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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
GRAMMAR 第29回 標準 読了 9分

willがwouldに変わる由|話法の転換の謎を解く

入試対策講座 第29回

He said, "I will call you tomorrow." を間接話法にすると、なぜwillがwouldに変わるのかを謎解き形式で確認します。時制の一致の基準点と、いつでも変わらない事実は時制を変えない理由まで、長文の会話部分を素早く正しく読めるようになります。

監修:原田高志(原田英語.com)

『彼は明日電話すると言った』を He said that he will call me tomorrow. と書くと、実は減点されます。今日はwillがwouldに変わる話法の転換の謎を、謎解き形式で解き明かしていきます。

なぜ、いまも本当のことなのに、sayのあとのwillがwouldに変わるのか

He said, "I will call you tomorrow." を日本語の感覚のまま英語にすると、He said that he will call me tomorrow. と書いてしまいがちです。しかし正しくはwillではなくwouldです。この違いはどこから来るのでしょうか。

考えられる答え

仮説1 sayが過去形だから、機械的にwillもwouldに変えるという決まりだから

たしかにそう見えますが、それだけでは、いつでも変わらない事実(普遍的な真理)を伝えるときに、あえて時制を変えなくてよい理由が説明できません。

仮説2 伝えた内容が過去のことだから、時制を1つ過去にずらす

方向としては近いですが、He said that the earth goes around the sun.のように、過去の発言でも現在形のままにする文があります。過去の出来事かどうかだけでは決まりません。

仮説3 伝達動詞(said)が行われた時点を基準にして、発言の内容がその時点から見てどんな時間関係にあるかで判断する

ここに真相があります。sayが過去形のとき、発言の中の時制は、いまの自分ではなく、sayが行われた過去のその時点を基準にして1つ前にずらします。

真相

話法

時制の一致は、『いまも本当かどうか』ではなく、伝達動詞(said)が行われた時点を基準にして、発言の中の時制を1つ前にずらす決まりです。ただし、いつでも変わらない事実は過去形にしません。

伝達動詞(said)が過去形なら、発言の中の時制も1つ過去にずらす。ただし、いつでも変わらない事実はそのまま

直接話法のHe said, "I will call you tomorrow."を間接話法にすると、He said that he would call me the next day.になります。sayが過去形(said)なので、その中にあったwillも、sayが行われた過去の時点を基準にして、1つ前の形であるwouldに変わります。

同じ関係は、現在形→過去形(is→was)、can→could、is going to→was going toにもそのまま当てはまります。基準になるのは『いま』ではなく、sayが行われたその時点です。

一方で、He said that the earth goes around the sun.のように、いつでも変わらない事実(普遍的な真理)や、習慣的に繰り返されることがらは、時制を変えずに現在形のままにします。地球が太陽の周りを回っているのは、sayが行われた過去の時点でも、いまも変わらず本当だからです。

つまり時制の一致は、『発言の内容が過去のことかどうか』ではなく、sayの時点から見て、その内容がこれから先のことなのか、すでにいつでも成り立つことなのかで決まります。willをwouldに変えるのは、sayの時点から見てまだこれから先のことだったから、という説明になります。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

日本語の『彼は明日電話すると言った』には、時制をずらすという感覚がありません。『言った』は過去形でも、『電話する』はそのままの形で使われます。だから英語でも、sayを過去形にしても、その中のwillはそのままでよいと感じてしまいます。知らなかっただけで、理解力の問題ではありません。

ここでつまずく

He said, "I am tired." を He said that he is tired. と書いてしまう誤りが定番です。正しくはHe said that he was tired.です。ただし、He said that water boils at 100 degrees Celsius. のように、いつでも変わらない事実はboilsのまま使います。

sayが過去形なら、時制を過去にひとつ後ろへずらす。ただし『いつでも本当なこと』はそのまま残す。

時間の基準点移動力を手に入れる

sayのような伝達動詞が過去形のとき、その時点を基準にして発言の中の時制を判断できるようになります。いつでも変わらない事実は時制を変えない、という例外も見分けられるようになります。

例文で確かめる

He said, "I will call you tomorrow."

彼は『明日電話するよ』と言った。(直接話法)

He said that he would call me the next day.

彼は次の日に私に電話すると言った。(間接話法)

She told me that she had already finished her homework.

彼女はもう宿題を終えたと私に言った。

Before

sayを過去形にしたら、あとの動詞も機械的に過去にする、という丸暗記のルールだと思っていた

After

sayの時点を基準にして、これから先のことか、いつでも本当のことかを見分けてから時制を選べる

For Teachers

明日の授業、この15分で「話法の転換(直接話法→間接話法の時制の一致)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「He said, 'I will call you tomorrow.' を、そのまま人に伝えるとしたら何て言う?」
  • 「『地球は太陽の周りを回っている』と誰かが言ったとき、それを伝える文の動詞の形は変わると思う?」
  • 「日本語では『言った』のあとの動詞、形が変わらないよね?」

板書はこの1行だけ

said(過去)+ will→would/is→was(1つ前へ) ただし いつでも本当のこと=そのまま

ペアワーク/全体討論(5分)

先生「隣の人に、誰かから最近言われたことを1つ、直接話法("〜"の形)で伝えて」と指示する。聞いていたほうは、それをHe/She said that 〜の間接話法に直して言い返す。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

直接話法を間接話法に直しなさい。She said, "I am busy today."

答え:She said that she was busy that day.(sayが過去形なのでamはwasに、todayはthat dayに変わる)

難関

誤りを直しなさい。The teacher said that water boil at 100 degrees Celsius.

答え:The teacher said that water boils at 100 degrees Celsius.(いつでも変わらない事実なので現在形のまま。boilは三人称単数のsも必要)

出口チケット(2分)

『明日は晴れるだろう』と天気予報が言っていたことを、He said that 〜の形で英語で書きなさい。

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

以下の条件で、話法の転換(直接話法→間接話法)の例文を5組作ってください。①willがwould、isがwasに変わる例と、②いつでも変わらない事実で時制を変えない例の両方を含める。③それぞれの文で、なぜその時制になるのかを日本語で説明する。④和訳も添える。

動画で見る

話法の転換(直接話法→間接話法)の作り方を解説するレッスン動画 (ANGLOPOD) willがwouldに変わるような時制の一致の基本ルールが、例文とともに確認できます。

確認クイズ

  1. Q1. He said, "I am going to visit my grandmother this weekend." → He said that he ______ visit his grandmother that weekend.

  2. Q2. Our teacher told us that light ______ faster than sound.

よくある質問

時制の一致は、会話でも必ず守らなければいけませんか?

書き言葉や入試問題では基本的に守ります。ただし話し言葉では、伝えた内容がいまも本当だとお互いに分かっている場合、He said he is tired.のように現在形のまま話されることもあります。