部分否定の意味は?Not all birds can fly.が「全否定」でない理由
入試対策講座 第19回
notがallやalwaysの直前に来ると、意味は『全部~ない』ではなく『全部が~というわけではない』に変わります。日本語の感覚とのズレを、謎解き形式で解消します。
監修:原田高志(原田英語.com)
notを見た瞬間に文全体を『ゼロ』にして読んでいませんか。今日はその読み方が裏切られる場面、部分否定を解剖します。
なぜ Not all birds can fly. は『鳥は全部飛べない』ではないのか
多くの生徒が Not all birds can fly. を『鳥は全部飛べない』と読んでしまいます。でもそう読むと、スズメもワシも飛ぶのだから明らかに変です。実際の意味は『ペンギンやダチョウのように、飛べない鳥もいる』です。
考えられる答え
日本語の『全部~ない』という感覚に引きずられた読み方です。この文のnotは文頭でallに直接くっついており、打ち消しているのは『鳥』でも『飛ぶ』でもなく、『全部』という度合いのほうです。
位置は関係があります。ただし All birds cannot fly. と書いても、文脈次第で同じ『部分否定』の意味に取られることがあり、位置だけでは説明しきれません。
notが実際に打ち消しているのは『全部』という度合いのほうで、『鳥という生き物全体』を打ち消しているのではありません。
真相
not all / every / always は『100%ではない』という意味で、『0%』ではありません。
not + all / every / both / always / necessarily は「100%ではない」であって「0%」ではない
英語の否定文は、notがどの語にかかっているかで意味が大きく変わります。
全否定(0%):No birds can fly. や None of the birds can fly. のように、notやnoが名詞のかたまり全体にかかると、『1羽も飛べない』というゼロの意味になります。
部分否定(100%未満):Not all birds can fly. のように、notがall・every・always・necessarilyのような『100%』を表す語の直前に来ると、『全部が~というわけではない』という意味になります。飛べない鳥(ペンギンやダチョウなど)が少なくとも1羽はいる、というだけで、飛べる鳥がいないとは言っていません。
この2つを見分ける目印は、notと同じ文の中に all / every / both / always / necessarily のような『100%を表す語』が否定の範囲に入っているかどうかです。notの直後になくても、I don't like all of them.(全部が好きなわけではない)のように離れた形でも部分否定になります。noやnothingのように名詞そのものを打ち消す形なら全否定です。
日本語の頭が、ここで邪魔をする
日本語は、0%か100%未満かを文の終わり方で言い分けます。『みんな来なかった』が0%、『みんなが来たわけではない』が100%未満です。打ち消しの言葉がどちらも文の最後に来るので、最後まで読まないと決まりません。ところが英語は、notがどの語の直前に置かれたかで、文の途中ですでに決まっています。日本語のつもりで最後まで読み進めると、部分否定を全否定と取り違えます。知らなかっただけで、理解力の問題ではありません。
ここでつまずく
Not everyone likes coffee. を『誰もコーヒーが好きではない』と訳してしまう誤りが定番です。正しくは『全員がコーヒーを好きなわけではない』。好きな人もいれば、好きでない人もいる、という意味です。everyoneの直前のnotを見落とさず、『全員ではない』と読み替えてください。
度合いを読み取る力を手に入れる
『全部』『いつも』『必ず』のような100%を表す語の直前にnotがあるかどうかを見るだけで、0%の否定なのか、それとも一部だけの否定なのかを一瞬で見分けられるようになります。長文の中の否定文で立ち止まる回数が減ります。
例文で確かめる
Not all snakes are poisonous.
すべてのヘビが毒を持っているわけではない。
I don't always agree with my sister, but I respect her opinions.
いつも姉の意見に賛成するわけではないが、その意見は尊重している。
Not everyone in the office uses the new software yet.
オフィスの全員がまだ新しいソフトを使っているわけではない。
Before
notを見た瞬間に、うしろの文全部を『ゼロ』にして読んでいた
After
not all / not always を見たら、まず『100%ではない』と読み替えられるようになる
For Teachers
明日の授業、この15分で「部分否定(not all / not always が『全部ではない』であって『全部~ない』ではない理由)」が終わります
導入の問いかけ(3分)
- 「「みんな来なかった」と「みんなが来たとは限らない」、この2つの日本語、意味は同じ?と聞く」
- 「Not all my friends like sushi. を訳させ、実際にクラスで好き嫌いを挙手させて確認する」
- 「No one in my class likes natto. と Not everyone in my class likes natto. を黒板に並べて比べさせる」
板書はこの1行だけ
NOT + ALL/EVERY/ALWAYS = 100%ではない(部分否定)/ NO, NOT...ANY = 0%(全否定)
ペアワーク/全体討論(5分)
先生「二人組で、Not all を使った文を1つ作って、日本語訳を交換してください」→ 相手の訳が『全部〜ない』になっていたら、もう一度説明し合う
レベル別ミニ問題(5分)
Not everyone agreed with the plan. の意味は?
答え:計画に賛成しなかった人がいた(全員が賛成したわけではない)
次の2文の意味の違いを説明せよ。① Not all the students passed the exam. ② None of the students passed the exam.
答え:①は一部が不合格(部分否定)、②は全員が不合格(全否定)
出口チケット(2分)
Not all superheroes wear capes. を日本語に訳しなさい。
AIに貼ると、この項目だけを狙った練習問題が、あなた用に出てきます。
以下の条件で、部分否定の練習問題を作ってください。①not all / not every / not always のいずれかを使った英文を3つ作る。②それぞれに全否定バージョンの文も1つずつ添える。③和訳と、どちらが部分否定かの解説を日本語でつける。
確認クイズ
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Q1. Not all the students passed the exam. の意味として正しいものは?
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Q2. 『彼はいつも遅刻するわけではない』を表す英文はどれですか。
よくある質問
notの位置が違うと、部分否定にならない場合もありますか?
はい。All the students did not pass the exam. のように、否定の位置や文脈によっては全否定として使われることもあります。基本はnotの直後にall/every/alwaysがあるかで見分けますが、最終的には文脈で確認してください。