英単語の覚え方を助けるAIプロンプト3本
AI×英語 第5回
単語帳で覚えた単語が、次の日にはもう抜けている。面接の自己紹介を英語で作ろうとすると、最初の一文で手が止まる。長文で知らない単語が3つ続くと、心が折れる。この3つを、AIとのやり取りで解くプロンプトを紹介します。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日は3つの困りごとを持ってきました。覚えた単語がすぐ抜ける。面接の自己紹介で固まる。難しい英文の前で手が止まる。どれも「もっと頑張れば」で片づけられがちですが、AIへの頼み方を変えるだけで、かなり楽になります。順に見ていきましょう。
単語帳を一周しても、1週間後には半分も覚えていない。面接の自己紹介を英語で作ろうとすると、最初の1文で手が止まる。長文で知らない単語が3つ続くと、そこで心が折れる。
3つに共通するのは、「頑張りが足りない」のではなく「自分の言葉になっていない」ことです。今日のプロンプトは3本。覚えた単語を自分の生活に結びつける、面接官役に自己紹介を深掘りしてもらう、難しい英文を知っている単語だけで言い換えてもらう。
覚えたい単語を、自分の生活に寄せた例文にしてもらう
単語力が伸びる
単語帳の例文は、自分の生活と関係のない場面ばかりです。だから覚えてもすぐ抜けます。同じ単語でも、自分が実際に使いそうな場面に変えるだけで、記憶に残る時間がまるで違います。今日覚えたい単語をAIに渡し、自分ごとの例文に作り替えてもらいましょう。
Here are some English words I'm trying to memorize:
"""
(list the words you learned today, separated by commas)
"""
My daily life includes these things: """(e.g. high school, tennis club, part-time job, favorite artist)"""
Please do the following:
1. For each word, write one short example sentence connected to my daily life above, not a generic textbook sentence.
2. Keep each sentence under 15 words.
3. Add a Japanese translation under each sentence.
4. Do NOT use the same word twice in different sentences. 覚えようとしている英単語がいくつかあります。
"""
(今日覚えた単語を、カンマで区切って挙げる)
"""
自分の日常はこんな感じです:"""(例:高校生、テニス部、アルバイト、好きなアーティストなど)"""
以下を行ってください。
1. 各単語について、上の日常に結びついた短い例文を1つずつ作る。教科書的な一般論の例文にはしないこと
2. 各文は15語以内に収める
3. 各文の下に日本語訳を付ける
4. 同じ単語を、違う文で2回使わないこと 使いかた
- 1 その日、単語帳やニュースで新しく覚えた単語を3〜5個メモしておく
- 2 """ """ の部分に単語と、自分の日常(部活・趣味・好きなものなど)を書いて送る
- 3 返ってきた例文を、自分のノートやアプリの例文欄に上書きする
- 4 次の日、その例文だけを見て単語の意味が言えるか確かめる
こんな形で返ってきます
入れたもの(例)
単語:postpone, reluctant/日常:テニス部、雨の日の練習
返ってくる形(抜粋)
①Our tennis practice was postponed because of the rain. (雨のせいで、テニスの練習が延期になった。) ②I was reluctant to practice outside in the cold. (寒いなか外で練習するのは気が進まなかった。)
返ってきたら、この一言を続ける
-
Now quiz me on these words without showing the sentences.
さっきの例文は見せずに、この単語の小テストを出してください。
-
Combine two of these words into one sentence.
この中の2つの単語を、1つの文にまとめてください。
面接や面談で使う自己紹介を、質問ごとに深掘りしてもらう
話す力が伸びる
面接の自己紹介は、原稿を丸暗記しても、想定外の質問が来た瞬間に固まります。AIに面接官役をさせ、答えるたびに一段深い質問を返してもらう。丸暗記ではなく「自分の言葉で答える力」が鍛えられます。
Act as a friendly interviewer for a school or job interview in English.
My topic for today: """(e.g. why I joined the tennis club / why I want to study abroad)"""
Please do the following:
1. Ask me one question at a time in English. Wait for my answer before asking the next one.
2. After each answer, ask one natural follow-up question that goes one level deeper, based on what I just said.
3. If my answer is too short or vague, ask me to give one specific example.
4. Do NOT correct my grammar during the conversation. Just keep asking questions naturally. 学校や就職の面接を想定して、親しみやすい面接官役を演じてください。
今日のテーマ:"""(例:テニス部に入った理由、留学したい理由など)"""
以下を行ってください。
1. 英語で一度に1つだけ質問する。私が答えるまで、次の質問はしない
2. 私の答えのあと、その内容をもとに、もう一歩踏み込んだ自然な追加質問を1つする
3. 答えが短すぎたり漠然としていたりする場合は、具体例を1つ求める
4. 会話の途中で文法の間違いを指摘しないこと。自然に質問を続けること。 使いかた
- 1 今日話したいテーマを1つ決めて、""" """ に書いて送信する
- 2 最初の質問に、英語で1〜2文でも構わないので答える
- 3 返ってくる深掘り質問に、思いついたまま答え続ける(3〜5往復が目安)
- 4 やり取りが終わったら、いちばん答えにくかった質問だけをもう一度読み返し、次回までに準備しておく
こんな形で返ってきます
入れたもの(例)
テーマ:テニス部に入った理由
返ってくる形(抜粋)
Q1: Why did you decide to join the tennis club? (あなたの回答) Q2: You mentioned your friend invited you. What made you say yes instead of trying something else? (あなたの回答) Q3: Can you tell me about one specific moment when you were glad you joined?
