群動詞の受動態はなぜatが消えない?laughed atの謎を解く
入試対策講座 第36回
He was laughed by everyone.でなぜ×なのか。laugh atのような群動詞を受け身にするとき、前置詞をどこまで持ち越すかを、なぞ解き形式で確認します。look up toやtake care ofなど、入試頻出の型もまとめて練習できます。
監修:原田高志(原田英語.com)
『彼は笑われた』を英語にしようとして、atをどこに置くべきか迷った経験はありませんか。今日はlaugh atのような、2語で1つの動詞として働く『群動詞』を受け身にする方法を、謎解き形式で確かめていきます。
なぜ受け身にしても、前置詞が消えずに残るのか
「みんなが彼を笑った」を英語にしようとした生徒の誤答:He was laughed by everyone.(正しくは He was laughed at by everyone.)
考えられる答え
たしかにうっかり抜けることは多いですが、なぜ抜けてはいけないのかを説明できていません。
惜しいですが、実際にatを抜くとネイティブには不自然に聞こえます。飾りではなく必須の部品です。
ここに真相があります。
真相
laugh at は「~を笑う」という意味を持つ、2語で1セットの動詞(群動詞)。受け身にしても、このセットを崩さずそのまま残します。
S is/was + 過去分詞 + 前置詞(+ by ~)
英語には、動詞1語だけでは目的語を取れず、うしろに前置詞を添えて初めて『~を…する』という意味になる動詞があります。laugh at ~(~を笑う)、look up to ~(~を尊敬する)、speak to ~(~に話しかける)、run over ~(~をひく)などです。これらは2語まとめて1つの他動詞として働くため、『群動詞』と呼ばれます。
受け身の文を作るときは、もとの文の目的語を主語に移動させるという手順を踏みます。Everyone laughed at him. のhimがHeになって主語の位置へ移動しても、laugh atというセットそのものは崩れません。だから前置詞のatは、byの前に置き去りにされたまま残ります。
by以下は省略されることも多い点も押さえておきましょう。『誰に笑われたか』が重要でなければ、He was laughed at.だけで文が成立します。なお、atを付けずにlaughだけを使うと、He laughed.『彼は笑った』のように、笑ったのは彼自身という意味になります。『彼が笑われた』とは正反対です。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では『彼を笑う』のように、助詞の『を』1つで対象を示せてしまいます。英語のlaugh atも『笑う対象』を示す点では同じ働きですが、日本語の『を』は前置詞の存在を意識させません。だから受け身にするとき、無意識にatを一緒に持ち越す発想が働かず、そのまま置き去りにしてしまいます。知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。
ここでつまずく
実際にありがちな誤答:『彼はおばに世話をされた』を He was taken care by his aunt. と書いてしまう誤り(正しくは He was taken care of by his aunt. でofが必要)。『その問題は注意深く調べられた』を書くときに、lookとintoの間に副詞を割り込ませ、The problem was looked carefully into. としてしまう誤り(正しい語順は The problem was looked into carefully. で、群動詞のセットは崩さない)。
動詞のかたまり認識力を手に入れる
laugh atやlook up toのような群動詞を『2語で1つの動詞』とひとまとまりに読めるようになると、受け身だけでなく、分詞構文や関係代名詞節の中でも、前置詞を置き去りにせず正しく処理できるようになります。
例文で確かめる
He was laughed at by his classmates for his strange idea.
彼は変わったアイデアのせいでクラスメートに笑われた。
My grandmother was looked up to by everyone in the village.
祖母は村のみんなから尊敬されていた。
Before
受け身の文でatやofが抜けていても、なんとなく意味は通じると思っていた
After
群動詞は前置詞ごと1つのセットだと分かり、受け身にするときも前置詞を置き去りにせず持ち越せるようになる
For Teachers
明日の授業、この15分で「群動詞の受動態(laughed at のように前置詞を置き去りにしない形)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「『彼を笑う』を英語にすると?」
- 「じゃあ、それを受け身にすると?」
- 「atはどこに行った?」
板書はこの1行だけ
laugh at him → He was laughed at (by everyone).
ペアワーク/全体討論(5分)
先生「隣の人と、群動詞を1つ受け身にして例文を作ってみましょう」。生徒どうしでlook up to / take care of / run overから1つ選び、能動文と受動文をペアで書かせる。書けたら黒板に貼り出し、前置詞が残っているかを全員でチェックする。
レベル別ミニ問題(5分)
みんなが彼のアイデアを笑った。→受け身に書き換えなさい。
答え:His idea was laughed at by everyone.
その老犬は近所の人たちみんなに世話をされていた。→受け身で書きなさい。
答え:The old dog was taken care of by everyone in the neighborhood.
出口チケット(2分)
look up to(~を尊敬する)を使って、受け身の文を1つ書きなさい。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
次の指示をAIに貼ってください。 「laugh at / look up to / take care of の3つの群動詞を使って、能動文と受動文のペアをそれぞれ作ってください。日本語訳も付けてください」
動画で見る
確認クイズ
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Q1. The lost child ______ by a kind stranger.
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Q2. Our teacher ______ by all the students.
よくある質問
群動詞と句動詞は同じものですか?
日本の教材では、ほぼ同じものとして使われています。どちらもphrasal verbの訳語で、熟語動詞・複合動詞と呼ばれることもあります。一方、英語の文法用語では中身を分けており、動詞+副詞(give up)をphrasal verb、動詞+前置詞(laugh at)をprepositional verb、動詞+副詞+前置詞(look up to)をphrasal-prepositional verbと呼び分けます。