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READING 第69回 標準 読了 8分

氷が水に浮く理由は?凍ると体積が約9%ふえます

Why Does Ice Float?

Easy Reading|第69回

氷は水が固まったものなのに、水に浮きます。水は凍ると、小さなつぶがすき間のある形に並び、体積が約9%ふえるからです。氷山の9割が水の下にある理由、湖が上から凍るしくみ、the tip of the iceberg という英語も、やさしい英文で読みます。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日の英文は約235語です。コップの水に氷を入れると、ぷかぷか浮きます。毎日のように見ている光景ですが、氷も水も、もとは同じものです。では、なぜ氷だけが浮くのでしょうか。英語で読んでみましょう。

英文

Why Does Ice Float?

Put an ice cube in a glass of water.

It floats.

This is actually very unusual.

Ice is just water in a solid form.

So why does it float?

The answer is in the very small parts of water, called molecules.

In liquid water, the molecules move around in a random way.

When water freezes, they line up in a regular pattern.

This pattern has more open space in it.

So when water becomes ice, it takes up about nine percent more space.

This makes ice lighter than water of the same size, and so it floats.

But ice does not float very high.

Only about ten percent of an ice cube stays above the water.

Most of an iceberg is also hidden under the sea.

This is why English speakers say "the tip of the iceberg."

It means the small part you can see of a much bigger problem.

Floating ice is also important for life.

In winter, a thin layer of ice spreads across the top of a lake.

Because the ice stays on top, the lake does not freeze from the bottom up.

Animals and plants can live in the water under the ice.

But the extra space can also cause trouble.

When water in a pipe freezes, it pushes hard on the pipe, and the pipe can burst.

Next time you have a cold drink, look closely at the ice.

(234 words)

重要語句

語句意味英語の定義
float 浮く to stay on top of water and not go down
solid 固体 something hard that keeps its shape, like ice or stone
molecule 分子 the smallest part of something like water that is still that thing
random ばらばらの、でたらめな happening without any order or plan
freeze 凍る to become hard and turn into ice because it is very cold
iceberg 氷山 a very large piece of ice that floats in the sea
layer 層 a flat piece of something that covers a surface
burst 破れる、破裂する to break open suddenly because something inside pushes hard

全文和訳

コップの水に、氷を1つ入れてみてください。氷は浮きます。これは、じつはとてもめずらしいことです。氷は、水が固まっただけのものです。では、なぜ氷は浮くのでしょうか。答えは、分子と呼ばれる、水のとても小さなつぶにあります。液体の水の中では、分子はばらばらに動き回っています。水が凍ると、分子は決まった形に並びます。この並び方には、すき間が多くあります。そのため、水が氷になると、体積が約9%ふえます。そのぶん、氷は同じ大きさの水より軽くなり、浮くのです。でも、氷はそれほど高くは浮きません。水の上に出ているのは、氷の約10%だけです。氷山も、そのほとんどが海の下にかくれています。英語で the tip of the iceberg(氷山の一角)と言うのは、このためです。ずっと大きな問題のうち、目に見えている小さな一部、という意味です。浮く氷は、生き物にとっても大切です。冬になると、湖の表面にうすい氷の層が広がります。氷が上にとどまるので、湖は底から凍っていくことはありません。動物や植物は、氷の下の水の中で生きていけます。でも、ふえた体積が困ったことを起こすこともあります。水道管の中の水が凍ると、管を強く押して、管が破れることがあるのです。今度冷たい飲み物を飲むときは、氷をよく見てみてください。

コラム:氷はなぜ浮くのか ~4℃の水と「氷の山」という英語~

凍ると体積が約9%ふえる

USGS(アメリカ地質調査所)|Water Densityによると、水が凍ると、分子が決まった形の格子に並びます。液体のときのように、ばらばらには並びません。この並び方だと、分子どうしの間が液体より広くあきます。

