ポップコーンが弾ける理由|殻の中で水が爆発する
Why Does Popcorn Pop? The Secret Trapped Inside a Tiny Shell
硬く乾いたトウモロコシの粒が、熱するだけでふわふわの白いおやつに変わる。その仕組みは、殻の中に閉じ込められたごくわずかな水にありました。今日はポップコーンが弾ける理由と、それが映画館の定番になった意外な歴史をたどります。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の英文は、身近なおやつが主役です。硬くて食べられそうにないトウモロコシの粒が、熱を加えただけでふわふわの雪玉のように変わる。その変身の裏には、殻の中に閉じ込められたたった一滴の水があります。英文を読んだあとは、ポップコーンと映画館の意外な関係もお楽しみください。
英文
Why Does Popcorn Pop? The Secret Trapped Inside a Tiny Shell
Have you ever wondered why a hard, dry kernel of corn suddenly turns into a fluffy white snack?
The secret is hidden inside the kernel itself.
Every kernel holds a little water inside a hard shell, wrapped around a soft, starchy center.
When you heat the kernel, that trapped water slowly turns into steam.
Steam takes up far more space than water, so pressure builds up inside the shell.
The hard shell holds the pressure in, almost like a tiny pressure cooker.
At around 180 degrees Celsius, the pressure grows too strong for the shell to hold.
The shell suddenly bursts, and the soft starch inside explodes outward.
It hits the cooler air, cools down fast, and hardens into the familiar white shape.
Sweet corn and tortilla corn have shells too soft to build up this kind of pressure.
Only one type, simply called popcorn, has a shell strong enough to hold the steam until the last moment.
People in the Americas have been popping this kind of corn for thousands of years.
In the twentieth century, popcorn found a surprising new home: the movie theater.
During the Great Depression, it was one of the few snacks people could still afford.
Street vendors sold it outside theaters, until owners realized they were missing out on easy profit.
Before long, popcorn machines moved inside, and the smell became part of the movie experience itself.
(233 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| kernel | (トウモロコシなどの)実、粒 | a whole seed of a plant such as corn, inside its shell |
| shell | 殻 | the hard outer covering of a seed, nut, or egg |
| steam | 水蒸気 | the hot gas that water turns into when it is heated |
| pressure | 圧力 | the force produced when something pushes against something else |
| starch | でんぷん | a soft white substance found in foods such as corn, rice, and potatoes |
| vendor | 売り子、物売り | a person who sells things, often outdoors or from a small stand |
全文和訳
硬く乾いたトウモロコシの粒が、なぜ突然ふわふわの白いおやつに変わるのか、考えたことはありますか。その秘密は、粒そのものの中に隠れています。どの粒も、柔らかいでんぷん質の中心部を、硬い殻がくるみ、その中にわずかな水を抱えています。その粒を熱すると、閉じ込められた水は少しずつ水蒸気に変わっていきます。水蒸気は水よりもずっと大きな体積を持つため、殻の中の圧力がどんどん高まります。硬い殻はその圧力を閉じ込め、まるで小さな圧力鍋のようにふるまいます。セ氏180度ほどになると、圧力は殻がこらえきれないほど強くなります。殻は突然弾け、中の柔らかいでんぷんが外側に向かって一気に噴き出します。それが外の冷たい空気に触れて急に冷え、おなじみの白い形に固まります。スイートコーンやトルティーヤ用のトウモロコシの殻は柔らかすぎて、こうした圧力をためることができません。ポップコーンと呼ばれる1種類だけが、最後の瞬間まで水蒸気をため込めるほど丈夫な殻を持っています。アメリカ大陸の人々は、何千年も前からこの種類のトウモロコシを弾けさせて食べてきました。20世紀になると、ポップコーンは意外な新しい居場所を見つけます。映画館です。世界恐慌のあいだ、それは人々がまだ買うことのできる数少ないおやつの1つでした。最初は路上の売り子が映画館の外で売っていましたが、やがて館の経営者たちも簡単に儲けられることに気づきます。やがてポップコーンの機械は館内に置かれるようになり、あの香りは映画体験そのものの一部になりました。
コラム:ポップコーンと世界 ~弾ける音の向こうにある歴史~
世界中に散らばる「弾けるおやつ」
トウモロコシを熱で弾けさせて食べる文化は、アメリカ大陸だけのものではありません。インドの屋台では bhutta と呼ばれる焼きトウモロコシが売られ、メキシコでは elote という蒸し・焼きトウモロコシが定番のおやつです。
弾けさせる調理法そのものは、もともとアメリカ大陸の先住民の人々が長く育んできたものだとされています。トウモロコシという同じ作物が、土地ごとにまったく違う食べ方に枝分かれしてきたのです。
なぜ映画館とポップコーンは離れられなくなったのか
実は、映画館は最初からポップコーンを歓迎していたわけではありません。上映中に音を立てて食べる客を嫌い、館内での飲食を禁じていた劇場も多かったと言われています。
流れが変わったのは世界恐慌のころです。安く作れて、香ばしいにおいで客を呼び込めるポップコーンは、映画館にとって手軽な収入源になりました。むしろ、ポップコーンを許可しなかった映画館のほうが、経営に苦しんだという話も伝わっています。
英語の pop という音のなかま
pop はもともと、何かが軽く弾ける音そのものを表す語です。popcorn(弾けるトウモロコシ)はその名のとおりですが、他にも仲間がいます。
soda pop(清涼飲料水。栓を抜くときの音から)、pop up(ひょっこり現れる)、そして pop the question(プロポーズする、という意外な決まり文句)。どれも『予期しないタイミングで、パッと起こる』というニュアンスを共有しています。ちなみに pop music(ポップス)の pop は popular(人気のある)の短縮形で、こちらは音とは無関係の、別系統の言葉です。
日本にも、実は『弾けるお菓子』があった
同じ原理を使ったお菓子は、実は日本にもあります。ポン菓子です。お米や麦を金属の容器に入れて高温・高圧で加熱し、一気にふたを開けると「ポン」という大きな音とともに何倍にも膨らむ、あのお菓子です。
主役がトウモロコシか米かの違いはあっても、『殻や容器の中に圧力をため込み、一気に解き放って膨らませる』という仕組みは、ポップコーンとポン菓子でまったく同じです。遠く離れた土地で、人々が似た発想にたどり着いていたというのは、なんだかうれしくなる話です。
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確認クイズ
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Q1. ポップコーンが弾ける直接の原因として最も適切なものはどれでしょう。