cannotなのに意味は肯定?cannot too構文の謎を解く
入試対策講座 第38回
You cannot be too careful. の意味が、なぜ『用心してはいけない』ではなく『いくら用心してもし過ぎることはない』になるのかを、謎解き形式で確かめます。too ~ to do構文との違い、先生の15分パックまでまとめました。
監修:原田高志(原田英語.com)
You cannot be too careful when you cross the street. という文を見て、『用心してはいけない』と読んでしまう人がいます。実際の意味は正反対で、『いくら用心してもし過ぎることはない』です。今日はその理由を、謎解きの形で確かめていきます。
cannotなのに、なぜ『し過ぎることはない』というプラスの意味になるのか
You cannot be too careful. という文を見て、多くの人が『用心してはいけない』と正反対の意味に読んでしまいます。実際の意味は『いくら用心してもし過ぎることはない』、つまり『とても用心すべきだ』です。なぜこの形でそんなに強い意味になるのでしょうか。
考えられる答え
notのあとにcareful(用心深い)という良い意味の語が続くと、日本語の『~してはいけない』という発想につられて、してはいけないと訳してしまう人がいます。しかしこの文はcarefulという行為そのものを禁止しているわけではありません。
too ~ to doという似た形を知っていると、『用心しすぎて何かができない』という意味だと考えてしまいます。しかしこの文にはto doが続いておらず、形が違います。
ここに真相があります。
真相
cannot ~ too ...は、『どれだけ~してもtoo(度を越す)にはならない』という二重否定で、『いくら~してもし過ぎることはない』という強い勧めを表す構文です。
You cannot + be動詞/動詞 + too + 形容詞・副詞
この構文は、『~し過ぎることはできない』を文字どおりに読み解くと仕組みが見えてきます。cannot(できない)と、too careful(用心し過ぎ)を組み合わせると、『用心し過ぎる、ということはできない』になります。
言い換えると、『どれだけ用心しても、それが行き過ぎになることはあり得ない』ということです。日本語では『いくら~してもし過ぎることはない』と訳すのが定番で、実質的には『とても~すべきだ』という強い勧めや注意を表します。
主語がYouのYou cannot be too careful.のほか、We cannot ~ too ...のように主語を変えて使うこともありますが、入試でいちばんよく出るのはcannot ... too ~の形です。
似た形にnever ... too ~もあり、cannotをcan neverに置き換えても同じ意味になります(You can never be too careful.=いくら用心してもし過ぎることはない)。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語には『いくら~してもし過ぎることはない』という二重否定の言い回しがありますが、英語で同じ発想の文を見ると、not+良い意味の語という組み合わせに引っ張られて『~してはいけない』と読んでしまいがちです。知らなかっただけで、二重否定を一度分解して考える練習をすれば見分けがつくようになります。
ここでつまずく
You cannot be too careful.を『そんなに用心してはいけない』と正反対に訳してしまう誤りが最頻出です。またYou cannot be too careful to check the door.のようにto doを続けてしまい、too ~ to do構文と混同する誤りもよく見られます。cannot ... too ~のうしろにはto doを置かず、形容詞・副詞で言い切ります。
度を越さない安心の目盛りを手に入れる
cannot ~ too ...の形を見た瞬間に、『これは禁止ではなく、強い勧めだ』と判断できるようになります。用心・注意・感謝のように、多ければ多いほどよいことがらについて、その大切さを強調する言い方だと見抜けるようになります。
例文で確かめる
You cannot be too careful when you cross the street.
道路を渡るときは、いくら注意してもし過ぎることはない。
We cannot thank the volunteers too much for their help.
ボランティアの方々の助けには、いくら感謝してもし過ぎることはない。
Before
notのあとに良い意味の語が続く文を見て、機械的に『~してはいけない』と訳して間違えていた
After
cannot ~ too ...の形を見た瞬間に、二重否定として分解し、『とても~すべきだ』という強い勧めだと読み取れるようになる
For Teachers
明日の授業、この15分で「cannot ... too ~(いくら~してもし過ぎることはない)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「You cannot be too careful. どういう意味だと思う?」と問いかけ、生徒の第一印象を聞く」
- 「「notのあとにcareful(良い意味の語)が続く文、実は禁止じゃないんです」と揺さぶりをかける」
- 「「cannot ~ too ...を2つに分けて、日本語に直訳してみよう」と作業を指示する」
板書はこの1行だけ
cannot ~ too ... =『~し過ぎることはできない』=『いくら~してもし過ぎることはない』
ペアワーク/全体討論(5分)
ペアの一方がYou cannot be too ...の空所に形容詞を入れて文を作り、もう一方がその文を『いくら~してもし過ぎることはない』の形で日本語に訳す。先生は机間巡視をしながら「禁止じゃなくて、強い勧めだよ」と声をかけて回る。
レベル別ミニ問題(5分)
You cannot be too ______ (kind) to others.
答え:kind
We cannot ______ (praise) him too much for his effort.
答え:praise
出口チケット(2分)
You cannot ______ (thank) your teacher too much. の空所を埋め、この文の意味を一言で説明しなさい。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
次の日本語の状況を、cannot ~ too ...を使った英文にしてください。①禁止ではなく強い勧めの意味になっているか確認してください。②never ~ too ...を使った言い換えも書いてください。状況:「健康はどれだけ気をつけても気をつけすぎることはない」
動画で見る
確認クイズ
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Q1. You cannot be too ______ when you sign a contract. に入る適切な語はどれか。
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Q2. We cannot ______ our health too much, doctors often say. に入る適切な語はどれか。
よくある質問
cannot ~ too ...とnever ~ too ...は同じ意味ですか?
はい、ほぼ同じ意味です。You cannot be too careful.とYou can never be too careful.は、どちらも『いくら用心してもし過ぎることはない』を表します。neverを使うほうがやや口語的です。