フクロウが音を立てずに飛べる理由は?翼の3つのしかけ
Why Can Owls Fly So Quietly?
Easy Reading|第83回
多くのフクロウは、ほとんど音を立てずに飛べます。翼の前のふちにはくしのようなギザギザ、表面にはビロードのような羽毛、後ろのふちにはやわらかいふさがあります。この3つのしかけと、魚をとるフクロウにはくしがほとんど無い理由を、やさしい英文で読みます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の英文は233語です。夜、フクロウが頭の上を飛んでいっても、羽の音はほとんど聞こえません。ネズミのように耳のよい動物をつかまえるには、静かに飛ぶことが欠かせないからです。では、フクロウの翼には、どんなしかけがあるのでしょうか。英語で読んでみましょう。
英文
Why Can Owls Fly So Quietly?
An owl can fly right over your head at night, and you may not hear a thing.
Most owls can fly almost silently.
This is very important, because owls often hunt mice and other small animals in the dark.
Mice have very good ears.
If they hear an owl coming, they can run away and hide.
So how does an owl fly so quietly?
Scientists have found three special things on its wings.
First, the front edge of the wing has a row of tiny, stiff points, like the teeth of a comb.
They break up the rough flow of air that makes a whooshing sound.
Second, the top of the wing is covered with soft feathers that feel like velvet.
This soft surface takes in some of the sound.
Third, the back edge of the wing has a soft fringe, like the end of a scarf, and it also soaks up sound.
Owls also have large wings for the size of their bodies, so they can fly very slowly.
A barn owl can glide at about three kilometers an hour.
Some owls catch fish, and for them, flying quietly is not so important.
In fact, some of these owls have almost no comb on their wings.
Today, engineers are studying owl wings to make airplanes and wind turbines quieter.
The silent hunter of the night may help us build a quieter world.
(233 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| owl | フクロウ | a bird with large eyes that usually hunts at night |
| hunt | (えものを)つかまえる、狩りをする | to chase and catch animals for food |
| edge | ふち、へり | the outside line or end part of something |
| stiff | かたい、曲がりにくい | hard and not easy to bend |
| comb | くし | a flat tool with a row of thin teeth, used to make hair tidy |
| velvet | ビロード(やわらかい布) | a cloth with a very soft, smooth surface |
| fringe | ふさ、ふさ飾り | a row of loose threads or hairs along the edge of something |
| soak up | 吸い取る | to take in a liquid, sound, or light, like a sponge |
| glide | (羽ばたかずに)滑るように飛ぶ | to move smoothly through the air without much effort |
| wind turbine | 風力発電の風車 | a tall machine with large blades that uses wind to make electricity |
全文和訳
