to と for の使い分けは?give は to、buy は for になる動詞の見分け方
入試対策講座|第73回
My mother gave me a watch. を、人を後ろに回して書きかえるとき、前置詞は to か for か。give は to、buy や make は for と動詞ごとに分かれます。さらに、explain のように人を直接うしろに置けない動詞もあります。この3つを、入試で使える順に整理しました。
監修:原田高志(原田英語.com)
My father bought me a bike. を、「自転車」を先に出して書きかえてください。bought a bike ( ) me の空所は to か for か、迷った人は多いはずです。今日は、動詞のあとに「人」と「物」が並ぶ形を、前置詞つきの形に書きかえるときの決まりを見ていきます。
give は to、buy は for と分かれるのを、どう見分けるか。そして、explain のように人を直接うしろに置けない動詞を、どう見つけるか
次の4つを見比べてください。
① My mother gave me a watch.
② My mother gave a watch to me.
③ My mother bought me a watch.
④ My mother bought a watch for me.
- ①と②、③と④は、それぞれ同じ意味です。ところが、前置詞は give では to、buy では for になります。
もう1つあります。The teacher explained us the rule. と書くと、誤りになります。explain は、give のように「人+物」と並べることができません。
この3つの違いは、どう見分ければよいのでしょうか。
考えられる答え
give なら、My mother gave a watch to me. で合っています。覚えやすい規則です。 ただ、British Council の解説 は、to を使う動詞と for を使う動詞を分けて並べています。buy・make・cook・find・get などは for の側です。to で統一すると、buy や make の書きかえで間違えます。
British Council の解説 の一覧では、to の仲間が give・lend・offer・pass・post・promise・read・sell・send・show・tell・write、for の仲間が book・bring・buy・cook・find・get・keep・make・pour・save です。これを覚えれば、書きかえの前置詞は選べます。 ただ、一覧に載っていない explain や donate は、この方法では判断できません。暗記だけでは、explain A B のような誤りを見つけられません。
British Council の解説は、意味ではなく、動詞を to の仲間と for の仲間に分けて並べています。そこで、意味から見分ける目安として、to の仲間は give・send など渡す・送る・伝える動詞、for の仲間は buy・make・cook など買う・作る・用意する動詞、と考えると覚えやすくなります。ただし、これはこの講座の目安です。 そのうえで、Wikipedia の Dative alternation は、Explain me the solution や Donate her the money を、人を直接うしろに置けない形として示しています。donate は Donate money to him. の形なら正しいと書かれています。explain や donate は、「物 to 人」の形しか使えません。
真相
「動詞+人+物」に書きかえられる動詞は、渡す・送る・伝える仲間なら「物 to 人」、買う・作る・用意する仲間なら「物 for 人」になる。explain や donate のように「動詞+人+物」の形そのものが使えない動詞は、「物 to 人」の1通りだけ。
give 型:give A B = give B to A / buy 型:buy A B = buy B for A / explain 型:explain B to A だけ(explain A B は誤り)
British Council の解説 は、動詞のあとに「人」と「物」を並べる動詞を、2つの形で説明しています。1つは「動詞+人+物」、もう1つは「動詞+物+to(または for)+人」です。
① 前置詞が to の動詞
多くは渡す・送る・伝える意味の動詞です(意味の見分けは目安です)。give・lend・offer・pass・post・promise・read・sell・send・show・tell・write が並んでいます。
・My mother gave me a watch. = My mother gave a watch to me.
② 前置詞が for の動詞
多くは買う・予約する・作る・手に入れるなど、人のために何かを用意する意味の動詞です(意味の見分けは目安です)。book・bring・buy・cook・find・get・keep・make・pour・save が並んでいます。
・My mother bought me a watch. = My mother bought a watch for me.
③ 「動詞+人+物」の形そのものが使えない動詞
Wikipedia の Dative alternation は、Explain me the solution、Lucy explained/announced/reported Mary the news、Donate her the money に、誤りの印の を付けています。同じ記事は Donate money to him. を正しい形として示しています。入試では、explain A B ではなく、explain B to A と書きます。
④ 人が代名詞か長い語句かで、選ぶ形が変わる
British Council の解説 は、人が代名詞なら「動詞+人+物」の形を使い、人が長い語句なら to か for を使うのがふつうだと説明しています。
⑤ 前置詞は、人の前に付けない
Test-English の解説 は、I send to Alex a postcard. を誤りとして示しています。to や for は、「動詞+人+物」の形では使いません。
入試で使う3ステップ
① 動詞が、渡す・送る・伝える仲間か、買う・作る・用意する仲間かを見ます。
② 前者なら to、後者なら for を選びます。
③ explain・donate のような動詞なら、「人+物」の形を疑います。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では、「母は私に時計をくれた」も「母は私に時計を買ってくれた」も、どちらも「私に」と書けてしまいます。だから、人の前に置く前置詞は to でも for でも同じ意味だと感じてしまいます。
英語では、動詞によって、人の前に to を置くか for を置くかが分かれます。日本語では、どちらも「私に」と言えるので、to と for の違いが意識されにくいのです。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。動詞の意味が「渡す」なら to、「買う・作る」なら for と見ると、選びやすくなります(目安です)。
ここでつまずく
典型的なのは、前置詞の取り違えです。
✕ My father bought a new bike to me.
