譲歩のas をわかりやすく|Young as he is の読み方
入試対策講座 第9回
Young as he is, he is very wise. asは『〜のように』のはずなのに、この文では『若いけれど』という逆接で訳されます。同じasが、なぜ正反対に見える意味を持つのか、組み立てから見抜きます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日のテーマは、asの意外な顔です。『〜のように』としか知らないasが、ある形になると『〜だけれども』という正反対の意味に化けます。その仕組みを、今日ではっきりさせます。
なぜ as に『〜だけれども』という逆接の意味があるのか
次の文を訳してみてください。
Young as he is, he is very wise.
as は『〜のように』『〜として』という意味で覚えているはずなのに、この文では『若いけれど、とても賢い』という、逆接の意味で訳されます。同じasが、なぜ正反対に見える意味を持つのか、順に見ていきます。
考えられる答え
たしかに辞書には『譲歩』の意味も載っています。でも、丸暗記するだけでは、初めて見る組み合わせに応用できません。なぜそう読めるのか、文の組み立てから見ていく必要があります。
『語順が特別』という直感は近いところまで来ています。ただ、なぜ語順を変えると意味が逆接に変わるのか、理由まで説明できていません。
この構文は、Though he is young, he is wise. の though を as に置き換え、形容詞 young を文頭に出して強調した形です。『若いという事実は認めたうえで』という譲歩のニュアンスが、この語順の強調から生まれています。
真相
譲歩の as は、Though S is 形容詞 の形容詞を文頭に出して強調し、though の代わりに as を使った構文である。
形容詞/副詞/無冠詞の名詞 + as + S + V,〜(〜だけれども)
この as は、though(〜だけれども)の仲間だと考えてください。
もとの文 Though he is young, he is wise.(彼は若いけれど、賢い)を思い浮かべてください。この文の though を as に置き換え、強調したい語(ここでは young)を文の先頭に出すと、
Young as he is, he is wise.
という形になります。形容詞・副詞・無冠詞の名詞を文頭に出し、そのあとに as + S + V を続けるのが基本の型です。
名詞を使う場合は、Child as he was, he acted bravely.(子どもだったけれど、彼は勇敢に行動した)のように、名詞の前に a や the を付けない点に注意してください。強調して前に出す語だからこそ、冠詞を付けずにむき出しのまま置きます。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語には『たとえ〜でも』『〜とはいえ』のように、逆接を表す言い方がいくつもありますが、語順を入れ替えることで意味を変える、という発想はあまりありません。
そのため、英語で形容詞が文頭にぽつんと置かれた形を見ると、『何かを強調しているだけで、意味は変わらないだろう』と読み飛ばしてしまいがちです。実際の英語では、この語順そのものが『たとえ〜でも』という意味を作り出しています。読み飛ばしてしまうのは、日本語に無い発想のせいであって、理解力の問題ではありません。
ここでつまずく
Young as he is he is wise. のように、文頭の形容詞のあとにコンマを忘れる誤りや、Young as is he he is wise. のように、as のあとの語順を崩してしまう誤りが見られます。文頭の形容詞のあとには必ずコンマを、as のあとは平叙文と同じ語順(S+V)を置いてください。
強調から意味を読み取る力を手に入れる
文頭に形容詞や副詞がぽつんと置かれ、そのあとに as が続く形を見た瞬間に、『何かを強調して、逆接の意味を作っている』と気づけるようになります。as を『〜のように』としか知らないと素通りしてしまう文でも、意味を正しく読み取れるようになります。
例文で確かめる
Young as he is, he is very wise.
彼は若いけれど、とても賢い。
Tired as she was, she kept studying.
彼女は疲れていたけれど、勉強を続けた。
Child as he was, he acted bravely.
子どもだったけれど、彼は勇敢に行動した。
無冠詞の名詞 child を文頭に出した形です
Before
文頭に形容詞が来てasが続く形を見ると、『asのように』という意味で無理やり訳そうとして、文の意味がつながりませんでした。
After
形容詞が文頭に出てasが続く形を見た瞬間に、thoughと同じ『〜だけれども』の意味だと分かるようになり、長文でこの形に出会っても止まらずに読み進められます。
For Teachers
明日の授業、この15分で「譲歩のas(Young as he is の形)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「Young as he is, he is wise. このasの意味、分かる?」と聞く」
- 「「Though he is young, he is wise. と比べると、何が入れ替わっている?」」
- 「「なぜ形容詞を文の先頭に出すんだろう?」」
板書はこの1行だけ
Though + S + be + 形容詞 → 形容詞 + as + S + be(形容詞を強調して前に出し、thoughの代わりにasを使う)
ペアワーク/全体討論(5分)
ペアの片方が Though を使った日本語の逆接文を1つ考える。もう片方が、それを 形容詞+as+S+V の形に書き換える。「文頭の形容詞のあとにコンマを忘れずに」と声をかけながら3セット行う。
レベル別ミニ問題(5分)
次の文を、譲歩のasを使って書き換えなさい。Though she was tired, she kept studying.
答え:Tired as she was, she kept studying.
次の空所に入る最も適切な形を選びなさい。______ as he was, he could not solve the problem.(Clever / A clever / The clever / Cleverness)
答え:Clever(Clever as he was, he could not solve the problem.=彼は賢かったけれど、その問題を解けなかった)
出口チケット(2分)
Though it was raining hard, they went outside. を譲歩のasを使って書き換えてください。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
Though を使った日本語の逆接文を3つ、譲歩のas(形容詞+as+S+V)を使った英文に直してもらう指示文を、次の条件でAIに送ってください。①無冠詞の名詞を文頭に出す形を1つ含める②もとのThough構文の形も一緒に示してもらう③日本語訳も付けてもらう。
確認クイズ
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Q1. 譲歩のasの正体として正しいものはどれでしょう。
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Q2. 「彼女は疲れていたけれど、勉強を続けた。」に合う英文はどれでしょう。
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Q3. 次の文が不自然な理由として正しいものはどれでしょう。A child as he was, he acted bravely.
よくある質問
譲歩のasは、thoughとまったく同じ意味ですか。
ほぼ同じ意味で使えますが、譲歩のasは強調したい語を文頭に出す形が決まっており、thoughよりも書き言葉的でやや硬い響きがあります。
文頭に出せるのは形容詞だけですか。
形容詞だけでなく、副詞(Hard as he tried, ...)や無冠詞の名詞(Child as he was, ...)も文頭に出せます。どの場合も、そのあとにas+S+Vを続けます。
asの代わりにthatを使うこともありますか。
同じ働きをするasを使うのが基本ですが、古い英語や文語的な文章では、まれにthoughやasの位置にthatが使われることもあります。入試ではasの形を覚えておけば十分です。