
今日のグーグルロゴ(Google Doodle)は「シティポップ(Japan City Pop)」!
「シティポップ」という言葉を聞いて、思わず1980年代のネオンと夜風を感じる人もいるだろう。今日8月5日のGoogle Doodleは、そんな“都会の夜の魔法”を象徴するデザインだ。ピンク色のクーペが南国の並木道をドライブし、夜空に音符が舞い上がる――昭和の憧れとノスタルジーが交差するワンシーンだ▼シティポップは、1970年代後半から80年代にかけて日本で生まれた音楽ジャンルだ。バブル景気の高揚感、都会のきらめき、海外のジャズやディスコの洗練…。そんな要素をぜいたくにミックスし、車の窓を開けて流せば、気分だけは一気に“トーキョー湾岸”へ。夜景や高級レストラン、ブランド物に憧れる若者たちの甘酸っぱい青春。それがシティポップだ▼今またこの音楽が“熱狂的リバイバル”を迎えている。YouTubeやTikTokでは「真夜中のドア」や「プラスティック・ラブ」が世界中で再生され、アナログレコードも飛ぶように売れているという。実際、Googleで「City Pop」が検索されるのは、夏になるとぐんと増えるそうだ。海沿いのドライブや、エアコンの効いた部屋でチルする夜――そのどちらにもシティポップはよく似合う▼私自身、松原みきや山下達郎の曲を久しぶりに聴くと、どこか懐かしい気持ちになる。子どもの頃や若い頃、テレビや家族の車の中、街のスピーカーから流れてきたあの雰囲気……。はっきりとした思い出ではないけれど、シティポップの音の中には、いつのまにか自分の記憶や風景が溶け込んでいるような気がする。古びた音なのに、なぜか今聴いても新しく感じる。シティポップは、記憶の奥に眠っていた“あの頃の空気”さえも呼び起こしてくれる、そんな不思議な音楽だ▼もし今夜窓の外に星が輝いていたら、あなたもぜひお気に入りの一曲を流してみてほしい。そして、Googleのスペシャルロゴのように、心の中に小さな“ドライブイン夜景”を作ってほしい。シティポップが教えてくれるのは、「憧れ」と「今」をつなげる音楽の力だ――そんな気がしてならない。

【英語訳】Today’s Google logo (Google Doodle) is “Japan City Pop”!
Hearing “City Pop” may instantly make some people think of neon lights and the night breezes of the 1980s. Today, August 5th, the Google Doodle captures that magical city night: a pink coupe drives down a palm-lined avenue, musical notes soar into the twilight—blending nostalgia and dreams from Japan’s Showa era.
City Pop is a music genre born in Japan in the late 1970s and 80s. It lavishly mixed the excitement of the bubble economy, the sparkle of city life, and the sophistication of Western jazz and disco. Rolling down the window and playing City Pop could instantly transport you to Tokyo Bay; it was the bittersweet soundtrack of urban youth, longing for luxurious nights out and brand-name fashion.
Now, this music has made a huge comeback. Songs like “Mayonaka no Door” and “Plastic Love” are played by fans worldwide on YouTube and TikTok; vinyl records fly off the shelves. Searches for “City Pop” spike every summer. Whether you’re driving by the ocean or chilling in an air-conditioned room—city pop fits the mood perfectly.
For me, listening to artists like Miki Matsubara or Tatsuro Yamashita brings a wave of gentle nostalgia. Maybe you heard these melodies from a TV, your family’s car stereo, or speakers in the city when you were young—not a particular clear memory, but somehow those sounds have blended into your personal landscape. Old-school yet somehow fresh—City Pop has the strange magic to bring back even the atmosphere of days long past.
If the stars are out tonight, why not play your favorite City Pop track? Just like today’s special Google Doodle, you might create a tiny “drive-in nightscape” in your heart. City Pop reminds us of music’s power to connect “longing” with “the present.”
【シティポップのルーツ&豆知識】
シティポップの始まり
発祥は1970年代後半、当時のニューミュージックから派生し、アメリカ西海岸サウンドやAOR、ジャズ、ファンクなど欧米音楽の影響を強く受けながらも、日本語の歌詞や独自の都市的世界観が融合。シュガー・ベイブ、大瀧詠一、山下達郎、竹内まりや、松原みき、吉田美奈子、大貫妙子といったアーティストが基盤を築きました。
バブル経済とライフスタイル
高級車やファッション、都市の夜景やリゾートがシティポップのイメージアイコン。消費が美徳とされた80年代の空気感と共鳴しつつ、大人への憧れや都会の孤独感も表現されました。ウォークマンやカーオーディオの普及で「外で聴く音楽」が当たり前となり、アウトドア向きの爽やかで上質なBGMとしての地位を確立。
世界的リバイバル現象
近年はYouTubeやTikTokで世界中の若者に広まり、「Plastic Love」や「真夜中のドア〜Stay with Me」などがグローバルヒット。本人達が想像もしなかった規模で、懐かしさと新しさが同居する「懐かしい未来の音楽」として再評価されています。海外のファンは80年代のバブル文化やレトロ東京への憧れも強く、このノスタルジーが一大ムーブメントに。
シティポップ豆知識
・歌詞の多くは都会生活の憧れ、夏・海・夜景・ドライブ・切ない恋がモチーフ
・「シティ」は主に東京や湾岸地域を指し、現実と幻想が混じり合う街のイメージ
・バイナル盤人気の影響で、80~90年代オリジナルLPの価格が高騰
・ジャケットアートやMVも洗練された都会的アートが多い
・世界中のクラブやラジオで今も新しいリミックスや再発が登場中
シティポップは、ただの過去の音楽ではなく、「今」を彩る異次元のサウンド。Googleの今日のDoodleは、その世界への“入り口”なのです!