句動詞の語順は?turn it off が正しく turn off it が誤りな理由
入試対策講座|第72回
turn off the light も turn the light off も正しいのに、turn off it は誤りです。句動詞の目的語が it や them のような代名詞のとき、置き場所は1つに決まります。分けられるタイプと、look after のように分けられないタイプの見分け方まで整理しました。
監修:原田高志(原田英語.com)
「それを消してください」を、turn off を使って英語にしてください。Turn off it. と書きたくなりますが、これは誤りです。turn off the light は正しいのに、なぜ it に変えると誤りになるのか。今日は、句動詞の目的語がどこに入るかを見ていきます。
なぜ turn off the light は正しいのに、turn off it は誤りなのか
次の3つを見比べてください。
① Turn off the light.
② Turn the light off.
③ Turn off it.
- ①と②は、どちらも正しい英文です。③は誤りです。it を動詞と off のあいだに入れて Turn it off. と書くと、正しくなります。
light を it に変えただけなのに、なぜ置き場所が1つに決まってしまうのでしょうか。
考えられる答え
「turn off で1語」と覚えれば、①のような文は書けます。 ただ、②の Turn the light off. も正しい英文です。British Council の解説 は、分けられる句動詞なら、動詞と副詞は離れていても、くっついていてもよいと説明しています。例は They've called the meeting off. と They've called off the meeting. の2つです。くっつけるのが唯一の正解、とは言えません。
Wikipedia の解説 は、目的語が軽い(短い)と、副詞が後ろに回りやすいと説明しています。代名詞が1語のときは、副詞をあとに置くのがふつうだとも書いています。例は She handed it in. です。 方向は合っています。ただ、これは「そうなりやすい」という傾向の説明です。British Council の解説は、代名詞のときは動詞と副詞を分けなければならない、と規則として書いています。傾向のままだと、4択で迷います。
British Council の解説 は、分けられる句動詞は、人称代名詞(it・them・him・her など)を使うときは必ず分ける、と説明しています。例は The meeting? They've called it off. です。 つまり、目的語が it のときは、it は動詞と副詞のあいだに入ると決まっています。名詞のときだけ、前と後ろのどちらでもよいのです。
真相
分けられる句動詞は、目的語が名詞なら語順は自由。it・them・him・her のような代名詞なら、動詞と副詞のあいだに入れる。分けられない句動詞(look after など)は、代名詞でも後ろに置く。
分けられる句動詞:名詞は turn off the light でも turn the light off でもよい。代名詞は turn it off だけ / 分けられない句動詞:look after her(代名詞も後ろ)
British Council の解説 は、句動詞を「分けられるもの」と「分けられないもの」の2つに分けています。
分けられるタイプ(動詞+副詞)
目的語が名詞なら、動詞と副詞は離れていても、くっついていてもかまいません。
・They've called the meeting off.
・They've called off the meeting.
目的語が代名詞なら、必ず動詞と副詞のあいだに入れます。
・The meeting? They've called it off.
分けられないタイプ(動詞+前置詞)
代名詞が目的語でも、動詞と前置詞は離れません。同じ解説の例は、Who looks after her when you're at work? です。
小さな語が2つ続くタイプ
come up with のように小さな語が2つ続くものは、同じ解説によると、いつも分けられません。代名詞も、2つの小さな語のあとに置きます。Who came up with that idea? を it で言えば、Who came up with it? です。
分けられるかどうかの見分け方
Linguapress の解説 は、「動詞と小さな語のあいだに、目的語を入れられるか」を目安にしています。入れられるものを phrasal verb、入れられないものを prepositional verb と呼び分けています。Wikipedia も、前置詞は目的語を飛び越えて動かせないと説明し、He got the situation over を使えない形に挙げています。
入試で使う3ステップ
① 目的語が名詞か代名詞かを見ます。名詞なら、前でも後ろでも正しいので、語順では正解を1つに決められません。語順で正解が1つに決まるのは、代名詞のときです。
② 代名詞で、分けられるタイプなら、動詞+代名詞+副詞の順です。turn it off、pick them up。
③ 代名詞で、分けられないタイプなら、動詞+小さな語+代名詞の順です。look after her、look into it。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では、「電気を消す」も「それを消す」も、目的語がいつも動詞の前に来ます。「消す」は1つの動詞なので、目的語をどこに置くか迷うことがありません。
だから、turn off も「消す」という1つの動詞だと考えて、目的語はあとから足せばよいと思ってしまいます。英語の turn off は、turn と off の2語でできています。目的語を入れる場所が、2語のあいだにもあるのです。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。it のような代名詞は、動詞と副詞のあいだに入ると知れば、語順が選べます。
ここでつまずく
典型的なのは、代名詞を副詞のうしろに置く誤りです。
✕ Please turn off it.
○ Please turn it off.
✕ I'll pick up you at the station.
○ I'll pick you up at the station.
分けられないタイプでは、逆の誤りが出ます。
✕ Who looks her after when you're at work?
○ Who looks after her when you're at work?
