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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第26回 基礎 読了 8分

空が青い理由|レイリー散乱と夕焼けの秘密

Why Is the Sky Blue?

Easy Reading

空はなぜ青いのか、実は19世紀の物理学者レイリー卿が示した『光の散乱』という仕組みで説明できます。青い光が空じゅうに散らばる理由と、本当なら紫に見えるはずなのに青く見える理由、そして夕焼けが赤くなる理由までを、やさしい英文で読み解きます。

監修:原田高志(原田英語.com)

晴れた日にふと空を見上げて、『どうして青いんだろう』と思ったことはありませんか。実はこの素朴な疑問に答えが出たのは、19世紀になってからのことです。今日は、光の散乱という仕組みから、空が青く見える理由と、夕焼けが赤くなる理由までを、英文で読んでいきましょう。

英文

Why Is the Sky Blue?

Have you ever wondered why the sky above you is blue instead of some other color?

Sunlight looks white, but it is actually a mix of every color in the rainbow.

As sunlight travels through the air, it collides with tiny gas molecules far smaller than its own wavelength.

These molecules scatter the light in every direction, and shorter wavelengths scatter much more strongly than longer ones.

In 1871, the British scientist Lord Rayleigh worked out the math behind this effect, so it is now called Rayleigh scattering.

Blue light has a shorter wavelength than red or yellow light, so it gets scattered across the whole sky and reaches your eyes from every direction.

That is why the sky looks blue rather than white.

Yet violet light has an even shorter wavelength than blue, so by Rayleigh's own math, it should scatter even more than blue does.

Two other facts tip the balance back toward blue: sunlight contains less violet light than blue to begin with, and human eyes are more sensitive to blue than to violet.

The same scattering explains sunsets, too.

When the sun sits low on the horizon, its light must pass through a much longer stretch of air to reach you.

Along that longer path, nearly all the blue light gets scattered away before it arrives, leaving mostly orange and red light for your eyes.

So the blue sky above you and the red sky at sunset come from exactly the same physics.

(247 words)

重要語句

語句意味英語の定義
wavelength 波長 the distance between one wave peak and the next, used to describe light and sound
scatter 散らばる、散乱する to make light bounce off in many different directions
molecule 分子 an extremely small particle made of atoms joined together
horizon 地平線、水平線 the line far away where the sky seems to meet the land or sea
atmosphere 大気 the layer of gases that surrounds a planet such as Earth

全文和訳

見上げた空が、なぜ他の色ではなく青いのか、考えたことはありますか。太陽の光は白く見えますが、実際には虹のあらゆる色が混ざり合ったものです。太陽の光が大気の中を進むとき、光の波長よりずっと小さな気体分子にぶつかります。これらの分子は光をあらゆる方向に散らし、波長が短い光ほど強く散らばります。1871年、イギリスの科学者レイリー卿がこの現象の仕組みを数式で示し、いまではレイリー散乱と呼ばれています。青い光は赤や黄色の光より波長が短いため、空全体に散らばり、あらゆる方向からあなたの目に届きます。だからこそ、空は白ではなく青く見えるのです。ところが紫の光は青よりもさらに波長が短いので、レイリー自身の数式によれば、紫のほうがもっと強く散らばるはずです。青のほうへ天秤を傾ける、もう2つの理由があります。太陽の光にはもともと紫の光が青の光より少なく、そのうえ人間の目は紫よりも青のほうに敏感なのです。同じ散乱のしくみは、夕焼けも説明します。太陽が地平線近くまで低くなると、その光はあなたに届くまでに、ずっと長い大気の距離を通ることになります。その長い道のりの途中で、青い光はほとんど散らばって消えてしまい、あなたの目に届くのは主に橙色と赤色の光になります。こうして、頭上の青い空と、夕暮れの赤い空は、まったく同じ物理現象から生まれているのです。

コラム:青い空は、約200年かけて解かれた謎だった

光は「白い光」ではなく、色の寄せ集めだった

1666年、若きアイザック・ニュートンは、太陽の光を1枚のガラスのプリズムに通すという実験をしました。すると壁に映ったのは、ただの白い光ではなく、虹と同じ順番に並んだ色の帯でした。太陽の光は「白い光」なのではなく、あらゆる色が混ざり合ってできていることが、このとき初めて示されたのです。空が青く見える謎を解くには、まずこの『光は色の集まりだ』という事実から出発する必要があります。

レイリー卿が数式にした「散らばりやすさ」

光の散らばりやすさを初めて数式にしたのは、19世紀のイギリスの物理学者レイリー卿です。1871年に発表した論文で、光がどれだけ散らばるかは波長の4乗に反比例することを示しました。波長が半分になるだけで、散らばる量は16倍にもなるという計算です。青い光は赤い光よりも波長が短いので、この式にしたがって空じゅうに強く散らばります。地上のどこを見上げても青い光に包まれているのは、この数式どおりの結果というわけです。

本当なら、空は紫に見えるはず?

ここで1つ、厄介な問題が残ります。紫の光は青の光よりもさらに波長が短いので、レイリーの数式にしたがえば、空は青ではなく紫に見えるはずなのです。実際にはそうなりません。理由は2つあります。1つは、太陽の光そのものに含まれる紫の光が、もともと青の光より少ないこと。もう1つは、人間の目が紫よりも青の光に敏感にできていることです。この2つが重なって、私たちの目に映る空は紫ではなく青に落ち着いています。

動画で見る

空はなぜ紫ではなく青いのか(英語) (minutephysics) 本文で説明した『紫のほうが強く散らばるのに、なぜ青く見えるのか』を、映像つきで解説しています。

夕焼けが赤いのも、雲が白いのも同じ理由

同じ散乱のしくみは、夕焼けと雲の色も説明してくれます。太陽が低い夕方は、光がより長い距離を大気の中で進むため、青い光は途中でほとんど散らばりきってしまい、残った橙色と赤色の光だけが目に届きます。一方、雲が白いのは、水滴が空気の分子よりずっと大きく、あらゆる色をほぼ同じ強さで散らばらせるからです。分子のように小さな粒は青だけを選んで散らし、雲のように大きな粒はすべての色を平等に散らす。この粒の大きさの違いが、青空と白い雲、そして赤い夕焼けを同時に作り出しています。

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、レイリー卿の説明では、光が散らばる量は何によって決まるか。

  2. Q2. 本文によると、空が紫ではなく青に見える理由の1つは何か。

よくある質問

雲はなぜ白く見えるのですか。

本文の後半で触れたとおり、雲をつくる水滴は空気の分子よりずっと大きく、あらゆる色の光をほぼ同じ強さで散らばらせるため、混ざり合って白く見えます。