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READING 第88回 基礎 読了 8分

雪の結晶が六角形の理由は?水の分子の並び方で決まります

Why Do Snowflakes Have Six Arms?

Easy Reading|第88回

雪の結晶に6本の枝があるのは、水が凍るとき、水の分子が六角形に並ぶからです。結晶は小さな六角形の板から始まり、6つの角から枝が伸びます。6本の枝がそろうのは、同じ雲の中を一緒に落ちて、同じ温度と湿り気を同時に受けるからです。中谷宇吉郎の人工雪の話とあわせて、やさしい英文で読みます。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日の英文は240語です。11月7日は立冬です。もうすぐ、雪の便りが届く季節ですね。雪の結晶の絵をかくとき、枝は何本にしますか。たいてい6本ではないでしょうか。では、なぜ5本でも8本でもなく、6本なのでしょう。英語で読んでみましょう。

英文

Why Do Snowflakes Have Six Arms?

Catch a snowflake on a dark glove and look closely.

You may see a tiny star with six arms.

Why six, and not five or eight?

Snowflakes are ice, and ice is made of tiny parts called water molecules.

When water turns into ice, these molecules line up in a six-sided pattern.

That is why snow crystals have six sides.

A snow crystal often starts high in a cold cloud on a tiny piece of dust.

Water vapor in the air freezes onto it, and the crystal slowly grows.

At first, it is a small, flat shape with six sides.

As it gets bigger, a branch grows out from each of its six corners.

The six arms grow on their own, and they cannot talk to each other.

So why do they look the same?

As the crystal falls through the cloud, all six arms meet the same changes in temperature and humidity at the same time.

So they grow in the same way.

Temperature also changes the shape.

Around minus 15 degrees Celsius, large flat stars grow.

Around minus 6 degrees, you find thin needles and columns.

A Japanese scientist, Ukichiro Nakaya, studied these changes in the 1930s.

In 1936, his team in Hokkaido became the first in the world to make snow crystals in a lab.

No two snowflakes fall along exactly the same path, so no two look exactly alike.

Next time it snows, count the arms.

(240 words)

重要語句

語句意味英語の定義
snowflake 雪のひとひら、雪片 a small, soft piece of frozen water that falls as snow
molecule 分子 the smallest part of a substance, made of atoms joined together
six-sided 六角形の、6つの辺を持つ having six sides
pattern (決まった)形、並び方 a regular way in which things are arranged
crystal 結晶 a small piece of a solid with a regular shape and flat sides
dust ちり、ほこり very small pieces of dry dirt in the air
water vapor 水蒸気 water in the form of a gas in the air
freeze 凍る to become hard and turn into ice because of the cold
branch 枝 a part that grows out from the main part of something
humidity 湿度、空気の湿り気 the amount of water in the air
column 柱 a tall shape like a post
alike よく似た、同じような very similar

全文和訳

黒っぽい手袋で雪のひとひらを受け止めて、よく見てください。6本の腕を持つ、小さな星が見えるかもしれません。なぜ6本で、5本や8本ではないのでしょう。雪は氷でできていて、氷は水の分子と呼ばれる、とても小さなつぶでできています。水が氷になるとき、この分子は六角形の形に並びます。だから、雪の結晶にも6つの辺があるのです。雪の結晶は、多くの場合、空の高いところの冷たい雲の中で、小さなちりの上から始まります。空気の中の水蒸気がその上で凍りつき、結晶は少しずつ大きくなります。はじめは、6つの辺を持つ、小さくて平らな形です。大きくなるにつれて、6つの角のそれぞれから枝が伸びていきます。6本の腕は、それぞれ別々に伸びます。おたがいに連絡を取り合うことはできません。では、なぜ同じ形に見えるのでしょう。結晶が雲の中を落ちていくとき、6本の腕はみな、温度と湿り気の同じ変化に、同じときに出会うからです。だから、同じように育つのです。温度によって、形も変わります。マイナス15度くらいでは、大きくて平らな星の形が育ちます。マイナス6度くらいでは、細い針や柱の形が見つかります。日本の科学者、中谷宇吉郎は、1930年代にこうした変化を研究しました。1936年、北海道の中谷の研究室は、世界で初めて、実験室で雪の結晶を作りました。まったく同じ道すじを通って落ちてくる雪は2つと無いので、まったく同じ形の雪も2つとありません。今度雪が降ったら、腕の数を数えてみてください。

