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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
GRAMMAR 第61回 標準 読了 9分

known for と known as の違いは?前置詞は後ろの名詞で決まる

入試対策講座|第61回

be known のあとには、by ではなく to・for・as がよく来ます。どれを選ぶかは、うしろの名詞の役で決まります。知っている相手なら to、知られている理由なら for、呼び名や立場なら as です。

監修:原田高志(原田英語.com)

受動態のあとは by。そう習ったのに、be known のあとには to や for や as が出てきます。今日は、この3つを「うしろの名詞は何の役か」で見分けます。

なぜ be known のあとは、by ではなく to・for・as になるのか

次の3つの空所に、前置詞を入れてみてください。

This town is known ( ) its hot springs.
This town is known ( ) everyone in the area.
This town is known ( ) "the hot spring town."

受動態なら、by を入れたくなります。

ところが、入試で正解になるのは、3つとも別々の前置詞です。

同じ is known なのに、なぜ前置詞が入れ替わるのでしょうか。

考えられる答え

仮説1 受動態だから、行為をした人を表す by を入れればよい

受動態のあとは by。これは正しい知識で、多くの文で通用します。 ただ、be known の文で言いたいのは、たいてい「誰がしたか」ではありません。「誰に知られているか」「何で知られているか」「何と呼ばれているか」です。by を入れても、この3つの区別はつきません。空所補充で問われるのは、この区別のほうです。

仮説2 be known to・for・as は熟語なので、3つまとめて丸暗記すればよい

丸暗記でも、1つずつ出れば点は取れます。 ただ、3つが選択肢に並ぶと、どれがどれだったか混ざります。とくに for と as は、どちらも「〜で知られている」と訳せてしまうので、取り違えやすい組み合わせです。意味だけを覚えると、決め手が残りません。

仮説3 known は「知られている状態」を表す。前置詞は、うしろの名詞の役で決まる

Cambridge Dictionary の known は、known を形容詞として載せています。説明は「人々に知られている、理解されている(familiar to or understood by people)」です。つまり be known は、誰かの行為よりも「知られている状態」を表す形です。 状態を言うときの前置詞は、うしろの名詞が何の役かで決まります。知っている相手なら to、知られている理由なら for、呼び名や立場なら as です。 うしろの名詞の役を見れば、前置詞は1つに決まります。

真相

受動態の語法

be known のあとの前置詞は、うしろの名詞の役で決まる。相手なら to、理由なら for、呼び名・立場なら as。

be known to + 人(〜に知られている)/ be known for + 理由(〜で知られている)/ be known as + 呼び名・立場(〜として知られている)

3つの形を、「うしろの名詞は何の役か」で整理します。辞書の例は Oxford Learner's Dictionaries の know から引いています。

① be known to + 人 … 〜に知られている(相手)
Oxford の例は This man is known to the police. です。うしろの the police は、その人を知っている相手です。

② be known for + 理由 … 〜で知られている(理由)
Oxford の例は She is best known for her work on the human brain. です。her work は、彼女が知られている理由です。

③ be known as + 呼び名・立場 … 〜として知られている(呼び名)
Oxford の例は Iran was formerly known as Persia. です。Iran と Persia は、同じ国を指しています。

決め手は、主語とうしろの名詞が「同じものか」です。
・同じもの(Iran = Persia)なら as
・主語の持ち物やしたこと(彼女の仕事)なら for
・主語を知っている人なら to

by も使えないわけではありません。Oxford には The country was not yet known by the name of England. という例があります。ただ、相手・理由・呼び名を分けるのは to・for・as です。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

日本語では、理由も呼び名も「で」で言えます。「この町は温泉で知られている」は理由です。「彼はケンという名で知られている」は呼び名です。つまり、日本語の「〜で知られている」は、for と as の両方に当たるのです。

そのうえ、受動態は by と覚えてきたので、be known を見ると by を入れたくなります。

知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。英語は、相手・理由・呼び名を別の前置詞で言い分けます。「〜で知られている」と訳したくなったら、うしろの名詞が主語と同じものかどうかを一度確かめてください。

ここでつまずく

よくあるのは、理由に as を使ってしまう誤りです。

✕ This town is known as its hot springs.
○ This town is known for its hot springs.(この町は温泉で知られている)

町と温泉は、同じものではありません。だから as は使えません。

もう1つは、相手に for を使ってしまう誤りです。

✕ The story is known for everyone in this village.
○ The story is known to everyone in this village.(その話は、この村の誰もが知っている)

さらに、to のあとに動詞の原形が来る形も見落としやすいところです。Oxford には He's known to be an outstanding physicist. の例があります。この to は「相手」ではなく、to 不定詞です。「〜だと知られている」と読みます。

to は「誰に」、for は「何で」、as は「イコール」。主語と同じものなら as。

前置詞から名詞の役を読む力を手に入れる

長文で be known for を見たら「このあとに理由が来る」、be known as を見たら「このあとに別の呼び名が来る」と、名詞を読む前に予測できるようになります。

人物や地名を紹介する英文で be known を見たら、まず前置詞を確かめてください。前置詞1つで、うしろの名詞の役が分かります。

例文で確かめる

This small town is known for its hot springs.

