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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
AI & ENGLISH 第3回 標準 読了 6分

英作文をAIで添削するプロンプト3本|英語が長くなる人へ

AI×英語 第3回

日本人の書く英語は、だいたい長くなります。丁寧にしようとして前置きが増え、つなぎ言葉で文がつながり、読む人が最後まで来られない。この回では、書いた英語を削るプロンプト、同じ用件を3つの長さで書き分けさせるプロンプト、書き言葉をそのまま話せる形に崩すプロンプトの3本をお渡しします。メールを送る前の5分に、そのまま使えます。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日のテーマは、長くなってしまう英語です。丁寧に書こうとするほど前置きが増えて、読む人が本題にたどり着けない。自分でも、書き終わってから長いと気づく。あの感じを、AIに3方向から削ってもらいます。

日本人が書く英語には、はっきりした癖があります。長い。

悪気はありません。むしろ逆で、丁寧にしようとした結果です。いきなり用件に入るのは失礼な気がして、前置きを1文置く。断定するのが怖くて I think that を頭に付ける。念のため理由も添える。気がつくと、一言で済む用件が5行になっています。

ところが英語では、長い文は丁寧ではなく、読みにくい文として届きます。相手は3行目でスクロールをやめます。

今日の3本は、書いたあとに通すプロンプトです。書く前に悩むのではなく、書いてから削る。この順番のほうが、はるかに早く上達します。

意味を1つも落とさずに、短くしてもらう

書く力が伸びる

「短くして」とだけ頼むと、AIは内容ごと削ります。大事なところが消えて、きれいだけど中身の減った英文が返ってくる。

このプロンプトは、削っていいのは語であって、情報ではないという条件を先に渡します。そして削った語を全部並べさせます。リストを読むのが本体です。自分がどんな種類の語を余分に書いているかが、10行のリストで一目で分かります。

Prompt 01
You are an editor who specializes in concise English.

I will give you an English paragraph I wrote. Do the following, and nothing else:

1. Rewrite it using as few words as possible. Every piece of information in my original must survive. Do not delete content, only words.

2. Show them side by side with an approximate word count for each:
   BEFORE (xx words) / AFTER (xx words)

3. In Japanese, list EVERY word or phrase you removed, grouped by type (前置き / 弱める語 / 重複 / つなぎ語 / その他). One short line each on why it was not needed.

4. In Japanese, in one sentence: the single habit that made my writing longer than it needed to be. Give it a short name I can remember.

Do not praise my writing. Do not add anything I did not say.

Here is my paragraph:
"""
(ここに自分の英文を貼る。1段落くらいがちょうどいい)
"""
日本語訳
あなたは、簡潔な英語を専門とする編集者です。

私が書いた英語の段落を渡します。次のことだけをしてください。

1. できるだけ少ない語数で書き直してください。もとの情報は1つも落とさないこと。減らすのは語であって、内容ではありません。

2. だいたいの語数を添えて、前後を並べて見せてください。
   BEFORE (xx words) / AFTER (xx words)

3. 日本語で、削った語句を全部挙げてください。種類ごとにまとめて(前置き/弱める語/重複/つなぎ語/その他)。なぜ要らなかったのかを、それぞれ1行で。

4. 日本語で1文。私の文章を必要以上に長くしていた癖を1つだけ。覚えやすい短い名前をつけてください。

私の文章をほめないでください。私が言っていないことを足さないでください。

私の段落です:
"""
(ここに自分の英文を貼る。1段落くらいがちょうどいい)
"""

使いかた

  1. 1 自分が書いた英語を1段落だけ貼る(メールの下書きでも、課題の英作文でもかまいません)
  2. 2 短くなった英文より先に、3の「削った語のリスト」を読む。ここに自分の癖が全部出ています
  3. 3 4で付いた癖の名前をメモに1行書く。次に英語を書くときの唯一の目標にします
  4. 4 短くなったほうを一度声に出して読む。息が続けば、たいてい読みやすい英語になっています

こんな形で返ってきます

入れたもの(例)

I think that it would be very helpful for us if you could possibly send me the document about the new schedule when you have time.

返ってくる形(抜粋)

BEFORE (26 words) / AFTER (9 words) Could you send me the new schedule when you have time? 3. 削ったもの 【前置き】I think that:言わなくても、あなたの意見だと分かります 【弱める語】possibly/would be very helpful:丁寧にしようとして二重に弱めています 【重複】the document about the new schedule → the new schedule 4. 直すべき癖:「二重クッション」 丁寧さを足す語を、1つの文に2つ以上重ねる癖があります。英語では1つで十分です。

返ってきたら、この一言を続ける

  • Now show me the same thing at half that length. What breaks?

