肯定文のdoの意味は?『本当に』を強める言い方
入試対策講座 第26回
I do love this song. のように、疑問文でも否定文でもないのに現れるdo/does/did。この『強調のdo』が何のためにあるのかを、謎解き形式で確認します。会話や小説の中で、話し手の本音を読み取る力につながります。
監修:原田高志(原田英語.com)
I do love this song. という文を見て、なぜここにdoがあるんだろうと手が止まったことはありませんか。今日はこの『強調のdo』を、謎解き形式で解き明かしていきます。
なぜ肯定文なのに、動詞の前にdoが出てくるのか
I do love this song. という文を見て、疑問文でも否定文でもないのにdoがあるのはなぜだろう、と手が止まった経験はありませんか。
考えられる答え
そう考えたくなる気持ちは分かります。ですが実際には意図的に置かれた語で、消してもよい飾りではありません。無いものとして読み飛ばすと、話し手が伝えたかった気持ちを取りこぼしてしまいます。
方向は合っています。ただ、数ある助動詞の中でなぜdoが選ばれるのか、その理由まではまだ説明できていません。
ここに真相があります。ふだん姿を見せないdoが、肯定文であえて前に出てくることそのものが、強調の合図になっています。
真相
肯定文にdo/does/didを加えると、その動詞の内容を『本当にそうだ』と強く肯定する言い方になります。
肯定文 + do/does/did + 動詞の原形 → 『本当に〜だ』
ふだんの肯定文(I love this song.)に、助動詞は要りません。doが顔を出すのは、Do you love this song?のような疑問文と、I don't love this song.のような否定文をつくるときです。
ところが、疑問文でも否定文でもないのに、あえてdoを立てることがあります。I do love this song.のように言うと、『本当に好きなんだ』と、動詞loveの内容を強く肯定する響きが加わります。
話すときは、このdoにいちばん強いアクセントを置きます。文字だけでは伝わりにくいこの強調が、声に出すと一気に伝わります。
使われる場面は主に3つです。①相手が疑っている・意外に思っていることを打ち消すとき(You don't like it? I do like it!)。②自分の気持ちを強く伝えたいとき(I do want to help you.)。③丁寧に念を押すとき(Do come in.のような招待)。
過去の文ならdid、三人称単数の現在ならdoesを使い、動詞は必ず原形に戻します。does love、did loveのように、時制と人称の情報はdoes/didのほうが引き受けるからです。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語には、動詞の前に単語を1つ足すだけで文全体を強く肯定できる、決まった仕組みがありません。『本当に』『実際に』のような副詞を足して強調するのがふつうなので、英語で語順を変えずに助動詞を追加するだけで強調になるという仕組みに、ピンとこないのです。知らなかっただけで、理解力の問題ではありません。
ここでつまずく
canやwillのような助動詞がすでにある文に、さらにdoを足してしまう誤りがあります(✕ I do can understand.)。doによる強調は、助動詞のない肯定文にだけ使います。もう1つ多いのが、doのうしろの動詞を原形に戻し忘れる誤りです(✕ She does works hard. /✕ He did apologized.)。時制と三人称単数のsはdoes/didのほうが引き受けるので、うしろの動詞は原形のままにします。
本音を聞き分ける力を手に入れる
会話や小説の中でdo/does/didが急に現れたとき、そこに話し手の『本当にそうなんだ』という気持ちが乗っていると読み取れるようになります。疑いを打ち消したいのか、気持ちを強く伝えたいのか、場面から判断できる力です。
例文で確かめる
I do love this song.
この曲、本当に好きなんだ。
She does work hard, even though her boss doesn't notice it.
上司は気づいていないけど、彼女は本当に一生懸命働いている。
He did apologize, but she was still upset.
彼は確かに謝ったが、それでも彼女はまだ怒っていた。
Before
do/does/didを見ると、いつも疑問文か否定文の目印だと思って身構えていた
After
肯定文の中でdoを見つけたら、そこに話し手の『本当にそうだ』という気持ちが乗っていると読み取れる
For Teachers
明日の授業、この15分で「肯定文を強めるdo/does/did(強調のdo)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「I love this song. と I do love this song. 、何が違うと思う?」」
- 「「ここのdoを消しても文法的には成り立つのに、なぜ書き手はわざわざ残したんだろう?」」
- 「「日本語で『本当に』を付けずに、英語と同じ強さを出す方法はある?」」
板書はこの1行だけ
肯定文 + do/does/did + 動詞の原形 → 『本当に〜だ』
ペアワーク/全体討論(5分)
先生「隣の人に、最近『本当に』良かったことを1つ教えて」と指示し、ペアでI do like ~. / I did enjoy ~. を使って話させる。話し終えたら、聞いていたほうが『どのくらい強く言ってる?』と確認する。
レベル別ミニ問題(5分)
次の文にdoを足して、気持ちを強めた文にしなさい。I want to see you.
答え:I do want to see you.
次の文の誤りを直しなさい。I do can speak French.
答え:I can speak French.(doとcanは同じ文で重ねられないので、doを消す)
出口チケット(2分)
友達に『それ、うそでしょ?』と疑われたときに、強調のdoを使って本当だと伝える1文を書きなさい。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
以下の条件で、私が書いた英語の肯定文を、doを使って強調する形に直してください。①助動詞がすでにある文には使わない。②時制と主語に合わせてdo/does/didを選ぶ。③直した文とその理由を日本語で書く。 """(ここに自分の英文を貼る)"""
動画で見る
確認クイズ
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Q1. 次の文で、doの働きとして正しいものを選びなさい。 I do believe you.
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Q2. 次のうち、doによる強調が正しく使われている文を選びなさい。
よくある質問
強調のdoは会話だけで使いますか?
会話でよく使われますが、小説や新聞のインタビューなど、書き言葉にも登場します。話し手の気持ちが強く出ている場面を探すと見つけやすくなります。