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GRAMMAR 第77回 標準 読了 9分

suggest that のあとは原形? he leaves と he leave の見分け方

入試対策講座|第77回

The doctor suggested that he take a rest. の take に s が付かないのはなぜでしょうか。insist・suggest・demand のあとの that 節で動詞が原形になる理由と、否定の not take、受け身の be done の形、入試での見分け方を解説します。

監修:原田高志(原田英語.com)

「医者は彼に休むよう勧めた」を英語にすると、The doctor suggested that he take a rest. です。主語は he なのに、take に s が付きません。正誤問題では、ここに s を付けた選択肢が誤りとして並びます。なぜ原形になるのか、理由から見ていきます。

主語が he なのに、なぜ suggest that he takes ではなく take なのか

次の2つを見比べてください。

① The doctor suggested that he take a rest.
② The doctor suggested that he takes a rest.

入試の正誤問題では、①が正しい形として出ます。grammarerror.com の解説は、この形の動詞をどんな主語でも原形で使うと書いています。

三単現の s を付けるのが英語の決まりのはずなのに、なぜここでは付けないのでしょうか。

考えられる答え

仮説1 口語だから、三単現の s を省いてもよいことになっている

「くだけた会話での省略」と考えたくなる気持ちは分かります。 ただ、grammarerror.com の解説は、これを形式的な文章で使う正式な形として説明しています。例文の It is crucial that she not be disturbed. は、is ではなく be を使っています。s を省いただけなら、be の形は説明できません。

仮説2 should が省略された形だ

入試ではこの説明がよく使われます。should を入れても意味が同じになるか確かめられるので、役に立つ見分け方です。 Wikipedia の解説も、この形の多くは should を使った言い方に置きかえられると書いています。ただし同じ解説は、should を使う形はアメリカ英語で急に減り、21世紀には非常にまれだと書いています。今のアメリカ英語では、should が見えない形のほうが出会いやすいので、この説明だけでは足りません。

仮説3 事実を言うのではなく、「そうしてほしい」内容を言う専用の形だから

grammarerror.com の解説は、この形を、要求・提案・必要を表す that 節で使う形だと説明しています。 that 節の中身は、すでに起きた事実ではなく、これから実現してほしいことです。事実を言う文とは別の動詞の形を使う、と考えると筋が通ります。

真相

仮定法現在

that 節の中身が「これからしてほしいこと」だから、事実を述べる普通の形(takes)ではなく、原形(take)を使う。

S + suggest/insist/demand + that + S' + 動詞の原形(否定は not + 原形、受け身は be + 過去分詞)

① 原形が出てくる場面
grammarerror.com の解説によると、この形は要求・提案・必要を表す that 節で使われ、動詞は主語に関係なく原形になります。
・I insist that he arrive on time.(彼が時間どおりに来ることを求める)

ここで arrives にはしません。He は三人称単数でも、原形のままです。

② be の形が決め手になる
Wikipedia の解説には、次の例があります。
・We demand that it be done tomorrow.(それを明日やるよう要求する)

it のあとに is ではなく be が来ています。be 動詞は、主語が何でも be になります。s を省いたのではなく、別の形だと分かる例です。

③ 否定は not を動詞の前に置く
・It is crucial that she not be disturbed.(彼女が邪魔されないことが重要だ)
・My recommendation is that they not be punished.(彼らが罰せられないよう勧める)

前者は grammarerror.com、後者は Wikipedia の例文です。don't ではなく、not を原形の前に置きます。

④ 原形を使う語は動詞だけではない
上の crucial は形容詞、recommendation は名詞です。「要求・提案・必要」の意味を持つ語が前にあれば、that 節がこの形になることがあります。

⑤ should を使う形もある
Wikipedia の解説は、I insist that he should leave now. のように should を使っても言えると書いています。入試でも、選択肢に should がある形が出ることがあります。

⑥ 普通の形になる場合もある
Wikipedia の解説は、I insist that Andrea be here. と I insist that Andrea is here. を並べています。後者は、『アンドレアは今ここにいる』と事実を言い張る意味にも、『ここにいてほしい』という意味にも取れ、どちらかはっきりしない、と書いています。

入試で使う3ステップ
① that の前の語が、要求・提案・必要の意味かを見ます。
② that 節の中身が「これからしてほしいこと」なら、動詞を原形にします。
③ 否定なら not + 原形、受け身なら be + 過去分詞にします。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

日本語の動詞は、主語が何でも形が変わりません。それなのに英語は、普通の文では he takes のように s を付けます。だから「s を付けないのは、付け忘れ」と感じてしまいます。

もう1つ、日本語には、英語のように動詞の形で「してほしいこと」を示す習慣がないのです。

知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。that の前に suggest や demand を見つけたら、「この中身は、まだ起きていないことだ」と一度つぶやいてください。

ここでつまずく

入試で狙われやすいのは、三単現の s を付けた選択肢です。

✕ The teacher suggested that he takes the exam again.
○ The teacher suggested that he take the exam again.