同じページによると、氷の重さは同じ体積の水の約90%です。そのため、氷や氷山は約10%だけが水の上に出ます。

Wikipedia|Iceも、氷は液体の水より約8.3%軽く、これは体積が9%ふえることにあたる、と書いています。そして、これを水の「めずらしい性質」と呼んでいます。

動画で見る

氷が水に浮く理由を説明する英語のアニメーション(題名は「Why does ice float in water? - George Zaidan and Charles Morton」) (TED-Ed) 英語の動画です。TED の教育チャンネル TED-Ed が、題名のとおり氷が浮く理由を取り上げています。

いちばん重い水は4℃

USGS のページによると、水がいちばん重くなるのは約4℃のときです。同じ体積なら、4℃の水は0℃の水より重くなります。

同じページは、こんな「もしも」も書いています。もし水が、凍る温度でいちばん重くなるとしたら。そのときは、湖が底から凍っていくかもしれないそうです。

実際の湖では、Wikipedia によると、氷はまず岸から張ります。うすい層が水面に広がり、それから下へ厚くなります。氷が浮くので、湖は底から凍りません。そのかわり、浮いた氷の下に、動物や植物が暮らせる場所ができます。氷は、冷たい風のような急な天気の変化から、その下の水を守ってもいるそうです。

動画で見る

BBC の科学番組から、氷が浮く理由を取り上げた場面(題名は「Why does ice float? - Forces of Nature with Brian Cox: Episode 1 - BBC」) (BBC) 英語の動画です。ブライアン・コックスの番組『Forces of Nature』の一場面です。

すき間を作っているのは「水素結合」

では、凍った水の分子は、なぜすき間をあけて並ぶのでしょうか。

Wikipedia によると、水や氷の性質の多くは、水素結合というつながりで決まっています。となり合った酸素と水素のあいだにできるつながりです。弱いつながりですが、水と氷の形を決めるうえで欠かせません。氷では、この力のせいで、分子がぎっしりとは詰まらずに並びます。

同じ記事によると、地球上の氷はほとんどすべて、六角形の結晶の形をしています。

困ることもあります。水道管が破れて、家が水びたしになることがあります。凍ってふくらむ水が、管を内側から押すからです。これも Wikipedia に書かれています。

iceberg は「氷の山」

Wiktionary|icebergによると、iceberg はオランダ語の ijsberg を、半分だけ英語に置きかえた語です。ijs は「氷」、berg は「山」です。ドイツ語の Eisberg も同じ仲間の語です。英語で使われ始めたのは1774年です。それまでの island of ice(氷の島)や sea-hill(海の丘)という言い方は、この語に取って代わられました。

同じページによると、the tip of the iceberg のような使い方は、氷山のほとんどが水の下にあって見えないことから来ています。

Cambridge Dictionary|the tip of the icebergの説明は「目立つ小さな一部で、問題全体はずっと大きいもの」です。例は These small local protests are just the tip of the iceberg.(この小さな地元の抗議活動は、氷山の一角にすぎない)です。

今度、氷の入った飲み物を見たら、水の上に出ている部分を見てください。それが、コップの中の the tip of the iceberg です。氷の9割は、水の中にあります。

確認クイズ

  1. Q1. 本文によると、水が氷になると、体積はどれくらいふえるか。

  2. Q2. 本文によると、氷が水に浮くおもな理由は何か。

  3. Q3. 本文と合っているものはどれか。

よくある質問

氷はなぜ水に浮くのですか。

USGS によると、水が凍ると分子が決まった形の格子に並び、液体のときより間が広くなります。そのため氷は、同じ体積の水と比べると重さが約90%しかありません。

氷山はどれくらい水の上に出ていますか。

USGS によると、氷や氷山は約10%が水の上に出ます。残りの約9割は水の下にあります。

the tip of the iceberg はどういう意味ですか。

Cambridge Dictionary によると、「目立つ小さな一部で、問題全体はずっと大きいもの」という意味です。日本語の「氷山の一角」にあたります。