○ My father bought a new bike for me.
✕ I'll make some tea to you.
○ I'll make some tea for you.
人を直接うしろに置けない動詞では、次の誤りが出ます。
✕ He explained me the answer.
○ He explained the answer to me.
前置詞を人の前に付けて「人+物」の形にする誤りもあります。
✕ I send to Alex a postcard.
○ I send Alex a postcard.
to・for 仕分け力を手に入れる
動詞を見た瞬間に、「渡す・送る・伝える」なら to、「買う・作る・用意する」なら for と分けます。この仕分けができると、書きかえ問題と空所補充の前置詞が、選びやすくなります。
explain や donate が出てきたら、「人+物」の形を選択肢から消す、という使い方もできます。
例文で確かめる
My mother gave me a watch for my birthday.
母は誕生日に、私に時計をくれた。
give は to の仲間。「動詞+人+物」の形。
My mother gave a watch to me for my birthday.
母は誕生日に、私に時計をくれた。
同じ意味を「物 to 人」で書いた形。
My father bought a new bike for me.
父は私に新しい自転車を買ってくれた。
buy は for の仲間。to ではなく for を使う。
The teacher explained the rule to us.
先生は私たちにその規則を説明した。
explain は「人+物」の形が使えない。物のあとに to us を置く。
Before
人を後ろに回す前置詞は、どの動詞でも to でよいと思っていた
After
動詞の意味を見て、渡す仲間なら to、買う・作る仲間なら for を選ぶ。explain や donate が出たら、「人+物」の形を疑う。だから、書きかえ問題でも空所補充でも前置詞に迷いにくくなる
For Teachers
明日の授業、この15分で「動詞+人+物の書きかえ(give A B は give B to A、buy A B は buy B for A)と、人を直接うしろに置けない explain の語法」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「My father bought me a bike. を、a bike を先に出して書きかえてください」と言い、黒板の前で書かせます」
- 「「bought a bike の後ろに to me と書いた人は、手を挙げてください」と聞き、板書して×を付けます」
- 「「explained me the answer と書いた人はいますか」と聞き、隣の人と30秒、どこが誤りかを考えさせます」
板書はこの1行だけ
渡す・送る・伝える→物 to 人(give・send・tell)/買う・作る・用意する→物 for 人(buy・make・cook)/explain・donate→物 to 人のみ
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、1人が動詞を1つ言います(give・buy・make・send など)。もう1人は、その動詞を使って、人を後ろに回した文を言います」5分。
先生の発話は、「to か for か、動詞を聞いたらすぐ言いましょう」です。言い終わったら役を替えます。
レベル別ミニ問題(5分)
次の日本語に合うように、( ) の語を並べかえなさい。父は私に新しい自転車を買ってくれた。My father ( for / a new bike / bought / me ).
答え:My father bought a new bike for me. buy は for の仲間なので、物の後ろに for me を置く
次の英文の誤りを直しなさい。He explained me the answer.
答え:He explained the answer to me. explain は「人+物」の形が使えないので、物のあとに to me を置く
次の英文を、人を後ろに回した形に書きかえなさい。I'll make you some tea.
答え:I'll make some tea for you. make は for の仲間なので、for you を置く
出口チケット(2分)
「母は私に弁当を作ってくれた」と「母は私に本をくれた」を、前置詞を使う形で2つとも書かせる(例:My mother made a packed lunch for me. / My mother gave a book to me.)
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。「動詞+人+物」を「動詞+物+to/for+人」に書きかえる練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①全問を4択の空所補充にして、正解が1つだけになるようにする。②3問は to を使う動詞(give・send・show・tell など)、2問は for を使う動詞(buy・make・cook・find など)にする。③1問は、explain のように「人+物」の形が使えない動詞にする。④解答には、to か for を選んだ理由を、動詞の意味から一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。
動画で見る
確認クイズ
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Q1. 「母は私に誕生日ケーキを作ってくれた」という意味になるように、( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。My mother made a birthday cake ( ) me.
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Q2. 次の4つの英文のうち、誤りを含むものはどれか。
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Q3. 「私は友達にこの本を貸した」という意味になるように、( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。I lent ( ).
よくある質問
give の書きかえで、for ではなく to を使うのはなぜですか?
British Council の解説は、give・send・tell などを to の仲間、buy・make・cook などを for の仲間として並べています。意味で言うと、渡す・送る・伝える動詞は to、買う・作る・用意する動詞は for と覚えるのが目安です。
explain のあとに人を直接置いて、explain me the answer と書けますか?
書けません。Wikipedia の Dative alternation は *Explain me the solution に誤りの印を付けています。explain the answer to me の形で書きます。
人が代名詞のときと、長い語句のときで、使う形は変わりますか?
British Council の解説は、人が代名詞のときは「動詞+人+物」の形を使い、人が長い語句のときは to か for を使うのがふつうだと説明しています。