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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第9回 基礎 読了 8分

タコの心臓が3つある由|血が青いことと関係があります

Why Do Octopuses Have Three Hearts?

Easy Reading

タコには心臓が3つあり、血の色は赤ではなく青です。その理由をたどると、鉄と銅という2つの金属の違いにたどり着きます。冷たく酸素の少ない海で生き抜くための、タコなりの工夫を読んでいきます。

監修:原田高志(原田英語.com)

水族館でタコを見たことはありますか。8本の腕、丸い目、そして一瞬で色を変える皮膚。でも、タコのいちばん不思議なところは、体の中に隠れています。心臓が1つではなく、3つもあるのです。今日はその理由を、英文で読んでいきましょう。

英文

Why Do Octopuses Have Three Hearts?

Have you ever seen an octopus at an aquarium?

It has eight arms, big round eyes, and skin that can change color in a second.

But the strangest thing about an octopus is hidden inside its body: it has three hearts, not one.

Two of the hearts work like a small delivery team.

They push blood through the octopus's gills, where the blood picks up oxygen from the water.

The third heart then pumps that oxygen-rich blood to the rest of the body.

There is something even stranger: an octopus's blood is not red like ours.

It is blue.

Human blood turns red because it carries oxygen with the help of iron.

Octopus blood uses a different substance called hemocyanin, which contains copper instead of iron.

Copper-carrying blood turns blue when it picks up oxygen, so an octopus's blood runs blue through its body.

This blue, copper-based blood works especially well in cold water with little oxygen, like the deep, chilly parts of the ocean.

There is one more twist to this story.

When an octopus swims fast, the heart that serves the rest of its body actually stops beating for a moment.

That is one reason octopuses prefer to crawl along the seafloor instead of swimming for long distances.

Crawling saves their strange, three-part heart from working too hard.

(224 words)

重要語句

語句意味英語の定義
aquarium 水族館 a place where people can see live fish and sea animals
gills えら the body parts fish and other sea animals use to breathe underwater
oxygen 酸素 a gas found in air and water that living things need to survive
hemocyanin ヘモシアニン(銅を含み、血を青くする物質) a substance in some animals' blood that carries oxygen using copper
copper a reddish-brown metal
seafloor 海底 the ground at the bottom of the sea

全文和訳

水族館でタコを見たことはありますか。タコには8本の腕、大きな丸い目があり、皮膚は一瞬で色を変えることができます。しかし、タコのいちばん不思議な点は体の中に隠れています。心臓が1つではなく、3つあるのです。2つの心臓は、小さな配達チームのように働きます。この2つがタコのえらへ血を送り、血はそこで水の中の酸素を取り込みます。3つ目の心臓が、その酸素をたっぷり含んだ血を体の残りの部分へ送り出します。さらに不思議なことがあります。タコの血は、私たちのように赤くはないのです。青いのです。人間の血が赤くなるのは、鉄の力を借りて酸素を運んでいるからです。タコの血は、鉄の代わりに銅を含む、ヘモシアニンという別の物質を使っています。銅を含んだ血は酸素を取り込むと青く変わるため、タコの体の中を青い血が流れています。この銅ベースの青い血は、深く冷たい海のような、酸素の少ない冷たい水の中で特によく働きます。この話には、もう1つひねりがあります。タコが速く泳ぐと、体の残りの部分に血を送る心臓が、一瞬止まってしまうのです。これが、タコが長い距離を泳ぐより、海底を這って移動することを好む理由の1つです。這って移動することで、その不思議な3つの心臓に、無理をさせずに済んでいるのです。

コラム:血の色がちがう生き物たち ~鉄と銅、2つの呼吸のしくみ~

なぜ人間の血は赤いのか

人間の血が赤いのは、赤血球の中にあるヘモグロビンという物質のおかげです。ヘモグロビンは鉄を中心に持っていて、酸素と結びつくと赤くなります。『鉄さび』と同じ金属が、私たちの体の中で酸素を運ぶ役目を果たしているというのは、考えてみると不思議な話です。

銅を選んだ生き物たち

青い血を持つのは、タコだけではありません。カニやエビ、カブトガニ、クモの仲間の多くも、鉄ではなく銅を使うヘモシアニンで酸素を運んでいます。背骨を持つ生き物(脊椎動物)の多くが鉄を選び、タコやカニのなかまの多くが銅を選んだというのは、進化の途中で分かれた、興味深い枝分かれです。

動画で見る

タコの3つの心臓と青い血について解説する子ども向け動画 (BBC Earth Kids) 1分ほどの短い動画なので、英語のリスニング練習にもちょうどいい長さです。

冷たい海の中で銅が強い理由

ヘモシアニンには、冷たく酸素の少ない水の中でも、比較的効率よく酸素を運べるという特徴があります。深海や冷たい海に暮らす生き物にとって、銅を使う血のしくみは、その環境に合わせた合理的な選択だったと考えられています。

生き物の色は、環境が選んだ答え

血の色1つとっても、そこには生き物が暮らす環境に合わせた理由が隠れています。赤い血も、青い血も、それぞれの生き物が置かれた場所で、酸素を運ぶために選び取ってきた答えです。

次に水族館でタコを見かけたら、その体の中を流れている青い血のことを、思い出してみてください。

確認クイズ

  1. Q1. タコの血が青い理由として正しいものはどれか。

よくある質問

タコの心臓が1つ止まっても大丈夫なのですか?

泳ぐときに一時的に止まる心臓は、体に酸素を送る役目のものですが、泳ぎ終えるとすぐにまた動き出します。危険な状態ではなく、タコの体のしくみの一部です。

青い血を持つ生き物は、タコ以外にもいますか?

います。カニやエビ、カブトガニ、クモの仲間の多くも、タコと同じヘモシアニンを使っており、青みがかった血を持っています。