    さらに半分に削らせて、どこで意味が壊れるかを見ます。削りすぎの手前が見えます。

  • Write three new sentences that would tempt me into the same habit.

    同じ癖が出そうな文を出させて、自分で書き直してみる。読むだけより残ります。

短い英文が偉いわけではありません。このプロンプトの目的は、短くすることではなく自分が何を余分に書くかを知ることです。癖の名前さえ持ち帰れば、次からは書いている最中に自分で気づけます。

同じ用件を、3つの長さで書き分けてもらう

書く力が伸びる

英語で困るのは、長さの感覚が持てないことです。同僚へのチャットと、取引先へのメールと、初めての相手への依頼。日本語なら無意識に変えているのに、英語だと全部同じ調子になります。

このプロンプトは、1つの用件を3つの長さで並べて見せます。並べて見ると、何を足すと丁寧になり、何を足すとくどくなるかが、線で分かります。

Prompt 02
You are helping a Japanese professional choose the right length in English.

I will tell you, in Japanese, what I need to communicate and to whom.

Write the SAME message three times:

A. CHAT — one line. What I would send a close colleague on a messaging app.
B. EMAIL — three to five sentences. A normal work email to someone I know.
C. FORMAL REQUEST — a short paragraph. A first-time request to someone senior or outside my company.

After the three versions, in Japanese:
- What exactly was ADDED going from A to B, and from B to C. Name each addition.
- One warning: which version would sound wrong in which situation, and why.

Keep every version natural. Do not make C longer than it needs to be. Length is not politeness.

Here is my message:
"""
(ここに日本語で書く。相手が誰かも一緒に書く)
"""
日本語訳
あなたは、日本人の社会人が英語で「どの長さで書くか」を選ぶのを手伝う役です。

何を、どんな相手に伝えたいのかを、これから日本語で伝えます。

同じ用件を、3通り書いてください。

A. CHAT(チャット):1行。親しい同僚にメッセージアプリで送る形。
B. EMAIL(メール):3〜5文。面識のある相手への、ふつうの仕事のメール。
C. FORMAL REQUEST(改まった依頼):短い1段落。初めて連絡する、目上または社外の相手への依頼。

3つを書いたあとに、日本語で。
- AからBへ、BからCへ移るときに何が足されたのか。足されたものを1つずつ名指しで。
- 注意を1つ。どの版をどんな場面で使うと変に響くか、その理由も。

どの版も自然な英語にしてください。Cを必要以上に長くしないこと。長さは丁寧さではありません。

私の用件です:
"""
(ここに日本語で書く。相手が誰かも一緒に書く)
"""

使いかた

  1. 1 日本語で用件を書き、相手が誰かも必ず添える(「同じ部署の同僚」「初めて連絡する海外の取引先」など)
  2. 2 3つを上から順に読み、AからBで何が足されたかを自分の目で確かめる
  3. 3 自分の場面にいちばん近い1つだけを使う。Cを選んでおけば安全、ではありません
  4. 4 使った版を、翌週もう一度同じプロンプトに通してみる。前より短く書けていたら合格です

こんな形で返ってきます

入れたもの(例)

来週の会議を1時間うしろにずらしてほしい。相手は初めて連絡する海外の取引先。

返ってくる形(抜粋)

A. CHAT Can we push next week's meeting back an hour? B. EMAIL Could we move next week's meeting one hour later? … C. FORMAL REQUEST I'm writing to ask whether it would be possible to move … ▶ AからBで足したもの:理由を1文、相手の都合を確かめる一言 ▶ BからCで足したもの:名乗り、依頼であることの明示、代案 ▶ 注意:Aを社外の初対面に送ると、親しさではなく雑さとして届きます

返ってきたら、この一言を続ける

  • Which version would you actually send, and why?

    3つ出させたあとに選ばせる一言。理由まで書かせると、判断の基準が言葉になります。

  • Now write version B again, but for someone who is annoyed with me.

