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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第41回 基礎 読了 8分

寒いと鼻水が出る理由|風邪ではなく、鼻が働いている証拠

Why Your Nose Runs in the Cold

Easy Reading|第41回

外に出たとたん、鼻がぐずぐずしてくる。風邪をひいたと思いがちですが、たいていは違います。鼻が空気を温めて湿らせるという仕事を、いつもより頑張っているだけです。約220語のやさしい英文で読みます。

監修:原田高志(原田英語.com)

そろそろ朝晩が冷えてきました。外に出ると鼻がむずむずして、ポケットのティッシュを探すことになります。あれは何をしているのでしょうか。やさしい英語で読んでみましょう。

英文

Why Your Nose Runs in the Cold

You step outside on a cold morning.

A minute later, your nose starts to run.

You reach for a tissue and think, "Am I getting sick?"

Usually, you are not.

Your nose has an important job.

It warms the air you breathe and adds water to it.

Your lungs do not like air that is cold and dry.

So your nose gets the air ready before it goes down.

In summer, this is easy.

The air is already warm and full of water.

In winter, the air is cold and very dry.

Now the nose has much more work to do.

Cold, dry air also irritates the inside of your nose.

Small glands inside your nose make extra mucus.

The mucus keeps the lining wet and safe.

Sometimes the nose makes a little too much.

Then it drips out, and you need that tissue.

The colder and drier the air is, the harder the nose works.

So a runny nose in the cold is not always bad news.

It usually means your nose is doing its job well.

One more thing helps you tell the difference.

Cold-weather mucus is clear and watery.

It also stops soon after you go back inside.

If it keeps going all day, that may be something else.

Your nose is not broken. It is just working overtime.

(222 words)

重要語句

語句意味英語の定義
run (鼻水が)出る、垂れる if your nose runs, liquid comes out of it(走る、ではありません)
irritate 刺激する、ひりひりさせる to make a part of your body sore or uncomfortable(人を怒らせる、の意味もあります)
gland 腺(せん) a small organ in the body that produces a liquid
mucus 粘液、鼻水 the thick liquid made inside your nose and throat
lining 内側をおおう膜 the layer that covers the inside of something
drip ぽたぽた垂れる to fall in small drops

全文和訳

寒い朝、あなたは外に出ます。1分もすると、鼻水が出てきます。ティッシュに手を伸ばしながら、「風邪かな」と思います。たいていの場合、そうではありません。鼻には、大事な仕事があります。吸い込む空気を温めて、そこに水分を足すのです。肺は、冷たくて乾いた空気を好みません。だから鼻は、空気が下へ行く前に整えておくのです。夏なら、これは簡単です。空気はもう温かく、水分もたっぷりあります。冬は、空気が冷たく、とても乾いています。鼻の仕事は、ぐっと増えます。さらに、冷たく乾いた空気は鼻の内側を刺激します。鼻の内側にある小さな腺が、いつもより多くの粘液を出します。その粘液が、内側を湿った安全な状態に保ちます。ときどき、鼻は作りすぎてしまいます。すると外へ垂れてきて、ティッシュが必要になるのです。空気が冷たく乾いているほど、鼻はそれだけ懸命に働きます。つまり、寒いときの鼻水は、いつも悪い知らせとは限りません。たいていは、鼻がちゃんと仕事をしている印です。見分けるのに役立つことが、もう1つあります。寒さによる粘液は、透明でさらさらしています。そして、室内に戻るとすぐに止まります。一日じゅう続くようなら、それは別のことかもしれません。鼻が壊れたわけではありません。ただ、残業しているだけです。

コラム:鼻は、体でいちばん働いているエアコンです ~runs という動詞が教えてくれること~

英語では、鼻が「走る」

今日の題名は Why Your Nose Runs in the Cold です。鼻が走る。初めて見ると、必ず引っかかります。

英語の run は「走る」だけの語ではありません。液体が流れるという意味が、とても古くから同じ語に入っています。川が流れるのも The river runs。水道をひねって水を出すのも Run the water.

だから鼻水が出るのも、英語では The nose runs。動いているのは鼻ではなく、中を流れているものです。

この感覚をつかんでおくと、他の run も読めるようになります。The engine is running.(エンジンが動いている)、Tears ran down her face.(涙が頬を伝った)。止まらずに流れ続ける、というところが共通しています。

鼻がやっているのは、空調です

米国の医療機関ノースウェスタン・メディシン(Northwestern Medicine)が出している解説で、内科医のメリッサ・シューマッハー医師はこう述べています。「息を吸い込むと、鼻は空気を温め、肺へ下りていくあいだに水分を足します」

つまり鼻は、体に入る空気を整える装置です。温度と湿度を、肺が受け取れる状態にそろえる。エアコンと加湿器を、顔の真ん中で同時に動かしているようなものです。

冬にその仕事が重くなります。冷たくて乾いた空気が来るので、温める量も、足す水分の量も増える。同じ解説には、「冷たく乾いた空気は鼻の内側を刺激し、その結果、鼻の腺は内側を湿らせておくために余分な粘液を作ります」とあります。

ティッシュが必要になるのは、その頑張りがときどき行きすぎるからです。

日本語の「鼻水」と、英語の mucus

日本語の「鼻水」は、とても分かりやすい言葉です。鼻から出る水。見たままです。

英語はここが少し違います。mucus という語は、鼻に限りません。のどにも、胃にも、目にもあります。体の内側を守るぬるぬるした液体を、まとめて呼ぶ語です。

だから英語圏の子どもは、鼻水もたんも同じ mucus という語で習います。日本語だと「鼻水」「たん」と別々の名前になっているので、同じものだという感覚が育ちません

ちなみに、くだけた場面では snot(はなみず)という語も使われます。こちらは完全に子ども言葉で、mucus のほうが医学寄りのかたい語です。

見分け方を1つだけ持っておく

寒い日の鼻水と、風邪の鼻水。どう見分ければよいでしょうか。

今日の英文の最後に、手がかりが2つ書いてあります。透明でさらさらしていることと、室内に戻るとすぐ止まること。この2つがそろっていれば、たいていは鼻が仕事をしているだけです。

逆に、一日じゅう止まらない、色がついている、熱が出ている。そういうときは別の話になります。

体の反応に名前と理由がつくと、慌てなくなります。今朝の鼻水が何だったのか、明日の朝、外に出たときに確かめてみてください。英語の run と一緒に、ひとつ賢くなって帰ってこられます

動画で見る

冷たい空気で鼻水が出る理由(英語) (Strange Made Simple) 今日の英文と同じ話です。英語字幕を出して聞いてみてください。

よくある質問

寒いと鼻水が出るのは、風邪ですか?

たいていは違います。冷たく乾いた空気が鼻の内側を刺激し、鼻の腺が内側を湿らせるために余分な粘液を出しているだけです。透明でさらさらしていて、室内に戻るとすぐ止まるなら、鼻が正常に働いている印です。

英語で「鼻水が出る」は何と言いますか?

My nose is running. または I have a runny nose. と言います。run には「液体が流れる」という意味があり、鼻そのものが走るわけではありません。鼻水という名詞は mucus、くだけた言い方では snot です。