have+過去分詞の意味は?「盗まれた」と「直してもらう」の謎
入試対策講座 第25回
I had my bag stolen. がなぜ「盗んだ」ではなく「盗まれた」になるのか。have/get+目的語+過去分詞という同じ形が、依頼にも被害にもなる仕組みを謎解きで確かめます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日のテーマは、have+目的語+過去分詞という形です。「髪を切ってもらった」と「バッグを盗まれた」が同じ形でできることに気づいていましたか。謎を解きながら、その仕組みをつかみましょう。
なぜ I had my bag stolen. は「バッグを盗んだ」ではなく「盗まれた」になるのか
have は普通、had my father clean the car(父に車を掃除させた)のように「〜させる」という意味で使います。ところが I had my bag stolen. は「私はバッグを盗ませた」ではなく「私はバッグを盗まれた」という意味になります。同じhave+O+過去分詞という形なのに、なぜ正反対にも読めるのでしょうか。
考えられる答え
I had my hair cut.(髪を切ってもらった)のように、被害ではなく『サービスをしてもらう』意味で使われることも多く、『いつも被害』というルールでは説明がつきません。
確かに文脈で判断できることが多いのですが、入試の空所補充や語順整序ではその文脈自体が短く切り取られるため、形の作り方を知らないと手が止まってしまいます。
ここに真相があります。
真相
have/get+O+過去分詞は、「Oが過去分詞される」という受け身の関係を表す形。依頼か被害か完了かは、動詞の意味と状況が決めます。
have[get] + 目的語 + 過去分詞
have my hair cut を分解すると、hair と cut のあいだには「髪が切られる」という受け身の関係があります。haveそのものには「〜させる」「〜される」という意味は入っていません。haveが表しているのは、「Oが過去分詞される、という出来事に自分が関わっている」ということだけです。
その出来事が自分の依頼で起きれば「〜してもらう」(have my hair cut=髪を切ってもらう)、自分の意志と関係なく起きれば「〜される」(have my bag stolen=バッグを盗まれる)という意味になります。cutやstolenという動詞自体の意味と、前後の状況が、依頼なのか被害なのかを決めているのです。
getを使うと、get my homework done(宿題を終わらせる)のように、完了のニュアンスが加わることもあります。形はhaveとほぼ同じですが、getのほうが「やっと〜し終える」という達成感を含むことが多いという違いがあります。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では「髪を切った」も「バッグを盗まれた」も、動詞の活用を変えるだけで能動と受け身を切り替えます。ところが英語のhave+O+過去分詞では、haveの形は変えず、目的語と過去分詞の並びだけで受け身の関係を表すため、日本語の感覚では『どこで受け身だと分かるのか』が見えにくくなります。知らなかっただけで、日本語の感覚が間違っているわけではありません。
ここでつまずく
よくある誤りは、I had stolen my bag. のように過去完了のhad stolenと混同してしまう形です。had stolenだと「私が(何かを)盗んでいた」という意味になり、まったく別の文になってしまいます。had my bag stolenの語順(have+O+過去分詞)を崩さないことが大切です。
出来事の主役を入れ替える力を手に入れる
have/get+O+過去分詞を使うと、「自分が何をしたか」ではなく「Oに何が起きたか」を主役にして文を組み立てられるようになります。長文で「被害・依頼・完了」のどれが起きているのかを、動詞1つで素早く見分けられるようになります。
例文で確かめる
I had my phone fixed at the store yesterday.
昨日、お店でスマホを直してもらった。
She had her wallet stolen on the train.
彼女は電車の中で財布を盗まれた。
Before
have my bag stolenを見て、haveの意味を『持っている』のまま読み、意味が取れなくなっていた
After
目的語と過去分詞のあいだの受け身の関係に注目し、依頼か被害かをその場で判断できるようになる
For Teachers
明日の授業、この15分で「have / get + O + 過去分詞(使役・被害を表す構文)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「髪を切ってもらった、を英語で言うと?」と尋ねる」
- 「I had my bag stolen. を板書し、「盗んだ人は誰?」と問いかけて受け身の関係に気づかせる」
- 「have my homework done と have my brother do my homework の違いを比べさせ、過去分詞なら「宿題がやられる」、原形なら「弟がやる」と、受け身の関係がどこにあるかを確かめる」
板書はこの1行だけ
have/get+O+過去分詞=Oが過去分詞される(依頼・被害・完了は文脈が決める)
ペアワーク/全体討論(5分)
ペアで「最近、誰かに何かしてもらったこと」と「最近、何か嫌なことをされたこと」をそれぞれhave+O+過去分詞で1文ずつ言わせる。先生は机間巡視しながら「それは依頼?被害?」と確認する。
レベル別ミニ問題(5分)
I need to ______ (repair) my bike before the weekend.
答え:have/get my bike repaired
次の文を書き換えなさい。Someone broke into her house last night. → She ______.
答え:had her house broken into
出口チケット(2分)
「宿題をやっと終わらせた」を、getを使って英語にしてみましょう。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
次の日本語の文を、have または get +目的語+過去分詞の形を使って英語にしてください。①日本語:「(ここに文を貼る)」②依頼・被害・完了のどの意味になるかも一言添えてください。
動画で見る
確認クイズ
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Q1. I need to ______ my car washed before the trip.
よくある質問
haveとgetはどちらを使っても同じ意味になりますか?
依頼や被害を表すときはほぼ同じ意味で使えます。ただしgetを使うと、get my homework done(宿題をやっと終わらせる)のように『やっと〜し終える』という達成感のニュアンスが加わることがあります。