形式目的語itとは?I found it hard toのitの正体
入試対策講座|第48回
I found difficult to answer the question. は誤りで、中身の無い it を足した I found it difficult to answer the question. が正しい形です。find・make・think のあとに置く形式目的語 it のしくみを、謎解き形式で解きます。
監修:原田高志(原田英語.com)
I found it difficult. の it は、何を指しているのでしょうか。前の文を探しても、それらしい名詞は見つかりません。今日は、この「何も指していないように見える it」の正体を、順番に確かめていきましょう。
なぜ I found difficult to answer the question. は誤りなのか
次の2文を見比べてください。
✕ I found difficult to answer the question.
○ I found it difficult to answer the question.
どちらも言いたいことは「その質問に答えるのは難しいと分かった」です。
正しいのは、中身の無さそうな it を足した下の文です。
it は何を指していて、なぜ足さないと文にならないのでしょうか。
考えられる答え
「find のあとには it」と覚えておけば、この問題は解けます。点は取れます。 ただ、I found the book interesting.(その本はおもしろいと思った)には it がありません。find のあとに the book という名詞がそのまま入っています。 it が要るときと要らないときがあるので、find だけでは説明できません。
たしかに、it はふつう前に出た名詞を受け直します。 ですが I found it difficult to answer the question. は、この1文だけで意味が通ります。前に何も無くても使えるので、前の文を指しているのではありません。 it の中身は、前ではなく、うしろにあります。
find + 目的語 + 補語 で「〜が…だと分かる」という形です。本当の目的語は to answer the question(その質問に答えること)です。 この to 不定詞は、find と difficult のあいだに入れず、文の最後へ回します。空いた目的語の場所に、仮の it を置きます。 この it を形式目的語と呼びます。
真相
it は、うしろの to do や that 節の代わりに、目的語の場所へ仮に置かれた語です。中身は必ず it より後ろにあります。
S + find / make / think / consider + it + 形容詞・名詞 + to do / that節 = it の中身は、うしろの to do や that 節
冒頭の文をもう一度見ます。
I found it difficult to answer the question.
- ・I … 主語
- ・found … 動詞
- ・it … 目的語の場所に仮に置いた語
- ・difficult … 補語(目的語がどうなのか)
- ・to answer the question … it の本当の中身
it のところに to answer the question を入れて読むと、「その質問に答えることが難しいと分かった」になります。
同じ形を作る動詞は、入試ではこの4つを押さえれば十分です。
- ① find it + 形容詞 + to do:〜するのは…だと分かる
- ② make it + 形容詞 + to do / that節:〜することを…にする。make it clear that ~ で「〜だとはっきりさせる」
- ③ think it + 形容詞 + to do:〜するのは…だと思う
- ④ consider it + 名詞・形容詞 + to do:〜することを…だと考える
よく出る決まった言い方もあります。make it a rule to do は「〜することにしている」です。I make it a rule to read English news every morning. で「毎朝、英語のニュースを読むことにしています」になります。
8月26日の回で取り上げた It is 形容詞 for 人 to do の It は、主語の場所に仮に置いた語です。これを形式主語と呼びます。今日の it は、同じしくみが目的語の場所で起きている形です。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では「その質問に答えるのは難しいと分かった」のように、中身を先に言い切ってから「難しい」「分かった」と判断を後ろに置けます。長い中身が文の前半にあっても、読みにくくなりません。
英語は、find のすぐあとに目的語、その次に補語、という順が決まっています。to answer the question のような長いかたまりを真ん中に挟むと、どこまでが目的語か分かりにくくなります。英語には、長いかたまりを文の後ろへ回す傾向があります。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。it を見たら「中身は後ろにある」と読む習慣が1つ増えれば、それで足ります。
ここでつまずく
いちばん多いのは、it を書き忘れる誤りです。英作文で特に出ます。
✕ I found difficult to answer the question.
○ I found it difficult to answer the question.
✕ She made clear that she disagreed with the plan.
