独立分詞構文とは?Weather permittingの意味と使い方
入試対策講座 第14回
Walking down the street, a dog barked at me. は、なぜネイティブには変な意味に読めてしまうのでしょうか。今日は、分詞構文の意味上の主語が主節とずれたときに何が起きるのかを、Weather permitting, ~. を例に謎解き形式で解説します。
監修:原田高志(原田英語.com)
分詞構文は『主語を省略できる』と習います。ところが Weather permitting, the game will be held outdoors. という文には、weather という主語らしき語が残ったままです。省略していいはずなのに、なぜ残っているのでしょうか。今日はこの謎から、分詞構文のもう1つのルールを見ていきましょう。
Walking down the street, a dog barked at me. は、なぜ誤りとされるのか
次の文を見てください。
Walking down the street, a dog barked at me.
日本語で考えると『通りを歩いていたら、犬が私に吠えた』で意味が通じそうです。ところがこの英文、ネイティブが読むと『犬が通りを歩きながら私に吠えた』という、変な意味に読めてしまいます。書き手は『自分が歩いていた』つもりなのに、なぜこうなるのでしょうか。
考えられる答え
A dog barked at me, walking down the street. のように後ろへ動かしても、実は同じ問題が残ります。位置の問題ではなく、walking の『歩いているのは誰か』という情報がどこにも書かれていないことが原因だからです。
『言いたいことは分かるから、文法的にはセーフでは』と思うかもしれません。ですが、これは dangling participle(懸垂分詞)と呼ばれる、はっきりした文法上の誤りとして、入試の正誤問題や英作文の採点で減点対象になります。感覚の問題ではなく、ルール違反です。
分詞構文で主語を省略できるのは、その主語が主節の主語とまったく同じときだけです。Walking down the street, a dog barked at me. では、主節の主語は a dog。省略された分詞の主語も自動的に a dog だと解釈されるので、『犬が歩いていた』という意味になってしまいます。ここに真相があります。
真相
分詞の意味上の主語は、省略されている限り『主節の主語と同じ』だと機械的に解釈される。書き手の意図する主語が主節の主語と違うなら、省略せずに分詞の直前へ明示する。これが独立分詞構文(nominative absolute)。
S1 + 分詞 ~, S2 + V …(S1がS2と異なるときだけ、分詞の前に意味上の主語S1を書く=独立分詞構文)
分詞構文には、実は3つの形があります。
①ふつうの分詞構文(主語が同じ→省略)
Being tired, she went to bed early.(疲れていたので、彼女は早く寝た)
分詞 Being の主語は she。主節の主語も she。同じだから省略できます。
②独立分詞構文(主語が違う→明示する)
Weather permitting, the game will be held outdoors.(天気が許せば、試合は屋外で行われる)
分詞 permitting の主語は weather。主節の主語は the game。違うので、weather を省略せずに分詞の直前へ置きます。これが独立分詞構文です。
同じ形の例として、次のようなものもあります。
- ・It being Sunday, the shops were all closed.(日曜日だったので、店はすべて閉まっていた)
- ・All things considered, I think the trip was a success.(あらゆることを考え合わせると、この旅行は成功だったと思う)
③懸垂分詞(主語が違うのに、誤って省略してしまう→誤り)
Walking down the street, a dog barked at me.
本当は『私が歩いていた』のに、分詞の主語を省略してしまったため、機械的に主節の主語 a dog と解釈されます。直すには2通りの方法があります。
- ・主節の主語を、分詞の主語と同じ『私』に合わせる:Walking down the street, I was barked at by a dog.
- ・接続詞を使って、分詞構文をやめる:As I was walking down the street, a dog barked at me.
- ②と③の違いは、分詞の主語を省略したかどうか、それだけです。主語が違うと分かった時点で、省略せずに書けば②の正しい独立分詞構文、省略してしまえば③の誤りになります。
ここでつまずく
Judging from his accent, he must be from Kansai. のような文で、judging の意味上の主語(=私、話者)と主節の主語 he が違うことに気づかず、そのまま使ってしまう受験生がいます。ただし judging from ~(〜から判断すると)は例外的に主語が違っても許容される、決まり文句化した表現です。ルールの例外があることも合わせて知っておくと、正誤問題で混乱しません。
主語一致点検能力を手に入れる
分詞構文を見た瞬間に、省略されている(はずの)主語が主節の主語と一致しているかを機械的にチェックできるようになります。一致していなければ、独立分詞構文として書き手が意味上の主語を明示しているのか、それとも懸垂分詞という誤りなのかを、その場で判定できます。
例文で確かめる
Weather permitting, the game will be held outdoors.
天気が許せば、試合は屋外で行われる。
It being Sunday, the shops were all closed.
日曜日だったので、店はすべて閉まっていた。
All things considered, I think the trip was a success.
あらゆることを考え合わせると、この旅行は成功だったと思う。
The sun having set, we decided to head home.
日が沈んだので、私たちは家に帰ることにした。
Before
分詞構文の主語は、いつでも自由に省略できるものだと思っていた
After
分詞の前に名詞が残っていたら、それは主節の主語と違うから省略できなかった主語だと、その場で見分けられる
For Teachers
明日の授業、この15分で「独立分詞構文(分詞の意味上の主語が主節と異なるとき)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「Walking down the street, a dog barked at me. この文、誰が歩いてる?」」
- 「「Weather permitting の weather、消してもいいと思う? だめだとしたら、なぜ?」」
- 「「分詞の前に名詞が残っている文、見たことある人?」」
板書はこの1行だけ
分詞の主語=省略なら主節の主語と同じ。違うなら明示する(独立分詞構文)
ペアワーク/全体討論(5分)
ペアの片方に懸垂分詞の誤った例文カード、もう片方に正しい独立分詞構文の例文カードを配り、「この文、主語は一致してる?」と交互に問題を出し合わせる。教師は机間巡視しながら「省略された主語は誰?」と声をかける。
レベル別ミニ問題(5分)
( ) fine tomorrow, we will go on a picnic. 空所に入る形を選べ。①Being ②Weather being ③It is
答え:②Weather being/天気の主語 weather と、主節の主語 we が異なるので、独立分詞構文として weather を明示する必要がある。
次の文の誤りを直せ。Having finished his homework, the TV was turned on by Ken.
答え:正しくは Having finished his homework, Ken turned on the TV./having の意味上の主語は Ken(宿題を終えたのはKen)なのに、主節の主語が the TV になっており、懸垂分詞になっている。主節の主語をKenに合わせて書き換える。
出口チケット(2分)
Weather permitting を使って、週末の予定について1文書いてみよう。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
独立分詞構文と懸垂分詞の見分け方を練習したいときに使えます。①以下の日本語を英語にしてください:「日が沈んだので、私たちは家に帰った」②分詞構文(The sun having set, ~ の形)を使って書いてください。③分詞の意味上の主語が、なぜ省略できないのかも説明してください。
確認クイズ
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Q1. 次のうち、文法的に正しい文はどれか。
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Q2. Judging from his accent, he must be from Kansai. の judging の意味上の主語として最も適切なものはどれか。
よくある質問
独立分詞構文と懸垂分詞は、見た目でどう区別しますか。
分詞の直前に、その分詞の意味上の主語となる名詞(weather や it など)が書かれていれば独立分詞構文です。何も書かれていないのに、主節の主語と分詞の主語が食い違っていれば懸垂分詞という誤りです。
judging from のような表現は、なぜ例外として許されるのですか。
judging from、generally speaking、considering ~ のような一部の分詞は、話者自身を意味上の主語とする決まり文句として定着しており、文法書でも例外として扱われています。