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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
GRAMMAR 第50回 標準 読了 9分

rob と steal の違いは?I was stolen が誤りになる理由

入試対策講座|第50回

「かばんを盗まれた」を I was stolen my bag. と書くと誤りです。steal のうしろには「物」、rob のうしろには「人や場所」が来ます。目的語に何を置く動詞かを見るだけで、受け身の形まで決まります。

監修:原田高志(原田英語.com)

「財布を盗まれた」は、英作文でいちばん書き間違えやすい文の1つです。原因は、rob と steal のうしろに置くものの違いにあります。今日は、この違いを1つ押さえて、受け身まで迷わず書けるようにしましょう。

なぜ I was stolen my bag. は誤りなのか

「私は電車でかばんを盗まれた」を英語にしてみてください。

I was stolen my bag on the train.

こう書いた人は多いはずです。日本語の「私は〜を盗まれた」を、そのまま受け身にした形です。

ところが、これは英語として成り立ちません。

「盗まれた」を受け身にしただけなのに、どこがいけないのでしょうか。

考えられる答え

仮説1 steal は受け身にできない動詞だから

「steal の受け身は避ける」と覚えておけば、この誤りは書かずに済みます。 ただ、steal は受け身にできます。My bag was stolen on the train.(かばんが電車で盗まれた)は、まったく正しい英文です。 受け身にできないのではなく、受け身の主語に何を置くかが問題なのです。

仮説2 「盗まれた」は被害なので、have + 物 + 過去分詞で書くしかない

I had my bag stolen.(かばんを盗まれた)は正しい英文です。被害を表す have の形に気づいた点は、いい線です。 ですが、「〜しかない」は言いすぎです。I was robbed of my bag. のように、「私」を主語にした受け身も書けます。 「私」を主語にできる動詞と、できない動詞があるのです。

仮説3 steal のうしろには「物」、rob のうしろには「人」が来る。受け身の主語になれるのは、そのうしろに来る語だけ

steal が目的語にとるのは、盗まれる物です。steal my bag とは言えても、steal me とは言いません。 受け身の主語になれるのは、もとの文で目的語だった語だけです。だから steal の受け身で主語になれるのは my bag で、「私」ではありません。 「私」を主語にしたいなら、「人」を目的語にとる rob を使います。

真相

動詞の型(目的語に何を置くか)

steal は「物」を、rob は「人・場所」を目的語にとります。受け身の主語になれるのは目的語だけなので、「私」を主語にするなら I was robbed of ~ になります。

steal + 物(+ from 人)/rob + 人・場所 + of 物。受け身は My bag was stolen. / I was robbed of my bag.

2つの動詞は、うしろに置くものが逆です。

① steal + 物 + from 人
Someone stole my bag.(誰かが私のかばんを盗んだ)
Someone stole my bag from me. のように、取られた人は from で添えます

② rob + 人・場所 + of 物
Someone robbed me of my bag.(誰かが私からかばんを奪った)
取られた物は of で添えます

受け身にすると、それぞれ目的語が主語になります。

  • ・steal → My bag was stolen.(主語は物)
  • ・rob → I was robbed of my bag.(主語は人)

rob のうしろに場所を置くと、「〜を襲う」になります。rob a bank(銀行を襲う)は言えますが、steal a bank とは言いません。

rob A of B の形は、ほかの動詞にもあります。

・deprive A of B(AからBを奪う)
The noise deprived me of sleep.(騒音で眠れなかった)
・rid A of B(AからBを取り除く)

どれも、of のうしろに「取られる物」、動詞のすぐうしろに「取られる人」が来ます。動詞のすぐうしろに何を置くかを見れば、受け身の主語も決まります。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

日本語の「盗まれる」は、主語を「私」にしても「かばん」にしても言えます。「私はかばんを盗まれた」「かばんが盗まれた」。どちらも自然です。

そのため、英語でも「私」を主語にしたまま受け身にできると思ってしまいます。英語の受け身は、もとの文の目的語しか主語にできません。日本語の「〜を盗まれた」には、この縛りがありません。

知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。steal を見たら「物」、rob を見たら「人」。これ1つで足ります。

ここでつまずく

いちばん多いのは、steal の受け身で「人」を主語にする誤りです。

✕ I was stolen my wallet.
○ My wallet was stolen.
○ I had my wallet stolen.
○ I was robbed of my wallet.

