ペンギンが身を寄せ合う理由は?外側の鳥が順番に内側へ回る
Why Do Penguins Huddle Together?
Easy Reading|第63回
コウテイペンギンが身を寄せ合うのは、南極の寒さと風の中で、あたたかさを保つためです。しかもハドルはじっとしていません。風に当たる外側の鳥が、順番に内側へ回ります。お父さんペンギンの卵の守り方も、やさしい英文で読みます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の英文は約238語です。ペンギンが何十羽もぴったりくっついている写真を、見たことはありますか。実はあの集まりは、じっとしているのではなく、外側の鳥が順番に内側へ回っているそうです。どうして回るのでしょうか。英語で読んでみましょう。
英文
Why Do Penguins Huddle Together?
Have you ever seen penguins standing very close together?
They are trying to stay warm.
Emperor penguins live in Antarctica, one of the coldest places on Earth.
The air can be as cold as minus 40 degrees Celsius.
The wind can blow at 144 kilometers an hour.
So the penguins make a group called a huddle.
A huddle can have from ten to several hundred birds.
Each bird leans forward on its neighbor.
The huddle does not stay still.
The birds on the windy side slowly move around the edge to the side with less wind.
In this way, every bird gets a turn inside, where the wind is weakest.
One report from the BBC says that every 30 to 60 seconds, one penguin, or a group of penguins, starts to move.
This makes a slow, churning movement.
The fathers have a special job.
A mother lays one egg in May or early June.
Then she gives it to the father.
The father keeps the egg on the tops of his feet.
He waits for about 65 to 75 days until the chick hatches.
The fathers who are sitting on eggs also take turns in the middle of the huddle.
By the time the chick hatches, a father has not eaten for about 120 days.
He may lose up to 20 kilograms.
So a huddle is not just a crowd.
It is a group that keeps taking turns.
(238 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| huddle | ハドル(身を寄せ合う集まり) | a group of people or animals standing very close together |
| Antarctica | 南極 | the very cold land around the South Pole |
| neighbor | 隣のもの | someone or something that is next to you |
| lean | もたれる | to move your body so that it rests on something |
| edge | ふち、はし | the outer part of something, where it ends |
| chick | ひな | a baby bird |
| hatch | (卵から)かえる | to come out of an egg |
全文和訳
ペンギンたちが、ぴったりくっついて立っているのを見たことがありますか。あたたかさを保とうとしているのです。コウテイペンギンは、地球でいちばん寒い場所のひとつ、南極に住んでいます。空気は、マイナス40度まで冷えることがあります。風は、時速144キロで吹くことがあります。そこで、ペンギンたちはハドルと呼ばれる集まりを作ります。ハドルには、10羽から数百羽の鳥がいることがあります。どの鳥も、体を前に傾けて、隣の鳥によりかかります。ハドルは、じっとしていません。風が当たる側の鳥は、ゆっくりと外側を回って、風の弱い側へ移ります。こうして、どの鳥にも、風がいちばん弱い内側に入る番が回ってきます。BBCのある報告によると、30秒から60秒ごとに、1羽、または何羽かのペンギンが動き出します。これで、ゆっくりとかき混ぜるような動きが生まれます。お父さんペンギンには、特別な仕事があります。お母さんは、5月か6月のはじめに、卵を1つ産みます。そのあと、卵をお父さんに渡します。お父さんは、卵を足の甲の上にのせます。お父さんは、ひながかえるまで、65日から75日ほど待ちます。卵を抱いているお父さんたちも、ハドルの真ん中に順番に入ります。ひながかえるころには、お父さんは約120日、何も食べていません。体重が最大で20キロ減ることもあります。ですから、ハドルは、ただの群れではありません。順番を回し続ける集団なのです。
コラム:ペンギンのハドル ~身を寄せ合う動きと、huddle という言葉~
ハドルは、ゆっくり回り続ける
Wikipedia|Emperor penguinによると、コウテイペンギンの集団は、ぎゅっと固まった形(huddle。turtle formation とも呼ばれる)を作ります。大きさは10羽から数百羽までで、どの鳥も体を前に傾けて、隣の鳥によりかかります。
同じページには、風が当たる外側の鳥が、外側を回って風下の側に加わると書かれています。そのため、どの鳥にも、風の冷たさがいちばん弱い内側に入る番が回ってきます。全体では、ゆっくりかき混ぜるような動きになるそうです。
同じページには、BBC News の2011年6月の記事を引いて、30秒から60秒ごとに、1羽または何羽かのペンギンが動き出すとも書かれています。その記事で研究者は、集団はほとんどの時間じっとしている、と話しています。ただ、少し動く鳥が出ると、その動きが波のように集団全体に伝わるそうです。若い鳥はたいてい真ん中にいる、という説明もあります。
厳しさも書かれています。空気の温度は、マイナス40度まで下がることがあり、風は時速144キロに達することがあります。
卵は足の甲の上。お父さんの冬
同じWikipedia|Emperor penguinには、卵と子育てのことも書かれています。お母さんは、5月か6月のはじめに卵を1つ産み、そのあとお父さんに渡します。
お父さんは、卵を足の甲の上にのせます。卵は、ゆるんだ皮ふと羽毛でおおわれます。ひながかえるまでは、約65日から75日です。
その間、卵を抱いているお父さんも、ハドルの真ん中に順番に入ります。同じページによると、お父さんは群れに着いてから、ひながかえるまでに約120日、何も食べません。体重は、約38キロから約18キロまで、最大で20キロ減ることがあるそうです。
英文の最後の2文は、ここまでの説明をまとめたものです。回る順番があることで、一部の鳥だけが、いつも風に当たり続けることがありません。
huddle は「隠す」の仲間の言葉。会議にも使う
Wiktionary|huddleによると、huddle は中世の英語の言葉から来ています。もとの言葉は「おおう、押し合わせる」という意味で、さらにさかのぼると「隠す」という意味の hide の仲間の言葉です。
動詞の huddle には、「身を寄せ合う」という意味があります。例は The sheep huddled together seeking warmth.(羊は、あたたかさを求めて身を寄せ合った)です。
名詞の huddle には、小さく集まったかたまりのほか、アメリカンフットボールで、次のプレーを決めるために選手が集まる短い話し合いという意味もあります。
明日、英文で huddle を見かけたら、ペンギンのように「ぎゅっと集まる」話だと思って読んでください。
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確認クイズ
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Q1. 本文によると、風が当たる側の鳥は、どうするか。
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Q2. 本文によると、お父さんペンギンは卵をどこにのせるか。
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Q3. 本文と合っているものはどれか。
よくある質問
ペンギンはなぜ身を寄せ合うのですか。
南極の寒さと風の中で、あたたかさを保つためです。Wikipedia によると、コウテイペンギンの集団はぎゅっと固まった形(huddle)を作り、外側の鳥は順番に風の弱い内側へ回ります。
ハドルの外側にいる鳥は、ずっと外側ですか。
いいえ。Wikipedia によると、風が当たる外側の鳥は外側を回って風下の側に加わるので、どの鳥にも風がいちばん弱い内側に入る番が回ってきます。
huddle とはどういう意味ですか。
Wiktionary によると、動詞では「身を寄せ合う」、名詞では「小さく集まったかたまり」という意味があります。アメリカンフットボールで、次のプレーを決めるために選手が集まることも huddle と呼びます。