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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
AI & ENGLISH 第42回 基礎 読了 6分

英語の聞き返し方|聞き取れないときのAIプロンプト3本

AI×英語|第42回

相手の英語が聞き取れなかったとき、Sorry? としか言えずに固まってしまう。原因は語彙でも度胸でもなく、聞き返しの種類を1つしか持っていないことでした。今日は、聞き返しを3種類に増やすためのプロンプトを3本用意しました。

監修:原田高志(原田英語.com)

英語が聞き取れないことは、誰にでもあります。問題はそのあとです。聞き返し方を1つしか持っていないと、2回目で会話が止まります。今日はそこだけを増やします。

英語で話していて、相手の言ったことが分からなかった。そこで Sorry? と言う。相手がもう一度言ってくれる。それでも分からない。

もう一度 Sorry? と言えますか。

言えません。言いにくいからです。そして多くの人は、ここで分かったふりをして、うなずいてしまいます

ですが、止まった本当の原因は度胸ではありません。聞き返しの種類を1つしか持っていないことです。

英語の聞き返しには、少なくとも3種類あります。

  • 全部もう一度(Sorry? / Could you say that again?)
  • 分からなかった部分だけ(Sorry, the what? / You said we meet at...?)
  • こういう意味かと確かめる(Do you mean ~? / So you're saying ~?)

1つ目しか持っていないと、2回目で手札が尽きます。2つ目と3つ目を持っていれば、3回でも4回でも続けられます

そして、ここがいちばん大事なところです。2つ目と3つ目を使うと、相手の言い直し方が変わります。どこが分からなかったのかが伝わるので、相手はそこだけをゆっくり言い直してくれます。同じ文をそのまま繰り返されることが、なくなります。

わざと聞き取りにくい英語を出させて、聞き返しながら最後まで続ける

話す力が伸びる

聞き返しは、知識ではなく反射です。教室でリストを覚えても、本番では出てきません。相手役に少し速く話してもらい、聞き返さないと先に進めない状況を作るのがいちばん速い練習になります。AIなら何度でも付き合ってくれます。

Prompt 01
Let's practice asking for repetition in English.

Rules:
- Speak at a natural, slightly fast speed. Use contractions.
- Do NOT simplify your English unless I ask you to.
- Each turn, say only one or two sentences.
- If I ask you to repeat, repeat ONLY the part I asked about, more slowly.
- Never switch to Japanese.

Topic: (ここに場面を書く。例:I am a new student asking about club activities)

Start now with your first line. After 8 turns, stop and tell me in Japanese which of these three I used, and how many times each:
1. Asking for the whole thing again
2. Asking for one part only
3. Checking the meaning
日本語訳
英語で聞き返す練習をします。

決まり:
・自然で、やや速めの速さで話してください。短縮形を使ってください。
・私が頼まないかぎり、やさしい英語に直さないでください。
・1回の発言は1文か2文にしてください。
・私が聞き返したら、==聞かれた部分だけ==を、ゆっくり言い直してください。
・日本語に切り替えないでください。

場面: (ここに場面を書く。例:私は新入生で、部活について尋ねています)

最初の1文から始めてください。8往復したら止めて、私が次の3つのどれを何回使ったかを日本語で教えてください。
1. 全部もう一度
2. 一部分だけ
3. 意味の確認

使いかた

  1. 1 場面は、自分が実際に置かれそうなものにしてください。空港でも、留学先の教室でも構いません
  2. 2 聞き取れなかったら、声に出して聞き返します。打ちこむだけでは練習になりません
  3. 3 同じ聞き返しを2回続けて使わない、という縛りを自分にかけてください。ここが練習の中心です
  4. 4 最後に出てくる集計を見ます。1番ばかりになっていたら、それが今の自分の手札です

こんな形で返ってきます

入れたもの(例)

場面: I am a new student asking about club activities

返ってくる形(抜粋)

AI: Hey, are you signing up for anything? Tryouts for most clubs wrap up by Friday. あなた: Sorry, tryouts for most clubs...? AI: Wrap up. They finish. Most clubs finish their tryouts by Friday. あなた: So you're saying I have until Friday? AI: Right. Friday afternoon, actually. (8往復後) 1. 全部もう一度: 0回 2. 一部分だけ: 3回 3. 意味の確認: 2回 1番を使わずに続けられています。

返ってきたら、この一言を続ける

  • Speed up a little and keep going.

    もう少し速くして、続けてください。

  • This time, use words I probably don't know.