返ってきたら、この一言を続ける
-
Which of my answers was the weakest? Why?
私の答えの中でいちばん弱かったのはどれか、理由もあわせて教えてください。
-
Give me a stronger way to answer question 2.
2番目の質問への、もっと強い答え方の例を出してください。
難しい英文を、知っている単語だけで言い換えてもらう
読む力が伸びる
長文で知らない単語が3つ続くと、そこで読む気がなくなります。辞書を引く前に、自分の知っている単語だけで言い換えてもらう。意味のかたまりを崩さずに読み進められます。辞書は、そのあとで引いても遅くありません。
Here is a difficult English passage:
"""
(paste the sentence or short paragraph you're stuck on)
"""
My current English level: """(e.g. Japanese high school student, around 2000 common words)"""
Please do the following:
1. Rewrite the passage using only simple, common words that fit my level.
2. Keep the meaning exactly the same. Do not simplify away any important detail.
3. Underline or mark the 2-3 hardest original words you replaced.
4. Do NOT translate into Japanese. Keep the rewrite in English. 難しい英文があります。
"""
(詰まっている英文や短い段落を貼る)
"""
自分の今の英語レベル:"""(例:日本の高校生、基本的な単語2000語くらい)"""
以下を行ってください。
1. 自分のレベルに合う、やさしくよく使われる単語だけを使って書き直す
2. 意味は元の文とまったく同じに保つこと。大事な情報を削って簡単にしないこと
3. 置き換えた、もとの文でいちばん難しかった単語を2〜3個、印をつけて示す
4. 日本語には訳さないこと。書き直しは英語のままにすること。 使いかた
- 1 読んでいて詰まった1文、または短い段落をそのままコピーする
- 2 """ """ に貼り、自分の今の英語レベルを一言添えて送る
- 3 返ってきたやさしい英文を先に読み、内容をつかむ
- 4 そのあとで元の英文に戻り、印のついた難しい単語だけを辞書で確認する
こんな形で返ってきます
入れたもの(例)
The negotiations were hampered by a persistent reluctance to compromise on either side.
返ってくる形(抜粋)
Rewrite: The talks were made difficult because both sides kept refusing to give up anything. 難しかった語:hampered, persistent, reluctance
返ってきたら、この一言を続ける
-
Now give me the original sentence again, one clause at a time.
元の文を、意味のかたまりごとに区切って、もう一度見せてください。
AI相手に、声に出してみる
音声を聞いて、そのまま真似してください。AIとの英会話は、この一言から始まります。
Can you explain that word using easier words, without translating it?
その単語を、日本語に訳さずに、もっと簡単な言葉で説明してもらえますか。
That's a good question. Give me a moment to think about how to say it.
いい質問ですね。どう言えばいいか、少し考えさせてください。
Could you ask me the same question in a different way?
同じ質問を、別の言い方で聞いてもらえますか。
AI時代の英語学習、ここだけは
単語は『増やす』前に『使い切る』
新しい単語を増やす前に、すでに知っている単語をどれだけ使い倒せているかを振り返ってみてください。知っている500語を自分の生活に結びつけて使い切るほうが、単語帳を1冊増やすより定着します。
AIとの会話は『止まらないこと』を優先する
面接練習でも読解でも、最初から完璧な英語を出そうとすると止まります。多少崩れていても、最後まで答え切る・読み切る。直しはあとでまとめて確認するくらいが、ちょうどよいペースです。
同じプロンプトを、1週間続けてみる
1回試して終わりにせず、同じプロンプトを1週間、同じ時間に使ってみてください。AIの返し方の癖ではなく、自分の答え方がどう変わったかを見る。上達が、数字ではなく実感として見えてきます。
⚠️ 使うときの注意
⚠️ AIの作る例文や言い換えは、文法的に正しくても不自然な言い回しが混ざります。面接や作文で実際に使う前に、必ず先生か信頼できる教材で一度確認してください。AIの返答をそのまま丸暗記して本番に持ち込むのは避けましょう。
覚えた単語がすぐ抜けるのも、面接で固まるのも、難しい英文で心が折れるのも、根っこは同じです。知識が、まだ自分の言葉になっていない。
今日の3本は、どれも知識を自分の生活・自分の言葉へ引き寄せるためのものです。全部でなくてかまいません。今日はまず1つ、試してみてください。
原田高志