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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第12回 標準 読了 8分

しまうまのしま模様の由|ハエよけ説の証拠

Why Do Zebras Have Stripes?

Easy Reading 第12回

しまうまの白黒のしま模様には、長いあいだはっきりした答えがありませんでした。2014年、生物学者ティム・カーロたちの研究で、しま模様が刺すハエを寄せつけにくくしているという説に強い証拠が集まり、2019年には馬にしま模様の服を着せる実験でも同じ効果が確かめられました。一頭ごとに違う模様の秘密と、しまうまの模様から名前をもらった横断歩道の歴史もたどります。

監修:原田高志(原田英語.com)

しまうまの体には、白と黒のしま模様が入っています。あの模様は、いったい何のためにあるのでしょうか。英文を読みながら、科学者たちが100年以上かけてたどり着いた答えと、しまうまの模様が思わぬところで使われている話をのぞいてみましょう。

英文

Why Do Zebras Have Stripes?

Have you ever wondered why zebras have black and white stripes?

For a long time, scientists could not agree on the answer.

Some thought the stripes helped zebras hide from lions.

Others thought the stripes helped zebras stay cool in the hot sun.

In 2014, biologist Tim Caro and his team studied this question in a new way.

They found one clear pattern: zebras live where biting flies are common.

These flies can spread disease and cause real pain.

A zebra's hair is shorter than the flies' mouthparts, so it cannot easily fight them off.

In 2019, another team tested the fly idea in a different way.

They put striped coats, plain black coats, and plain white coats on horses in Britain.

Flies rarely landed on the striped coats, but they landed on the plain ones again and again.

Stripes are not only about flies, though.

Each zebra has its own stripe pattern, just like a human fingerprint.

Researchers use these patterns to tell zebras apart in the wild.

In 1951, the United Kingdom painted black and white stripes on the road to mark a new kind of pedestrian crossing.

People soon began calling it a "zebra crossing" because of its stripes.

So the next time you see a zebra, or walk across striped lines on a road, remember where the pattern began.

(223 words)

重要語句

語句意味英語の定義
biologist 生物学者 a scientist who studies living things such as animals and plants
pattern 模様、パターン a repeated design made of shapes, lines, or colors that you can recognize
mouthpart 口器(虫が物をかんだり吸ったりするための口の部分) a part of an insect's mouth used for biting, sucking, or eating
fingerprint 指紋 the unique pattern of lines on a person's fingertip
coat (動物にかぶせる)覆い a covering placed over an animal's body
pedestrian crossing 横断歩道 a marked place on a road where people can walk safely across

全文和訳

しまうまの体に、なぜ白と黒のしま模様があるのか、考えたことはありますか。長いあいだ、科学者たちもこの答えで意見が一致しませんでした。ある人たちは、しま模様がライオンから身を隠すのに役立つと考えました。別の人たちは、しま模様が強い日差しの中で体を涼しく保つのに役立つと考えました。2014年、生物学者ティム・カーロとそのチームが、この問題を新しい方法で調べました。すると、はっきりした一つの傾向が見つかりました。しまうまは、刺すハエが多い場所にすんでいたのです。こうしたハエは、病気を運び、実際に痛みも引き起こします。しまうまの毛は、ハエの口の部分より短いため、しまうまはハエをうまく追い払えません。2019年、別のチームが、ハエよけの考えを違う方法で確かめました。彼らは、しま模様の服、無地の黒い服、無地の白い服を、イギリスの馬に着せました。ハエは無地の服には何度も着地しましたが、しま模様の服にはほとんど着地しませんでした。ただし、しま模様はハエだけの話ではありません。しまうま一頭一頭のしま模様は、人間の指紋のように、みな違います。研究者たちは、この模様を使って、野生のしまうまを一頭ずつ見分けています。1951年、イギリスは新しい種類の横断歩道を示すために、道路に白と黒のしま模様を描きました。人々はやがて、その模様から、これを「ゼブラクロッシング」と呼ぶようになりました。だから次にしまうまを見たとき、あるいは道路のしま模様の上を歩くとき、その模様がどこから来たのかを思い出してみてください。