夜、フクロウがあなたの頭のすぐ上を飛んでいっても、何の音も聞こえないかもしれません。多くのフクロウは、ほとんど音を立てずに飛べるのです。これはとても大切なことです。フクロウは、暗やみの中でネズミなどの小さな動物をつかまえることが多いからです。ネズミは、とても耳がよい動物です。フクロウが近づいてくる音が聞こえたら、逃げてかくれてしまいます。では、フクロウはどうやって、そんなに静かに飛ぶのでしょうか。科学者たちは、フクロウの翼に3つの特別なしかけを見つけました。1つ目に、翼の前のふちには、くしの歯のような、小さくてかたいとがりが一列に並んでいます。このとがりが、「ヒュッ」という音のもとになる乱れた空気の流れを、細かくくずします。2つ目に、翼の上の面は、ビロードのような手ざわりのやわらかい羽毛でおおわれています。このやわらかい面が、音の一部を吸い取ります。3つ目に、翼の後ろのふちには、マフラーの端のようなやわらかいふさがあり、これも音を吸い取ります。また、フクロウは体の大きさのわりに翼が大きいので、とてもゆっくり飛ぶことができます。メンフクロウは、時速およそ3キロで滑るように飛ぶことができます。フクロウの中には魚をとるものもいて、そうしたフクロウにとっては、静かに飛ぶことはそれほど大切ではありません。実際、こうしたフクロウの中には、翼にくしがほとんど無いものもいます。いま、技術者たちは、飛行機や風力発電の風車を静かにするために、フクロウの翼を研究しています。夜の静かな狩人が、私たちがもっと静かな世界を作る手助けをしてくれるかもしれません。
コラム:フクロウの翼 ~くし・ビロード・ふさの3つのしかけ~
3つのしかけと、大きな翼
アメリカの自然保護団体オーデュボン協会の雑誌の記事「The Silent Flight of Owls, Explained」(2017年)は、フクロウが静かに飛べるしくみを次のように説明しています。
1. 翼の前のふちのくし:羽の前のふちに並ぶくしのようなギザギザが、「ヒュッ」という音を生む乱れた空気をくずす
2. ビロードのような手ざわり:フクロウだけが持つ羽の手ざわりが、小さな空気の流れをしずめる
3. 後ろのふちのふさ:翼の後ろのふちのやわらかいふさも、音を吸い取る
同じ記事によると、フクロウは体の重さのわりに翼が大きく、とてもゆっくり飛べます。メンフクロウのような大きなフクロウは、ほとんど羽ばたかずに滑るように飛び、遅いときは時速2マイル(約3キロ)ほどです。静かな翼と、ゆっくり飛べる大きな翼。この2つがそろって、音のしない飛び方になります。
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魚をとるフクロウには、くしがほとんど無い
同じオーデュボン協会の記事は、カリフォルニア大学リバーサイド校の Krista Le Piane さんの研究を紹介しています。70種のフクロウについて、翼のくしの幅と長さを測りました。くしの幅が広いほど、翼の出す音は小さくなります。
- ・哺乳類をとるフクロウは、虫をとるフクロウより、くしの幅が広い
- ・夜に狩りをするフクロウは、昼に狩りをするフクロウより、くしの幅が広い
- ・魚をとるフクロウは、くしの幅がせまい。くしがほとんど無い種もいる
英語版Wikipedia(Owl)も、魚をとるフクロウの一部はこのしかけを持たないと書いています。静かに飛んでも得をしないからです。何を食べて暮らすかで、しかけの大きさが変わっているのです。
フクロウの翼から、静かな飛行機と風車へ
2013年、アメリカのリーハイ大学の Justin Jaworski さんたちは、フクロウの翼の研究をアメリカ物理学会の会合で発表しました。ScienceDaily の記事によると、Jaworski さんたちが注目したのも、前のふちのくし、後ろのふちのふさ、上の面のやわらかい羽毛の3つです。
記事によると、研究はまだしくみを調べている段階でした。羽毛のいちばん上の層をまねた、かんたんな網で覆う予備の実験では、ざらざらした面から出る音の一部を消すことができました。研究者たちは、この考え方を、飛行機や風力発電の風車の音を小さくすることにも生かせると考えています。
夜ふかしの人は night owl
英語では、夜おそくまで起きているのが好きな人を night owl と言います。Longman の英英辞典は、くだけた言い方として「someone who enjoys staying awake all night」と説明しています。
- ・I'm a night owl, so I study best after dinner.(私は夜型なので、夕食後がいちばん勉強がはかどります)
今日の英文を、もう一度声に出して読んでみてください。そのとき、comb・velvet・fringe の3語が、翼のどこの話だったかを思い出しながら読むと、しかけの順番まで覚えられます。
確認クイズ
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Q1. 本文によると、フクロウが静かに飛ぶことが大切なのはなぜか。
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Q2. 本文によると、翼の前のふちにある、くしの歯のようなとがりは何をするか。
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Q3. 本文によると、魚をとるフクロウについて正しいものはどれか。
よくある質問
フクロウはなぜ音を立てずに飛べるのですか。
翼に3つのしかけがあるからです。前のふちのくしのようなギザギザが乱れた空気をくずし、ビロードのような羽毛と後ろのふちのふさが音を吸い取ります。体のわりに翼が大きく、ゆっくり飛べることも助けになっています。
フクロウはどれくらいゆっくり飛べますか。
オーデュボン協会の記事によると、メンフクロウのような大きなフクロウは、ほとんど羽ばたかずに、遅いときは時速2マイル(約3キロ)ほどで飛べます。
どのフクロウも静かに飛ぶのですか。
いいえ。魚をとるフクロウの中には、翼のくしがほとんど無い種がいます。英語版Wikipediaによると、こうしたフクロウにとっては、静かに飛んでも得になりません。