コラム:雪の結晶が六角形の理由 ~6本の枝は、同じ道を一緒に落ちてくる~

「6」は、氷の中ですでに決まっている

アメリカの海洋大気庁(NOAA)の解説 「How do snowflakes form? Get the science behind snow」 によると、雪の結晶は、とても冷たい水のつぶが、空の花粉やちりの上で凍るところから始まります。そのあと、落ちながら水蒸気が凍りついて、6本の腕ができていきます。

六角形になる理由について、NOAA は「結晶の中の水の分子が、決まった位置に並ぶ、その並び方が表に出ている」と説明しています。

アメリカのカリフォルニア工科大学で物理学の Kenneth Libbrecht 教授の解説サイト SnowCrystals.com も同じです。氷の中では、水の分子が正確な六角形にそろって並んでいます。雪の結晶の6つの向きは、この並び方から生まれる、と書いています。

動画で見る

NASA ゴダード宇宙飛行センターの動画(題名は「Getting Flake-y: Why All Snowflakes Have Six Sides」) (NASA Goddard) 英語の動画です。題名のとおり、雪の結晶がどれも6つの辺を持つ理由を扱っています。

6本の枝は、話し合わずにそろう

SnowCrystals.com によると、星の形の結晶は、まず小さな六角形の板として生まれます。大きくなると、6つの角から枝が伸びます。

ふしぎなのは、6本の枝が別々に伸び、おたがいに連絡を取り合わないことです。それでもそろうのは、6本が同じ道を通って落ちてくるからです。同じサイトは「6本の腕はみな同じ道をたどったので、同じ変化を同じときに受けた」と書いています。

同じサイトは、形を決めるのは雲の中の温度と湿り気だとも説明しています。
1. マイナス15度くらい:大きな星の形が育つ
2. マイナス6度くらい:針や柱の形がよく見つかる

そして、まったく同じ道を通って落ちてくる結晶は2つと無いので、まったく同じに見える結晶も2つと無い、とまとめています。

中谷宇吉郎と「天から送られた手紙」

温度と湿り気で結晶の形がどう変わるかを示した図は、英語で Nakaya Diagram(中谷ダイヤグラム)とも呼ばれます。SnowCrystals.com によると、1930年代に実験室で雪の結晶を育てて、このしくみを見つけた中谷宇吉郎の名前から来ています。

北海道大学の CoSTEP の記事 「#3 天からの手紙、中谷からの手紙」 によると、中谷は北大の理学部物理学教室で、1931年度の冬から雪の研究を始めました。そして1936年3月、世界で初めて、人工的に雪の結晶を作ることに成功します。記事によると、3月12日に同じ研究室の佐藤礒之介が羅紗(毛織物)の毛で、3月14日に助手の関戸弥太郎が防寒服の襟のウサギの毛で、それぞれ結晶を作りました。その後の実験の中心になったのはウサギの毛です。ウサギの毛には小さなコブがいくつもあり、結晶の核がきれいに育ちやすかったと、記事は説明しています。

中谷は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残したことで知られています。今年の冬、雪が降ったら、黒い手袋で受け止めて、枝の数を数えてみてください。そして英文の six-sided と humidity を思い出しながら、もう一度声に出して読んでみてください。

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、雪の結晶に6つの辺があるのはなぜか。

  2. Q2. 本文によると、6本の腕が同じ形に育つのはなぜか。

  3. Q3. 本文によると、マイナス6度くらいでよく見つかる形はどれか。

よくある質問

雪の結晶は、なぜ六角形なのですか。

水が凍るとき、水の分子が六角形にそろって並ぶからです。アメリカの海洋大気庁(NOAA)や、雪の結晶を研究する Kenneth Libbrecht 教授の解説サイトは、雪の結晶の6つの向きは、氷の中の分子の並び方から生まれると説明しています。

雪の結晶の6本の枝は、なぜ同じ形になるのですか。

6本の枝は別々に伸びますが、同じ道を一緒に落ちてくるので、温度と湿り気の同じ変化を同じときに受けます。そのため、同じように育ちます。

世界で初めて人工雪を作ったのはだれですか。

北海道大学の CoSTEP の記事によると、1936年3月、中谷宇吉郎が世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功しました。中谷の研究室では、助手の関戸弥太郎が、防寒服の襟のウサギの毛を使って結晶を作りました。