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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第20回 基礎 読了 8分

足がしびれる理由は?ピリピリは治りかけのサイン

Why Do Your Legs Fall Asleep? The Science of Pins and Needles

Easy Reading

足を組んで座っていると、だんだん足の感覚が無くなり、動かした瞬間にピリピリとした感覚が走ります。この『ピリピリ』は、実はしびれそのものではなく、神経が元どおりに動き始めた合図です。世界の言語での呼び方の違いも見ていきます。

監修:原田高志(原田英語.com)

足を組んで座りすぎて、感覚が無くなった経験はありませんか。動かした瞬間に走る、あのピリピリとした感覚。今日はその正体を、体の仕組みから見ていきましょう。

英文

Why Do Your Legs Fall Asleep? The Science of Pins and Needles

Have you ever sat with your legs crossed for too long?

At first, your leg starts to feel numb and heavy.

Then, when you finally move it, a sharp tingling feeling rushes through your skin.

People usually call this feeling "pins and needles."

It happens because of pressure on your body.

When you sit in certain positions, you put steady pressure on the nerves in that area.

This pressure slows down the blood flow and blocks the nerve signals trying to pass through.

Your brain stops receiving clear signals from that part of your body, so it feels numb.

Doctors even have a name for this numb stage: obdormition.

The strange part comes next.

As soon as you move and the pressure goes away, blood rushes back into the area.

The nerves that were blocked suddenly start firing again, all at once.

Your brain receives a flood of confused signals, and that's the sharp, tingling feeling you notice.

In other words, the tingling itself is not the problem.

It is actually a sign that your nerves are waking back up.

This second stage even has its own medical name: paresthesia.

The feeling usually disappears within a few minutes, once the blood flow and nerve signals return to normal.

(212 words)

重要語句

語句意味英語の定義
numb 感覚が無い、しびれた unable to feel anything in a part of your body
pressure 圧力 a steady force pushing against something
nerve 神経 a thin fiber in the body that carries signals between the brain and other parts
blood flow 血流、血の流れ the movement of blood through the body
tingling ピリピリする感覚 a light, prickling feeling on the skin
signal 信号 a message sent from one part of the body to another

全文和訳

足を組んだまま、長く座りすぎたことはありますか。最初は、足の感覚が無くなり、重く感じ始めます。そして、ようやく動かした瞬間、鋭いピリピリとした感覚が肌を駆け抜けます。人々は普通、この感覚を『ピンと針』と呼びます。これは、体にかかる圧力が原因で起こります。ある姿勢で座り続けると、その部分の神経に一定の圧力がかかり続けます。この圧力が血の流れを遅くし、通り抜けようとする神経の信号をせき止めます。脳はその部分からのはっきりした信号を受け取れなくなるので、しびれたように感じます。医師たちは、このしびれの段階にobdormition(手足が「眠る」状態)という名前までつけています。不思議なのは、ここからです。動いて圧力が無くなったとたん、血がその部分へ一気に戻ってきます。せき止められていた神経が、突然いっせいに動き出します。脳は混乱した信号の洪水を受け取り、それがあの鋭いピリピリとした感覚として感じられます。つまり、ピリピリという感覚そのものは問題ではありません。それはむしろ、神経が元どおりに動き始めた合図なのです。この2番目の段階にも、paresthesia(知覚異常)という医学的な名前がついています。血の流れと神経の信号が元どおりになれば、この感覚は通常数分で消えます。

コラム:世界中で『アリ』にたとえられる感覚

英語は『針』にたとえます

英語では、このピリピリとした感覚を pins and needles(ピンと針)と呼びます。ところが、世界の多くの言語では、まったく違うものにたとえられています。フランス語では fourmillements、イタリア語では formicolio、スペイン語では hormigueo。どれも、その言語の『アリ』を表す語(フランス語 fourmi、イタリア語 formica、スペイン語 hormiga)から作られた語です。

つまり、フランス語・イタリア語・スペイン語の話者にとって、この感覚は『針が刺さる感じ』ではなく『アリが這っている感じ』なのです。同じ体の感覚を、まったく違う生き物や道具にたとえているところが面白いところです。

スウェーデン語にもヘブライ語にも、アリがいる

アリにたとえる言語は、ヨーロッパのラテン系の言葉だけではありません。スウェーデン語の myrkrypningar も、myra(アリ)が元になった語です。ヘブライ語の נמלול(ニムルル)も、נמלה(アリ)から作られています。

遠く離れた言語のあいだで、同じ体の感覚に同じ生き物のイメージが選ばれているのは、偶然とは考えにくいものがあります。小さな生き物が肌の上を歩く感じは、多くの人にとって想像しやすいたとえなのかもしれません。

日本語は『しびれ』、では由来は何なのか

日本語では、この感覚をふくめて『しびれる』とひとまとめに呼びます。英語のpins and needlesのように、感覚だけを取り出して呼ぶ特別な言葉は、日常的にはあまり使われていません。

同じ体の感覚でも、それを英語では道具(針)に、多くのヨーロッパの言語では生き物(アリ)に、日本語では『しびれ』という状態そのものにたとえて呼んでいる。今日、足がしびれたときは、自分ならこの感覚を何にたとえるか、考えてみてください。

動画で見る

足がしびれる仕組みを、アニメーションで解説する動画 (Life Noggin) 神経の圧迫からピリピリが起きるまでの流れを、短くまとめて説明しています。

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、足がしびれて感覚が無くなるのはなぜか。

  2. Q2. 本文で説明されている、ピリピリという感覚の正体は何か。

よくある質問

しびれが長く続く場合も、心配いらないのですか。

本文で紹介したのは、姿勢による一時的なしびれです。長時間続いたり、頻繁にくり返したりする場合は、別の原因が考えられるため、医師に相談してください。