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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
GRAMMAR 第45回 標準 読了 9分

shouldを訳さないthat節の意味|感情の形容詞の謎を解く

入試対策講座|第45回

It is strange that she should be absent today. の should を「〜すべきだ」と訳すと、意味が通らなくなります。感情や評価を表す形容詞のあとのthat節に潜むshouldの正体と、insistやrequireのあとで動詞が原形になる理由まで、謎解き形式で解きます。

監修:原田高志(原田英語.com)

should は「〜すべきだ」としか習っていない人ほど、ある形のthat節で必ずつまずきます。今日はその正体を、探偵のように順番に暴いていきます。

なぜ It is strange that she should be absent today. の should は「〜すべきだ」ではないのか

次の英文を、日本語にしてみてください。

It is strange that she should be absent today.

should を「〜すべきだ」と訳すと、『彼女が今日休むべきなのは変だ』という、意味の通らない日本語になります。

ところが、この文の正しい意味は『彼女が今日休んでいるとは、変だ』。should はどこにも訳が出てきません。

なぜ、should があるのに、訳さないのでしょうか。

考えられる答え

仮説1 shouldはいつも「〜すべきだ」という意味だから、ここも同じはず

たしかに、助動詞shouldの代表的な意味は「〜すべきだ」です。You should apologize.(謝るべきだ)のように使います。 ですが、それだけでは It is strange that she should be absent today. が説明できません。「彼女は休むべきだ」という義務の話だとすると、strange(変だ)という感情と、意味がかみ合わなくなってしまいます。 この should には、義務とは別の役目があります。

仮説2 仮定法だから、深く考えずに訳さなくていい

半分は当たっています。この should を日本語に訳す必要はありません。 ですが、『なんとなく仮定法っぽいから訳さない』では、いつ should を使うべきかが分からないままです。It is true that she is absent today. のように should を使わない文もあります。 使う・使わないの境目を、次の仮説で見ます。

仮説3 shouldは、話し手の感情の高まりを示す道具

鍵は、It is 形容詞 の「形容詞」の中身にあります。 surprising(驚くべき)・strange(奇妙な)・natural(当然の)、そして形容詞ではありませんが a pity(残念なこと)。これらのように話し手の感情や評価を表す語のあとでは、that節の中にshouldを置くことができます。 この should は、『するべきだ』ではなく、その出来事に対する話し手の感情の高まりを一緒に運ぶ道具です。that節の中身は、事実としてそのまま起きています。だから訳すときは should を無視して、that節をそのまま事実として訳します。

真相

助動詞

感情や評価を表す形容詞(strange, natural, surprisingなど)のあとの should は、『〜すべきだ』ではなく、話し手の感情の高まりを運ぶだけの道具です。that節の中身は、事実としてそのまま訳します。

It is 形容詞(surprising/strange/naturalなど) that S should 原形 / 提案・要求を表す語(insist / suggest / require / It is important など)のあとのthat節では should が省略され、動詞が原形になる

冒頭の文に戻ります。

It is strange that she should be absent today.

strange(変だ)という、話し手の感情がすでに文の前半にあります。that節の should は、その感情の温度をもう一段上げるための飾りにすぎません。だから『彼女が今日休んでいるとは、変だ』と、that節はふつうの事実として訳します。

この should には、もう1つの顔があります。

suggest(提案する)・insist(要求する)・order(命じる)・It is important(重要だ)のような、提案・要求・必要性を表す語のあとのthat節にも、同じ形の should が使われます。

The doctor insisted that the patient should stay in bed.(医師は、患者がベッドで安静にするよう強く求めた)

こちらの should も『すべきだ』と重ねて訳す必要はなく、提案・要求の内容をthat節がそのまま運んでいるだけです。

⚠ should は省略されることが多く、とくにアメリカ英語では省略するのがふつうです。省略すると、動詞は主語に関係なく原形のままになります。

The doctor insisted that the patient stay in bed.

patient は3人称単数なのに stays になっていません。should が見えない形で残っている、と考えると、この一見『主語と動詞が一致していない』ように見える文が、正しい英文だと分かります。イギリス英語では should を残す形も、アメリカ英語のように原形だけにする形も、どちらも使われます。

日本語の頭が、ここで邪魔をする

日本語の『すべきだ』は、義務を表すときにしか使いません。『彼女が休むべきなのは変だ』のような文は、日本語としても不自然です。

だから日本語の感覚のまま should に出会うと、『すべきだ』を無理やり当てはめて、意味の通らない訳を作ってしまいます。

知らなかっただけです。should には『すべきだ』以外に、感情や提案の温度を運ぶだけの役目があるということを知らなければ、誰でも同じところでつまずきます。

ここでつまずく

いちばん多いのは、should を『すべきだ』と重ねて訳してしまう誤りです。

✕ It is natural that he should get angry.→『彼が怒るべきなのは当然だ』
○ It is natural that he should get angry.→『彼が怒るのも当然だ』

もう1つは、suggest / insist / require のあとのthat節で、動詞を3人称単数の-sの形にしてしまう誤りです。

✕ The committee requires that every member submits the form.
○ The committee requires that every member submit the form.(should が省略された原形)