    相手の機嫌という変数を1つ足すだけで、英語のどこが変わるかが見えます。

Length is not politeness.(長さは丁寧さではない)の一行を、プロンプトから外さないでください。これを書かないと、AIはCをどんどん長く盛ってしまいます。英語の丁寧さは、長さではなく語の選び方で作ります。

書いた英語を、そのまま口に出せる形に崩してもらう

話す力が伸びる

書いた英語をそのまま話すと、不自然に硬くなります。書き言葉と話し言葉は、別の言語だと思ったほうがいいくらい違います。

発表原稿を作るとき、多くの人は文章を書いてから覚えようとします。ところが書いた英語は、口に乗りません。関係代名詞でつながった長い文を、息継ぎなしで言えるはずがないからです。

このプロンプトは、書いた英語を「話す形」に崩し、そのうえで息継ぎの位置まで指定させます。発表の前日にどうぞ。

Prompt 03
You are a speaking coach for a Japanese presenter.

I will give you English I wrote to be read aloud.

Step 1. Rewrite it as SPOKEN English:
   - break long sentences into short ones
   - replace written-only connectors (moreover, furthermore, thus) with what people actually say
   - use contractions (it's, we're, don't)
   - keep every fact

Step 2. Print the spoken version again, this time as a script:
   - one sentence per line
   - a slash (/) at every place I should breathe
   - the word I should stress most in each line in **bold**

Step 3. In Japanese, three lines only:
   - the hardest line to say, and why
   - one word whose pronunciation Japanese speakers usually get wrong here, in katakana
   - how many seconds this should take at a calm speed

Do not make it longer than my original.

Here is my text:
"""
(ここに読み上げる予定の英文を貼る)
"""
日本語訳
あなたは、日本人の発表者につくスピーキングコーチです。

読み上げるために書いた英語を渡します。

手順1. 話し言葉の英語に書き直してください。
   - 長い文は短く割る
   - 書き言葉でしか使わないつなぎ(moreover, furthermore, thus)を、実際に口にする言い方に替える
   - 短縮形を使う(it's, we're, don't)
   - 事実は1つも落とさない

手順2. その話し言葉版を、もう一度、台本の形で出してください。
   - 1行に1文
   - 息を継ぐ場所すべてにスラッシュ(/)
   - 各行でいちばん強く読む語を **太字** に

手順3. 日本語で3行だけ。
   - いちばん言いにくい行と、その理由
   - ここで日本人がよく発音を間違える語を1つ、カタカナで
   - 落ち着いた速さで読んだとき、何秒くらいかかるか

もとの文章より長くしないでください。

私の文章です:
"""
(ここに読み上げる予定の英文を貼る)
"""

使いかた

  1. 1 発表原稿、自己紹介、面接の受け答え。声に出す予定の英文を貼る
  2. 2 Step 2のスクリプトを印刷するか、スマホに出す。スラッシュのところで必ず息を吸う
  3. 3 太字の語だけを強く読んで1回通す。それ以外は弱く読んでかまいません
  4. 4 Step 3で出た秒数と、自分の実測を比べる。速すぎたら、スラッシュを1つ増やす

返ってきたら、この一言を続ける

  • Now cut it to two-thirds. Which line goes first?

    本番で時間が足りないときに備えて、どこから捨てるかを先に決めておきます

  • Give me one sentence I can use if I lose my place.

    詰まったときの一言を、原稿と一緒に用意しておく。これがあるだけで落ち着きます。

書き言葉を話し言葉に崩すと、文の数は増えて、1文は短くなります。それで正解です。長い1文を言い切れる人はネイティブにもあまりいません。話す英語は、短い文の連続でできています。

AI相手に、声に出してみる

音声を聞いて、そのまま真似してください。AIとの英会話は、この一言から始まります。

Say the same thing in under twenty words.

同じ内容を、20語以内で言ってください。

長さを数字で指定する一言。「短く」だけでは、AIはあまり短くしてくれません。

That's too formal. Make it sound like a text message.

硬すぎます。チャットで送る感じにしてください。

AIの英語は放っておくと丁寧すぎます。崩す方向の指示は、自分から出す必要があります。

Read it back the way you'd actually say it out loud.

実際に声に出すときの言い方で、もう一度書いてください。

書き言葉から話し言葉へ切り替えさせる一言。原稿づくりの最後に必ず1回。

AI時代の英語学習、ここだけは

長さは、数字で指定する

AIに「短くして」と頼んでも、たいして短くなりません。長さの基準を持っていないからです。

数字を入れると、はっきり変わります。

  • in under 40 words(40語以内で)
  • in exactly two sentences(ちょうど2文で)
  • short enough to read in ten seconds(10秒で読み切れる長さで)

3つめのように、語数ではなく時間で指定するのも効きます。発表原稿やスピーチの練習では、こちらのほうが実感に合います。

同じことは、丁寧さや難しさにも使えます。at the level of a 15-year-old(15歳が読める英語で)、as a busy manager would write it(忙しい管理職が書く感じで)。ぼんやりした形容詞より、測れる基準を渡すほうが速い。

