 As it was written in easy English, the book was easy to read.
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Q3. 下線部の Having の役割として最も正しいものを選びなさい。 Having lived in London for ten years, she speaks English fluently.
よくある質問
分詞構文の意味は6つあると言われますが、どうやって見分けますか?
文脈で決めますが、実務上は「時(〜するとき)」で訳して意味が通れば時、通らなければ理由・条件・譲歩の順に試す、が最速です。and でつないで「そして〜」と訳せる場合は付帯状況(同時進行)です。訳語より、主節との論理関係のほうを優先してください。
Being sick, he stayed home. の Being はよく省略されると聞きますが、なぜですか?
分詞構文の Being/Having been は情報量がほぼゼロなので、書き言葉ではしばしば省かれます。省くと Sick, he stayed home. のようになり、一見「形容詞が突然置いてある」ように見えますが、これは分詞構文の名残です。入試の並べ替えで狙われます。