remember to doとdoingの違い|覚えているのは未来か過去か
入試対策講座|第47回
Remember to lock the door. と Do you remember locking the door? は、同じ remember なのに指している時間が逆です。remember・forget・regret のあとで to do と doing が分かれる理由を、謎解き形式で解きます。
監修:原田高志(原田英語.com)
remember のあとは to do なのか doing なのか。どちらも正しい英語なのに、意味がまるで変わってしまう組み合わせです。今日は、丸暗記しなくても選べるようになる見分け方を、順番に確かめていきましょう。
なぜ remember to do と remember doing で、指す時間が逆になるのか
次の2文を見比べてください。
Remember to lock the door.
Do you remember locking the door?
上は「ドアに鍵をかけるのを忘れないでね」。これから家を出る人への一言です。下は「ドアに鍵をかけたこと、覚えてる?」。もう鍵をかけたかどうかを確かめる質問です。
同じ remember なのに、上は未来、下は過去を指しています。
何が、この時間の向きを決めているのでしょうか。
考えられる答え
「remember to do は未来、remember doing は過去」と表にして覚えれば、点は取れます。まずはそれで十分です。 ただ、同じ形は forget にも regret にも出てきます。1語ずつ別々に覚えると、forget doing はどっちだったかと、本番で迷うことになります。 3つの動詞が同じ並び方をしている理由が、丸暗記では説明できません。
たしかに、like to swim と like swimming のように、どちらを使っても意味がほとんど変わらない動詞もあります。 ですが remember では、上の2文のとおり意味がはっきり分かれます。「言い換え」では、この違いが説明できません。 違いが出る動詞と出ない動詞があるのは、to と -ing がそれぞれ別の時間の感覚を持っているからです。
不定詞の to は、もとをたどると「〜へ」と方向を表す前置詞の to と同じ語です。だから to do には、まだ起きていない行為へ向かう感じがあります。 一方、動名詞の doing は、行為を名詞としてひとまとまりに扱う形です。remember や forget のあとでは、もう起きた行為を指します。 remember のように「頭の中にあること」を表す動詞は、この違いがそのまま時間の違いになります。
真相
to do は「これからする行為」、doing は「もうした行為」。remember・forget・regret は、この2つの時間の向きをそのまま意味の違いに映す動詞です。
remember / forget / regret + to do = これからすること(まだしていない)/ remember / forget / regret + doing = もうしたこと(すでに起きた)
冒頭の2文に戻ります。
Remember to lock the door. の to lock は、まだしていない行為です。「これから鍵をかけること」を覚えておいて、という意味になります。
Do you remember locking the door? の locking は、もうした行為です。「鍵をかけたこと」を覚えているか、という意味になります。
同じ並び方をする動詞は、あと2つ覚えれば十分です。
- ① forget
- ・forget to do:(これから)〜するのを忘れる
- ・forget doing:(すでに)〜したことを忘れる
- ② regret
- ・regret to do:(これから言うことを)残念に思う。regret to tell you ~ で「残念ながら〜をお知らせします」
- ・regret doing:(すでに)〜したことを後悔する
見分け方は1つです。その行為は、もう起きていますか。まだ起きていないなら to do、もう起きたなら doing です。
forget doing は、I'll never forget meeting you.(あなたに会ったことを決して忘れません)のように、否定文で使われることが多い形です。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では「〜するのを覚えている」も「〜したのを覚えている」も、どちらも「覚えている」で終わります。時間の違いは、前の「する」と「した」が引き受けてくれます。
ところが英語では、remember の形は変わりません。時間の違いは、うしろの to do と doing が引き受けています。日本語の感覚のまま「覚えている」だけを見ていると、この合図を見落とします。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。うしろの形を見るという習慣が1つ増えれば、それで足ります。
ここでつまずく
いちばん多いのは、「忘れずに〜してね」を remember doing で書いてしまう誤りです。
✕ Remember buying some milk on your way home.
○ Remember to buy some milk on your way home.
