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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
READING 第7回 基礎 読了 8分

アイスクリーム頭痛の原因は?頭がキーンとなる正体

Why Does Ice Cream Give You a Headache? The Science of Brain Freeze

アイスを一気に食べたときに走る、あのキーンとした痛み。冷たいのは口の中なのに、なぜ痛みは頭に出るのでしょうか。今日の英文は、体が場所を勘違いする『関連痛』という仕組みをたどります。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日の英文は、夏によく起きる小さな痛みが主役です。アイスを急いで食べたときの、あのキーンとした感覚。冷たいのは口の中なのに、なぜ痛むのは頭なのか。英文を読んだあとは、体が痛みの場所を取り違える仕組みと、その別の実例もお楽しみください。

英文

Why Does Ice Cream Give You a Headache? The Science of Brain Freeze

Have you ever eaten ice cream too quickly and felt a sudden, sharp pain in your head?

Doctors sometimes call this odd pain "brain freeze," though your brain never actually gets cold.

The real story begins on the roof of your mouth, not inside your skull.

When something very cold touches the roof of your mouth, the blood vessels there shrink very quickly.

Right after that, the same blood vessels open back up, even faster than they closed.

This sudden change is sensed by the trigeminal nerve, a nerve that carries feeling from your face to your brain.

The same nerve also carries feeling from your forehead and scalp.

Because both signals travel through the same nerve, your brain gets confused about where the pain is coming from.

It ends up placing the pain in your forehead instead of your mouth.

Scientists call this kind of mix-up "referred pain."

The medical name for brain freeze is even longer: sphenopalatine ganglioneuralgia.

The pain usually lasts less than a minute, which makes it hard for scientists to study closely.

Because of this, researchers still don't know the full story behind brain freeze.

One popular trick is to press your tongue against the roof of your mouth to warm it up faster.

Another simple fix is to drink something warm right after the cold rush hits.

Next time it happens, remember: the pain is real, but your brain is simply reading the wrong map.

(241 words)

重要語句

語句意味英語の定義
trigeminal nerve 三叉神経 the nerve that carries most of the feeling from your face to your brain
blood vessel 血管 a thin tube in the body that carries blood
shrink 縮む to become smaller
forehead 額(ひたい) the part of your face above your eyes and below your hair
referred pain 関連痛 pain that is felt in a different part of the body from where it actually starts
scalp 頭皮 the skin that covers the top of your head

全文和訳

アイスを急いで食べて、頭に突然するどい痛みが走った経験はありますか。医師はこの奇妙な痛みを『brain freeze(脳が凍る)』と呼ぶことがありますが、脳が実際に冷えているわけではありません。本当の物語が始まるのは頭蓋骨の中ではなく、口の中の上あごです。とても冷たいものが上あごに触れると、そこにある血管が一気に縮みます。その直後、同じ血管が今度は縮んだときよりも速く開き直します。この急な変化を感じ取るのが三叉神経で、顔の感覚を脳に伝える神経です。同じ神経は、額や頭皮の感覚も伝えています。両方の信号が同じ神経を通るため、脳はどこから痛みが来ているのか混乱してしまいます。その結果、脳は痛みを口ではなく額の場所だと決めつけてしまいます。科学者はこの種の取り違えを『関連痛』と呼びます。brain freeze の医学的な名前はさらに長く、スフェノパラティン神経節痛といいます。痛みはたいてい1分もかからずに消えてしまうため、科学者が詳しく調べるのが難しいのです。そのため、研究者もまだ brain freeze のすべてを解明できていません。よく知られた対処法の1つは、舌を上あごに押し当てて早く温めることです。冷たさが押し寄せたあと、すぐに温かい飲み物を飲むという簡単な方法もあります。次にこの痛みが起きたら、思い出してください。痛みは本物ですが、脳がただ地図を読み間違えているだけなのです。

コラム:勘違いする痛み ~脳の地図のふしぎ~

ひじをぶつけたときの『あの痛み』も、実は同じ仕組み

ひじの内側を強くぶつけると、指先までビリッとしびれることがあります。日本語では『ファニーボーン(funny bone)』と呼ばれることの多い、あの感覚です。

あれは骨がぶつかった痛みではなく、ひじのすぐ内側を通る尺骨神経が圧迫されて起きるしびれです。神経が一本の道のように腕から指先まで伸びているため、ひじで起きた刺激が、道の先である指先の感覚として脳に届いてしまいます。brain freeze と同じ、神経の通り道が引き起こす場所の勘違いです。

心臓の痛みが、腕に出ることもある

関連痛は、もっと深刻な場面でも起こります。心臓に強い異常が起きたとき、痛みが胸だけでなく左腕や肩に広がって感じられることがある、とよく知られています。

心臓からの信号を伝える神経と、腕の感覚を伝える神経が、背骨の近くで合流しているためだと考えられています。体の中では、まったく別の場所からの信号が、同じ道を共有していることが少なくありません。brain freeze は軽い例ですが、体が痛みの場所を取り違える仕組みそのものは、もっと重い場面にもつながっています。

治し方は、体の仕組みをそのまま利用している

舌を上あごに押し当てる、温かい飲み物を飲む。どちらの対処法も、特別な薬を使っているわけではありません。

冷えて縮んだ血管を、外から早く温め直しているだけです。原因が『上あごの急な温度変化』だと分かっていれば、対処法は驚くほどシンプルになります。仕組みを知ることが、いちばんの近道になる例だと思います。

動画で見る

『脳がキーンとなる』しくみを科学番組が解説 (SciShow) 血管が縮んで、また開くまでの流れが分かります。

確認クイズ

  1. Q1. brain freeze(アイスクリーム頭痛)が起こる直接の原因として最も適切なものはどれでしょう。