もう1つの罠は、rob の of を from にする誤りです。

✕ He robbed my bag from me.
○ He robbed me of my bag.
○ He stole my bag from me.

from を使うのは steal のほう、of を使うのは rob のほうです。

steal は物をつかむ手、rob は人に向かう手。物が主語なら stolen、人が主語なら robbed of。

動詞の目的語から受け身の主語を決める力を手に入れる

動詞を選ぶ前に、「取られる人」と「取られる物」のどちらを主語にしたいかを決められるようになります。

物が主語なら steal、人が主語なら rob か deprive。英作文で「〜を奪われた」「〜を盗まれた」が出ても、主語を決めた時点で使う動詞が絞れます。長文で be robbed of や be deprived of が出たときも、of のうしろが失ったものだとすぐ読めます。

例文で確かめる

My bag was stolen on the train.

電車でかばんを盗まれた。

steal の受け身。主語は盗まれた物。

He was robbed of his watch on his way home.

彼は帰り道に腕時計を奪われた。

rob の受け身。主語は取られた人、取られた物は of のうしろ。

Three men robbed a bank in the town last week.

先週、3人組がその町の銀行を襲った。

rob + 場所 = 〜を襲う。

The loud music next door deprived me of sleep.

隣の大きな音楽のせいで、私は眠れなかった。

deprive A of B も rob と同じ型。

Before

「私は〜を盗まれた」をそのまま受け身にして I was stolen ~ と書き、英作文で減点されていた。rob と steal は同じ「盗む」だと思っていた

After

動詞のすぐうしろに「物」を置くか「人」を置くかで、steal と rob を選び分けられる。受け身の主語も、その目的語から決められる

For Teachers

明日の授業、この15分で「rob A of B と steal B from A(奪う動詞の目的語と受け身)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「「電車でかばんを盗まれた、を英語にしてください」と投げかけます」
  • 「「steal me と言えますか。steal my bag はどうですか」と聞きます」
  • 「「では、私を主語にして受け身にしたいとき、どの動詞を使えばいいでしょう」と問いかけます」

板書はこの1行だけ

steal + 物 (+ from 人) → 物 was stolen/rob + 人 + of 物 → 人 was robbed of 物

ペアワーク/全体討論(5分)

「隣の人と、次の2文を、主語を変えた受け身に書き直してください。① Someone stole her phone. ② Someone robbed him of his watch.」3分。

  • ①は Her phone was stolen.、②は He was robbed of his watch. です。①を She was stolen her phone. と書いたペアが出たら、「steal のうしろにもともと何が置かれていたか」を指で押さえさせてください。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

誤りを直しなさい。I was stolen my bicycle last night.

答え:My bicycle was stolen last night. または I had my bicycle stolen last night. ※steal の受け身で主語になれるのは物

難関

ほぼ同じ意味になるように空所を埋めなさい。The man stole her purse. = The man robbed ( ) ( ) her purse.

答え:her / of ※rob + 人 + of + 物の形

出口チケット(2分)

「私は財布を奪われた」を、I を主語にして英語で書いてください

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

あなたは大学入試英語の指導者です。rob・steal・deprive の語法を確かめる練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①誤文訂正を3問、和文英訳を3問にする。②そのうち2問は受け身にする。③rob A of B と steal B from A の両方を必ず使う。④解答には、動詞のすぐうしろに何が来るかを理由として一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。

動画で見る

steal と rob の違いを短く解説する動画 (BBC Learning English) 英語です。英語学習番組 English In A Minute の1本で、2つの動詞の違いを取り上げています。

確認クイズ

  1. Q1. 「私は駅で財布を盗まれた」の英訳として最も適切なものはどれか。

  2. Q2. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。The thief robbed the old man ( ) all his money.

よくある質問

rob と steal は、どう使い分ければいいですか?

動詞のすぐうしろに何を置くかで決めます。物を置くなら steal(steal my bag)、人や場所を置くなら rob(rob me of my bag/rob a bank)です。

「私は〜を盗まれた」は、どう書けばいいですか?

My ~ was stolen.、I had my ~ stolen.、I was robbed of my ~. の3つが書けます。I was stolen my ~. は、steal の目的語ではない「私」を主語にしているので誤りです。