コラム:しま模様が教えてくれた、ハエよけの科学と道路の歴史

いくつもの説をまとめて検証した2014年の研究

しまうまのしま模様には、長いあいだ、いくつもの説がありました。ライオンから身を隠すため、暑さの中で体を涼しく保つため、仲間を見分けるため。2014年、生物学者ティム・カーロたちのチームが、これらの説を科学雑誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』でまとめて検証しました。

チームは、しまうまや近い仲間の動物が住む場所と、そこにいる動物や気候の条件を細かく比べました。はっきりと結びついていたのは、刺すハエが多い場所に住んでいることだけでした。涼しさを保つ説や、隠れる説を裏づける証拠は、ほとんど見つかりませんでした。しまうまの毛はハエの口の部分より短く、他の草食動物に比べてハエの被害を受けやすいことも分かっています。

動画で見る

しまうまのしま模様の謎を、子ども向けにやさしく解説した動画 (BBC Earth Kids(BBCの公式チャンネル)) ハエよけ説を中心に、しま模様のはたらきを映像で紹介しています

馬にしま模様の服を着せてたしかめた実験

「しま模様がハエを寄せつけにくくする」という説を、もっと直接たしかめる実験が2019年に行われました。アメリカのカリフォルニア大学デービス校のティム・カーロと、イギリスのブリストル大学のマーティン・ハウが率いるチームが、イギリスの牧場で馬に協力してもらいました。

同じ馬に、無地の黒い服、無地の白い服、しま模様の服を順番に着せ、寄ってくるハエを高速度カメラで撮影しました。しま模様の服には、ハエがほとんど着地しませんでした。無地の服には、何度も着地していたのと対照的です。撮影された映像では、ハエがしま模様の近くでうまく減速できず、通り過ぎたりぶつかったりしている様子が確認されました。

一頭ずつ違う模様は、見分ける手がかりにもなる

しまうまには、サバンナシマウマ、グレビーシマウマ、ヤマシマウマの3種類がいます。種によってしま模様の太さや入り方は違いますが、同じ種の中でも、一頭ごとの模様はすべて違います。人間の指紋のように、まったく同じ模様を持つ2頭はいません。

研究者たちは、この違いを利用して、野生のしまうまを写真で見分けています。同じ模様の個体はいないという性質のおかげで、群れの中の一頭一頭を追いかけたり、数を数えたりできるのです。ハエよけという実用的な役目に加えて、しま模様はしまうまを見分ける道具にもなっています。

しまうまの模様が、道路の名前になった日

しまうまのしま模様は、遠く離れた場所でも人の役に立ちました。1951年10月31日、イギリスのスラウという町に、道路に白と黒のしま模様を描いた新しい横断歩道が作られました。それまでの横断歩道は金属びょうで印をつけているだけで、車を運転する人からは見えにくいという問題があったためです。

この模様の実験を率いたのは、イギリスの道路研究所で交通部門の初代責任者を務めたジョージ・チャールズワースだとされています。「しまうまのように見える」と言ったのは、当時の国会議員ジェームズ・キャラハンだったと伝えられていますが、本人がこの呼び名を作ったと主張したことはありません。それでもこの呼び方は広まり、「ゼブラクロッシング」という名前として定着しました。

明日、信号のない横断歩道を渡るときは、あの模様の名前がどこから来たのか、隣にいる人に話してみてください。

確認クイズ

  1. Q1. 2014年の研究で、しまうまのしま模様の特徴といちばん強く結びついていた条件はどれか。

よくある質問

しまうまのしま模様は、ハエよけだけが目的なのですか。

2014年の研究では、刺すハエが多い場所に住んでいることといちばん強く結びついていましたが、しま模様には一頭ごとに違うという性質もあり、仲間を見分ける手がかりとしても使われています。目的が1つに決まっているわけではありません。

「ゼブラクロッシング」という呼び名は、いつからあるのですか。

1951年10月31日、イギリスのスラウという町に、白と黒のしま模様を描いた新しい横断歩道ができたのが最初です。この模様がしまうまに似ていたことから、その後「ゼブラクロッシング」と呼ばれるようになりました。