リスが木の実を埋める理由は?あちこちに分けて隠します
Why Do Squirrels Bury Nuts?
Easy Reading|第62回
リスが木の実を地面に埋めるのは、冬に備えて食べ物をためておくためです。しかも1か所にまとめず、あちこちに分けて隠します。たくさんの隠し場所をどう見つけ直すのか。忘れられた実はどうなるのか。やさしい英文で読みます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の英文は約230語です。公園で、リスが地面に穴を掘っているのを見たことはありますか。リスは、木の実を1か所にまとめず、あちこちに分けて埋めます。1シーズンに数千か所も隠すことがあるのに、どうやって見つけ直すのでしょうか。英語で読んでみましょう。
英文
Why Do Squirrels Bury Nuts?
Have you ever seen a squirrel dig a small hole in the ground?
It puts a nut in the hole and covers it with dirt.
Why does it do this?
The squirrel is saving food for winter.
Some animals keep all their food in one place, like a pantry.
But gray squirrels hide their nuts in many different places.
This is called "scatter hoarding."
One squirrel may make several thousand hiding places in a season.
How can it find them again?
Squirrels have a very good memory for places.
They use landmarks to find their nuts.
They also use their noses.
But smell does not work well when the ground is very dry or covered with snow.
Squirrels can also play tricks.
When a squirrel thinks someone is watching, it may only pretend to bury a nut.
In 2017, scientists in California reported a study on fox squirrels.
They gave the squirrels four kinds of nuts: almonds, pecans, hazelnuts, and walnuts.
When the squirrels got all the nuts from one place, they buried the same kind of nut in the same area.
One of the scientists said it may be like putting away your groceries.
Of course, squirrels do not find every nut.
Some of the lost nuts start to grow.
Years later, they may become trees.
So when a squirrel forgets a nut, it may help a new tree grow.
(231 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| squirrel | リス | a small animal with a long, thick tail that lives in trees |
| bury | 埋める | to put something in a hole in the ground and cover it |
| nut | 木の実 | a dry fruit with a hard shell that grows on some trees |
| hide | 隠す | to put something in a place where others cannot see or find it |
| landmark | 目印 | something easy to see that helps you know where you are |
| pretend | 〜するふりをする | to act as if something is true when it is not |
| groceries | (買ってきた)食料品 | food and other things that you buy at a store |
全文和訳
