動名詞の意味上の主語とは?my を付けると、する人が変わる理由
入試対策講座|第57回
I don't mind opening the window. と I don't mind your opening the window. では、窓を開ける人が違います。動名詞の前に置く my や your が、なぜ「誰がするか」を表すのか。動名詞が名詞の仲間であることから解きます。
監修:原田高志(原田英語.com)
「窓を開けてもいいですか」と英語で聞くとき、Do you mind my opening the window? と言うことがあります。この my は、窓ではなく opening に付いています。今日は、動名詞の前に置かれた my や his が、なぜ「誰がするか」を表すのかを見ていきます。
なぜ動名詞の前の my が、「私が」の意味になるのか
次の2つの英文を見てください。
① I don't mind opening the window.
② I don't mind your opening the window.
違いは、your が1語あるかどうかだけです。
ところが、窓を開ける人が違います。①は「私が窓を開けるのはかまわない」、②は「あなたが窓を開けるのはかまわない」です。
「あなたの」を表すはずの your が、なぜ「あなたが」の意味になるのでしょうか。
考えられる答え
your と window は近くにあるので、そう読みたくなります。 ただ、②の your と window の間には、opening があります。your のすぐうしろにあるのは、window ではなく opening です。your が付いているのは openingなので、「あなたの窓」とは読めません。
この覚え方で、和訳の問題は解けますし、点も取れます。 ただ、これだけでは、なぜ「の」が「が」になるのかが残ります。また、me opening のように目的格が来た文を見たとき、同じものだと気づけません。
opening the window は、「窓を開けること」という名詞のかたまりです。名詞なので、my book のように、前に所有格を置けます。 your opening は「あなたの、開けること」。日本語に直すと、「あなたが開けること」になります。
真相
動名詞は名詞の働きをする。だから「誰がするか」は、名詞に付けるのと同じ所有格(my・your・Tom's)で、動名詞の前に置く。何も置かなければ、ふつうは文の主語がする話になる。
所有格[目的格]+ 動名詞(〜ing)=「(その人)が〜すること」
動名詞(〜ing)は、名詞の働きをします。名詞には、前に所有格を付けられます。
- ・my book(私の本)
- ・my opening the window(私の、窓を開けること → 私が窓を開けること)
この所有格を、動名詞の意味上の主語と呼びます。
① 何も置かないとき
・I'm sure of passing the exam.(私は、自分が試験に受かると確信している)
動名詞の前に何も無ければ、ふつうは文の主語(ここでは I)がする話です。
② 所有格を置くとき
・I'm sure of his passing the exam.(私は、彼が試験に受かると確信している)
文の主語と、動名詞をする人が違うときは、その人を前に置きます。
③ 目的格や名詞をそのまま置くとき
・I'm sure of him passing the exam.
・She is proud of her son being a doctor.
話し言葉では、所有格のかわりに目的格(him・me)もよく使われます。名詞なら、Tom's のほかに Tom のままでも置けます。
前置詞のうしろには、文(主語+動詞)を直接置けません。
✕ She is proud of her son is a doctor.
○ She is proud of her son being a doctor.
「誰が」を言いたいときは、動名詞の前に置く。それが、いちばん速い決め手です。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では、「あなたが開けること」の「が」と、「あなたの本」の「の」は、別の助詞です。そのため、「の」の形をした your が「が」の意味になるのが、気まぐれに見えます。
でも、日本語にも「あなたの到着を待つ」のような言い方があります。これは「あなたが到着するのを待つ」と同じ意味です。名詞の前の「の」が、「が」の役をしているのです。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。英語の your opening も、この「あなたの到着」と同じ作りです。
ここでつまずく
いちばん多いのは、前置詞のうしろに、主語と動詞をそのまま置く誤りです。
✕ I'm sure of he will pass the exam.
○ I'm sure of his passing the exam.
○ I'm sure that he will pass the exam.
もう1つは、mind のうしろに、主語と動詞を置く誤りです。
✕ Do you mind I open the window?
○ Do you mind my opening the window?
○ Do you mind if I open the window?
