寒いと息が白くなる理由は?吐く息の水が小さな雲になります
Why Can You See Your Breath on a Cold Day?
Easy Reading|第80回
寒い朝、息が白く見えるのはなぜでしょうか。吐く息にふくまれる目に見えない水蒸気が、冷たい空気で冷やされ、小さな水のつぶに変わるからです。湯気や霧とのつながりも、やさしい英文で読みます。飛行機雲の話はコラムで取り上げます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の英文は238語です。これから、朝に外で息をはくと白く見える季節です。あの白いものの正体は何でしょうか。煙でも、水蒸気でもありません。しくみを英語で読んでみましょう。
英文
Why Can You See Your Breath on a Cold Day?
On a cold morning, you breathe out and see a small white cloud.
That cloud is made of water.
The air from your lungs is warm, and it carries a lot of water.
This water is a gas called water vapor, and you cannot see it.
Try breathing on your hand a few times.
Your skin will feel a little wet.
Warm air can hold a lot of water vapor, but cold air cannot hold very much.
When your warm breath meets cold air, it cools down very quickly.
The cold air cannot hold all of the extra water.
So the water vapor turns into tiny drops of liquid water, and sometimes into tiny pieces of ice.
This change from a gas to a liquid is called condensation.
Together, these tiny drops look like a little cloud.
In fact, fog is made in the same way.
There is no exact temperature for seeing your breath.
But people often see it when the air is colder than about seven degrees Celsius.
If the air is very dry, you may not see your breath, even on a cold day.
You can see the same thing above a cup of hot tea.
The white steam is not water vapor.
It is made of tiny drops of water, and you see more of it on a cold morning.
Next time you see your breath, remember that you are making a small cloud.
(238 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| breathe out | 息をはく | to push air out of your body through your mouth or nose |
| lungs | 肺 | the two parts inside your chest that you use to breathe |
| water vapor | 水蒸気 | water in the form of a gas that you cannot see |
| liquid | 液体 | something like water or milk that can flow |
| tiny | とても小さい | very, very small |
| condensation | 凝結(気体が冷えて液体になること) | the change of a gas into a liquid when it gets cooler |
| fog | 霧 | a cloud near the ground that makes it hard to see |
| steam | 湯気 | the white cloud that rises from hot water |
全文和訳