○ She made it clear that she disagreed with the plan.
逆に、補語が無いのに it を入れる誤りもあります。形式目的語の it を使うのは、動詞のうしろに形容詞や名詞の補語があるときです。
✕ I decided it to study abroad.
○ I decided to study abroad.
decided と to study のあいだには補語がありません。to study abroad をそのまま目的語にします。
it の中身を後ろに探しに行く力を手に入れる
find it や make it のあとに形容詞が来たら、その先に to do か that 節があるはずだと予想して読めるようになります。
長文で He made it clear that ~ が出てきても、it で止まって前の文を探し回らずに、that のうしろをそのまま「はっきりさせた中身」として読み進められます。
例文で確かめる
I found it difficult to answer the question.
その質問に答えるのは難しいと分かりました。
it の中身は to answer the question。
She made it clear that she disagreed with the plan.
彼女は、その計画に反対だとはっきり伝えました。
it の中身は that 節。make it clear that ~ は長文によく出る形。
I make it a rule to read English news every morning.
毎朝、英語のニュースを読むことにしています。
make it a rule to do で「〜することにしている」。
The new app makes it easy to review words on the train.
新しいアプリのおかげで、電車の中で単語を復習するのが楽になります。
無生物が主語。「〜のおかげで…が楽になる」と訳すと自然。
Before
I found it difficult to ~ の it を前の文の名詞だと思い、長文で it が指すものを前に探して、見つからずに止まっていた
After
find it や make it のあとに形容詞が続いたら、中身は後ろの to do か that 節だと読める。英作文でも it を書き忘れずに書ける
For Teachers
明日の授業、この15分で「形式目的語のit(find it difficult to do の形)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「I found it difficult to answer the question. の it は、何を指していますか」と聞きます」
- 「「では、I found difficult to answer the question. と書くと、何がいけないと思いますか」と聞きます」
- 「「It is difficult to answer the question. の It と、どこが似ていますか」と問いかけます」
板書はこの1行だけ
S + find / make / think + it + 形容詞 + to do / that節 (it = うしろの中身)
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、次の2文の it に下から矢印を引き、中身を指してください。① I found it easy to make friends here. ② He made it clear that he was angry.」2分。
- ①は to make friends here、②は that he was angry が中身です。「矢印が後ろに向いた」ペアに、全体の前で理由を話してもらってください。前の文を探そうとしたペアが出たら、「この1文だけで意味が通るか」を確かめさせます。
レベル別ミニ問題(5分)
日本語に合うように並べかえなさい。「彼女と話すのは楽だと分かった」I ( easy / it / found / to ) talk with her.
答え:I found it easy to talk with her. ※it が目的語の場所、easy が補語、to talk with her が it の中身です
誤りを1か所直しなさい。The new rule made possible for students to use tablets in class.
答え:made possible → made it possible ※本当の目的語は for students to use tablets in class。目的語の場所に it を置きます
出口チケット(2分)
「私は毎朝走ることにしている」を make it a rule to を使って英語にしてください
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。形式目的語の it(find it difficult to do の形)を練習する問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①find・make・think・consider を少なくとも1回ずつ使う。②3問は並べかえ、3問は誤り訂正にする。③誤り訂正のうち1問は、補語が無いのに it を入れた誤りにする。④解答には、it の中身が文のどこにあるかを一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。
動画で見る
確認クイズ
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Q1. 「I found ( ) hard to keep up with the class.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。
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Q2. 「Smartphones have made ( ) possible for us to work from anywhere.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。
よくある質問
形式目的語の it は、何を指しているのですか?
うしろにある to 不定詞や that 節を指しています。前の文の名詞ではありません。I found it difficult to answer the question. なら、it の中身は to answer the question です。
形式主語の it とは何が違いますか?
しくみは同じで、置かれる場所が違います。It is difficult to answer the question. の It は主語の場所、I found it difficult to answer the question. の it は目的語の場所に、仮に置かれています。