この小さな町は、温泉で知られています。

温泉は、町が知られている理由。町と温泉は同じものではないので for。

The old castle is known to almost everyone in the city.

その古い城は、市内のほとんど誰もが知っています。

everyone は、城を知っている相手。相手なので to。

Ken is known as the walking dictionary in our class.

ケンは、クラスで「歩く辞書」として知られています。

ケンと「歩く辞書」は同じ人を指す。主語と同じものなので as。

She is known to be a careful driver.

彼女は、慎重に運転する人だと知られています。

to のあとが動詞の原形なので、この to は to 不定詞。「〜だと知られている」と読む。

Before

be known のあとを、受動態だから by だと思い込んでいた。to・for・as が並ぶ選択肢では、「〜で知られている」と訳せるほうを勘で選んでいた

After

主語とうしろの名詞が同じものなら as、主語の持ち物やしたことなら for、知っている人なら toと、うしろの名詞を見て決められる。選択肢を1つに絞れる

For Teachers

明日の授業、この15分で「be known to / for / as の使い分け(受動態のあとに by 以外が来る形)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「「みなさんの町は、何で有名ですか」と聞き、出てきた答え(食べ物・お祭り・場所)を板書します」
  • 「「では、その町は、ほかの名前で呼ばれることはありますか」と聞き、呼び名と有名なものが別物であることを確かめます」
  • 「「日本語では、どちらも『〜で知られている』と言えます。英語では、どう言い分けるのでしょうか」と問いかけます」

板書はこの1行だけ

be known to + 人 → 誰に(相手)/ be known for + 理由 → 何で(理由)/ be known as + 呼び名 → イコール(主語と同じもの)

ペアワーク/全体討論(5分)

「隣の人と、1人が自分の町や学校を紹介する人、もう1人が聞き手になってください。紹介する人は、This school is known for ~. の形で1文言います。聞き手は、それを as の文に言い換えられるか考えます」5分。

言い換えられないときは、「うしろの名詞は、主語と同じものですか」と聞いてから役を替えます。たとえば、This school is known for its brass band. は、学校とブラスバンドが同じものではないので、as にはできません。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

空所に入れなさい。This city is known ( ) its old temples.(to / for / as / at)

答え:for ※ 古い寺は、町そのものではなく、町が知られている理由。理由なので for を使う

難関

誤りを1か所直しなさい。He is known as his kindness to everyone in the town.

答え:as → for ※ 彼と親切さは同じものではない。知られている理由なので for を使う

出口チケット(2分)

「この店はカレーで知られている」と「この店は『カレーの家』として知られている」を、それぞれ英語で書かせる

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

あなたは大学入試英語の指導者です。be known to(相手)・be known for(理由)・be known as(呼び名・立場)の使い分けを確かめる練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①空所補充を4問、誤文訂正を2問にする。②そのうち1問は、be known to be の形(to 不定詞)を問う。③解答には、うしろの名詞が「相手・理由・呼び名」のどれかを一言添える。④私が答えるまで解答を見せない。

動画で見る

Be Known To, As, For or By? | English Grammar (English with Jennifer) 英語です。題名のとおり、be known のあとの to・as・for・by の使い分けを扱った文法の動画です。

確認クイズ

  1. Q1. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。The singer is known ( ) teenagers all over the country.(その歌手は、全国の10代に知られている)

  2. Q2. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。This region is known ( ) its fine wine.(この地方は、上質なワインで知られている)

  3. Q3. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。The cat in the bakery is known ( ) "Boss" to the people in the neighborhood.(そのパン屋の猫は、近所の人たちに「ボス」として知られている)

よくある質問

be known for と be known as は、何が違うのですか?

be known for のあとには、知られている理由が来ます。be known as のあとには、主語と同じものを指す呼び名や立場が来ます。Oxford Learner's Dictionaries の例では、She is best known for her work on the human brain.(理由)と、Iran was formerly known as Persia.(呼び名)です。

be known to は、どういう意味ですか?

うしろに人が来るときは「〜に知られている」という意味です。Oxford Learner's Dictionaries に This man is known to the police. の例があります。うしろに動詞の原形が来るときは to 不定詞で、He's known to be an outstanding physicist. のように「〜だと知られている」という意味になります。

be known by は使えないのですか?

使えます。Oxford Learner's Dictionaries には、The country was not yet known by the name of England. という例があります。ただ、知っている相手・知られている理由・呼び名を言い分けるのは、to・for・as です。