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READING 第76回 標準 読了 8分

秋に葉が落ちる理由は?木は春から切り離す準備をしています

Why Do Leaves Fall in Autumn?

Easy Reading|第76回

秋の落ち葉は、風で偶然ちぎれたものではありません。木は春のうちに、葉の付け根に切り離すための層を作っています。葉を落とす理由、落とす前に栄養を取り戻すしくみ、冬も枯れ葉を残す木の話を、やさしい英文とコラムで読みます。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日の英文は約240語です。10月も終わりに近づき、道に落ち葉が増えてきました。葉は、枯れて力尽きて落ちるのでしょうか。じつは木のほうが、葉を切り離す準備を春から進めています。そのしくみを、英語で読んでみましょう。

英文

Why Do Leaves Fall in Autumn?

In autumn, many trees drop their leaves.

Did you know that the leaves do not just fall off by accident?

The tree itself gets ready to let them go.

Trees that lose all their leaves for part of the year are called deciduous trees.

Losing their leaves helps these trees save water and live through the winter.

Bare branches also break much less often in ice storms.

But a tree does not throw its leaves away right away.

First, it takes back useful things from the leaves, such as nitrogen.

It keeps them in its roots and under its bark.

Then the tree cuts each leaf off in a clever way.

At the bottom of each leaf stem, there is a special layer of cells.

This layer is made in spring, while the leaf is young.

In autumn, some cells in this layer grow longer.

This breaks the connection between the cells, and the leaf comes off.

The layer also closes the cut, so the tree does not lose its sap.

Some trees, such as oaks and beeches, sometimes keep their dead leaves on the branches all winter.

This happens when the special layer does not form completely.

Evergreen trees drop leaves too, but not all at once in autumn.

They lose their old leaves little by little all through the year.

Next time you see fallen leaves, remember that the tree started getting ready back in spring.

(238 words)

重要語句

語句意味英語の定義
drop 落とす to let something fall
by accident たまたま、偶然に without being planned
deciduous 落葉性の losing all its leaves for part of the year
live through (つらい時期を)乗り越える to stay alive during a difficult time
nitrogen 窒素 a gas in the air that plants need to grow
bark 樹皮 the hard outer cover of a tree
layer 層 a flat part that lies over or under another part
sap 樹液 the liquid that carries food and water inside a plant
evergreen 常緑の having green leaves all through the year

全文和訳

秋になると、たくさんの木が葉を落とします。葉は、たまたま落ちているわけではないことを知っていましたか。木そのものが、葉を手放す準備をしているのです。1年のうちの一時期に葉をすべて落とす木を、落葉樹と言います。葉を落とすことで、これらの木は水を節約し、冬を越すことができます。葉のない枝は、氷の嵐のときにもずっと折れにくくなります。でも、木はすぐに葉を捨てるわけではありません。まず、窒素のような役に立つものを、葉から取り戻します。それを、根や樹皮の内側にためておきます。そのあと木は、うまいやり方で葉を1枚ずつ切り離します。葉の柄の付け根には、特別な細胞の層があります。この層は、葉がまだ若い春のうちに作られます。秋になると、この層の細胞の一部が長く伸びます。それによって細胞どうしのつながりが切れ、葉が外れます。この層は切り口もふさぐので、木は樹液を失いません。オークやブナのように、枯れた葉を冬じゅう枝につけたままにすることがある木もあります。これは、あの特別な層が最後まで作られなかったときに起きます。常緑樹も葉を落としますが、秋にいっせいに落とすわけではありません。古い葉を、1年を通して少しずつ落としていくのです。次に落ち葉を見かけたら、木が春のうちから準備を始めていたことを思い出してください。

コラム:落ち葉 ~木が自分で葉を切り離すしくみ~

葉の付け根にある「切り離すための層」

Wikipedia|Abscissionによると、植物が葉や花、実などを体から落とすことを abscission(器官脱離)と言います。語源はラテン語の ab-(離れて)と scindere(切る)です。英語の名前からして「切り離す」なのです。

落葉樹では、葉の柄の付け根に離層(abscission zone)ができます。同じページによると、この部分は2つの層でできています。

1. 上の層:壁の弱い細胞が並んでいる
2. 下の層:秋になるとふくらんで、上の層の弱い壁を壊す

こうして葉は枝から外れます。その下の細胞は、コルクの細胞でできた守りの層を作ります。Wikipedia|Deciduousも、この層が切り口をふさぐので、植物は樹液を失わないと書いています。

動画で見る

葉の色が変わって落ちる理由を取り上げた英語の動画(題名は「Why Do Leaves Change Color and Fall?」) (SciShow) 英語の動画です。科学の解説チャンネル SciShow が、題名のとおり、秋に葉の色が変わって落ちる理由を取り上げています。

落とす前に、栄養を取り戻す

Wikipedia|Deciduousによると、一部の植物は葉を落とす前に、葉から窒素と炭素を取り戻します。それをたんぱく質の形で、根や樹皮の内側の細胞にためておきます。

Wikipedia|Abscissionは、葉を落とす流れを次の3つの段階で説明しています。

1. 回収:葉から栄養を取り戻す(このとき葉緑素が分解される)
2. 守りの層を作る:切り口になるところに、コルクの細胞の層を作る
3. 切り離す:離層で葉が外れる

2と3の順番は、植物の種類によって入れ替わることがあるそうです。

同じページには、1の回収が、秋に葉の色が変わる原因になっているとも書かれています。葉の色が変わるのは、葉を落とす準備の途中で起きていることなのです。

冬じゅう枯れ葉を残す木もある

冬の雑木林で、茶色い葉をつけたままの木を見たことはありませんか。Wikipedia|Deciduousによると、オークやブナなどの木では、枯れた葉が秋に落ちず、風で吹き飛ばされるまで枝に残ることがあります。これを marcescence と言います。

原因は、離層が最後まで作られないことです。同じページによると、これはおもに若い木で見られ、大きな木でも下のほうの枝で起きることがあります。

英語で「落葉樹」と「常緑樹」

Wikipedia|Deciduousによると、deciduous は植物学では「熟すと落ちる」「落ちやすい」という意味の語です。落葉樹は deciduous tree、その反対の常緑樹は evergreen tree と言います。

常緑樹も葉を落とさないわけではありません。Wikipedia|Abscissionによると、常緑の植物は葉を絶えず落としています。いっせいに落とさないので、いつも緑に見えるのです。

逆に、針のような葉を持つ木なのに落葉樹、という例もあります。Wikipedia|Deciduousは、カラマツ(larch)を落葉する針葉樹として挙げています。

明日、道で落ち葉を見かけたら、1枚拾って柄の付け根を見てください。そこが、木が春から用意していた「切り離す場所」です。

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、落葉樹が葉を落とすと、どんな良いことがあるか。

  2. Q2. 本文によると、葉の付け根にある特別な層は、いつ作られるか。

  3. Q3. 本文と合っているものはどれか。

よくある質問

秋に葉が落ちるのはなぜですか。

落葉樹は、葉を落とすことで水を節約し、冬を越しやすくしています。葉は偶然ちぎれるのではなく、葉の柄の付け根にある離層という部分で、木が切り離しています。

離層は英語で何と言いますか。

abscission zone や abscission layer と言います。abscission は、ラテン語の ab-(離れて)と scindere(切る)から来た語です。

冬でも枯れ葉が残っている木があるのはなぜですか。

オークやブナなどでは、離層が最後まで作られず、枯れた葉が枝に残ることがあります。英語では marcescence と言い、おもに若い木で見られます。