語をつなぐより、かたまりを並べる

英語が長くなる人には、もう一つ共通点があります。1つの文に全部を詰め込もうとすることです。which や and や because でつないでいくと、文はいくらでも伸びます。

英語が得意な人は、逆をやっています。look forward to、on the other hand、as a matter of fact。決まったかたまりを、短い文にして並べていく書き方です。つなぐのではなく、置いていく。

これは読むときも同じです。1語ずつ訳して進むのをやめて、かたまりごと拾えるようになった瞬間に、読む速さが一段上がります。単語を1語ずつ覚えるより、take after のようにかたまりで覚えたほうが定着するのも、同じ理由です。

書くときの目安を1つ。1文に動詞が3つ以上入ったら、そこで切る。それだけで、ずいぶん読める英語になります。

削りすぎの手前を、自分で決めておく

最後に、逆のことを書いておきます。短ければよい、ではありません。

用件だけを10語で送ると、相手によっては冷たく届きます。日本語で「明日15時、会議室B」とだけ送って角が立つことがあるのと、まったく同じです。AIに削らせると、ここの判断まではしてくれません。AIは「削れる」を教えてくれますが、「削るべきか」は教えてくれない。

目安として、自分の中に線を1本引いておいてください。私が使っているのは、「初めての相手には、用件の前に1文だけ置く」という線です。それ以上は足さない。それ以下にもしない。

線の引き方は人それぞれでかまいません。大事なのは、削った結果を見てから決めるのではなく、先に決めておくことです。先に決めておけば、AIの出力に流されません。

⚠️ 使うときの注意

AIに英文を削らせると、こちらが言っていないことを1文足してくることがあります。丁寧に見せようとして「ご都合が合えば」のような一言を勝手に付け足す、といった具合です。プロンプトに Do not add anything I did not say. を入れてあるのはそのためですが、それでも起きます。送る前に、元の文と並べて1回見比べてください。

もうひとつ。AIが返す日本語の解説は、そのまま信じないでください。「この語は不要です」の理由づけが的外れなことがあります。削った結果は使えても、理由の部分は辞書か文法書で裏を取る。これは癖にしておいたほうがいい習慣です。

生徒の英作文を読んでいると、長い文を書く子ほど、実は英語をよく知っています。関係代名詞も分詞構文も使えるから、つないでいけてしまう。知らない子は、そもそも長く書けません。

ですから、長いと指摘するときはいつも迷います。せっかく身につけた道具を、使うなと言っているように聞こえないだろうか、と。

最近は、こう言うようにしています。「その文、2つに切ってみて。切っても言いたいことが全部残ったら、そっちのほうが強いよ」。実際にやってみると、たいてい残ります。そして本人が、いちばん驚いた顔をします。

原田高志

動画で見る

文章を明確にする3つの方法を解説するハーバード・ビジネス・レビューの動画 (Harvard Business Review) 今日の1本目、意味を削らずに語を削るという考え方に通じる内容です。
ChatGPTでメールの丁寧さのレベルを調整する方法を解説する動画 (Cambridge Veritas® | Where Trainers Are Made) 今日の2本目、同じ用件を3つの丁寧さで書き分ける発想と近い内容です。

確認クイズ

  1. Q1. AIに英文を短くさせるとき、指示として最も効果があるのはどれか。

  2. Q2. 書いた英語を声に出す原稿に直すとき、起きる変化として正しいものはどれか。

よくある質問

短く書くと、失礼になりませんか。

英語の丁寧さは、長さではなく語の選び方で決まります。Could you …? と Send me … の差は、長さではなく形の差です。長くしても、命令形のままなら丁寧にはなりません。 むしろ長すぎるほうが失礼に受け取られる場面もあります。忙しい相手に、本題まで5行かかるメールを送ると、読む時間を余分に使わせることになるからです。用件は前に、説明は後ろに。この順番だけ守れば、短くても失礼にはなりません。

生徒の英作文指導に使えますか。

1本目がそのまま使えます。生徒の書いた英文を貼ると、削った語が種類別に並びます。クラス全員ぶんを通すと、その学年で共通して出る癖が見えます。「前置きが多い」「弱める語が二重」など、指導すべき点が数で分かるのは大きいです。 ただし、生徒に直接使わせるときは注意が要ります。短くなった英文だけを受け取って終わる子が必ず出ます。3のリストと4の癖の名前を提出させる形にすると、そこが防げます。