discuss about はなぜ誤り?前置詞を付けない他動詞
入試対策講座|第62回
discuss・reach・enter・marry・resemble は、うしろに前置詞を置かず、すぐに目的語を続けます。辞書の説明を開くと、about・at・into・to・like が、はじめから動詞の意味の中に入っているのが分かります。
監修:原田高志(原田英語.com)
「〜について話し合う」は discuss。そこまで覚えていても、答案では discuss about と書いてしまいます。今日は、前置詞を付けたくなるのに付けない動詞を、辞書の説明から見分けます。
なぜ talk about は正しいのに、discuss about は誤りなのか
次の2つの文を比べてください。
We talked about the school festival.
We discussed about the school festival.
どちらも「文化祭について話し合った」と言いたい文です。
ところが、正しいのは1つ目だけです。Oxford Learner's Dictionaries は、2つ目を「試験では誤りとされる形」として挙げています。
同じ「〜について」なのに、なぜ discuss には about を付けないのでしょうか。
考えられる答え
日本語に合わせて前置詞を選ぶのは、多くの場面で役に立つやり方です。talk about、think about は、それで正しく書けます。 ただ、discuss は「〜について」と訳すのに、about を付けません。訳から前置詞を決めると、discuss だけが例外に見えてしまいます。
丸暗記でも、1つずつ出れば点は取れます。 ただ、なぜ付けないのかが分からないと、似た動詞が出たときに迷います。とくに、名詞の discussion には about を付けてよいので、動詞と名詞が並ぶと、どちらに前置詞が要るのか分からなくなります。
Oxford Learner's Dictionaries の discuss を開くと、説明は to talk about something with somebody です。about が、discuss の意味の中にもう入っています。 だから、うしろに about をもう1つ置くと、「について」を2回言うことになります。目的語は、動詞のすぐうしろに置きます。
真相
discuss・reach・enter・marry・resemble は、前置詞の意味を動詞の中に持っている。だから目的語をすぐうしろに置く。
discuss + 名詞(〜について話し合う)/ reach + 場所(〜に着く)/ enter + 場所(〜に入る)/ marry + 人(〜と結婚する)/ resemble + 人・物(〜に似ている)
辞書の説明を並べると、前置詞が動詞の中に入っているのが見えます。説明はすべて Oxford Learner's Dictionaries から引いています。
① discuss … to talk about something
例:Have you discussed the problem with anyone?
about は説明の中にあります。discuss the problem と、すぐうしろに目的語を置きます。
② reach … to arrive at the place
例:We finally reached our destination.
at は説明の中にあります。reach at とは書きません。
③ enter … to come or go into something
例:Someone entered the room behind me.
into は説明の中にあります。enter into the room とは書きません。
④ marry … to become the husband or wife of somebody; to get married to somebody
例:She married a German.
相手は、marry のすぐうしろに置きます。get married を使うなら、相手の前に to が要ります。
⑤ resemble … to look like or be similar to another person or thing
例:She closely resembles her sister.
look like の like も、be similar to の to も、説明の中にあります。resemble to とは書きません。
見分け方は1つです。その動詞を2語で言い換えたとき、前置詞が出てくるか。出てくるなら、その前置詞は動詞の中にもう入っています。
・discuss = talk about
・reach = arrive at
・enter = go into
・resemble = look like
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語では、目的語のあとに助詞が付きます。「問題について話し合う」「駅に着く」「部屋に入る」「彼と結婚する」。この「について・に・と」につられて、英語でも同じ場所に前置詞を置きたくなるのです。
だから、discuss の訳に「について」が出てくると、about を書き足したくなります。
知らなかっただけで、あなたの理解力の問題ではありません。英語のこの5つは、助詞に当たる部分を動詞が自分で持っています。前置詞を書く前に、その動詞を2語で言い換えてみてください。
ここでつまずく
よくあるのは、名詞にしたときにも前置詞を落としてしまう誤りです。動詞は前置詞を持っていますが、名詞は持っていません。
✕ We had a long discussion the plan.
○ We had a long discussion about the plan.(私たちは、その計画について長く話し合った)
Oxford の例でも、名詞は discussion about something、resemblance to somebody、on arrival at the hotel のように、前置詞を付けて使います。
もう1つは、enter を「入る」と覚えたまま、into を足す誤りです。
✕ He entered into the classroom.