受け身の形も出ます。

✕ We demand that the report is finished by Friday.
○ We demand that the report be finished by Friday.

否定の形も狙われます。

✕ It is crucial that she does not be disturbed.
○ It is crucial that she not be disturbed.

要求・提案・必要の that 節は「まだ起きていないこと」。動詞は s も is も付けず、原形(be)のまま。

要求と事実を読み分ける力を手に入れる

動詞の形を見るだけで、その英文が「事実を言っている」のか「してほしいことを言っている」のかが分かります。s の有無が、書き手の意図を教えてくれます。

長文でも、要求や提案の内容を正確に拾えます。英作文では、勧める・求める文を正しい形で書けます。

例文で確かめる

The doctor suggested that he take a few days off.

医者は、彼が数日休むよう勧めた。

主語が he でも take のまま。

We demand that the report be finished by Friday.

私たちは、報告書を金曜日までに仕上げるよう求める。

受け身は be + 過去分詞。

I insist that he arrive on time.

私は、彼が時間どおりに来ることを求める。

arrives にはしない。

It is crucial that she not be disturbed.

彼女が邪魔されないことが重要だ。

否定は not を原形の前に置く。

Before

that 節の中でも、主語が he なら takes と書くものだと思っていた

After

that 節の中身が「してほしいこと」なら、動詞は原形だと分かった。suggest・insist・demand を見つけたら、原形・be + 過去分詞・not + 原形の3つの形を、先に思い浮かべられる

For Teachers

明日の授業、この15分で「insist・suggest・demand のあとの that 節で、動詞が原形になる形(仮定法現在)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「「医者は、彼に休むよう勧めました」を英語で書かせます。30秒です。」
  • 「「suggested that he takes と書いた人は手を挙げてください。では、takes と take、どちらが正しいでしょう」と聞き、隣の人と15秒話させます。」
  • 「「医者の suggest が表すのは、事実ですか、それともこれからしてほしいことですか」と聞き、「まだ起きていない」という答えを待ちます。」

板書はこの1行だけ

suggest/insist/demand + that + S + 原形(s も is も付けない)/否定は not + 原形/受け身は be + 過去分詞

ペアワーク/全体討論(5分)

「1人が友達への提案を日本語で言います(例:もっと早く寝たほうがいい)。もう1人は suggest that で始めて、英語で言い直します」5分。

先生の発話は、「主語が he でも she でも、動詞に s は付けません。否定なら not を前に置きます」です。言い終わったら役を替え、最後に受け身(be done)の文も1つ作らせます。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

誤りを直しなさい。The coach suggested that she practices every day.

答え:The coach suggested that she practice every day. 提案の内容なので、動詞は原形にする

標準

誤りを直しなさい。We demand that the room is cleaned today.

答え:We demand that the room be cleaned today. 受け身は be + 過去分詞にする

難関

次の英文を、日本語に直しなさい。It is crucial that he not be told the truth yet.

答え:彼にまだ本当のことを伝えないことが重要だ。crucial のあとの that 節なので、not + 原形(be)の形になっている

出口チケット(2分)

「先生は、私たちが毎日日記を書くよう求めた」を、demand を使って英語で書かせる(例:Our teacher demanded that we write in our diaries every day.)

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

あなたは大学入試英語の指導者です。suggest・insist・demand のあとの that 節で動詞が原形になる形の練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①全問を4択の空所補充にして、正解が1つだけになるようにする。②2問は三単現の s の有無、2問は否定の not + 原形、2問は受け身の be + 過去分詞を問う。③選択肢には、三単現の s を付けた形を必ず入れる。④解答には、なぜその答えになるかを一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。

確認クイズ

  1. Q1. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。It is essential that the door ( ) locked before you leave.

  2. Q2. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。The teacher demanded that the phone ( ) be used in class.

  3. Q3. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。I suggest that Tom ( ) the form again.

よくある質問

suggest that のあとで、動詞に s を付けてはいけませんか?

入試の正誤問題では、s を付けた形は誤りとして出ます。grammarerror.com の解説によると、要求・提案・必要を表す that 節では、動詞は主語に関係なく原形になります。

should を使った言い方は誤りですか?

誤りではありません。Wikipedia の解説は、I insist that he should leave now. のように should を使う言い方があると書いています。ただし、アメリカ英語では使われることが少なくなったとも書いています。

否定のときは、どう書きますか?

not を原形の前に置きます。grammarerror.com の例文は、It is crucial that she not be disturbed. です。don't や doesn't は使いません。