✕ We are looking it into.
○ We are looking into it.
小さな語が2つ続くタイプも、間に入れません。
✕ Who came it up with?
○ Who came up with it?
it はさみセンサーを手に入れる
動詞と、off・up のような小さな語が見えたら、目的語が名詞か代名詞かを先に確かめます。代名詞なら、分けられる句動詞は動詞と副詞のあいだに入れる。これで、並べかえ問題の語順が1つに決まります。
長文でも、They called the meeting off. の called と off が離れていて、間に目的語があっても、ひと続きの「中止する」と読めるようになります。
例文で確かめる
Please turn off the light when you leave.
部屋を出るときは、電気を消してください。
目的語が名詞の light なので、off のあとに置ける。
Please turn the light off when you leave.
部屋を出るときは、電気を消してください。
同じ名詞でも、turn と off のあいだに置いてよい。
Please turn it off when you leave.
部屋を出るときは、それを消してください。
目的語が it なので、turn と off のあいだに入れる。
Who looks after her while you are at work?
あなたが仕事の間、だれが彼女の世話をしますか。
look after は分けられない。her も after のあとに置く。
Before
turn off を1つの動詞として覚え、目的語が it でも turn off it と書いていた
After
目的語が名詞か代名詞かを先に見る。代名詞なら、分けられる句動詞は turn it off、分けられない句動詞は look after it の順に決まる。だから並べかえ問題で語順に迷わない
For Teachers
明日の授業、この15分で「句動詞に it・名詞が付くときの並べ方(turn it off / turn off the light / look after her)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「それを消してください、を turn off を使って英語で書いてください」と言い、見回ります」
- 「「Turn off it. と書いた人は、手を挙げてください」と聞き、板書に書いて、×を付けます」
- 「「turn off the light と turn the light off は、どちらも正しいです。では light を it に変えたら、どうなるでしょうか」と聞き、隣の人と30秒考えさせます」
板書はこの1行だけ
分けられる句動詞:名詞は前でも後ろでもよい / 代名詞は 動詞+it+副詞(turn it off)。分けられない句動詞:動詞+前置詞+it(look after it)
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、1人が名詞を使った文を言います(Turn off the light.)。もう1人は、目的語を it に変えて言い直します(Turn it off.)」5分。
先生の発話は、「it が目的語のときは、動詞と副詞のあいだ。この合図を、ペアで10回言い合ってください」です。動詞は turn・pick・call のどれかで十分です。終わったら役を替えます。
レベル別ミニ問題(5分)
次の日本語に合うように、( ) の語を並べかえなさい。それを拾ってください。Please ( up / it / pick ).
答え:Please pick it up. 目的語が it なので、動詞 pick と副詞 up のあいだに it を入れる
次の英文の the children を代名詞 them に書きかえなさい。I'll pick up the children at eight.
答え:I'll pick them up at eight. pick up は分けられるタイプなので、代名詞 them は pick と up のあいだに入る
次の英文の誤りを直しなさい。Who looks her after when you're at work?
答え:Who looks after her when you're at work? look after は分けられないタイプなので、her も after のあとに置く
出口チケット(2分)
「彼らはその会議を中止した」と「彼らはそれを中止した」を、call off を使って2つとも書かせる(例:They called off the meeting. / They called it off.)
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。句動詞の目的語の位置を確かめる練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①全問を4択の空所補充にして、正解が1つだけになるようにする。②目的語が名詞の文は、前でも後ろでも正解になるので、問題にしない。③3問は、分けられる句動詞(turn off・pick up・call off など)で、目的語を it・them・him・her にする。④2問は、分けられない句動詞(look after・look into など)にする。⑤1問は、小さな語が2つ続く句動詞(come up with)にする。⑥解答には、代名詞を動詞と小さな語のあいだに入れるかどうかの理由を一言添える。⑦私が答えるまで解答を見せない。
確認クイズ
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Q1. 「財布が床に落ちていたので、私はそれを拾い上げた」という意味になるように、( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。My wallet was on the floor, so I ( ).
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Q2. 「あなたが留守のあいだ、だれが彼女の世話をしますか」という意味になるように、( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。Who will ( ) while you are away?
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Q3. 次の4つの英文のうち、誤りを含むものはどれか。
よくある質問
名詞が目的語のとき、turn off the light と turn the light off は、どちらも正しいですか?
どちらも正しい英文です。British Council の解説は、分けられる句動詞なら、名詞が目的語のときは動詞と副詞が離れていても、くっついていてもよいと説明しています。
分けられる句動詞か、分けられない句動詞かは、どう見分けますか?
Linguapress の解説は、動詞と小さな語のあいだに、目的語を入れられるかどうかを目安にしています。入れられるなら分けられるタイプ、入れられないなら分けられないタイプです。
come up with のように、小さな語が2つ続く句動詞は、どう並べますか?
British Council の解説によると、小さな語が2つ続く句動詞は、いつも分けられません。代名詞も、2つの小さな語のあとに置きます。例は Who came up with that idea? です。