寒い朝、息をはくと、小さな白い雲が見えます。あの雲は、水でできています。肺から出てくる空気は温かく、たくさんの水をふくんでいます。この水は水蒸気(water vapor)という気体で、目には見えません。手に何回か息をはきかけてみてください。肌が少ししめってくるはずです。温かい空気はたくさんの水蒸気をふくめますが、冷たい空気はあまりふくめません。温かい息が冷たい空気にふれると、息は一気に冷えます。冷たい空気は、増えた水を全部はふくみきれません。そこで水蒸気は、液体の水の小さなつぶに変わります。小さな氷のつぶになることもあります。気体が液体に変わるこの変化を、凝結(condensation)といいます。この小さなつぶが集まると、小さな雲のように見えるのです。じつは、霧も同じようにしてできます。息が白く見える温度が、ぴったり決まっているわけではありません。それでも、気温がおよそ7度より低いと、白く見えることが多いようです。空気がとても乾いていると、寒い日でも息が白く見えないことがあります。熱いお茶の上でも、同じものが見られます。あの白い湯気は、水蒸気ではありません。小さな水のつぶでできていて、寒い朝ほどたくさん見えます。今度息が白く見えたら、思い出してください。あなたは小さな雲を作っているのです。
コラム:白い息 ~吐く息で作る小さな雲~
白いものの正体は、水のつぶ
科学の解説サイトScience Notes|Why Do You See Your Breath When It's Cold?によると、息が白く見えるのは凝結(condensation)のためです。凝結は、気体が液体に変わることです。
同じページは、次のように説明しています。
1. 吐く息には、たくさんの水がふくまれている
2. 冷たい空気は、水分をあまりふくめない
3. そこへ息をはくと、増えた水分は空気にふくまれず、小さな水のつぶや氷のつぶになる。これが目に見える雲になる
霧も、空気の中の水が小さな水のつぶになってできる、と書かれています。
何度から白くなるかは、決まっていません。アメリカ・メンフィスのテレビ局 WMC の気象解説(Action News 5|Why you see your breath when it's cold)も、ぴったりの温度は無いとしています。そのうえで、華氏45度(およそ7度)より低いと、たいてい見えると説明しています。
おもしろいのは、逆の場合です。Science Notes によると、寒くても、空気が乾いていると、息は白く見えにくくなります。反対に、夏でも、雨のあとや露の降りた朝のように空気が水分でいっぱいなら、息が見えることがあるそうです。家の中でほとんど見えないのは、建物の中の湿度がふつう低めに保たれているからだと説明しています。
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湯気も、水蒸気ではありません
英文の後半に出てきた湯気の話です。科学雑誌サイエンティフィック・アメリカンで、ミシガン大学の名誉教授ハーマン・マーテさんが説明しています(Scientific American|How does bathwater give off steam?)。
お風呂の上にただよう白いものは、よく steam(湯気)と呼ばれます。しかし実際には、液体の水の小さなつぶです。水蒸気そのものは、目に見えない気体です。
マーテさんによると、温かい空気は、冷たい空気よりも多くの水蒸気をふくむことができます。だから、お風呂やお茶からは、暑い夏の午後より、寒い冬の朝のほうが、白い湯気がたくさん見えるのです。
英語で書き分けるなら、こうなります。
- ・water vapor … 目に見えない気体の水
- ・steam … 白く見える湯気(よくこう呼ばれる)
空の上の白い息、飛行機雲
同じしくみは、空の上でも起きています。Wikipedia|Contrailによると、飛行機雲は英語で contrail といいます。condensation trail(凝結の跡)を縮めた語です。
飛行機雲は、おもに氷のつぶでできています。エンジンの排気にふくまれる水蒸気と、高い空の低い気温が組み合わさってできる、と書かれています。
つまり、寒い朝の白い息、お茶の湯気、霧、飛行機雲は、どれも「見えない水蒸気が冷えて、見える水や氷のつぶになったもの」です。
家でできる、小さな実験
Science Notesは、天気に関係なく息を見る方法を2つ紹介しています。
1. 鏡や窓ガラスに息をはきかける。ガラスの表面は息より冷たいので、水がくもりになって見える
2. 冷凍庫の中に息をはく。冷凍庫の中はたいてい水分でいっぱいなので、小さな雲ができる
明日の朝、外で息をはいて、白く見えるかを確かめてください。見えたら、今日の3語を英語で言ってみましょう。
- ・water vapor(水蒸気)
- ・condensation(凝結)
- ・fog(霧)
確認クイズ
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Q1. 本文によると、吐く息が白く見えるとき、白く見えているものは何か。
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Q2. 本文によると、寒い日でも息が白く見えないことがあるのは、どんなときか。
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Q3. 熱いお茶の上の白い湯気について、本文の内容と合っているものはどれか。
よくある質問
寒いと息が白くなるのはなぜですか。
吐く息には、目に見えない水蒸気がたくさんふくまれています。冷たい空気にふれて冷えると、水蒸気が小さな水や氷のつぶに変わります(凝結)。そのつぶが集まって、小さな雲のように白く見えます。
何度くらいから息が白く見えますか。
決まった温度はありません。アメリカのテレビ局の気象解説では、華氏45度(およそ7度)より低いと見えることが多いとされています。空気が乾いていると、寒くても見えにくくなります。
湯気は英語で何と言いますか。
steam と言います。ただし、白く見える湯気は小さな水のつぶです。目に見えない気体の水は water vapor(水蒸気)と言います。