    今度は、私が知らなそうな語を使ってください。

「やさしい英語に直さないで」と先に書くのが要です。書かないと、AIは親切に言い直してくれます。それでは聞き返す場面が生まれません。

自分の聞き返しが1種類に偏っていないか、場面別に書き分けさせる

書く力が伸びる

3種類あると知っても、とっさに出るのは使い慣れた1つだけです。同じ場面を3通りで書き分けてもらい、並べて見ると、自分がどれを持っていないかが目で分かります。並べることが目的なので、正解を1つに絞らせません。

Prompt 02
I could not catch what the other person said. Here is the situation:

"""
(相手が言ったことを、聞こえたところまで英語で書く。分からなかった部分は ??? と書く)
"""

Give me exactly three ways to respond, in this format:

WHOLE: <ask for the whole sentence again>
PART: <ask only about the part I missed>
CHECK: <say what you think you heard and check it>

Then add one line in Japanese:
使い分け: <in which situation each one is best, in Japanese>

Keep each response under 10 words. Do NOT add any other options.
日本語訳
相手が言ったことを聞き取れませんでした。状況は次のとおりです。

"""
(相手が言ったことを、聞こえたところまで英語で書く。分からなかった部分は ??? と書く)
"""

返し方をちょうど3つ、次の形式で出してください。

WHOLE: <文全体をもう一度お願いする言い方>
PART: <聞き取れなかった部分だけを尋ねる言い方>
CHECK: <自分が聞き取れたと思う内容を言って、確かめる言い方>

そのあと、日本語で1行だけ足してください。
使い分け: <それぞれどんな場面に向いているか、日本語で>

どれも10語以内にしてください。ほかの選択肢は足さないでください。

使いかた

  1. 1 実際に聞き取れなかった場面を思い出して書きます。授業中の先生の一言でも構いません
  2. 2 分からなかったところを ??? にするのが要です。そこが PART の答えになります
  3. 3 3つが返ってきたら、自分がふだん使っているのはどれかを確かめます
  4. 4 使っていない2つを、声に出して5回ずつ言います。読むだけでは口に残りません

こんな形で返ってきます

入れたもの(例)

We're meeting at the ??? at nine.

返ってくる形(抜粋)

WHOLE: Sorry, could you say that again? PART: Meeting at the what? CHECK: So we meet at nine, but where? 使い分け: WHOLE は相手が初対面のとき。PART はどこが分からないかがはっきりしているとき。CHECK は時間など一部は聞き取れていて、残りだけ確かめたいとき。

返ってきたら、この一言を続ける

  • Make the PART one sound more polite.

    PART の言い方を、もう少し丁寧にしてください。

  • Which one would you use with a teacher?

    先生に対して使うなら、どれを選びますか。

10語以内と縛ってください。縛らないと、I'm terribly sorry but I'm afraid I didn't quite catch... のような長い文が返ってきます。とっさには出ません。

「何が分からなかったのか」で、聞き返しを分類させる

読む力が伸びる

聞き返しの表現集はどこにでもありますが、ただ並んでいるだけでは選べません。速すぎたのか、語を知らなかったのか、音がつながっていたのか。原因ごとに分けてもらうと、その場でどれを使うかが決まります。

Prompt 03
Make a table of English phrases for when I cannot understand a speaker.

Sort them by the REASON I did not understand, not by politeness:

1. They spoke too fast
2. I did not know a word they used
3. I heard the words but not the meaning
4. It was too noisy / I could not hear at all

For each reason, give exactly two short phrases and the Japanese meaning.

After the table, add one line in Japanese:
⚠ <one phrase from this list that sounds unnatural to native speakers today, and what to say instead>

Do NOT include "Pardon?" without a comment on it.
日本語訳
相手の言うことが分からないときに使う英語の表現を、表にしてください。

並べる基準は、丁寧さではなく==分からなかった理由==にしてください。

1. 相手が速すぎた
2. 相手の使った語を知らなかった
3. 語は聞こえたが、意味が取れなかった
4. うるさくて、そもそも聞こえなかった

それぞれの理由について、短い表現をちょうど2つと、日本語訳を付けてください。

表のあとに、日本語で1行だけ足してください。
⚠ <この中で、いまの英語圏では不自然に聞こえる言い方を1つと、代わりに何と言えばよいか>

「Pardon?」を入れるときは、必ず説明を添えてください。

使いかた

  1. 1 返ってきた表を、印刷して筆箱に入れてください。とっさに使うものは、画面より紙のほうが速いです
  2. 2 4つの理由のうち、自分に多いのはどれかを1つ選びます。たいてい1番か2番です
  3. 3 その2つの表現だけを、今週は使い切ると決めます。8つ全部は覚えません
  4. 4 最後の ⚠ の行は、必ず読んでください。教科書で習った言い方が挙がることがあります

こんな形で返ってきます

入れたもの(例)

(そのまま実行)

返ってくる形(抜粋)

1. 速すぎた Could you slow down a little?(もう少しゆっくりお願いできますか) Sorry, that was a bit fast.(すみません、少し速かったです) 2. 語を知らなかった What does ~ mean?(〜はどういう意味ですか) Sorry, the what?(すみません、何ですって) 3. 意味が取れなかった Do you mean ~?(〜ということですか) Sorry, I'm not following.(すみません、ついていけていません) 4. 聞こえなかった Sorry, I couldn't hear you.(すみません、聞こえませんでした) It's a bit loud in here.(ここ、少しうるさいですね) ⚠ Pardon? は教科書によく出ますが、いまの日常会話ではやや古風でかたく響きます。ふだんは Sorry? で十分です。

返ってきたら、この一言を続ける

  • Add two phrases for online meetings with bad audio.