(帰りに牛乳を買うのを忘れないでね)
もう1つの落とし穴は stop です。stop to do と stop doing も意味が分かれますが、しくみが違います。
- ・stop smoking:たばこを吸うのをやめる(smoking は stop の目的語)
- ・stop to smoke:たばこを吸うために立ち止まる(to smoke は「〜するために」)
stop to do の to do は stop の目的語ではありません。remember と同じ仲間だと思って覚えると、訳を取り違えます。
時間の向きを読む力を手に入れる
remember・forget・regret に出会ったら、うしろの形を見るだけで、その行為がもう起きたのか、これから起きるのかが分かるようになります。
長文の中で regret to say が出てきたら「これから残念な知らせが来る」、regret saying が出てきたら「言ったことを後悔している」と、読みながら先の展開まで予想できます。
例文で確かめる
Remember to lock the door when you leave.
出かけるときは、忘れずにドアに鍵をかけてね。
鍵をかけるのはこれから。まだしていない行為なので to lock。
I don't remember locking the door this morning.
今朝ドアに鍵をかけたかどうか、覚えていません。
鍵をかけたかもしれないのは今朝のこと。すでに過ぎた行為なので locking。
I regret telling him the secret.
彼に秘密を話したことを後悔しています。
話したのはもう済んだこと。だから regret telling。
Before
remember to do と remember doing を表で覚えていたが、forget や regret になるとどちらが過去だったか迷っていた
After
うしろの行為がもう起きたかどうかを確かめるだけで、to do か doing かを選べるようになる。forget と regret にも同じ判定がそのまま使える
For Teachers
明日の授業、この15分で「remember・forget・regret のあとの to do と doing の使い分け」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「Remember to lock the door. と Do you remember locking the door? は、どちらが家を出る前の一言でしょう」と聞きます」
- 「「では、鍵をかけたのはどちらの文ですか」と聞きます」
- 「「forget や regret でも、同じことが起きると思いますか」と問いかけます」
板書はこの1行だけ
to do → まだしていない(これから)/doing → もうした(すでに) remember・forget・regret
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、次の2文を日本語にして、違いを説明し合ってください。① I forgot to call her. ② I'll never forget calling her that night.」3分。
- ①は「彼女に電話するのを忘れた(電話していない)」、②は「あの夜、彼女に電話したことは忘れない(電話した)」です。「①は電話していない」と言えたペアに、全体の前で理由を話してもらってください。
レベル別ミニ問題(5分)
空所に適切な形を入れなさい。Please remember ( send ) the email before noon.
答え:to send ※メールはまだ送っていない。これからする行為なので to do を使います
日本語に合うように、誤りを1か所直しなさい。「残念ながら、あなたの申し込みは受理されなかったことをお知らせします」We regret informing you that your application was not accepted.
答え:regret informing → regret to inform ※これから知らせる内容を「残念に思う」ので to do。regret informing だと「知らせたことを後悔している」になります
出口チケット(2分)
「I remember ( see ) this movie when I was a child. の空所に適切な形を入れてください」
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。remember・forget・regret のあとの to do と doing の使い分けを練習する問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①6問のうち3問は to do、3問は doing が正解になるようにする。②すべて空所補充形式で、動詞の形を答えさせる。③1問は、その行為がもう起きたかどうかを日本語で説明させる記述式にする。④解答には、行為がすでに起きたか、これから起きるかを一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。
動画で見る
確認クイズ
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Q1. 「I forgot ( ) my homework, so my teacher got angry.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。
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Q2. 「We regret ( ) you that the concert has been canceled.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。
よくある質問
remember to do と remember doing は、どう見分けますか?
うしろの行為がもう起きたかどうかを見ます。まだしていない行為なら to do、もうした行為なら doing です。
どの動詞でも to do と doing で意味が変わるのですか?
いいえ。like や start のように、どちらでも意味がほとんど変わらない動詞もあります。入試でよく問われるのは remember・forget・regret のように、意味がはっきり分かれる動詞です。