⚠ ただし、insist が『主張する』(要求ではなく事実の主張)の意味のときは、ふつうの時制のままです。

He insisted that he was innocent.(彼は自分が無実だと主張した)ここでは should は使いません。

It is 形容詞 that S should do のshouldは「べきだ」ではなく感情の音量つまみ。上げるだけで、訳さない。

感情の温度を読む力を手に入れる

It is 形容詞 that ~ という形を見たとき、その形容詞が『事実』を表すのか『感情・評価』を表すのかを見分けられるようになります。

It is true that ~(事実)なら should は要らず、It is strange that ~(感情)なら should が入ることがある。この境目が見えると、長文でthat節の中の should に出会うたびに立ち止まらずに読み進められます。

例文で確かめる

It is strange that she should be absent today.

彼女が今日休んでいるとは、変です。

strangeは感情・評価を表す形容詞。shouldは訳さず、that節をそのまま事実として訳します。

The doctor insisted that the patient stay in bed for another two days.

医師は、その患者があと2日間ベッドで安静にするよう強く求めました。

insistのあとのthat節。shouldが省略され、動詞は原形のままです。

It is natural that he should feel nervous before the exam.

彼が試験の前に緊張するのも当然です。

naturalも感情・評価の形容詞。「緊張するべきだ」ではなく「緊張するのも当然だ」と訳します。

Before

It is strange that she should be absent. を見て、should を『すべきだ』と訳そうとして、毎回意味が通らず読み直していた

After

形容詞が感情・評価を表しているかどうかを見るだけで、should を訳すかどうかが分かるようになる。insist / suggest のあとの原形にも、違和感なく反応できる

For Teachers

明日の授業、この15分で「感情・判断のshould(It is natural that S should do の形)」が終わります

導入の問いかけ(3分)

  • 「「It is strange that she should be absent today. を訳してみてください」と言って、生徒に一度『すべきだ』で訳させます」
  • 「「変ですよね、その訳。strangeと『すべきだ』、意味がかみ合っていますか」と聞きます」
  • 「「このshouldは、実は訳さなくていいんです。何のためにあると思いますか」と問いかけます」

板書はこの1行だけ

It is 形容詞(感情・評価) that S should 原形 → shouldは訳さない。that節はそのまま事実。

ペアワーク/全体討論(5分)

「隣の人と、It is important that he ( ) present at the meeting. の空所に、should を使わずに動詞を入れてください」と指示します。3分。

be という原形が出てくれば正解です。「important も提案・要求・必要性を表す語の仲間で、should(省略可)が原形を要求する」という理屈まで言えたペアがいたら、全体に共有してください。

レベル別ミニ問題(5分)

標準

日本語に合うように空所を埋めなさい。彼が試験に落ちたのは残念だ。It is a pity that he ( ) failed the exam.

答え:should have ※a pity のような感情・評価を表す語のあとなので should が使えます。うしろが failed(過去分詞)なので should だけでは形になりません。should have failed とすると『試験に落ちてしまったとは』という、すでに起きたことへの残念さが出ます

難関

誤りを1か所直しなさい。The manager demanded that the report is submitted by Friday.

答え:is submitted → be submitted(またはshould be submitted)。demand は要求を表す動詞なので、that節の動詞は原形(should の省略形)になります

出口チケット(2分)

「The teacher insisted that every student ( ) the report by Friday. の空所に、should を使わずに動詞を入れてください」

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。

あなたは大学入試英語の指導者です。感情・評価を表す形容詞(strange, natural, surprisingなど)や、提案・要求を表す動詞(suggest, insist, requireなど)のあとのthat節にshouldを使う構文について、練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①6問のうち3問は感情・評価の形容詞を使った文、3問は提案・要求の動詞を使った文にする。②すべての問題で、that節の動詞の形を答えさせる穴埋め形式にする。③1問は、should を使わずアメリカ英語式に原形だけにした形の正誤判定問題にする。④解答には、なぜその形容詞・動詞のあとでshouldが使えるのかを一言添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。

動画で見る

感情・要求を表すthat節でのshould(仮定法現在)を解説する動画 (BildungInteraktiv) 英語です。that節の動詞が原形になる仕組み(仮定法現在)を、英語の説明で確認できます。

確認クイズ

  1. Q1. 「It is surprising that he ( ) forgotten her birthday.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。

  2. Q2. 「The committee requires that every applicant ( ) the form in person.」の空所に入れるのに最も適切なものはどれか。

よくある質問

It is natural that he should feel nervous. の should は訳さなくていいのですか?

はい。strange・natural・surprisingのような感情・評価を表す形容詞のあとのshouldは、話し手の感情の高まりを表すだけの道具で、「〜すべきだ」とは訳しません。that節の中身はそのまま事実として訳します。

insistのあとのthat節で、なぜ動詞が原形になるのですか?

insist・suggest・requireのような提案・要求を表す動詞のあとのthat節では、should が省略されることが多く、その結果、動詞は主語に関係なく原形のまま残ります。イギリス英語ではshouldを残す形も使われます。