    音声の悪いオンライン会議で使う表現を2つ足してください。

  • Which of these is the most common in real conversation?

    この中で、実際の会話でいちばんよく使われるのはどれですか。

丁寧さではなく原因で並べさせるのが要です。丁寧さ順の表は世の中にたくさんありますが、その場で必要なのは「なぜ分からなかったか」のほうです。

AI相手に、声に出してみる

音声を聞いて、そのまま真似してください。AIとの英会話は、この一言から始まります。

Sorry, the what?

すみません、何ですって。

Do you mean the one on the second floor?

2階のほうのことですか。

Sorry, I'm not following.

すみません、話についていけていません。

AI時代の英語学習、ここだけは

同じ聞き返しを2回使うと、会話が止まる

Sorry? と言って、相手が言い直す。それでも分からない。ここでもう一度 Sorry? と言うのは、とても言いにくいものです。

理由は、相手に渡している情報が増えていないからです。1回目と同じことしか言っていないので、相手も同じように言い直すしかありません。

ところが2回目に Sorry, the what? と言えば、話が変わります。どこが分からなかったかが伝わるので、相手はその1語だけを取り出して、ゆっくり言ってくれます。

聞き返しは、相手への指示でもあります。どこを直してほしいかを伝えるほど、返ってくるものが正確になります。

Pardon? は、教科書ほどには使われていません

学校で最初に習う聞き返しは、たいてい Pardon? です。ですが、いまの日常会話ではやや古風で、かたい響きになります。

ふだん使われているのは、圧倒的に Sorry? です。語尾を上げて、短く。これだけで通じます。

⚠ 誤解しないでください。Pardon? が間違いというわけではありません。かしこまった場面では、いまも使われます。ただ、友だちとの会話で毎回これを言うと、少し硬く聞こえます。

教科書で覚えた言い方が、いちばん自然とはかぎらない。これは聞き返しにかぎった話ではありません。

分かったふりは、あとで必ず高くつく

聞き返すのが気まずくて、うなずいてしまう。誰にでもあります

ですが、分かったふりをしたその場では何も起きなくても、あとで必ず困ります。待ち合わせの時間を間違える。課題の締め切りを取り違える。

そして相手の側から見ると、聞き返してもらったほうが、はるかに助かります。伝わっていないまま話を進められるほうが困るからです。

聞き返しは、失礼な行為ではありません。最後まで聞くつもりがある、という合図です。そう思えると、2回目の Sorry? が少し言いやすくなります。

⚠️ 使うときの注意

⚠️ AIとの練習には、本番に無いものが1つだけあります待ってくれることです。

AIは、こちらが黙っていてもいつまでも待ちます。実際の会話ではそうはいきません。沈黙が2秒続くと、相手は別の話を始めてしまいます。

ですから、この練習では詰まったら必ず声を出すと決めてください。何も出てこないときは Sorry? だけでも構いません。黙って考えこむ癖がつくと、練習した意味が半分になります。

もう1つ。AIが返す英語は、実際の話し言葉より整っています。速さは指定できても、言い直し、言いよどみ、途中で話題が変わることまでは再現しません。本番の難しさは、そこにもあります。

聞き取れないこと自体は、何年やってもなくなりません。母語でも聞き返すのですから、当たり前です。

変えられるのは、聞き取れなかったあとの数秒のほうです。そこに手札が3枚あるかどうかで、会話が続くか止まるかが決まります。

今日やることは1つです。Sorry, the what? を10回、声に出して言ってみてください。たった4語です。これが2枚目の手札になります。

次に聞き取れなかったとき、口が勝手に動きます。

原田高志

動画で見る

英語で聞き返すときの言い方(ケンブリッジ) (Learn English with Cambridge) 今日の3種類の聞き返しを、実際の発音つきで確かめられます。

よくある質問

英語が聞き取れなかったとき、何と言えばいいですか?

いちばん短くて自然なのは Sorry? です。語尾を上げて短く言います。2回目からは、聞き取れなかった部分だけを尋ねる Sorry, the what? や、内容を確かめる Do you mean ~? に切り替えてください。同じ聞き返しを続けると、相手も同じように言い直すしかなくなります。

Pardon? は使わないほうがいいのですか?

間違いではありませんが、いまの日常会話ではやや古風でかたく響きます。かしこまった場面では使われています。友だちとの会話や学校生活では、Sorry? のほうが自然です。