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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
GRAMMAR 第33回 標準 読了 9分

used toの味|原形かing形かで変わる

入試対策講座 第33回

used toのあとは原形なのに、be used toやget used toのあとはなぜing形になるのか。2つのtoの正体を、謎解き形式で解き明かします。誤りやすい形から、先生の15分パックまでまとめました。

監修:原田高志(原田英語.com)

「昔は〜した」と「〜に慣れている」。どちらもusedという単語を使うのに、後ろに続く形がまったく違います。今日はその謎を、謎解き形式で解き明かします。

なぜused toのあとは原形なのに、be used toのあとはing形になるのか

I am used to get up early.と書いてしまう受験生がいます。しかし正しい形はI am used to getting up early.で、動詞にingを付ける必要があります。

考えられる答え

仮説1 used toの後ろは、いつも動詞の原形にすればいいはず

I used to play soccer every day.(私は毎日サッカーをしたものだった)のように、used toのあとに原形が来る形は、たしかによく見かけます。しかしI am used to getting up early.のように、be動詞が前に付くと、後ろがing形に変わってしまいます。

仮説2 be used toの後ろは、to不定詞の一種だから、なんとなく動詞が続くはず

be used toのtoを見て、いつもの不定詞のtoだと思い込んでしまうのは自然な発想です。しかし、もしそうならI am used to get up early.でも正しいはずですが、実際にはこの形は誤りです。

仮説3 used toには2種類あり、片方のtoは不定詞のto、もう片方のtoは前置詞のto。前置詞のtoの後ろには、動詞ではなく名詞・動名詞が続く

ここに真相があります。used to do(かつて〜した)のtoは、to不定詞のtoなので、後ろに動詞の原形が続きます。一方、be used to / get used toのtoは前置詞のtoで、前置詞の後ろには名詞か動名詞(ing形)しか置けません。

真相

語法

used to do(過去の習慣・状態)のtoは不定詞のtoで、後ろは原形。be/get used to doing(〜に慣れている/慣れる)のtoは前置詞のtoで、後ろは名詞か動名詞(ing形)。見た目は同じtoでも、正体がまったく違う。

used to do(かつて〜した/した)/ be used to doing(〜するのに慣れている)/ get used to doing(〜するのに慣れる)

used toという3文字を見たとき、前にbe動詞やget動詞が付いているかどうかを必ず確認してください。付いているかどうかで、後ろに続く形がまったく変わります。

used to do(かつて〜した、〜だった)は、過去の習慣や状態を表す言い方です。I used to live in Osaka.(私は昔、大阪に住んでいた)のように、後ろには動詞の原形を置きます。このtoは、to不定詞のtoです。だから後ろには、動詞の原形がそのまま続きます。

これに対して、be used to doing(〜するのに慣れている)とget used to doing(〜するのに慣れる)のtoは、前置詞のtoです。前置詞のあとには名詞か動名詞(ing形)しか置けないという、英語の基本ルールがそのまま当てはまります。I am used to studying late at night.(私は夜遅くまで勉強するのに慣れている)、He got used to living alone.(彼は1人暮らしに慣れた)のように、動詞にはかならずingを付けます。

be used toとget used toの違いは、状態か変化かです。be used toは『すでに慣れている状態』、get used toは『これから慣れていく、慣れるようになる』という変化を表します。

見分け方は2段階です。①usedの前にbe動詞もgetも無ければ、toは不定詞のtoで、後ろは原形。②be動詞やgetが付いていて、意味が『〜に慣れている・慣れる』なら、toは前置詞なので、後ろに動詞が来るときはing形。

①②のどちらでもない形が1つだけあります。be used to doで『〜するために使われる』という受け身の意味になるときです。この場合のusedは『使う』という動詞useの過去分詞で、toは不定詞のtoに戻ります。詳しくは、このあとの『誤りやすい形』を読んでください。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

『昔は〜した』と『〜に慣れている』は、日本語ではまったく別の言い方です。ところが英語では、どちらもusedを使います。そのため同じ形に見えてしまい、後ろに来る動詞の形にまで意識が向きにくくなります。日本語には、前置詞のあとに動詞を置くときだけ形が変わる、という発想自体があまりないためです。知らなかっただけで、理解力の問題ではありません。『toの前にbe動詞かgetがあるか』と『慣れているという意味で読めるか』の2つを確かめる習慣をつけると、迷わなくなります。