リスが地面に小さな穴を掘っているのを、見たことがありますか。リスは、その穴に木の実を入れて、土をかぶせます。なぜ、そんなことをするのでしょうか。リスは、冬のために食べ物をためているのです。動物の中には、食料庫のように、食べ物を全部1か所にしまうものもいます。でも、ハイイロリスは、木の実をたくさんの別々の場所に分けて隠します。これは「分散貯蔵」と呼ばれます。1匹のリスが、1シーズンに数千か所の隠し場所を作ることもあると考えられています。どうやって、それを見つけ直すのでしょうか。リスは、場所をとてもよく覚えています。目印を使って、木の実を見つけます。鼻も使います。でも、地面がとても乾いていたり、雪におおわれていたりすると、においはうまく使えません。リスは、ずるい手を使うこともあります。だれかに見られていると思うと、リスは木の実を埋めるふりだけをすることがあります。2017年、カリフォルニアの科学者たちが、キツネリスの研究を発表しました。リスに、アーモンド、ペカン、ヘーゼルナッツ、クルミの4種類の木の実を与えました。すべての木の実を1か所でもらったとき、リスは同じ種類の実を同じあたりに埋めました。科学者の1人は、それは買ってきた食料品をしまうのに似ているかもしれない、と言いました。もちろん、リスがすべての木の実を見つけるわけではありません。見つけてもらえなかった実の中には、芽を出すものがあります。何年もたつと、それが木になることもあります。だから、リスが木の実を忘れると、新しい木が育つ手助けになるかもしれないのです。
コラム:リスと木の実 ~1か所にためるか、ばらまくか~
全部を1か所にためる動物と、ばらまく動物
食べ物をためる動物には、2つのやり方があります。Wikipedia|Hoarding (animal behavior))によると、1つは1か所に大きくためるやり方です。もう1つは、小さな隠し場所をたくさん作るやり方で、英語で scatter hoarding(分散貯蔵)と呼ばれます。
同じページには、分散貯蔵をする動物の例として、ハイイロリスやキツネリスが挙がっています。冬に暖かい土地へ移らず、冬眠もしない動物には、分散貯蔵をするものが多いとも書かれています。
たくさんの隠し場所を持つには、場所をよく覚えている必要があります。同じページには、分散貯蔵をする動物は、分散貯蔵をしない動物より、記憶にかかわる脳の部分(海馬)が大きい傾向があると書かれています。
ハイイロリスについては、Wikipedia|Eastern gray squirrelに説明があります。1匹が1シーズンに作る隠し場所は、数千か所と見積もられています。においも使いますが、地面が乾きすぎていたり、雪におおわれていたりすると、においは頼りにならないそうです。
見つけてもらえなかった実は、どうなるのでしょうか。Hoarding のページによると、食べられずに残った種には、芽を出すチャンスがあります。分散貯蔵は、植物の種を広げるのに大きな役目を果たしているそうです。
種類ごとに分けて埋める、キツネリスの実験
2017年、カリフォルニア大学バークレー校のチームが、キツネリスの研究を発表しました。載ったのは、科学誌 Royal Society Open Science です。大学の記事(UC Berkeley|Fox squirrels use 'chunking' to organize their favorite nuts)を見てみます。キツネリスは、1年に3,000〜10,000個の木の実をためるそうです。
実験の場所は、大学の構内の林です。オスとメスあわせて45匹に、アーモンド、ペカン、ヘーゼルナッツ、クルミを、1匹につき16個、1つずつ与えました。埋めた場所は、手に持つGPSの機械で記録しました。
結果はこうです。
- ①すべての実を1か所でもらったリスは、同じ種類の実を同じあたりに埋めることが多かった
- ②あちこちでもらったリスは、種類では分けなかった。そのかわり、すでに埋めた場所を避けて埋めた
研究チームのルシア・ジェイコブズは、こう話しています。「リスは、買ってきた食料品をしまうのと同じやり方で、まとめているのかもしれない」。探すときは、台所の棚を全部見なくても、1か所を見ればよい、というわけです。
squirrel は「影のしっぽ」。人にも使う squirrel away
Wiktionary|squirrelによると、squirrel は古代ギリシャ語の skiouros から来ています。skia は「影」、oura は「しっぽ」で、合わせて「影のしっぽ」です。
squirrel は、動詞にもなります。同じページには、動詞として「あとで使うために、こっそりしまっておく」という意味が載っています。
この意味では、squirrel away の形でも使います。たとえば、squirrel away money なら「お金をこっそりためる」です。
明日、英文で squirrel away を見かけたら、リスの話ではなく、何かを「ためこんでいる」話だと読んでください。
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確認クイズ
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Q1. 本文によると、ハイイロリスは木の実をどのようにためるか。
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Q2. 本文によると、においで木の実を見つけにくくなるのはどんなときか。
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Q3. 本文と合っているものはどれか。
よくある質問
リスはなぜ木の実を埋めるのですか。
冬に備えて、食べ物をためておくためです。ハイイロリスやキツネリスは、木の実を1か所にまとめず、小さな隠し場所をたくさん作ります。これを分散貯蔵(scatter hoarding)と呼びます。
リスは埋めた場所をどうやって覚えているのですか。
Wikipedia によると、ハイイロリスは場所をとてもよく覚えていて、目印を使って見つけ直します。においも使いますが、地面が乾きすぎていたり雪におおわれていたりすると、うまく使えません。
squirrel away とはどういう意味ですか。
Wiktionary によると、動詞の squirrel には「あとで使うために、こっそりしまっておく」という意味があります。squirrel away money なら「お金をこっそりためる」です。