さらに、動名詞の前の your を、うしろの名詞にかけて読む誤りもあります。your opening the window を「あなたの窓を開けること」と訳すと、意味が変わってしまいます。
「誰がするか」を見分ける力を手に入れる
動名詞の前に my や his や Tom's があれば、そこで「その人がすること」と読めるようになります。
長文で、主語と動名詞をする人が違う文が出てきても、取り違えません。前置詞のうしろに文を置きそうになったときも、動名詞の形に書き直せます。
例文で確かめる
I don't mind your opening the window.
あなたが窓を開けるのは、かまいません。
your が opening の前にあるので、開けるのは「あなた」。
I'm sure of his passing the exam.
私は、彼が試験に受かると確信しています。
文の主語 I と、受かる人 he が違うので、his を置く。
She is proud of her son being a doctor.
彼女は、息子が医者であることを誇りに思っています。
名詞 her son を、動名詞 being の前にそのまま置いた形。
Do you mind my sitting here?
ここに座ってもかまいませんか。
座るのは「私」。直訳は「私がここに座るのを、気にしますか」。
Before
your opening the window の your を window にかけて「あなたの窓」と読んだり、動名詞の前の my を見て、誰がするのかが分からなくなっていた
After
動名詞の前の所有格・目的格は「その人が」と読める。mind や be sure of のうしろで、文の主語と違う人がするときは、その人を動名詞の前に置いて書ける
For Teachers
明日の授業、この15分で「動名詞の意味上の主語(my opening のように、動名詞の前に所有格や目的格を置く形)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「I don't mind opening the window. と I don't mind your opening the window. では、窓を開けるのは誰ですか」と聞き、隣の人と10秒相談させます」
- 「「your opening the window は、『あなたの窓』でしょうか。your は、どの語に付いていますか」と問いかけます」
- 「「日本語の『あなたの到着を待つ』と『あなたが到着するのを待つ』は、同じ意味ですか」と聞きます」
板書はこの1行だけ
所有格[目的格]+ 〜ing =「その人が〜すること」(何も無ければ、ふつうは文の主語)
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、次の2文を直してください。①I'm sure of he will pass the exam. ②Do you mind I open the window? 直す前に、『前置詞や mind のうしろに、主語と動詞を置けるか』を相手に言ってから直します」5分。
- ①は I'm sure of his passing the exam.、②は Do you mind my opening the window? です。that 節や if 節で書き直したペアには、「それも正しいです。では、動名詞を使うとどうなりますか」と、もう一度書かせてください。
レベル別ミニ問題(5分)
ほぼ同じ意味になるように、空所に1語ずつ入れなさい。I'm sure that she will win. = I'm sure of ( ) ( ).
答え:her winning ※文の主語(I)と、勝つ人(she)が違うので、動名詞の前に所有格 her を置く
誤りを1か所直しなさい。He insisted on I paid for the meal.
答え:I paid → my paying ※前置詞 on のうしろには、主語と動詞を直接置けない。動名詞の前に所有格を置く
出口チケット(2分)
「私は、兄がよく夜ふかしをするのが気に入らない」を、I don't like で始めて、動名詞を使った英語で書いてください
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。動名詞の意味上の主語の練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①that 節や if 節の文を、所有格+動名詞の形に書きかえる問題を3問。②前置詞のうしろに主語と動詞を置いた誤りを直す問題を3問。③使う動詞・形容詞は、mind・insist on・be proud of・be sure of から選ぶ。④解答には、「文の主語と、動名詞をする人が同じか違うか」で一言理由を添える。⑤私が答えるまで解答を見せない。
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確認クイズ
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Q1. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。あなたが窓を開けるのは、かまいませんよ。I don't mind ( ) the window.
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Q2. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。彼女は、息子が有名なピアニストであることを誇りに思っています。She is proud of ( ) a famous pianist.
よくある質問
動名詞の意味上の主語とは何ですか?
動名詞(〜ing)の動作を、誰がするのかを表す語です。my opening の my のように、動名詞の前に所有格や目的格を置きます。何も置かなければ、ふつうは文の主語がする話になります。
my opening と me opening は、どちらが正しいですか?
どちらも使われます。所有格の my opening のほうが改まった言い方で、話し言葉では目的格の me opening もよく使われます。
Do you mind my opening the window? には、どう答えますか?
mind は「いやだと思う」という意味なので、「どうぞ」と答えるときは No, not at all. や Of course not. のように、否定で答えます。