ここでつまずく

I am used to get up early.のように、be used toのあとを原形のままにしてしまう誤りが定番です。正しくはI am used to getting up early.です。逆に、I used to playing soccer every day.のように、used to doのあとにingを付けてしまう誤りもよく見られます。正しくはI used to play soccer every day.です。

ここからが、もう1つの落とし穴です。be used toのあとが原形でも、正しい文になることがあります。Salt is used to preserve food.(塩は食べ物を保存するために使われる)がその形です。このusedは『慣れている』ではなく、『使う』という動詞useの受け身で、toは『〜するために』を表す不定詞のtoです。

ですから、be used toを見たら、『〜に慣れている』と読んで意味が通るかどうかを先に確かめてください。通ればing形、通らずに『〜するために使われる』と読めるなら原形です。主語が物のときは、後者であることが多くなります。

be動詞もgetも無ければ、後ろは原形。付いていて『慣れている』の意味なら、toは前置詞でing形。『〜するために使われる』と読める文だけは、be used toでも原形。

to識別センサーを手に入れる

usedという同じ単語を見ても、前にbe動詞やgetが付いているかと、『慣れている』の意味で読めるかどうか。この2つを見るだけで、後ろに続く形を判断できるようになります。同じ形のtoが文の中でまったく違う働きをすることがある、という視点は、他の紛らわしい構文を見分けるときにも役立ちます。

例文で確かめる

I used to play the piano every day when I was in elementary school.

小学生のころ、私は毎日ピアノを弾いたものだった。

She is used to speaking in front of a large audience.

彼女は大勢の観客の前で話すのに慣れている。

It took him a while, but he finally got used to waking up at five every morning.

しばらく時間はかかったが、彼はついに毎朝5時に起きることに慣れた。

Before

used toを見るたびに、前にbe動詞が付いているかを確認せず、いつも同じ形で後ろに動詞を続けようとしていた

After

toの前にbe動詞やgetがあるかを確かめ、さらに『慣れている』と読めるかどうかを見ることで、後ろの形を迷わず選べる

For Teachers

明日の授業、この15分で「used to/be used to/get used to(3つの紛らわしい形の使い分け)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「used to」って単語、後ろにいつも同じ形が続くと思っていない?
  • 「昔は〜した」と「〜に慣れている」、英語ではどっちもusedを使うって知ってた?
  • 前置詞のあとには、動詞のどんな形が続くんだっけ?

板書はこの1行だけ

used to + 原形(過去の習慣) / be used to + doing(慣れている状態) / get used to + doing(慣れていく変化)

ペアワーク/全体討論(5分)

先生「昔よくやっていたこと」と「最近慣れてきたこと」を1つずつ考えて、と指示する。ペアで、それぞれをused to ~とbe/get used to ~ingを使って英語で伝え合う。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

日本語に合うように英文を完成させなさい。彼女は満員電車に乗るのに慣れている。She is used to ______ (ride) on crowded trains.

答え:She is used to riding on crowded trains.

難関

誤りを直しなさい。When I was a kid, I used to swimming in the river every summer.

答え:When I was a kid, I used to swim in the river every summer.(過去の習慣を表すused toのあとは原形)

出口チケット(2分)

『彼は新しい学校の生活に慣れてきた』という文を、get used toを使って英語で書きなさい。

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

以下の条件で、used to do/be used to doing/get used to doingを使った例文をそれぞれ2つずつ、合計6つ作ってください。①部活・学校生活・引っ越しなど、身近な場面を扱う。②中学・高校生にも理解できる語彙にする。③日本語訳も添える。

動画で見る

used to/be used to/get used toの違いを解説する文法レッスン動画 (BBC Learning English) 3つの形の違いが、短い会話例つきで紹介されています。

確認クイズ

  1. Q1. My grandfather ______ tell us stories about his childhood every winter.

  2. Q2. After moving to Tokyo, it took me a few months to get ______ the crowded trains.

よくある質問

be used toとget used toは、どちらを使っても同じ意味ですか?

be used toは『すでに慣れている状態』、get used toは『これから慣れていく、慣れるようになる』という変化を表します。すでに慣れている人にはbe used to、まだ慣れていない人が慣れていく過程にはget used toを使います。