猫がふみふみする理由|3つの説を読み解きます
Why Do Cats Knead?
Easy Reading|第43回
猫が前足を交互にブランケットへ押し付ける「ふみふみ」。かわいい仕草ですが、なぜそうするのかは実ははっきり分かっていません。子猫時代の記憶、におい、寝床づくり。3つの有力な説を、約240語のやさしい英文で読みます。
監修:原田高志(原田英語.com)
猫が前足を代わる代わる押し付ける「ふみふみ」を見たことはありますか。かわいい仕草ですが、なぜそうするのか、実は専門家のあいだでも意見が分かれています。今日はその3つの説を、やさしい英語で読んでみましょう。
英文
Why Do Cats Knead?
Have you ever seen a cat push its front paws into a blanket, over and over?
This is called kneading, and almost every cat does it.
Some cats knead a soft blanket. Others knead a person's lap, claws and all.
No one knows the single true reason for this habit, but there are three strong theories.
The first theory goes back to when a cat was a kitten.
A nursing kitten presses its paws against its mother's body.
This motion helps milk flow out for the kitten to drink.
Adult cats may still knead because the motion once meant comfort and food.
The second theory is about scent.
Cats have scent glands between the pads of their paws.
When a cat kneads a blanket or a person, it leaves its own scent behind.
In a cat's world, that scent marks the spot as its own.
The third theory is older than house cats themselves.
Wild cats often press down grass or leaves before they lie down to rest.
This makes a soft, flat spot for sleeping.
A pet cat kneading a blanket may be doing the very same thing.
So when your cat pushes its paws into your lap, it might be doing three things at once.
It could be remembering its mother, marking its home, or building a soft bed.
No expert can say which theory is completely right.
Maybe all three reasons live inside that same small motion.
(240 words)
重要語句
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| knead | (前足で)ふみふみする、押しては離す | to press something again and again with your paws or hands |
| gland | 分泌腺 | a small body part that produces and releases a substance, such as scent |
| scent | におい、香り | a smell, especially one left behind to mark a place as your own |
| nursing | 母乳を飲んでいる、授乳中の | drinking milk from a mother's body, or feeding a baby in this way |
| theory | 説、学説 | an idea that tries to explain why something happens, based on some evidence |
全文和訳
猫が前足を代わる代わるブランケットに押し付けているのを、見たことはありますか。これは『ふみふみ』と呼ばれる動作で、ほとんどの猫がします。柔らかい毛布にすることもあれば、人の膝の上で爪を立てながらすることもあります。この癖のたった一つの本当の理由は誰にも分かっていませんが、有力な説が3つあります。一つ目の説は、猫がまだ子猫だったころにさかのぼります。母乳を飲む子猫は、母親の体に前足を押し付けます。この動きが、子猫が飲む母乳の出をよくする助けになります。大人になった猫がまだふみふみをするのは、その動きがかつて安心と食べ物を意味していたからかもしれません。二つ目の説は、においについてです。猫は、足の肉球の間ににおいを出す腺を持っています。猫が毛布や人にふみふみをすると、自分のにおいを残していきます。猫の世界では、そのにおいがその場所を『自分のもの』だと示します。三つ目の説は、家猫そのものよりも古い話です。野生のネコ科動物は、横になって休む前に、草や葉を前足で押し固めることがよくあります。こうすることで、眠るための柔らかく平らな場所ができます。飼い猫が毛布にふみふみするのも、これと同じことをしているのかもしれません。だから、あなたの猫が膝の上で前足を押し付けているとき、猫は一度に3つのことをしているのかもしれません。母親を思い出しているのか、自分の場所に印をつけているのか、それとも柔らかい寝床を作っているのか。どの説が完全に正しいのか、専門家にも言い切ることはできません。もしかしたら、その小さな動きの中に、3つの理由すべてが生きているのかもしれません。
コラム:猫のふみふみから、進化の名残をのぞく
子猫のころの記憶という説
獣医療情報サイトPetMD|Why Do Cats Knead?によれば、『子猫は、母親から母乳をもらうときに、ふみふみという動作で母乳の出を促す』とされています。生まれたばかりの子猫は、目もほとんど見えないまま、前足で母親の体を交互に押します。その動きが、母乳を求める合図であり、同時に安心できる時間でもありました。大人になった猫がいまも同じ動きをするのは、その安心感をもう一度味わうための行動かもしれない、というのがこの説の見立てです。
においで『ここは自分の場所』と示す説
同じPetMDの記事は、『猫は、前足の肉球のあいだに、においを出す分泌腺を持っている。何かをふみふみすると、その場所に自分のにおいが残る』とも説明しています。猫にとって、においは『ここは自分の場所だ』という無言の張り紙のようなものです。飼い主の膝の上でふみふみをするのは、その人を、安心できる自分の縄張りの一部だと感じているサインだとも考えられています。
家猫になる前から続く、寝床づくりの動き
家猫の祖先は、中東にいた野生のヤマネコです。ナショナルジオグラフィックなどの報道によれば、人と暮らし始めたのは少なくとも9,500年前(地中海の島キプロスで見つかった猫の骨から)だと考えられています。PetMDによれば、『野生のネコ科動物は、休む前に自然の中で草や葉などの寝床の材料をふみふみすることがある』といいます。柔らかく平らな寝場所を作るためのこの動きが、家で暮らすようになったあとも、毛布の上でそのまま残っているのかもしれません。
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次に猫がふみふみしていたら
子猫のころの記憶か、においの印か、それとも寝床づくりか。どの説が正しいのかは、専門家のあいだでもまだ決着していません。もしかすると、3つとも少しずつ正しいのかもしれません。次にあなたの猫が前足を交互に押し付けていたら、この3つの説のどれに近い場面なのか、少し考えながら眺めてみてください。
確認クイズ
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Q1. 本文によると、猫の足の肉球のあいだにあるものは何か。
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Q2. 本文で紹介されている、ふみふみの3つの説に含まれないものはどれか。
よくある質問
ふみふみをする猫は、幸せなのですか。
本文で紹介した3つの説のうち、子猫のころの記憶による説は、ふみふみを安心感と結びつけています。リラックスした場面でふみふみをする猫が多いことから、多くの場合は心地よさのサインだと考えられています。