○ He entered the classroom.(彼は教室に入った)
動詞の中の前置詞を見抜く力を手に入れる
誤文訂正で discuss about や reach at を見たら、意味を考える前に「前置詞が二重になっている」と気づけるようになります。
動詞のすぐうしろに前置詞があったら、その動詞を2語で言い換えてください。前置詞が出てくる動詞なら、そこが誤りです。
例文で確かめる
We discussed the school festival with our teacher.
私たちは、文化祭について先生と話し合いました。
discuss は talk about の意味を持つので、about は付けない。
The bus reached the stadium at noon.
バスは、正午にスタジアムに着きました。
reach は arrive at の意味を持つので、at は付けない。
Please take off your shoes before you enter the gym.
体育館に入る前に、靴を脱いでください。
enter は go into の意味を持つので、into は付けない。
My sister resembles our grandmother.
姉は、祖母に似ています。
resemble は look like・be similar to の意味を持つので、to は付けない。
Before
日本語の「について・に・と」を見て、そのたびに about・at・with を書き足していた。誤文訂正で discuss about が出ても、どこが誤りなのか分からなかった
After
動詞を2語で言い換えて、前置詞が出てくるかを確かめることで、前置詞が要らない動詞を見抜ける。名詞の discussion には about を付ける、と分けて書ける
For Teachers
明日の授業、この15分で「前置詞を付けない他動詞(discuss about・reach at・enter into the room・marry with の誤り)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「『文化祭について話し合った』を英語にしてください」と言い、出てきた答えを板書します」
- 「「talk about と discuss about、どちらも書いた人はいますか。片方は誤りです」と問いかけます」
- 「「辞書で discuss を引くと、説明は talk about です。about はどこにありますか」と聞きます」
板書はこの1行だけ
discuss = talk about / reach = arrive at / enter = go into / resemble = look like → 前置詞は、もう動詞の中にある
ペアワーク/全体討論(5分)
「隣の人と、1人が動詞を言い、もう1人が2語で言い換えてください。discuss と言われたら talk about です」5分。
言い換えが出たら、「では、discuss のあとに about は要りますか」と聞き、要らない理由を言わせます。最後に、名詞の discussion を出し、「名詞のときは、about を付けますか」と聞いて役を替えます。
レベル別ミニ問題(5分)
誤りを1か所直しなさい。We reached at the station just before the train left.
答え:reached at → reached ※ reach は arrive at の意味をすでに持つので、at は要らない
誤りを1か所直しなさい。After a long discussion the problem, they decided to enter the contest.
答え:discussion the problem → discussion about the problem ※ 名詞の discussion は前置詞を持たないので、about を付ける。enter the contest は正しい
出口チケット(2分)
「私たちは、その問題について先生と話し合った」を、discuss を使って英語で書かせる
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
あなたは大学入試英語の指導者です。前置詞を付けない他動詞(discuss・reach・enter・marry・resemble)を確かめる練習問題を6問作ってください。条件は次のとおりです。①誤文訂正を4問、空所補充を2問にする。②そのうち1問は、名詞の discussion に about を付ける形を問う。③解答には、その動詞を2語で言い換えた形(例:discuss = talk about)を一言添える。④私が答えるまで解答を見せない。
確認クイズ
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Q1. 次の英文の下線部のうち、誤りを含むものはどれか。We discussed about the plan with our coach after practice yesterday.
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Q2. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。The climbers ( ) the top of the mountain before sunrise.(登山者たちは、日の出前に山頂に着いた)
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Q3. ( ) に入れるのに最も適切なものはどれか。Ken ( ) a woman he met at university.(ケンは、大学で出会った女性と結婚した)
よくある質問
discuss about は、本当に間違いなのですか?
Oxford Learner's Dictionaries は、discuss about と言う人もいるが、多くの人や先生、試験ではまだ誤りとされている、と書いています。代わりに discuss か have a discussion about を使うよう勧めています。
名詞の discussion には about を付けてよいのですか?
付けてよいです。Oxford Learner's Dictionaries には、discussion about something や discussion on something の形が載っています。前置詞の意味を持っているのは動詞の discuss で、名詞の discussion は持っていません。
enter のうしろに目的語を置かない文はありますか?
あります。Oxford Learner's Dictionaries には Knock before you enter. の例があり、enter だけで「入る」と言えます。ただ、入る場所を言うときは、enter the room のように into を付けずに置きます。